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ここでは最新のホラーゲームに至る近代のホラーコンテンツを、見せ物、書籍、映画、マンガ、ゲームなどの中からチョイスし、時系列で並べた。ホラーの定義はできるだけ広く採り、隣接するスリラーやサスペンス、あるいは舞台がホラーテイストであるが内容が別ジャンルのものなども、編集部の独断でリストアップしている。
同様に編集部の一存で製作した年表であるため、“誰が見ても完璧”というものではないことをお断りしておく。誤謬の指摘をはじめ、年表に対するご意見や、どうしても外せない作品の追加要望など、ぜひ編集部のTwitter(@denfaminicogame)宛につぶやいていただければ幸いだ。
ホラゲ大年表とは打ち出したものの、扱っている内容は、ゲームをはじめ、見せ物や書籍、映画、マンガなど、広い意味でのエンターテイメントに及んでいる。というのも、あらためて言うことでもないが、ホラーゲームは単独でムーブメントを作ってきたわけではないからだ。そのときどきの社会に低く響く地鳴りのような時代の空気が、それぞれのメディアを刺激してホラーコンテンツを生成し、それらが神経細胞のように互いに絡み合い、影響を与え合いながら消費されてきたのだ。
ここでは社会の状況を念頭に置いたうえで、これらのコンテンツの大きな潮流を語っていこう。まずは戦後を語るために、近代まで恐怖がどう消費されてきたかの話からだ。
人がなぜ恐怖を楽しめるのかは別の記事に委ねるとして、大陸や半島を経て、さまざまな物語が吹き溜まった日本では、『日本霊異記』、『今昔物語集』、『宇治拾遺物語』など、平安時代や鎌倉時代の時点ですでに怪異を語る“怪談”はひとつのカテゴリーとして書き残されている。これらは猥雑で興味深い話題として、あるいは因果応報など教訓を得る説話として人々に受容され、生活の規範として緩やかに機能していった。
大衆文化が花開く江戸時代まで下ると、その傾向は大いに顕在化する。石燕や応挙のような妖怪・幽霊絵師、国芳のようにときとして妖怪を描く浮世絵師、そして『雨月物語』や『稲生物怪録』などの読み物をはじめ、歌舞伎、大衆芝居、見世物小屋に怪談は人気の題材として登場。ホラーがじゅうぶんに成熟し、消費されていたことが窺える。
これが明治維新という大きな変革を経ると、ホラーは小泉八雲の『怪談』や柳田國男の『遠野物語』などフィールドワークの対象となるとともに、速記本として書き残されたり、開国によって導入された科学を武器にした研究の対象にもなり始める。たとえば心理学者の福来友吉による超能力の研究や、妖怪博士とも呼ばれた井上円了の科学的・哲学的な妖怪研究など、現在に続く、大きな意味でのオカルトの素地はこの時点で形成されていったのだ。
一方、その開国をもたらした欧米はと言うと、18世紀の半ばにゴシック・ロマンスの元祖となる小説『オトラントの城』が登場。幻想文学の端緒となるとともに、後の近代文学にも大きな影響を及ぼす。また、同時期の産業革命を経て社会が科学とともに邁進していくと、そのカウンターとして19世紀から20世紀にかけて、神秘主義を源流にした死後の世界を認める心霊主義(スピリチュアリズム)が社会的な関心を集め、ひとつの流れをなしていく。それは20世紀初頭に心霊主義に傾倒し、妖精の写真の真贋をめぐって、これを“真”と支持したコナン・ドイルのエピソードにも象徴される。
また興業としてのホラーでは、20世紀前半のパリで最盛期を迎えた見せ物小屋グラン・ギニョールにて、エログロ、オカルト、犯罪実録などを題材として演じられたものが著名であり、映画の隆盛までこれは続いていく。
19世紀末にフランスのリュミエール兄弟によって映画が発明され、ホラーの物語は飛躍的に受け手の懐に飛び込みやすくなる。リュミエール兄弟がパリにて催された科学振興会で映画の機構を公開した1895年には、すでに『メアリー女王の処刑』なる20秒足らずのホラー映画の始祖とも言える短編が登場。その後も20世紀初頭には『カリガリ博士』、『オペラ座の怪人』など、大衆の興味をそそる猟奇・犯罪ものなどの作品が製作されていく。
トーキーが隆盛を迎える1930年代には、アメリカで、政府の介入を避けるための業界的倫理規定として反道徳的な描写などを禁ずるヘイズ・コードが成立。これをかいくぐるように、ユニバーサル映画が規定外のゴシックホラーに題材を求め、『魔人ドラキュラ』、『フランケンシュタイン』、『ミイラ再生』、『狼男』など、のちにユニバーサル・ホラーと呼ばれるモンスター作品群をヒットに導く。だがこれらは戦争という大きな分水嶺によって一度その流れを弱めることになる。戦時下の規制もあるが、実際の生命が危機に瀕しているときに恐怖を楽しめるほど、人は鷹揚にはできていないのだ。
