9月10日、「PlayStation LineUp Tour」において、セガゲームスの名越稔洋氏の突然の登壇とともに電撃的に発表された『JUDGE EYES:死神の遺言』。『龍が如く』チームの最新作の主人公役に木村拓哉氏が起用されたことが、ゲームファンだけでなく幅広い層から大きな驚きをもって迎えられた。
木村拓哉氏が主演!龍が如くスタジオの新作ゲーム『JUDGE EYES:死神の遺言』発表。キムタク出演のきっかけやゲーム内容も明らかに
※コーンでチンピラを倒すキムタク
わずか十数分で終わる体験版は、とにかく濃い。何をしてもキムタクというオーラがあふれ出る。そして、もうなにがなんだかわからない楽しさが満ちてくる。
ゲーム部分に関しては『龍が如く』とほぼ同じと言っていい。ドラゴンエンジンで描画された神室町は既視感と、多少の懐かしさすら感じる。チンピラにちょっと絡まれただけで普通に乱闘しているキムタクの姿をみていると、否が応でも“桐生イズム”を感じてしまうところだろう。しかも歌舞伎……いや、神室町という西武新宿駅から歩いて数分で行けそうな気がしてくる架空の町でキムタクを動かせるのは、ただただ理由もなく楽しいのだ。
『龍が如く』シリーズでは芸能人の出演も多い。『龍が如く4』では谷村正義役として成宮寛貴氏がプレイアブルキャラクターとして物語に深く関わっていたり、『龍が如く6』でのビートたけし氏の出演は話題になった。そして国内のゲームだけでなく、海外でも有名俳優を起用した作品は多い。
しかし日本人であれば、「キムタクを動かす」というパワーワードには、いささかおよばない。
1999年春に放送されたドラマ『古畑任三郎』シリーズの特番の犯人役として、「SMAP」が「SMAP」役として出演しても誰も違和感を抱かなかった。圧倒的な知名度は「現実」と「虚構」の壁をやすやすと飛び越える。「キムタク」を動かす。それは男女問わず当時色気づいていた年代の若者が否が応でも意識せざるを得なかった、圧倒的なパワーを持つ「日本のアイコン」を動かすことに他ならない。
それはとりもなおさずかつて日本を席巻したアイドル、カルチャー、おしゃれ、そして時代を自由に動かせるという喜びなのだ。「キムタク」という名前からくる手触り、「キムタク」という存在そのものの質量は確かに存在する。この体験版はそのことにあらためて気づかせてくれる。
現実のパワーを持つアイコンを本当に操作できるということそのもののラグジュアリーさを、ここまで経験できることは今後ないかもしれない。揶揄でも比喩でもなく、本作は『キムタクが如く』なのだ。
※カラオケ館に入れないキムタク
木村拓哉が瀬名秀俊に。木村拓哉が久利生公平に見えたように、物語を通じて木村拓哉が八神隆之にみえる瞬間がくるのか? PVで走っている小野ミチオの中身は誰なのか? 興味は尽きないが、12月の発売を待ちたい。