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Team NINJAが放つダーク「三国志」死にゲーは一体どんなゲームなのか? 攻防一体の中華アクションを取り入れた『Wo Long』(ウォーロン)は、難易度設定をつけないことですべてのプレイヤーに同じ体験を提供したいという硬派なこだわりが詰まっていた

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ユーザーの操作に対して「公平さ」を担保することで、爽快感が生まれる

──Team NINJAだったり安田さんの考え方としては、ボタンを押していく気持ち良さを重視されている印象があって。「仁王」だとそこが「構え」による攻防に表れていたと思うんです。それが今回、中華アクションになるとどうなるんだろうな? と。

安田氏:
 今回は「仁王」よりもアクションに振っているかなと思います。わかりやすく言うとジャンプがありますし、スタミナはありません。「仁王」の場合、主人公が侍だったので、そうした方向には振れなかったというのがあるんですけど。

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──「スタミナがない」というのは重要な情報だと思うのですが、ということは、わりとスピーディーさがあるバトルになっているのですか?

安田氏:
 敵も全体的に、かなりアグレッシブになっていますね。「仁王」だと主人公だけではなく敵もスタミナを持っていたので、お互いにジリジリするような時間がありました。もちろん今回も、ある程度駆け引きを成立させるために、敵にも制約というか共通のルールがありますが、アクションゲームらしさという意味では、『Wo Long』のほうが上かなと思っています。

山際氏:
 少し概念的な話ですけど、プレイヤー自身がケレン味のあるアクションに酔いながら、高揚感の中でギリギリの戦いを制する、みたいなことをやりたいなと思っていて。しかもそのアクションの中で、攻と防が一連の流れで変わる。

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 映画とかでもあるじゃないですか、一瞬でシュッ! って避ける気持ちよさだとか、ギリギリの攻防のカッコ良さみたいなところを、手触り込みでうまくアクションに落としていきたいというのが目標というか、狙っているところです。

安田氏:
 ただ、なんて言うんでしょう……「真・三國無双」などが持っている爽快感とはまったく違うものですね。入力や敵の攻撃への対応で正しい解を取れた場合であれば、どこまででも気持ちよさに振れるかなと思います。ある程度高いハードルがあるからこそ、そこをうまくなって乗り越えていくループだと思うので。そういった気持ちよさというか、達成感というか。

──現在のアクションゲームの潮流として、大きく2パターンあるかなと思っているんですね。

 ひとつは『Marvel’s Spider-Man』のように、ボタンを押していくといろんなアクションが自動的に出て気持ちいいよね、楽しいよねっていうもの。それに対して『ダークソウル』や『仁王』だと、ある程度はホーミングしたりもしますけど、プレイヤーの押したボタンと起こるアクションが基本的に一体化しているんですよ。だから自分自身で間合いなり当て方なりを工夫して遊ぶ。この2大派閥に分かれていると思っていて。

 Team NINJAだったり安田さんの考え方は、後者かなと思っているんですけど。

安田氏:
 それで言うと、完全に後者ですね。私自身はオートマチックのクルマしか乗れないんですけど、マニュアル車っぽい考え方かなと思います。

一同:
 (笑)。

安田氏:
 やっぱり、ユーザーさんがやったことをキチンと返してあげることが大事で。そこをフェアにすることで「自分が間違ったから死んだ」というのを腑に落ちるようにしたいなと思っています。

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 死にゲーっていうものは、そこがないと公平さがまったく担保されないと思いますから。もちろん、簡単な操作で派手なアクションが出るっていうのも気持ち良さだし、爽快感だと思うんですけどね。でも自分としてはやっぱり、公平さだったり、プレイヤーがちゃんとやったからってところと爽快感はセットだと思いますし、それはずっとやっていきます。

 だから華アクションといっても、いわゆるワイヤーアクションみたいなものにはならないようにと、強く意識していました。そうなってしまうと操作だったり、グリップ感だったりってところがどんどん変わっていってしまうので、プレイヤーとの一体感がなくなってしまうんです。

──安田さん自身はアクションゲームに対して「触って楽しいもの」という意識を常に持ってらっしゃると思うんですけど、それをチーム全体が意識するように、どういうふうに共通化や言語化しているのでしょうか?