18世紀末パリやロンドンにて「ファンタスマゴリー」という幽霊ショーが人気に(エンターテインメント)
1764年『オトラント城奇譚』(書籍)
1776年『雨月物語』(書籍)
1818年『フランケンシュタイン』(書籍)
1819年『吸血鬼』(書籍)
1825年歌舞伎『東海道四谷怪談』初演(エンターテインメント)
1839年『アッシャー家の崩壊』(書籍)
1841年『モルグ街の殺人』(書籍)
1872年『カーミラ』(書籍)
1884年『怪談牡丹灯篭』(書籍)
1886年『ジキル博士とハイド氏』(書籍)
1895年フランスのリュミエール兄弟が映写機を発明(映画)
1896年『悪魔の城』(映画)
1897年『吸血鬼ドラキュラ』(書籍)
1904年『怪談(ラフカディオ・ハーン)』(書籍)
1910年この頃より国産怪談映画が本格的に製作され始める(映画)
1919年『カリガリ博士』(映画)
1921年クトゥルフ神話第一作『無名都市』(書籍)
1922年『吸血鬼ノスフェラトゥ』(映画)
1925年『人間椅子』(書籍)
1929年『アンダルシアの犬』(映画)
1931年『魔人ドラキュラ』(映画マ)
1931年『フランケンシュタイン』(映画)
1932年『恐怖城』(映画)
1932年『ミイラ再生』(映画)
1933年『透明人間』(映画)
1935年『ドグラ・マグラ』(書籍)
1935年『黒死舘殺人事件』(書籍)
1935年『フランケンシュタインの花嫁』(映画)
1936年『インスマスの影』(書籍)
1941年『狼男』(映画)
戦争が終わりを迎えると、日本では物質的な復興よりいち早く、たくましくも娯楽が復活していく。この時代にあってホラーに先鞭をつけたのは、真偽も定かでない猟奇、犯罪ネタを収録したカストリ誌など雑誌文化だった。
また早々に製作を再開した映画は、プログラムピクチャーと呼ばれる製作・配給・興業が一体となった量産体制下にあって大衆の娯楽の王様として君臨。ホラーはそのなかでも中心軸のひとつとなる。それは、ピーク時の1956〜1958年ごろには松竹、大映、東宝、新東宝、東映の主要5社計で、怪談・幽霊などがモチーフの映画が月あたり1本以上のペースで公開されていったことからもわかるだろう。中でも大蔵貢率いる1955〜1961年までの新東宝および、大蔵が62年に立ち上げた大蔵映画では、猟奇や怪奇、換言すればエロ、グロがラインアップのほとんどを占める状態となっていた。
おなじ1950年代から60年代にかけては貸本マンガが勃興する。高度成長経済に向かうさなかにあって、目を逸らされていた貧困や差別など負の側面や、戦前から残る陋習の記憶などが、そこにはさまざまな形で浸出し、それらにもっとも親和性の高いジャンルとしてホラーが機能した。水木しげるや楳図かずおなどもこの貸本マンガでデビューを果たしており、それまで子ども向けが主流だったマンガは、この流れの中でハードな世界観の劇画中心へと変遷し、現在のマンガの源流となる。また、少女マンガにもホラーはより色濃く表出し、ひばり書房、曙出版などの貸本系出版社から描き下ろし作品が次々と生み出され、それは1980年代のホラー少女マンガ誌創刊ラッシュまで連綿と継承されていく。
1950年代の終わりには相次いで少年漫画誌が創刊。1960年代半ばからそれらの口絵で活躍した編集者大伴昌司は、若くしてSFや幻想文学に慣れ親しみ、それらの教養を咀嚼して披露する。世界の奇習や奇祭を紹介する秘境記事に始まり、怪獣の解剖図解、ポーや乱歩など戦前からの怪奇・恐怖文学の紹介、妖怪の総覧や解説、未来世界への憧憬、来たるカタストロフへの警鐘などを、知識に裏付けられたテキストとたくましい想像力、印象深い緻密なビジュアルによって表現し、さまざまな爪痕を当時の少年たちに残す。残しながら、1973年にわずか36歳で夭逝していく。
高度経済成長にさらに拍車がかかると、1960年代には海外旅行が段階的に自由化され、1964年の東京オリンピックや1970年の日本万国博覧会開催など、日本の目は世界へと向き始める。その過程で前述の秘境ブームも発生。その反面、科学の発展と急速な経済成長は、物質文明社会への批判や懐疑を生み、人々の心に得体の知れない影を落とす。それは同じ1960年代末の相次ぐ公害訴訟にも見て取れ、水木しげるの『ゲゲゲの鬼太郎』アニメ化(1968年)による妖怪ブームや、『ウルトラマン』(1966年)、『ウルトラセブン』(1967年)などの第二次怪獣ブームなどにも底通するテーマとしてホラーの姿で描かれていく。また1960年代から70年代にかけてのこの時期としては、澁澤龍彦や種村季弘による幻想文学ブームや、唐十郎の演劇などを含めた、いわゆる“アングラ文化”は、戦後ホラー史への影響を考えるうえで忘れてはならないだろう。
