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本体温度を“ホットプレート”で調整するファミコン版『ドラクエ3』のRTA世界記録が更新。電源バグを活用し序盤から最強パーティを呼び出す

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 12月27日より開催されたリアルタイムアタック(RTA)のイベント「RTA in Japan 2020」にて、ファミリーコンピュータ用ゲーム『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』(以下、ドラクエ3)の「Any%」スピードラン競争が披露された。

 ランナーはばくぜろ氏、ひっしー氏、ピロ彦氏、そしてlime氏の4名で、ホットプレートでゲーム機本体を温めながらプレイするという異常な光景が繰り広げられた。強力なパーティが構成されたバグデータを即座に呼び出すための行為で、Twitterでは『ドラクエ3』が「ホットプレート」とともにトレンド入り。結果としてはひっしー氏が22分7秒でゲームをクリアし見事に世界記録を更新している。

 この電源バグは当初ツインファミコンでしか再現できないとされていたが、検証により通常のファミコンや互換機でも再現可能だと判明。さらに、本体の個体値やカセットのロット、そして温度などによってある程度バグの内容が偏ることも分かった。

 これらの検証や「本体ガチャ」による厳選などにより、ランナー4人中3人が最初の挑戦で欲しいデータを引き当てるほどの再現率を実現している。

 ランナーのひとりであるピロ彦氏は、「電源バグ」について自身のブログにてさらに詳しく解説してくれている。興味があればこちらも読んでみてほしい。

 電源バグのためにホットプレートを使ったのは、本体やカートリッジを理想的な温度に保つのにちょうど良かったためだという。ひっしー氏は理想のデータを引き当てるため、本体の温度を一定に保つためのホットプレートだけでなく、本体も大量に買い込んでいたことをTwitter上で報告している。

 逆に本体によっては冷却した方が記録が出る場合もあるようだ。「本体ガチャ」という言葉を世に知らしめたというばくぜろ氏は、保冷剤で本体を冷却しながらRTAに臨んだ。本番ではあえて画面をバグらせたまま、記憶を頼りに突き進むという離れ業も披露していた。

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(画像はTwitch「RTA in Japan 2020」より)

 理想的なデータを得るには、本体の厳選と温度管理も重要。勝負はレース前に始まっており、情熱がなければ記録達成は難しい。走者たちは、それぞれの検証した本体に見合った方法で温度を管理している。

 競技終了後、ひっしー氏は世界記録更新を祝して「結構高い肉」を食し、『ドラクエ3』Yakiniku%世界記録も樹立した。

ライター/古嶋 誉幸

ライター
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一日を変え、一生を変える一本を!学生時代Half-Lifeに人生の屋台骨を折られてから幾星霜、一本のゲームにその後の人生を変えられました。FPSを中心にゲーム三昧の人生を送っています。
Twitter: @pornski_eros

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