安田氏:
 良い機会だったのは、新型コロナによる在宅勤務期間ですね。チームのスタッフと一緒に並んでゲームを見られない時期が1年半ぐらいあったので、どうしても言語化せざるを得ないっていうのがありました。

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 単純な話、敵を強くして本当に勝てなくすることもデータ的には可能なんですよ。でも、巨大な敵を出して、そいつに殴られたら一発で死んでしまうという内容だったら、そんなの誰もおもしろいと思わないじゃないですか。そういったところの公平さだったり、プレイヤーがもう1回やりたいと思うかどうか、そもそも触っていて気持ち良いかが大事なので。

 そういう部分を「こういうふうにやると実現できるよ」と、考え方から具体的なデータの細かいところまで話をしたり、「このデータだとこういう問題が起こるから」と言語化するようになっていったかなとは思います。しかもその会話が私と担当のあいだだけじゃなくて、チャットのログとかでみんなに共有されるので。

山際氏:
 なるべく同じ意識を向けるようにっていうのは、今、すごく心がけているんじゃないですかね。

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 要所要所でマイルストーンとしてこういうものを目指しますとか、そのためにこういうものを実現する必要がありますって、ディレクターが目標を定めるんですね。そこに対してみんながアプローチして、認識がズレないようにするというのは、かなり意識してやっていると思います。

 今はスタッフ人数が多くなっている、というのもあると思いますけど。

安田氏:
 それはありますね。ありがたいことに、新人が大勢入ってくるので。

──その新人のみなさんは『仁王』や『仁王2』を遊んでいるわけですよね?

安田氏:
 そうですね、そこはすごくメリットだなとは思います。ただ、ゲームを遊んでいることと作ることって違うので。作る立場になってから、もう1回考えてみないといけない。ゲームを遊んで「楽しかったね」っていうのと、それを貪欲に分析したりするのは、まったく意味が違うと思います。

『NINJA GAIDEN』の1作目には、究極のプレイアビリティがあった

──先ほどうかがった「操作とその結果がフェアになる」というのは、日本のアクションゲームの特徴だと思うんです。欧米や中国のゲームのアクションはたしかに気持ち良いんだけど、やっぱり何か違う。それに対してカプコンとかフロム・ソフトウェアとかTeam NINJAが作るゲームは、「操作とその結果がフェアになる」というのを武骨に守ろうとしていると思うんです。

安田氏:
 3Dアクションゲームの流れで見ると、『NINJA GAIDEN』の1作目はものすごく象徴的だったと思うんです。あのゲームには究極のプレイアビリティがあったと思うので。

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 主人公のリュウ・ハヤブサをプレイヤーがあそこまで自由に動かせるゲーム性は、なかなかなくて。なのにそれをも上回ってくる敵の容赦のなさ、みたいなところもある。それによってプレイヤー自身がさらに磨かれていく。そのソリッドさがやっぱり、Team NINJAの作るアクションゲームの特徴だと思っています。

──たしかに。

安田氏:
 だからある種、『NINJA GAIDEN』にはちょっと突き放し過ぎているところもあったなと思っているんです。「すごく手触りが良いんだから、どれだけ難しくても超えてみろ」みたいな。

 でも一方で、マーケットに「ソウル」シリーズのような、究極の公平さを持つゲームが出てきて。Team NINJAの特徴でもある「そういったものを作ろう」という流れから「仁王」の開発が始まった側面があるんです。

 「仁王」なら、たとえば自動で「構え」が変わったりコンボのフローで変わったりっていうことも考え得るんですけど、アクションの公平さを守るために、それは絶対にやらなかった。「構え」が切り替わるのは、あくまで自分が操作をした時だけ。そういったマニュアル操作にこだわるところが、根底としてTeam NINJAのアクションにはあるんです。

