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『サイバーパンク2077』を4時間プレイして残ったのは「恐怖」──。あまりにも複雑怪奇なナイトシティは、どんな“スタイル”のVも受け入れる

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 先日、9月17日から11月19日へと発売が延期されたオープンワールドRPGの期待作『サイバーパンク2077』

 延期についてはゲーム内のさらなる調整が理由として挙げられていたが、都内某所で開催されたメディア向け体験会でその圧倒的な物量、情報量、作り込みの豊かさに触れたとき、筆者は思わず「延期も当たり前だ」と呟いてしまった。

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 それこそPS4やXbox Oneあるいはそれに準ずるPCで動作は可能なのかと疑ってしまうほどに、ナイトシティは複雑怪奇な都市として、そこで本当に動いていた──(担当者に思わず聞いてみたところ、本作には見えないところでさまざまな“魔法”が仕掛けられているようだった)。

 4時間もあると思った体験会があっという間に終わりに近づくころ、探索しているエリアがワトソンというゲーム内にある6つの地区のひとつのでしかない事実を思い出し、筆者と編集者は率直に言うと恐怖した。

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 その中でも印象的だったのは、さまざまなものが集まってくるナイトシティの魅力と、過剰な監視社会と身体改造が生んだ新しい視覚のアプローチ。この記事では、5時間でも一端をプレイしつくせなかった、本作の濃密な内容をできるかぎり紹介していく。

文/tnhr
編集/ishigenn


すべてを受け入れる『サイバーパンク2077』の舞台「ナイトシティ」

 本作は『ウィッチャー3』で知られるCD PROJEKT REDが開発を進める最新作で、プレイヤーの「選択と結末」に重きを置いた、一人称視点のオープンワールドアクションRPGとなっている。

 原作であるTRPG『サイバーパンク2.0.2.0.』と大まかな歴史的背景を共有しており、さらにそこから独自の設定や要素を加えている。大企業が権力を持ち、過剰な身体改造が当たり前となった2077年の世界、それを象徴するのが本作の舞台である巨大都市「ナイトシティ」。絶望的なまでに貧しい人々と超富裕層がすぐ近くに住居を構えており、ギャングの抗争が止むことはない。

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 本作における「サイバーパンク」とは、企業による過剰な監視網の外で生きるアウトローのこと。プレイヤーはそのサイバーパンクのひとり「V」となってナイトシティでさまざまな仕事を引き受けていくことになる。

 物語の目的は不老不死の鍵を握るインプラント〈Relic〉の獲得だ。目的の達成のため、Vはナイトシティで名を上げるために何が必要なのかを学んでいく。

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 コントローラーを握るプレイヤーは自分が信じる「スタイル」を貫き通せば良い。プレイスタイル、思想、ファッションなどの価値観が、まるでTRPGでキャラクターシートを作成するように、全て操作するキャラクターに反映される。

 FPSが苦手であったり、好きな武器が弱かったりすることもあるだろう。だが、ナイトシティではそんなものは問題ではない。なぜなら、「どんなスタイルであっても受け入れられる世界がナイトシティである」からだ。

 たとえば建物の侵入だけをとっても無数に方法がある。暴力で全てを解決するもよし、ハッキングを駆使するのもよし、コツコツお金を貯めたり、話し合いで済ませることもできる。ゲームシステムの面においてもそれはサポートされている。

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プレイヤーが選べる3つの出自「ライフパス」とガイド役の相棒ジャッキー

 まずゲームをプレイし始めると、多数のカスタマイズパーツで外見を設定するとともに、プレイヤーはVの「ライフパス」を3つからひとつ選ぶことになる。「ライフパス」とはつまり生まれ故郷や出自のことで、どの視点からナイトシティを体験するのかを決めるのだ。

 その影響がもっとも大きいのはゲーム序盤で、それぞれにまったく内容の異なる豪華な導入パートが30分から1時間ほど用意されている。このほかにも、ライフパス専用のサイドクエストも用意されているという。

