『Papers, Please』のLucas Pope氏の新作『Return of the Obra Dinn』の発売が今秋に決定。特徴的な1bitレンダリング、過去を見ることができる懐中時計を使って謎を解くアドベンチャー

 『Papers, Please』を生んだLucas Pope氏が、新作『Return of the Obra Dinn』の発売を今秋と発表した。
 Steam Storeに本作のページもオープンし、新たなトレイラーも公開された。ストアページによれば、日本語ローカライズも予定されているようだ。

 『Return of the Obra Dinn』は一人称視点のアドベンチャーゲーム。プレイヤーは東インド会社の保険調査員となり、消息を絶ったあと再び姿を現した商船Obra Dinn号で何があったのかを調査することになる。
 主人公は死体に起きた過去の出来事を見ることができる不思議な懐中時計を持っており、時計の能力を使って過去に起きた出来事を帳簿に記すことでゲームは進行していく。

 トレイラーの映像を見てもわかるように、何より特徴的なのは古いパソコン風の「1bit」レンダリングだ。
 製品版でどうなるかはまだ不明だが、すでに配信されている体験版ではデフォルトの古いマッキントッシュ風のグラフィックの他にも、IBM5151風の緑色のグラフィック、Commodore 1084風の青いグラフィックなどいくつかのオールドPCをオマージュしたアートスタイルも用意されている。余談だが、Pope氏が初めてソフトウェアを作ったのは、マッキントッシュプラス上だったという。

デモ版では、死体は周囲に溶け込むような簡素な見た目だったが、製品版ではきちんと服も残されるなど改善されている。
(画像は『Return of the Obra Dinn』Steam Storeより)

 体験版を実際にプレイしてみると、アートスタイルだけでなく、懐中時計を使った過去の出来事の探索にも力が入れられていることがわかる。過去に戻ると自分以外の全ての時間が止まっていて、プレイヤーはその瞬間その場にいた人々の行動を見て回ることができ、ユニークなメカニックとなっている。
 たとえば、デモでは船長室に立てこもる船長に襲いかかる船員たちのシーンが描かれるが、船長室のドアを蹴破る人以外にも、船首から裏に回りこっそりと忍び寄ろうとする船員の姿もある。
 死体を見つけるたびに時間が少しずつ流れるなか、点と点で結ばれた彼らの行動を想像するゲームプレイは、面白い体験になるだろう。

 また、過去の出来事を見ると何故か現在の船の状態も変化する。鍵のかかったドアが開いていたり、通り抜けるのを邪魔する網が消えていたりする。
 懐中時計の謎や過去を見ると現在の状態が変わる理由がゲームで明かされるかはわからないが、1bitアートが描く世界は、そういった現実ではありえない不思議な現象にすら説得力を持たせているように感じる。

過去に戻って謎を解くというアドベンチャーゲームはそう珍しいものではない。だが、特徴的なアートスタイルと、他でもないLucas Pope氏のゲームがそんな単純なものにはならないだろうという期待は大きい。また、オカルトファンである筆者にとっては「誰もいなくなった幽霊船を探索する」という設定は燃える要素だ。
(画像は『Return of the Obra Dinn』Steam Storeより)

 制作を手がけるLucas Pope氏は『Papers, Please』や『The Republia Times』といった個人や小規模チームでのゲーム開発で有名だが、かつてはNaughty Dog『アンチャーテッド エル・ドラドの秘宝』『アンチャーテッド 黄金刀と消えた船団』の開発にも参加していた。
 小規模開発へ強い関心があるようで、『アンチャーテッド 黄金刀と消えた船団』のあとに再び独立。現在は日本で暮らしながら本作の開発を行っている。

 独特なアートスタイルと一筋縄では行きそうもないストーリーが魅力の『Return of the Obra Dinn』。2014年に発表されてから4年間待ちに待った本作もようやく発売となる。
 「今秋」と言われると、ゲームの舞台となるObra Dinn号がイギリスの港町ファルマスに再び現れた10月14日を否応なく思い出させられる。もちろんゲームの発売日と直接関係するわけではないが、Lucas Pope氏の久しぶりの新作の発売が本当に待ち遠しいことだけは確かだ。

文/古嶋 誉幸

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ライター
一日を変え、一生を変える一本を!学生時代Half-Lifeに人生の屋台骨を折られてから幾星霜、一本のゲームにその後の人生を変えられました。FPSを中心にゲーム三昧の人生を送っています。
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