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「格ゲー×ローグライク」という唯一無二のゲーム、『TOBAL2』のクエストモードの面白さを伝えたい。発売から25周年経っても語り継がれる独特な魅力とは

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プロ格ゲーマーのセンスのみで攻略する猛者現る

 前章で説明した通り『TOBAL2』は操作キャラを鍛えることができ、ダンジョンを進みながら可能な限りシステムを覚えつつボスに挑むのが基本である。
 鍛え方が足りないと、どんどん強くなる敵に対抗できずに時としてゲームを最初からやり直す必要があるのがクエストモードの難しいところだ。しかし2021年にとあるゲーム配信で事件が起きた。

 配信者はチームShinobismに所属する大谷さん。プロの格闘ゲームプレイヤーだ。

 大谷さんはプラクティスダンジョンを偶然にもほぼ素通りできてしまったため、チュートリアルの殆どを飛ばし、全くキャラクターを育成していない状態でクリア。「一度クリアしたダンジョンへは再び入れない」という『TOBAL2』の謎のルールにより、地獄の道を進むことになる。

※通常はもっと簡単に倒せます。

 例えるならRPGで最弱装備のまま高レベルダンジョンに挑むようなもの。こちらの攻撃は敵の体力の5%も削れず、逆に敵から殴られれば体力は著しく削られ、瞬く間にゲームオーバーになってしまう。常人なら諦めるかやり直すところだが、大谷さんはなんとダンジョンに何度も繰り返し挑む事を選択した。

 敵の行動パターンを探り、技を試し、1体ずつ屠っていく。その次の敵に倒されてもダンジョンを最初からやり直し、時間をかけて「処理」していく。

 プラクティスダンジョンの次の「遺跡ダンジョン」の1階には必ず熊が登場するのだが、気付くと彼は7時間もの間、何体もの熊にローキックを加えてピヨらせた後、投げるという行動を繰り返していた。

 はじめは「無謀な行動」と笑っていた筆者たち視聴者もプロ格闘ゲーマーの驚異的な集中力に魅せられていた。大谷さんはほとんど育成せず、格ゲーの技術で全ての敵を葬り、遺跡ダンジョンをクリアしてしまった。

 その後も何回も配信を行い、続く「神殿ダンジョン」もクリアしてしまう。『TOBAL2』はセンスさえあれば、ほぼ無育成でもクリアできるかもしれないという新事実を立証してしまった。

 なお、大谷さんの初回の『TOBAL2』配信はこちら。そして2023年に入り大谷さんは新年という事で(?)『TOBAL2』を半年ぶりにプレイされていた。
 難易度の高い「鉱山ダンジョン」をクリアしてセーブデータの時計の針を先に勧めることができたのか。その結果はこちらの動画で確認できるので、興味のある方はぜひ見ていただきたい。

 走者の蒼乃さくch氏は圧倒的なプレイイングにより1時間ちょっとでプラクティスダンジョンを含む全てのダンジョンを攻略するという記録を持っている。

実は簡単?クエストモード攻略術

 さて、ここまで記事を読んでいただいた方の中には「自分も『TOBAL2』をプレイしたい」という方がいるのではないだろうか。そこで、お勧めの遊び方とダンジョンを進むコツを紹介したい。

 まずプレイするためにはハードが必要となるわけだが、2023年の『TOBAL2』界隈では互換性のあるPS3を使用するプレイヤーが多い(筆者調べ)。もし初代PSが入手できなかったり、動かなくなっていたらPS2やPS3を求めて欲しい。

 だいたいのルールやダンジョンを進むコツは、前述したプラクティスダンジョンである程度覚えられるはずだ。しかしそこで説明されていないテクニックなどもあるため、この記事作成にもご協力いただいたメジロさんの動画をご覧になる事をお勧めする。

 メジロさんの動画は全キャラのコンボからダンジョン攻略の小ネタ、更には誰でもダンジョンを攻略できる方法までも教えてくれる。

 『TOBAL2』は本当に多彩なテクニックがある。お金にお金を投げて合算し、敵にぶつけるとその金額分の大ダメージを与える方法。マイナス石を体力の石にどんどん合成し、大きなマイナス値になった体力の石を敵にぶつけ体力を1にしてしまう方法。防御力の高い敵を利用し、どんどん足技の攻撃レベルを上げていく方法など。よくぞPS時代のゲームにこれだけの要素を入れられたものだと感心してしまう。

 最後にもしよろしければ最近『TOBAL2』を実況した白桃恋花さんの動画をご覧いただきたい。白桃恋花さんは初心者でありながら幸運をつかみ最終ダンジョンを1発クリアしている。

 無敵の薬とマイナス石を用いた堅実なプレイだが、その達成感に溢れている。

 『TOBAL2』は一見難解で理不尽なだけのゲームに思えるが、実はクリアもしやすく感動すら覚える素晴らしい理不尽なゲームなのだ。ぜひ入手できる方は今からでもこの唯一無二の名作を様々な遊び方で味わって欲しい。

謝辞

 本稿の制作にあたり、下記の方々に動画の使用などの許諾をいただきました。ありがとうございます。

メジロさん

Twitter:
https://twitter.com/mejirogetyou

Youtube:
https://www.youtube.com/@user-fl4bj9kd8z

大谷 (otani) l SNBさん
Twitter:
https://twitter.com/otani_saru

Twitch
https://www.twitch.tv/otani_mo

蒼乃さくchさん
Twitter:
https://twitter.com/saku24gottsu

Youtube:
https://www.youtube.com/@user-nn3gc2wk1i

白桃恋花さん
Twitter:
https://twitter.com/renka_hakutou

Youtube:
https://www.youtube.com/channel/UCdXaS3qMHpsJRFumv27VFxw

Furiousさん

Twitter:
https://twitter.com/Furious_blog

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ライター
元ゲームプランナー。現在はWebエンジニアをやりながらゲーム制作を勉強中。動画、イラストなど創作活動にも手を伸ばす。好きなゲームは「TOBAL2」等
Twitter:@shoyofilms
デスク
電ファミニコゲーマーのデスク。主に企画記事を担当。 ローグライクやシミュレーションなど中毒性のあるゲーム、世界観の濃いゲームが好き。特に『風来のシレン2』と『Civlization IV』には1000時間超を費やしました。最も影響を受けたゲームは『夜明けの口笛吹き』。
Twitter:@ex1stent1a

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