 また、本編のところどころの会話で各ライフパス専用の選択肢があり、たとえばナイトシティ出身ストリート育ちの「ストリートキッド」であればドラッグに関しての知識が豊富であるため、悪い勧めに対して穏便に対応することができる。

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 ナイトシティの外からプレイをする「ノーマッド」は、過剰にカスタマイズした車で荒野を駆け巡ることができる。基本的に集団で行動するはずのノーマッドだが、Vは一匹狼として、魅力的に映るナイトシティに向かうのだ。

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 また「コーポレート」は、人生の成功者“だった”。大企業アラサカ社のエージェントとして、スーツを身にまとい一流の生活を送っている。だが、訪れる突然の転落によって口座を差し押さえられ、今まで築き上げてきた地位も失ってしまう。会社のストレスとプレッシャーを強く感じていたコーポレートは、自由の身となりストリートでふたたび成功を願う。

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 このようにまったく違う生い立ちの人間たちが集まるのがナイトシティであり、それはVだけでなく街全体で表現されている。さまざまな言語やデザインで彩られた広告やお店に見とれながら、「どこまで創り込むんだ」と困惑してしまうナイトシティの繁華街を歩いていると、とにかくたくさんの人とぶつかる。

 NPCである彼・彼女たちすら同一の人間とは思えず、実際にそれぞれ個性的にしっかりと外見が区別されているのだ。これらはすべて異なるモデルが使用されているわけではないが、髪型やサイバーウェアなどで上手く差別化が図られている。

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 Vにとってナイトシティと同じくらい重要な特異点となるのがパートナーの「ジャッキー・ウェルズ」である。彼はどのライフパスを選択しても必ずパートナーになる存在で、出会いはそれぞれまったく違い、はじめは友好的でない場合もあるが、出身や地位関係なく接してくれる彼の態度に多くの人が惹かれていく。

 ジャッキーはゲーム序盤において出自のまったく異なるVをナイトシティへ導く役割を担っており、おそらく多くのプレイヤーはジャッキーを気に入ることになるだろう。その態度はナイトシティの「誰をも受け入れる」というあり方を象徴しているかのようだ。

 少しばかり無鉄砲で雑なところもあるが、ジャッキーは強靭な肉体と広い心でナイトシティでの生活をサポートしてくれるビジネスパートナーとなっていく。

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ゲーム史上でもっとも多量で複雑な「ナイトシティの広告」

 ナイトシティには「4つのスタイル」──言うならば人々のアイデンティティ、生き方やライフスタイル、信念に当たる設定が存在する。そしてゲーム本編の世界は、これらのスタイルを念頭に置いて表現されている。

 中身よりスタイルである「キッチュ」、スタイルよりも必要性である「エントロビズム」、スタイルよりも中身である「ネオミリタリズム」、スタイルも中身も重要な「ネオキッチュ」

 これらのスタイルは生い立ちや職業、思想が強く反映されており、街を探索するにつれ、建築からテクノロジー、衣装からキャラクターにいたるまで、その影響を目にすることができる。

・「キッチュ」 中身よりもスタイル
ド派手でケバケバしく、挑戦的。消費至上主義の果てにあるのが、このキッチュスタイルだ。チープなプラスチック外装、強烈な色使い。できるだけ多くの注目を集めることに焦点をあてている。

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・「エントロピズム」スタイルよりも必要性
エントロピズムは貧困層によく見られるスタイル。ナイトシティの中でも見捨てられた地区や、社会の底辺層が自力で生き延びることを余儀なくされてきた界隈で目にする。エントロピズムスタイルの製品は無骨で醜いが、とにかく頑丈で、キャッチフレーズが示唆するように、美学よりも実用性を旨とするデザインになっている。

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・「ネオミリタリズム」 スタイルよりも中身
ネオミリタリズムは巨大企業に浸透するスタイルで、洗練された企業のイメージと、厳格な軍隊のデザインを無駄なく融合させている。シティ・センターがこのスタイルの代表例で、そびえ立つ漆黒の高層ビル群や、そこで働く人々のシックな服装が代表例である。