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 その公平さやフェアさを、Team NINJAの強みを変えずにどう実現するかってところですごく四苦八苦したのが『仁王』の1作目でした。それが一定の成果につながったというのが今のTeam NINJAの状況なので、次にどういう方向へ行くのかというのは、『Wo Long』では正直まだ探っているところがありますね。

──『Wo Long』でもまだ探っている途中なんですか。

安田氏:
 アクションのペーシングって、ものすごく難しいなと思っています。レベルデザインのぺーシングというのは、ルートだったり3Dの構造だったり、敵の配置だったりっていうところで、ある程度できると思うんです。でもアクションのペーシングになると、たとえば毎フレーム常に操作を入力させて、判断を要求することが楽しいかっていうと、おそらく楽しくない事ははっきりしている。であれば、ある程度積み重ねた自分の有利を演出的に見せることも必要だろうなと。

 だから『NINJA GAIDEN2』や『仁王』では、特定の状態になった時にフィニッシュブローというか、カメラによる演出が入るようになって。『NINJA GAIDEN2』では「滅却」のアクションだし、『仁王』であれば気力を削りきった相手にトドメを刺すところですよね。その演出自体はさっきのクルマの話で言うとオートマにはなるんだけど、あくまでマニュアル操作でチクチクやってきて、「ズバッ!」っていう決めのところで気持ち良い演出が入る形になっているので。

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 そういった演出を入れることは、体感として正しいって感じるようになりましたし、逆にそれがないとちょっとキツいというか、ずっと詰められているような感じになるんですよ。

──なるほど。オートによる派手な演出は、あくまでマニュアル操作を積み重ねた結果としてのご褒美みたいなものだと。

 たしかに、オートでなんか良い感じにコンボが決まるのも、それはそれで楽しいんだけど、でもやっぱりどこかに味気なさみたいなものを感じると思うんです。

安田氏:
 それがおもてなしだと感じられてしまうと、そこに価値を見いだせなくなるんだと思うんです。フロム・ソフトウェアの宮崎英高さんが作られるゲームが、究極そうだと思うんですけど、何よりもフェアで、何よりも冷たいというか。でも冷徹だからこそプレイすることに価値を感じるし、一度それをプレイしたら、他のものがもの足りなくなるっていう側面はあると思います。

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山際氏:
 マニュアル的な操作に、どこまで本質的な価値があるのかという話ですよね。

──以前板垣伴信さんからうかがったお話なんですけど、赤ん坊に部屋の電気のボタンをパチパチ押させると、それだけでキャッキャと喜ぶんだそうです。アクションゲームって結局はそういうことで、何か入力してそれに対するフィードバックがあれば、それだけで気持ち良いし、楽しいんだと。もちろんゲームである以上はいろいろなルールがあるんだけど、アクションゲームって究極的にはルールとか関係なく、触って楽しいかどうか、気持ち良いかどうかってところに、最終的には帰結するんだ、とおっしゃっていて。

 その最先端を走っているのがカプコンやフロム、そしてTeam NINJAというイメージがあるんですよね。

安田氏:
 TeamNINJAって日本だと正直、知名度の低いチームだと思うんです。ただ、海外では多くの方に知ってもらえていて。それってやっぱり、今言われたアクションの手触りの部分なんじゃないかなと思います。言葉をも超える、じゃないですけど……。

 画面とコントローラーがあって、触って気持ち良い、楽しいっていう感情をちゃんと起こせるかどうか。そこを絶対的に守ってきたというのが、海外の方、言葉も違う人たちにも通じ合える真理なのかな、とは思いますね。

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──難しいっていうことと、フェアであるってことは、やっぱり合わせてひとつなんだと思うんです。難しいものをクリアすることに達成感があるのは、やっぱりそこにフェアさがあるっていう前提があるからで。

 そこにオートマのお膳立てがされていると、もちろんそれによる快感もあるんだけど、自分がやりきったという感情に関しては、やっぱり薄まっているんですよね。

安田氏:
 そう思います。なので『Wo Long』でも、難易度は設定できないようにしています。

 もちろん、今はストリーム配信とかいろいろある中で、そこの価値を一元化したほうが良いというのもありますけど、前提として難易度がバラバラだと意味が違ってくるじゃないですか。

