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みんな大好き「必殺技の演出」がとにかくスゴい。HoYoverse新作RPG『崩壊:スターレイル』の作り込みがリッチすぎて、全キャラ使ってみたくなってしまう

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ゲームシステムは「王道JRPG」な作りに

 ここからはゲームシステムについて見ていこう。本作のゲームフローは探索パートと戦闘パートが完全に分かれており、フィールドを歩く敵に接触すると戦闘が始まる「シンボルエンカウント」を採用している。

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 探索パートでのUI配置は『原神』を遊んだことのあるプレイヤーなら初見で使いこなせるだろう、おなじみのデザインだ。HoYoverseとしてもかなり気に入っているUIデザインなのかもしれない。
 もちろん、HoYoverse作品を未経験のプレイヤーにとっても遊びやすいUIになっているので、この点についてはとても快適に遊べるといえるだろう。

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画面は見やすくシンプルな作りに。

 さて、そして肝心のバトル部分だが、こちらはとてつもなく堅実な作りと言っていいだろう。各キャラクターは通常攻撃スキル必殺技の3つの行動をとることができ、キャラクターの行動順は画面左上のインターフェースで確認することができる。ターン性RPGとしては王道な作りとなっており、初心者・経験者に関わらず万人が気楽に遊べるゲームデザインになっていると言えるだろう。

 上記の行動順がおそらく戦闘の根幹をなすシステムだろう。これはキャラクターのスキルに「行動順を変化させる」ものが多数あることからもうかがえる。

 また、それ以外にもJRPG的なシステムが目立つ。各キャラクターが持つ必殺技はどれも強力で、さきほど紹介した演出の派手さからもわかる通り、戦闘において非常に重要な役割を持っている。そういった意味では必殺技は本作のメインディッシュとも言える要素だろう。

 そんな必殺技だが、発動はターン経過か被ダメージによってゲージを溜めるというとてもシンプルな作りになっている。
 ターンベースドのため、リアルタイムでの状況判断はそれほど必要とはならない。しかし、本作の必殺技はゲージさえ溜まっていれば自身のターン中でなくても発動できるため、必殺技が絡んだ「駆け引き」は相応に用意されていると感じた。

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バフ要員はパーティにおいて貴重な存在だ。

 例えば、「行動順を変化させて2回行動を取れるキャラクターを用意し、そのキャラクターの必殺技ゲージを溜める」といったものや、「敵に攻撃される前に、必殺技を挟みこんで味方を防御する」など、キャラクターの組み合わせによっては攻略しがいのあるものになっている。

 もちろん、必殺技の見栄えを重視してキャラクターを選んでも良いが、本作は必殺技や行動順以外にも戦闘の行方を左右する要素がある。それが「属性」「運命」の概念である。

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 今日において属性という概念がないRPGは皆無に等しいが、それは『崩壊:スターレイル』でも同様だ。本作に登場する属性は「物理・氷・風・炎・雷・量子・虚数」の7種類で、敵にはいずれかの属性が弱点として設定されている。弱点は初戦闘時から開示されるため、わざわざ敵の弱点を探す作業が必要ないのは個人的に嬉しいポイントだった。

 ではこの弱点属性攻撃を敵に与えるとどうなるのか、本作では「通常より多いダメージを与える」ことのほかに、敵の「靭性」を削るという特性がある。

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 敵キャラクターの上部に表示されている白いバーが「靭性」ゲージだ。弱点属性で攻撃することによってこのゲージが削られ、0になると敵に、属性に応じた状態異常が適用される。
 状態異常は火傷や感電など様々だが、この状態異常で付与される追加ダメージはかなり強力なダメージ源となっている。RPGの状態異常と言えば微々たるダメージしか与えられないというイメージだったが、本作でそのイメージは崩れ去った。

 次は「運命」についてだ。これはRPGゲームにおける「ジョブ」と似ているもので、『崩壊:スターレイル』における運命は各キャラクターのロールを表しており、運命によって戦闘中の役割もがらりと変わる。
 例えば主人公である自身のアバターは「壊滅」の運命をもっており、パーティ内では物理アタッカーの役割をこなす。一方で「豊穣」の運命を持っているキャラクターはいわゆるヒーラーとなり、パーティにバフと回復を与えることに長けている。