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・「ネオキッチュ」 スタイルも中身も
超富裕層にだけ許されたこのスタイルは、木々に囲まれた巨大なプライベートエステやヴィラなどで目にすることができ、過剰なまでの自己主張が特徴的だ。99.9%の人にとっては夢の中、もしくはブレインダンスでしか見ることのできないライフスタイルなのである。

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 さらにナイトシティで見かける広告は全てゲーム内広告制作チームによって手掛けられており、サイバーパンクのお約束「過剰な消費至上主義」が表現されている。

 それは街角のネオン広告やディスプレイに流れる映像広告だけでなく、Vの自宅にはテレビがあり、CMが放送されていた。良い意味でそれぞれのCMの統一感がなく個性的で、海外旅行先のホテルでなんとなくテレビをつけた時の感覚を思い出す。

 そういった広告の商品は、実際に街中で風景やアイテムとして見ることができる。サイバーパンクのお約束、中華料理デリバリーのもっともらしい容器はもちろん、寿司が並んだ出店なんかも見れる。

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 ゲームプレイ中に印象的だった広告のひとつとして、3人組女性アイドルグループの広告があった。どうやら、ゲーム内でそのアイドルグループのライブにまつわるクエストが存在するらしく、歌も実在するアイドルが歌っているらしいので期待したい。

 この作り込まれた広告表現のおかげで、物語において重要な存在である大企業という存在がどれほど巨大で驚異的であるかがうかがえる。過剰に光る広告の光に照らされながら、Vは受けた仕事を進める。

 この本筋には関係ないはずの予備設定の重厚さと、実際にある物理的な表現が、ナイトシティをよりくっきりと立体的な都市として“存在する”ことを感じさせる。

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プレイヤーVに用意された豊富なプレイスタイルとカスタマイズ要素

 この情報量の多さはナイトシティだけではなく、もちろんV自身にも見られる。本作には厳格なクラスの概念は存在していない。豊富なプレイスタイルの中から、自分の好みに合ったものを選択することができる。

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 成長要素は通常のRPGと同じく経験値によって上昇する「レベル」が存在しており、レベルアップすると能力値ポイントとパークポイントを獲得することができる。

 パークは細かく武器の種類別、プレイスタイル別に分かれているため、「ハッキングできるし近接が強い」「スニーキングできるし遠距離武器の扱いに長けている」「筋力のみ」などなど、さまざまな方向性で成長させることができる。

 なお本作では『ウィッチャー』のように会話だけでなく、攻略方法がそのままルート分岐につながるので慎重に選択していきたい。たとえばデモプレイ中、穏便に済ましたい場面があったのだが、筆者は攻撃のステータスに振りすぎ、また立ち回りを上手くできなかったため、ドンバチを避けることができなかった。

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 レベルのほかに「クレド」と呼ばれる成長要素があり、これはフィクサーの依頼やメインクエスト外での賞金首の撃破など、プレイヤーの行動によって変動するプレイヤーの評判のこと。クレドの値によって、利用できる店の種類が増え、より高品質なアイテムを買えるようになったり、依頼される仕事が増えたりする。

 本作では「スキル」と呼ばれる成長要素は、武器やプレイヤーアクションの習熟度にあたる。たとえば、同じ種類の武器を使い続けることによって、より効果的に扱えるようになる。

自在な肉体改造「サイバーウェア」はUIにも影響を与える

 本作において多くのユーザーが期待していることのひとつとして、外見のカスタマイズがあるだろう。一番最初のキャラクターカスタマイズでは、顔の外見や肌の色、髪型はもちろんのこと、さまざまなタトゥー、デザイン入りの眼球を選択することができる。

 デモプレイの時点で延々とカスタマイズが楽しめるほどの物量だったのだが、製品版ではさらにパーツやバリエーションが追加されるらしい。これらの作業が苦手な方でも、プリセットやランダム生成機能が用意されているので安心してほしい。

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 「サイバーウェア」という本作のメイン要素のひとつは、安着な表現だがなんともサイバーパンクっぽくて魅力的だ。サイバーウェアとは、簡単に言うと肉体の拡張デバイスのことを指す。