山際氏:
 すべてのプレイヤーに同じ体験を提供したい、というのが根底にあって。難易度がバラバラだと、人それぞれで違った印象や感想になってしまうじゃないですか。そこは我々のエゴに近い部分かもしれないですけど、難易度設定はやっぱりつけたくないですね。

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 お互いの攻略を見たりとかもたぶんすると思うんですが、攻略方法っていうのは「この人はこう越えていくのがおもしろい」とか、ひとつじゃないじゃないですか。そういうことが気持ちよさとか、学習とか経験とかを踏まえたうえでの達成感につながってくると思うので。

 それがいろいろブレると、皆さんの評価もやっぱり変わってくると思うので、そこはひとつにしておきたいというのがあります。

魅力的なアクションゲームを作り上げても、それをお客様に「どう伝えるか」が課題

──『Wo Long』の企画を考えるにあたって、たとえば『仁王2』で実現できたこと・できなかったことだったり、反響でちょっと予想外な部分だったりというのはありましたか? それは本作にも反映されてくる部分になってくると思うのですが。

安田氏:
 『仁王』の1作目を作っている時は『仁王2』を作れるとは思っていなかったですし、『仁王2』を作り終わった時も、プレイヤーのみなさんから「早く『仁王3』を遊びたい」と言われるタイトルになるとは思っていなかったんですね。うれしさもありつつですけど、ちょっとまだ信じられないような感覚は正直あります。

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 侍や忍者のゲームが同じ時期に重なって、ほかにも素晴らしいゲームたくさんあったタイミングで『仁王2』を出して、そんな中でも『仁王2』を楽しんでもらえて「早く『仁王3』を」と言ってくださる方がいらっしゃるのは、本当に励みになっています。この『Wo Long』は間違いなく、そういった方たちにも遊んでいただきたいタイトルです。

 「仁王」の2作品を作った6、7年で、スタッフは間違いなく成長したと思います。そのスタッフが今、Team NINJAの中心になっていますし、「仁王」自体もTeam NINJAにとって非常に重要なIPになっていますから。

──『仁王2』って、気持ちよさがすごく印象に残るんですよ。手触りもそうですが、自分の選択した戦術がしっかりハマった時の気持ち良さというか、独特のカタルシスがあるゲームだなと。

安田氏:
 ありがとうございます。そう言っていただけるのは本当に嬉しいですね。

 『仁王2』はすごく魅力的なパッケージができたと思っていて。妖怪というネタもそうだし、秀吉というキャラクターを描き切るという意味でも、ここまでちゃんとやったゲームってないんじゃないかなと思っていたんです。

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 ただ、発売したタイミングではそれがお客様に中々伝わらなかった。そのときから伝え方だとか見せ方というところが、大きな課題だと思っていたんです。

 だから山際がコーエーテクモに入社する話があった時には、『Wo Long』にぜひ入ってもらって、私自身はもちろん、今回初めてディレクターをやるメンバーたちの助けになってもらいたいと感じたんです。

──安田さんは『仁王2』開発時に「作る・伝える・売る」というコンセプトを掲げていました。その「伝える」部分を『Wo Long』では山際さんに任せているわけですか?

安田氏:
 もちろん私も一緒に考えたり、決めたりはするんですけど、そこはいちばんメインでやってもらっているところですね。

──『Wo Long』のことをある程度うかがったので、ちょっと話が逸れますが、山際さんがコーエーテクモゲームスに入られた経緯を聞かせてください。山際さんが入社された際、SIEの吉田修平さんのTweetがバズっていましたが、2021年のときですよね。 

山際氏:
 入社したのは2021年の3月ですね。SIEを2月ぐらいに退職して。

 SIEでは幸いにも『Bloodborne』などグローバル規模のタイトルのプロデュースをさせてもらって、そうした経験を活かして次のことをやりたいなと思っていたんです。

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 その時にちょうど「仁王」シリーズがグローバルで評価されて、Team NINJAが次の階段を上っていくぞ、と端からは見えていたので。そこに自分も入らせてもらうことで、何か貢献できることがないかなと思って。それでもともと知り合いだった安田に、相談させてもらったのがきっかけですね。