一方、アメリカに目を転じれば、戦後しばらくはユニバーサル・ホラーの文脈から続くホラーコミックが隆盛する。これらは、都市から離れた未開の地に出現するモンスターや顕現する怪異がテーマのものが多く、文明社会の及ばぬ地に潜む非合理が恐怖の対象であったことを示唆する。だがこれらも、ヘイズ・コードと同様に道徳的規範を定めたコミック・コードが1954年に成立すると、60年代半ばにその拘束力が低下するまで、しばらく鳴りを潜めていく。
政治的には、1963年に奴隷解放から100年が経過。マーチン・ルーサー・キング・ジュニアによる人種差別撤廃運動が1964年に公民権法成立を導き、長らく続いた人種差別が法律上、ここでひとつの転換期を迎える。同時期にアメリカ政府はベトナム戦争に本格介入し、これが第三次世界大戦への危惧や、日本同様に行きすぎた物質文明への懸念となり、1967〜68年ごろをピークとするベトナム反戦運動や、精神性への回帰を促すヒッピーの誕生へと発展。正義なき戦いに抗う大きなムーブメントを生み出していくのだ。このヒッピー文化の中心地であった西海岸のマリファナの煙の中から、続く1970年代になってコンピューター産業、延いてはゲーム産業が産声を上げていることも覚えておきたい。
そして1968年10月。このタイミングで登場したホラー映画一篇によって、その後のホラー史は大きな変化を遂げていく。その作品、『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』は、監督のジョージ・A・ロメロ自身が、人間社会のメタファーだと語るゾンビ映画だ。アメリカに根強く残る人種差別や、社会主義陣営との代理戦争たるベトナム戦争による社会不安が、襲うゾンビと、抗う人間と、それらを境界なく撃ち抜く集団として描かれている。
ロメロの描くゾンビは、ブゥードゥーの呪術的なモンスターだったゾンビからその意味合いを剥離させたものだ。因果や怨嗟などとは無関係に迫る現代的な恐怖、すなわちモダンホラーの象徴であり、それまでになかった恐怖の感覚を人々にもたらした。意思を持たず、緩慢な動作で歩み寄り、生者の肉を食べる。襲われた者もまたゾンビとなり、頭を破壊されないかぎり、活動は止まらない。これらの様子は以降無数に生み出されるエピゴーネンたちの規範となり、ホラージャンルの中に大きな潮流をもたらしていく。
こうして社会にもホラーにも新たな世界秩序は構築されていった。その陰で1968年4月にマーチン・ルーサー・キング・ジュニアは暗殺され、翌年8月にウッドストックでカウンターカルチャーは狂乱のピークを迎え、同月のマンソン・ファミリーの事件などにより、より色濃い社会的病理とカルトの匂いを漂わせながら、政治の季節は過ぎていくのだ。
1949年戦後初の日本怪談映画『四谷怪談』公開(映画)
1950年代宝塚ファミリーランドにはすでにお化け屋敷があった。以後、常設型のお化け屋敷が日本各地の遊園地に登場(エンターテインメント)
1951年『遊星よりの物体X』(映画)
1954年『大アマゾンの半漁人』(映画)
1957年『フランケンシュタインの逆襲』(映画)
1959年『東海道四谷怪談』(映画)
1960年頃貸本漫画全盛(マンガ)
1960年『サイコ』(映画)
1960年『血を吸うカメラ』(映画)
1960年『墓場鬼太郎』(マンガ)
1963年『マタンゴ』(映画)
1963年『悪魔くん』(マンガ)
1965年『怪談』(映画)
1965年『ねこ目の少女』(マンガ)
1968年『ローズマリーの赤ちゃん』(映画)
1968年『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド:ゾンビの誕生』(映画)
1968年『ゲゲゲの鬼太郎(アニメ第1作)』(アニメ)
1968年『妖怪人間ベム』(アニメ)
1969年『悪魔のワルツ』(書籍)
1969年カリフォルニアのディズニーランドに『ホーンテッド・マンション』がオープンする(エンターテインメント)
1969年『おろち』(マンガ)
1970年『家畜人ヤプー』(書籍)