 本編には腕のサイバーウェアだけでも数種類あり、たとえば「マンティスブレード」であったら折り畳み式の仕込み刃、「ゴリラアーム」であれば腕力を大幅に強化する。攻撃面だけではなく、「人工肺」を装着すればパッシブスキルのように常時スタミナが回復、「ケレズニコフ」であれば敵の攻撃をかわすときにスローモーション効果が発動されたりと、自分好みのプレイスタイルによってサイバーウェアを選択することができる。

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 本作はFPS方式を採用しているため、特に眼球のサイバーウェアの恩恵が特徴的だ。ライフパス「コーポレート」を選択すると、チュートリアルパートではほかのライフパスとは違い常時株価やニュースが表示される。

 大企業アラサカに務めるものとして、常にそのような情報はチェックしなければならないわけだ。デモでプレイできた範疇、ズーム機能のあるサイバーウェアしか確認できなかったが、このシステムはゲームプレイの視覚効果に新たな面白さを提供してくれるに違いない。

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2077年の娯楽「ブレインダンス」

 ゲーム内の視覚について言及したので、それに関連して「ブレインダンス」と呼ばれる、2077年の世界ではポピュラーな娯楽について紹介したい。これは、人間の記憶を感情や感覚まで含めて記録・編集しヘッドセットを用いて再生する高度なテクノロジーだ。

 現代でいうVRを極めたものだと考えて良いはずだ。特に有名人やインフルエンサーなどの記憶が人気を集めており、スナッフビデオでは殺される側の感情まで体験することができる。その中でもVは、“生モノ”と呼ばれる編集を一切入れていないブレインダンスを使用し、重要なキャラクターやアイテムに関する情報や手がかりを得ることになる。

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 ブレインダンスは「2つの視点」と「3つの知覚レイヤー」を解体された状態で楽しむことができる。2つの視点は「一人称視点」と「三人称視点」、前者は対象の視界をジャックし疑似体験のような性質を持ち、後者はフォトモードのような性質を持っている。

 対して3つの知覚レイヤーは「視覚」「音声」「温度」のことだ。フォトモードのように与えられた空間の中でカメラを動かし、3つの知覚の中からひとつに注目しながら、情報を得ていくことになるだろう。

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 2077年のナイトシティにはあらゆる、「目」が存在している。サイバーウェアによってカスタマイズ可能になった眼球や、ブレインダンスによって獲得する他人の視覚、大企業が作り上げた過剰な監視システム(防犯カメラなどはハッキング可能)。これらの「目」を上手に操ることが本作攻略のカギになるに違いない。


 体験会で感じたことを、これですべて言語化できたとはとても思えない。少しでも気を抜いたら永遠と散歩をしてしまいそうなほどの情報量が、体験できたマップのほんの一部でしかないことには驚くばかりだ。

 ほんの序盤しかプレイしていないのにも関わらず無数の選択がある。おそらく本編では、人によってゲームの受け取り方がまったく変わっていくだろう。そして未来を描いたからこそ生まれる複雑な視覚表現が、よりゲームプレイを豊かにさせている。

 キャラクターのカスタマイズや物語の選択肢、あるいは街の作りなど、いずれかにフォーカスしたオープンワールドゲームはこれまで数多く存在しただろう。しかし、『サイバーパンク2077』は、そのすべての方向性を狂気的に創り込んでいる作品であることを予感させる。

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 本作は発売延期が2度発表されてしまったが、その分しっかりと期待のできる作品となっている。ナイトシティに思いをはせて、気長に発売日まで待とう。おそらくサイバーパンクの都市をこのように体験できるゲームは、ほかに存在しえないだろうから。

ライター
『サイバーパンク2077』を4時間プレイして残ったのは「恐怖」──。あまりにも複雑怪奇なナイトシティは、どんな“スタイル”のVも受け入れる_030
メイプルストーリーで人との関わり方を学び、ゲームのゲームらしさについて考えるようになる。主にRPG、アドベンチャーゲーム、アクションゲームの物語やシステムに興味のある学生。
Twitter:@zombie_haruchan

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