──安田さんと山際さんは以前から知り合いだったのですね。 

安田氏:
 最初の出会いは、東京ゲームショウ(TGS)での講演ですね。『Bloodborne』が発売された後に、山際が……当時は「山際さん」ですね(笑)、TGSで講演をやられていて。それがちょうど、私たちが『仁王』の開発を始めたぐらいのタイミングだったんですよ。

 で、その講演の時に、襟川夫妻【※】がいちばん前の席に座っていて。

※襟川夫妻
襟川陽一氏:ゲームクリエイターで株式会社コーエーテクモホールディングス代表取締役社長。シブサワ・コウの別名を持つ。
襟川恵子氏:ゲームデザイナーで株式会社コーエーテクモホールディングス代表取締役会長。

山際氏:
 そうそう、あれはビックリしました。講演の聴衆っていうと、普通は若い方たちが多いなかで、おふたりがいちばん前の席にいて。普通にメモとかも取っているから、講師がいちばん試されてましたよね(笑)。スッゴイやりにくかったですよ。質問もいちばん最初にされるので。

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──質問までされるんですね。

安田氏:
 それで襟川夫妻が「ウチの会社でも講演をやってくれ」と、山際さんに依頼したんです。日吉のオフィスに来られて講演していただいて。あの講演の時は『Bloodborne』宣伝担当の北尾(泰大)さんも来られていましたよね。

山際氏:
 当時は同じ会社だったので。

──コーエーテクモゲームスの内々の勉強会みたいなところに、当時はSIEのメンバーだった山際さんや北尾さんをお呼びしたわけですか?

安田氏:
 そうです。最近はコロナでできていないんですけど、毎年いろんな方に来ていただいていました。山際さんたちの時は、『仁王』の発表直後ぐらいでしたっけ?

山際氏:
 そうですね。

安田氏:
 その時に私は、山際さんにイヤな質問をしましたよね。

山際氏:
 「宮崎(英高)さんといちばんうまくいかなかったことはなんですか?」という質問でした(笑)。

安田氏:
 きっと私もその時、何かうまくいってなかったんでしょうね(笑)。それがたぶん、山際さんと初めて話をさせていただいた時で。

 それからしばらく経って、『仁王』のイベントか何かのときに、山際さんと北尾さんに来ていただいて。発売した後には「ちょっと飲みに行きましょう」みたいな関係になっていって……。

山際氏:
 そのあたりがきっかけですかね。

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──おふたりは年齢も近いのですか?

山際氏:
 年齢は安田のほうが5歳ぐらい若いですね。

安田氏:
 私が老けていて、山際が若く見えるので(笑)。

──『Wo Long』では、山際さんがプロデューサーを務めているのですか?

山際氏:
 プロデューサーは安田で、私は開発プロデューサーという役職ですね。

──プロデューサーと開発プロデューサー、両者の役割の違いはどういったものなのですか?

山際氏:
 全体の管理や、開発の中身に関しては安田が軸になっていて。私のほうは先ほど話にあったように、プロモーションなどを主軸にしています。もちろん、そんなに綺麗に住み分けはできないので、お互いに思ったことを言い合っていますけども。

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編集長
電ファミニコゲーマー編集長、およびニコニコニュース編集長。 元々は、ゲーム情報サイト「4Gamer.net」の副編集長として、ゲーム業界を中心にした記事の執筆や、同サイトの設計、企画立案などサイトの運営全般に携わる。4Gamer時代は、対談企画「ゲーマーはもっと経営者を目指すべき!」などの人気コーナーを担当。本サイトの方でも、主に「ゲームの企画書」など、いわゆる読み物系やインタビューものを担当している。
Twitter:@TAITAI999
ライター
過去には『電撃王』『電撃姫』『電撃オンライン』などで、クリエイターインタビューや業界分析記事を担当。また、アニメに関する著作も。現在は電ファミニコゲーマーで企画記事を執筆中。
Twitter:@ito_seinosuke

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