1970年『幽霊屋敷の恐怖 血を吸う人形』(映画)
1971年『ゲゲゲの鬼太郎(アニメ第2作)』(アニメ)
1972年『漂流教室』(マンガ)
1972年『魔太郎がくる!!』(マンガ)
1972年『デビルマン』(マンガ)
1970年に開催された大阪万博のテーマは「人類の進歩と調和」。未来を賛辞するきらびやかなパビリオンでの展示の数々にも、その実、行きすぎた科学を不安視するような未来への警鐘は潜んでいた。この潜在的な不安感をより明確な形で呈示したのが、1973年3月に発表された小松左京のSF長編『日本沈没』だ。相次ぐ自然災害によって繁栄を謳歌していた日本が沈没の危機に瀕し、政府の思惑、個人の思想と意志などが入り乱れつつ物語は進んでいく。
この1973年は日本のホラーやオカルトの動向を考えるうえでターニングポイントになる年であり、前述の『日本沈没』を皮切りに、爆発的にこうした傾向のコンテンツが噴出していく。
4月には紀田順一郎と荒俣宏の編集による雑誌『幻想と怪奇』が刊行。巻ごとに魔女、吸血鬼、黒魔術、クトゥルフなど特集を組み、通巻で12冊が登場する。同4月には、後に矢追純一によるUFO特番や、謎の怪奇人間オリバー、そしてスプーン曲げで著名なユリ・ゲラーを軸とした超能力特集などを放映するテレビ番組『木曜スペシャル』枠が開始となる。夏にはお昼のワイドショー内で、“あなたの知らない世界”と題して視聴者の体験した恐怖・心霊体験を集め、放送作家の新倉イワオなどが分析・解説するコーナーが登場。9月には週刊少年チャンピオンでマンガ『恐怖新聞』を、11月には週刊少年マガジンで『うしろの百太郎』をつのだじろうが連載開始。そして同じ11月には、世界が1999年7の月で終わると語る五島勉の新書『ノストラダムスの大予言』が刊行に。予言の1年前、1998年8月時点で450版を重ね、209万部を売る大ベストセラーとなるのだ(映画化は翌年)。年末には発端となった『日本沈没』の映画が公開され、オカルト・ホラーなどのブームは勢いが衰えるどころか、さらに加速していく。また、石原慎太郎を隊長とした“ネッシー国際探検隊”が伝説の興行師、庚芳夫によって結成され、UMAブームに火が点くのもこの年だ。
いまとなっては信じがたいのは、これらのコンテンツがアンダーグラウンド、あるいは後に言うサブカルチャーとして展開されていたわけではなく、昼間やゴールデンタイムのテレビ、少年マンガ誌上などでメインストリームで展開されていたという事実だ。
前述のように1974年3月にはユリ・ゲラーが来日し、超能力ブームが巻き起こる。同7月には、前年末に公開され、アメリカで興行成績1位を記録していたホラー映画『エクソシスト』が鳴り物入りでロードショー。人々が映画館前に行列をなし、社会現象にまでなった。これ以降、『悪魔のいけにえ』(1975年)、『オーメン』(1976年)、『キャリー』(1976年)、『イレイザーヘッド』(1977年)、『サスペリア』(1977年)、『ハロウィン』(1979年)、そしてロメロの金字塔『ゾンビ』(1979年)、SFホラー映画の嚆矢たる『エイリアン』(1979年)など、いまも人々に絶望を突きつけ続けるホラー洋画群が、わずか5、6年の間に次々と登場するのだ。
またこの1970年代には、終戦以来、科学の前に封印されていたように見えた心霊語りが復興。1960年代半ばから怪談、猟奇、スリラー、超能力などに関する著書を多く持っていた中岡俊哉が『恐怖の心霊写真集』を1974年に発売。心霊写真なるものが一般に認知され、1990年代末〜2000年代初頭のデジタルカメラの普及まで延々と生み出され、語られていくことになる。この中岡俊哉は1970年代のオカルトブームを語るうえでは欠かせない人物。2001年に没するまで年間5冊以上のオカルト関連書を精力的に著し続けた。
1976年には、ネッシーに続いて庚芳夫がヒトとサルをつなぐ未知の生物としてオリバー君を招聘。『犬神家の一族』が公開され、戦後まもなくの日本の土俗的な恐怖を描く横溝正史作品のブームが、角川春樹の戦略により巻き起こるのもこの年だ。1978年には『未知との遭遇』が公開。UFOブームは加熱する。1979年の春には、口裂け女の都市伝説が、インターネットも携帯電話もない時代に瞬く間に全国的に流布し、子どもたちを恐怖の底へと落とし込んでいく。この洗礼を受けた子どもたちが、後にJホラーブームの担い手となるのは想像に難くない。