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ヒールやシールドなど仲間を守るスキルは多い。

 もちろんこの運命は単なるロール表示以上の意味を持っている。各キャラクターには「光円錐」と呼ばれるカードが装備可能であり、この光円錐によってステータスや特殊な効果を獲得することができる。
 光円錐にも運命が設定されており、運命が一致するキャラクターにはより大きな効果をもたらすため、光円錐からキャラクターを選ぶのもよいだろう。

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光円錐はガチャで大量に手に入る。

 ゲーム全体の流れも見ていこう。ターン制RPGとなったことで、『崩壊:スターレイル』の体験は以前のHoYovrese作品とどのように差別化されているのだろうか。

 まず注目したいのは、本作はオープンワールドを採用していないという部分だ。マップは基本的に小さなエリアが次々と接続されているリニア形式に近い。
 もちろん、さればとてストーリーに関係しないエリアや道中のサブクエスト、またはマップの各所にいる個性的なキャラクターたちなど、退屈しない規模の「寄り道」が用意されている。

メインストーリーの進行も基本的にプレイヤーの導線が決まっており、通路を進んでイベント、さらに進んでイベント、といったふうに、古き良きJRPGの手法で進行していく。
 これを一本道と捉えるか王道と捉えるかはプレイヤーにゆだねられる部分ではあろうが、いずれにせよゲームフローに関してはいかにも「JRPG的」な手触りがうかがえた。

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ナラティブ部分への力の入り方がすごい

 そして、肝心のストーリーに関してはかなり良い感触を得た。メインストーリーが完結していないので本筋のお話について語るのは今回は避けようと思う。それよりも筆者が驚いたのは、圧倒的なドキュメントの数である。

 『崩壊:スターレイル』のマップには膨大な量のドキュメントが配置されている。このドキュメントは世界観をプレイヤーに説明する「環境ストーリーテリング」の役割を果たしているのだが、その量が尋常ではない。

 マップによっては5メートル感覚で配置されており、一つ一つの分量もすさまじいことになっている。内容もさまざまで、機会の通話ログやモブキャラたちの恋文など、真面目なものからふざけたものまで多種多様だ。
 また、ストーリーの道中に挿し込まれる主人公のモノローグもコミカルなものに仕上がっており、電柱やゴミ箱を見つめて延々と考察する姿などお茶目(?)な姿も描写される。

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スマホに見立てた端末で仲間と個別会話も楽しめる

 また、サブクエストはどれも本作における世界観を深堀りするものとなっている。SFを舞台とした本作はとてつもない深度の世界観を持つゲームだが、そういった世界観を注意深く観察し楽しむのであればサイドクエストやキャラクターの会話は重要なヒントとなるだろう。

 しかし注意したいのはやはりそのボリュームであり、正直言って、全てのテキストを読み進めながら進むのはかなりの時間を要する。
 筆者はインプレッションを書くという使命があったため全てを読むことはいまだ叶っていないが、どっぷりと『崩壊:スターレイル』に浸かりたいという方は道中のドキュメントを読破しながら進めるというのも一興だろう。

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道中に出てくるレストランの食レポ本に、ここまでの文量を割いているのはすごい。

 以上が『崩壊:スターレイル』の全体的なインプレッションである。HoYoVerse作品を遊んだことのあるプレイヤーにはもちろんのこと、骨太のRPGを遊びたいゲーマーにもおススメできる仕上がりだと感じた。特に必殺技の演出は他のゲームとは一線を画すクオリティになっているので一見の価値ありだ。

 『崩壊:スターレイル』はスマートフォン(iOS、Android)とPC向けに近日中にサービスを開始する予定だ。星々が輝く宇宙への旅があなたを待っている。

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ライター
大阪在住のゲーマー。ゲームに限らずアニメ、映画など気になったものは何でも取り込む雑食系。オープンワールドのゲームやウォーキングシミュレーターなどが大好き。最近はオンラインゲーム『League of Legends』にドハマりしているが、プレイの腕はイマイチ。
デスク
電ファミニコゲーマーのデスク。主に企画記事を担当。 ローグライクやシミュレーションなど中毒性のあるゲーム、世界観の濃いゲームが好き。特に『風来のシレン2』と『Civlization IV』には1000時間超を費やしました。最も影響を受けたゲームは『夜明けの口笛吹き』。
Twitter:@ex1stent1a

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