ケンタッキーフライドチキンのゲームファン向けTwitterアカウント「KFC Gaming（@kfcgaming）」は、謎の次世代ゲーム機「KFConsole」の発売を12月11日（金）に延期すると発表した。
「KFC Console」は、嘘か真か“チキングリル搭載”が大きな特徴の超高性能な次世代ゲーム機として、KFC Gamingが2020年6月に突如発表したゲーム機。本来は11月12日の発売が予定されていたが、掟破りとなる発売日当日の延期発表となった。
今年6月に発表されたプレスリリースによると、KFConsoleはケンタッキー・フライド・チキンでお馴染みのバケット型の形状をしており、性能としては「革新的なチキンチャンバー」や「11GHzのZingerプロセッサー」、「120fps/トゥルー4K」、「クロスプラットフォームの互換性」などを特徴としているという。
高価なPC向けCPUでもCPUクロックは4GHz前後、PS5でも最大クロック3.5GHzのCPUを搭載しているのに、11GHzというとんでもないクロックで動作する謎のZingerプロセッサーを搭載し、すべてのコンピュータが冷却に苦労するなかあえてチキンを熱々にするチキンチャンバーを搭載する暴挙。
どう見てもジョークのような次世代ゲーム機だが、発表時にはSNS上で大きな注目を集めた。
We have important news to share with you pic.twitter.com/El2G0IrrAG
— KFC Gaming (@kfcgaming) November 12, 2020
※11月13日に投稿されたKFConsoleの延期発表ツイート
今回の延期発表でKFCGamingは謝罪画像を公開しており、これは12月10日への発売延期を先日発表した『サイバーパンク2077』のパロディだと考えられる（参考ツイート）。
「Hey Everyone, Today, We’ve decided to」という語りはじめや、「The biggest challenge」や「Some of you」と始まる段落ごとの文章は完全に一致している。延期後の発売日は1日だけ違っており、KFConsoleは奥ゆかしく一日ずらした12月11日の発売となる。
KFConsoleの延期理由は、チキンを温める革新的なコンソールを実現するため、グラフィック、連結性、アクセシビリティ、スピード、そしてもちろんチキンチャンバーのすべてが上手く動作することを在宅勤務のなかで確認する必要があるからだという。
「たった29日の延期で何が変わるのかと疑問に思うかもしれませんが……」と、やはり『サイバーパンク2077』で見たような文章によれば、よく分からないが改善された内容はパッチとして配信されるという。文章の最後には「発売日はつねに12月11日でした。よって文字どおり何も変わっていないし、あなた方のうちの何人かが間違ったのでしょう」と暴言を言い放ってすらいる。
KFConsoleが本当に発売されるのかは不明だが、KFCGamingはカーネルおじさんと恋愛できる恋愛シミュレーション『I Love You, Colonel Sanders! A Finger Lickin’ Good Dating Simulator』（Steamストア）を本当にリリースしたり、ビーガン向けのハンバーガーをeスポーツアスリート向けの「eスポーツパフォーマンスバーガー」として宣伝したりしてきた。
一企業のゲームファン向けアカウントの枠に収まらない、暴走とも呼べるプロモーションを続けてきただけに、今回も噓や冗談だと一笑に付すことは難しく、彼らならゲーム機を作りかねない。
なお海外では『サイバーパンク2077』の延期発表の画像をパロディするミームが一時流行していたが、必ずしもすべてのファンが喜んでいたわけではなく、今回もKFCGamingの攻めたネタとなっている。たとえば『PAYDAY2』のデベロッパーはパロディした際に「他人の心配をするより親会社の心配をしろ」と総ツッコミが入り（参考ツイート）、『GUILTY GEAR -STRIVE-』でミームに参加したアークシステムワークスはのちにツイートを削除して謝罪する（参考ツイート）ことになった。
すでに流行が終わったミームに乗っかってまでKFC Gamingが告知したチキンを温められる次世代コンソールの続報は、ひとまず12月11日（金）を待つことになった。
ライター／古嶋誉幸