1979年には雑誌『ムー』が創刊。1980年代に入っても『13日の金曜日』(1980年)、『シャイニング』(1980年)、『死霊のはらわた』(1985年)、『エルム街の悪夢』(1986年)とホラー映画は公開され続け、心霊、サイコ、スプラッター、都市伝説、あるいはUFO、UMAなどあらゆるオカルト要素が入り乱れたまま、日本のホラーは多種多様に分岐し、同発的に訪れたロリコンブームや、ファミコンブームなど、いろいろなものを巻き込みながら深化。表現はより過激に先鋭化し、来たる特異点まで突き進む。
1973年TV番組『お昼のワイドショー』内のコーナーとして『怪奇特集!!あなたの知らない世界』放送(TV)
1973年『恐怖新聞』(マンガ)
1973年『うしろの百太郎』(マンガ)
1974年『エクソシスト』(映画)
1974年『ヘルハウス』(映画)
1974年『悪魔のはらわた』(映画)
1974年『悪魔のいけにえ』(映画)
1974年『洗礼』(マンガ)
1975年『エコエコアザラク』(マンガ)
1976年『オーメン』(映画)
1976年マンイーター
1976年『蔵六の奇病』(マンガ)
1977年『キャリー』(映画)
1977年デスレース
1977年『ザ・チャイルド』(映画)
1977年『シャイニング』(書籍)
1977年『ハウス』(映画)
1977年『地獄の子守唄』(マンガ)
1978年『ゾンビ』(映画)
1979年『ハロウィン』(映画)
1979年『デッド・ゾーン』(書籍)
1979年『エイリアン』(映画)
1979年都市伝説『口裂け女』が爆発的に流布(社会現象)
1980年代都市伝説『トイレの花子さん』流布(社会現象)
1980年『サンゲリア』(映画)
1980年『13日の金曜日』(映画)
1980年『シャイニング』(映画)
1981年『ゾンゲリア』(映画)
1981年ホーンテッド・ハウス(VCS)
1981年『イレイザーヘッド』(映画)
1981年『ハウリング』(映画)
1981年『夢幻紳士』(マンガ)
1982年『遊星からの物体X』(映画)
1982年『幻獣少年キマイラ』(書籍)
1983年東京ディズニーランドにて「ホーンテッドマンション」がオープン(エンターテインメント)
1983年マイケルジャクソンが楽曲『スリラー』を発表。PVにて踊るゾンビが話題に(エンターテインメント)
1983年『吸血鬼ハンターD』(書籍)
1993年『座敷女』(マンガ)
1993年『座敷女』(マンガ)
1984年『ゴーストバスターズ』(映画)
1982年エイリアン(VCS)
1982年3D MONSTERMAZE(PC)
1982年ドラキュラ(VCS)
1983年悪魔のいけにえ(VCS)
1983年ハロウィン(VCS)
1983年ゴーストマナー(VCS)
1983年フランケンシュタインズ モンスター(VCS)
1983年ホラーハウス・狂気の館(PC)
1985年『フェノミナ』(映画)
1985年『死霊のはらわた』(映画)
1985年『ギニーピッグ 悪魔の実験』{映画)
1985年『ゲゲゲの鬼太郎(アニメ第3作)』(アニメ)
1985年魔界村
ザ・スクリーマー(PC)
Friday the 13th:Computer Game(PC)
1986年『エルム街の悪夢』(映画)
1986年『バタリアン』(映画)
1986年『ストレンジャーズ』(書籍)
1986年『IT』 (書籍)
1986年『死霊のえじき』(映画)
1986年『神の左手悪魔の右手』(マンガ)
1986年ホラー漫画誌『ハロウィン』創刊(マンガ)
1986年悪魔の招待状(Mac)
1986年悪魔城ドラキュラ(FCD)
1987年『ザ・フライ』(映画)
1987年ホラー漫画誌『ほんとにあった怖い話』創刊(マンガ)
1987年『富江』(マンガ)
1987年死霊戦線(MSX)
1987年Produce(PC)
1987年ジーザス(PC)
1987年ゾンビハンター
1987年ラプラスの魔(PC)
1987年シャドウゲイト(Mac)
1987年デジタル・デビル物語 女神転生(FC)
1988年『ヘル・レイザー』(映画)
1988年『消えるヒッチハイカー(日本語訳版)』(書籍)
1988年ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者(FCD)
1988年スプラッターハウス(AC)
1988年怨霊戦記(PC)
1988年アンジェラス〜悪魔の福音(PC)
1988年スナッチャー(PC)
1988年邪聖剣ネクロマンサー
時代は遡り、1972年11月にノーラン・ブッシュネル率いるATARIからアーケードゲーム『ポン』が登場すると、世界はビデオゲームの狂乱時代に突入する。1974年には、家庭用として『ホームポン』が発売され、翌年には日本でも同様のゲーム機が雲霞のごとく登場。1970年の光線銃シリーズ以来、電子ゲームを研究し続けていた任天堂も1977年に『テレビゲーム15』と『テレビゲーム6』で市場に参入を始める。
同じ1977年にはATARI 2600(ATARI VCS)というゲームカートリッジ交換式のビデオゲーム機が登場しているが、この黎明期においても、すでにゲームの題材としてホラーは登場しいてるのだ。それはシュールレアリスムの巨匠ギーガーが描く『エイリアン』(1982年)だったり、ジョン・カーペンターの『ハロウィン』(1983年)だったり、トビー・フーパーの『悪魔のいけにえ』(1983年)だったりと、映画に題材を求めたものが多く、プレイヤーの興味を惹くジャンルを模索した結果としてのホラーであると同時に、アメリカのゲームが最初期から映画的な表現を指向していることの証明ともなっている。ただし、この時代のホラーゲームは粗いドットによって表現されており、血の演出、悲鳴など、狙いはわかるものの、恐怖心を喚起するほどのものには至っていない。もっとも同時代的にプレイをしていたなら、そこにおぞましさを感じ、目を伏せていた可能性は捨てきれないが。
このように濫造されるゲームソフトが契機となり、1982年の年末から1983年にかけて、ビデオゲームが見切られていく、いわゆる“アタリショック”が発生。アメリカの市場は一瞬ビデオゲームから離れ、ホームコンピュータに目を向けていく。
日本では、1980年にゲーム&ウオッチを大ヒットさせ、エレクトロトイの市場で存在感を放っていた任天堂が、1983年7月にファミリーコンピュータを発売。これが圧倒的な市場を築き上げていくのはご承知のとおり。アタリショックから市場管理の大切さを学んだという任天堂は、ソフトの品質やメーカーあたりの発売数をコントロール。この時期のソフトには、『魔界村』(1985年)や『悪魔城ドラキュラ』(1986年)、そして『スプラッターハウス わくぱくグラフィティ』(1989年)など、モチーフにホラーは見られるが、プレイヤーの感じる恐怖をエンターテイメントにまで昇華したものはなく、それにはしばらく時期を待つことになる。これはPCエンジン(1987年)や、メガドライブ(1988年)など同時期のハードも同様だ。
そして1989年は昭和天皇の崩御から始まる。前年秋の闘病報道以来、街では祝祭、あるいは死を連想させるさまざまなものの自粛が始まり、崩御から2日間はテレビから一切のコマーシャルが消えた。その後も映画『丹波哲郎の大霊界 死んだらどうなる』の封切などはあったものの、2月末の大喪の礼まで、大小さまざまな催事が控えられた。
こうして天皇崩御によってオカルトやホラーの勢いが鈍化したこの年の夏に、連続幼女誘拐殺人事件が起こる。これにより過激さが極まっていた日本のホラー界隈は静まり返ることになるのだ。犯人の逮捕後、その嗜好が報道されたことにより、幼女趣味を含めて性的なもの、さらにホラー(とりわけスプラッターの類)がこの時期に激しい糾弾を受け、半ば自主的に製作者たちは息を潜めるようになる。そしてこの余波は1990年代前半まで続いていく。
この時期はゲームの表現力が急激に上昇した時代でもある。これに伴って開花したのがホラーゲームだ。1992年の『弟切草』以降、サウンドノベルによってホラーが再びゲームに戻ってくると同時に、PCゲーム界隈でもホラーは復権。後に3DOに移植されることになる『アローン・イン・ザ・ダーク』(1992年)のほか、アダルトゲームの流れからは『デッド・オブ・ザ・ブレイン 死霊の叫び』(1992年)など、ホラー映画へのオマージュが捧げられた作品が見られるようになるのだ。
1994年3月には3DOが、年末にはセガサターンとプレイステーションが登場し、技術による支援を得て、ホラーゲームがさらに散見されるようになる。3DOからは『バーチャル・ホラー 呪われた館』、『黒き死の仮面』など意欲作が登場。セガサターンでは、3Dポリゴンによるゴシックホラーテイストの佳作『夢見館の物語』がロンチタイトルとして用意されたほどだ。これらの流れは、1996年3月にホラーゲームの代名詞とも言える『バイオハザード』の登場によってエポックを迎える。『バイオハザード』の特異性、そして革新性は他の原稿で深く語られていることだろう。
同時期の世間に目を向けると、ノストラダムスの予言する7の月まであと5年となった1994年に、長野県松本市で致死性のある毒ガス“サリン”が撒かれ、死者8人、重軽傷者660人に及ぶ事件が発生。冤罪未遂や報道被害もありつつ、犯人特定のため、必死の捜査は続く。翌1995年1月には阪神淡路大震災が発生し、6000人以上が犠牲となる。その傷も癒えない同3月には、東京の地下鉄で再びサリンが撒かれる事件が起き、カルト教団の関与が認められ、首謀者や幹部、実行犯など40人近くが逮捕されていく。これを契機にオカルトめいたものへのバッシングが高まると同時に、世間は緊張感を日常と隣り合わせに感じ、刹那的な気分にいつしか囚われていく。
このように、20世紀末、カタストロフは確かにひたひたと足音を鳴らして近づいてきていた。それまでオカルトやホラーをひたすらに娯楽として描いていたメディアにも、時代の空気を切り取ったように終末感は漂っていた。1994年には作風をどんどん刹那的な方向に向けていた岡崎京子がその頂点とも言えるマンガ『リバーズ・エッジ』を発表。1995年10月から始まったアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』は、翌年3月の放送終了後に火が点き、そのペダンチックで厭世的な内容が人々の好奇心を駆り立て、幅広い層を巻き込んだ社会現象となっていく。そして1998年には、邦画から『リング』と『らせん』が登場。世界的に評価され、翌年以降の『リング2』、『呪怨』などとひとつの潮流を作り出し、これが後にJホラーと呼ばれることになる。
こうして迎えた1999年7月。すっかり世界が終わるものと確信していた人々の頭上でラッパは鳴らなかった。魔王は姿を見せないまま世界は続き、緊張をたたえた日常は退屈な日常へと戻っていった。ここで終末を迎えていたはずの僕たちは、余生のように以降の時代を生きていくことになるのだ。
1989年『チャイルド・プレイ』(映画)
1989年『スウィートホーム』(映画)
1989年都市伝説『人面犬』流行(社会現象)
1989年『悪魔くん』(アニメ)
1990年代『学校の怪談』ブーム(社会現象)
1990年代前半霊能者・宜保愛子が多くのテレビ番組に出演
1989年ファミコン探偵倶楽部 うしろに立つ少女(FCD)
1989年スウィートホーム(FC)
1990年『新・耳・袋-あなたの隣の怖い話』(書籍)
1990年『世にも奇妙な物語』(ドラマ)
1990年デジタル・デビル物語 女神転生II(FC)
1991年『リング』(書籍)
1991年『ミザリー』(映画)
1991年『羊たちの沈黙』(映画)
1991年漫画誌『眠れぬ夜の奇妙な話』創刊(マンガ)
1991年サイレントデバッガーズ(PCE)
1992年お化け屋敷『麿赤児のパノラマ怪奇館』開業(エンターテインメント)
1992年アローン・イン・ザ・ダーク(PC)
1992年弟切草(SFC)
1992年デッド・オブ・ザ・ブレイン(PC)
1992年スプラッターハウス PARTII(MD)
1992年真・女神転生(SFC)
1993年ホラー漫画誌『ホラーM』創刊(マンガ)
1993年『ブレインデッド』(映画)
1993年『地獄先生ぬ〜べ〜』(マンガ)
1993年スプラッターハウス PARTIII(MD)
1993年夢見館の物語(MCD)
1994年『学校のコワイうわさ 花子さんがきた!!』(書籍)
1994年『学校の怪談』(ドラマ)
1994年『学校のコワイうわさ 花子さんが来た!!』(アニメ)
1994年アローン・イン・ザ・ダーク2(PC)
1994年System Shock(PC)
1994年真・女神転生II(SFC)
1994年ノスフェラトゥ(SFC)
1994年かまいたちの夜(SFC)
1995年『らせん』(書籍)
1995年『リング』(ドラマ)
1995年『学校の怪談』(映画)
1995年プリズナー・オブ・アイス(PC)
1995年ファンタズム(PC)
1995年Dの食卓(3DO)
1995年夜光虫(SFC)
1995年学校の怪談(SS)
1995年百物語〜ほんとにあった怖い話〜(PCE CD)
1995年学校であった怖い話(SFC)
1995年学校のコワイうわさ 花子さんがきた!!(PS/SS)
1995年クロックタワー(SFC)
1995年リンダキューブ(PCE)
1995年魔女たちの眠り(SFC)
1995年月面のアヌビス(SFC)
1995年ざくろの味(SFC)
1995年インマウスの館(VB)
1996年『女優霊』(映画)
1996年ミッション型お化け屋敷「パノラマ怪奇館’96~赤ん坊地獄」開催(エンターテインメント)
1996年『ゲゲゲの鬼太郎(アニメ第4作)』(アニメ)
1996年『地獄先生ぬ〜べ〜』(アニメ)
1996年『栞と紙魚子の生首事件』(マンガ)
1996年厄 友情談疑(PS)
1996年晦ーつきこもり(SFC)
1996年トワイライトシンドローム(PS)
1996年バイオハザード(PS)
1996年コープスパーティー(PC)
1996年雫(PC)
1996年痕(PC)
1996年アローン・イン・ザ・ダーク3(PC)
1996年刻命館(PS)
1996年黒ノ十三(PS)
1996年エネミー・ゼロ(SS)
1996年クロックタワー2(PS)
1997年『スクリーム』(映画)
1997年『パラサイト・イヴ』(書籍)
1997年雑誌『怪』創刊(マンガ)
1997年ザ・ハウス・オブ・ザ・デッド(AC)
1997年公開されなかった手記(PS)
1997年あかずの間(PS)
1997年古伝降霊術 百物語〜ほんとにあった怖い話〜(SS)
1997年ムーンライトシンドローム(PS)
1997年R?MJ(PS)
1997年マリア 君たちが生まれた理由(PS)
1998年『ループ』(書籍)
1998年『リング』(映画)
1998年『らせん』(映画)
1998年『キューブ』(映画)
1998年『うずまき』(マンガ)
1998年ザ・ハウス・オブ・ザ・デッド2
1998年囚人へのペル・エム・フル(PC)
1998年人形の傷跡(PC)
1998年バイオハザード2(PS)
1998年ナイトメア・クリーチャーズ(PS)
1998年クロックタワー ゴーストヘッド(PS)
1998年・・・いる!(PS)
1998年ダークメサイア(PS)
1998年DEEP FEAR(SS)
1998年大幽霊屋敷 〜浜村淳の実話怪談〜(PS)
1998年夜想曲(PS)
1998年影牢~刻命館 真章~(PS)
1998年エコーナイト(PS)
1999年『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』(映画)
1999年『ほんとにあった怖い話』第1回放送(ドラマ)
1999年『富江』(映画)
1999年サイレントヒル(PS)
1999年ザ・ハウス・オブ・ザ・デッド2(DC)
1999年魔女たちの眠り ー復活祭ー(DC)
1999年稲川淳二 恐怖の屋敷(PS)
1999年テラーズ(WS)
1999年バイオハザード3 LAST ESCAPE(PS)
1999年夕闇通り探検隊(PS)
1999年プラネットライカ(PS)
1999年SuperLite 1500シリーズ 新生トイレの花子さん(PS)
1999年カウントダウンヴァンパイヤーズ(PS)
1990年代終盤〜2000年代序盤赤い部屋(ブラウザ)
1994年の携帯電話自由化以降、あるいは1995年のWindows95の登場に伴う爆発的なPCの普及によって、通信のインフラ、そしてその利便性を享受するITが拡充してきたのがこの20年だ。翻って言えば、この20年は街の風景もたいして変わらず、あのときのように社会全体がオカルトに躍らされることも、それに伴うカタストロフに身構えることもない。2001年の911以降、恐怖の対象はつねに現実社会にあり、利便性の追求によって生じたコンテンツの細分化や多様化によって、個々は分断されていった。分断されていったからこそ、つながりを求め、SNSが、さまざまなコミュニティが賑わい、全体像の見えないグルーピングがくり返されていく。
恐怖の対象の推移は2000年以降のホラー映画にも顕著で、『SAW』や『ホステル』に象徴されるように、恐怖の対象は怪異ではなく人間に求められている。人間の手による徹底的な残酷行為や苦痛が他人事のように描かれるようになっていったのだ。また、大きな物語をアンゴルモアに焼き尽くされたためか、洋画ではリメイクが流行。『リング』(2002年)や『呪怨』(2004年)などのJホラーに始まり、『悪魔のいけにえ』(2003年)、『オーメン』(2006年)、『ハロウィン』(2007年)、『13日の金曜日』(2009年)、『エルム街の悪夢』(2010年)、『キャリー』(2013年)など、往時の名作に題材を依っているものが非常に多くなっているのが特徴的だ。
ゾンビ映画・ドラマは、ゾンビが持つ恐怖をドラマのスパイスとして活用することで、『28日後...』(2002年)や『ウォーキング・デッド』(2010年〜)などの作品を生み出した。これは1960年代の終わりに人々を恐怖に陥れたゾンビそのものの怖さから、少しだけ遠い地点にあると言えるだろう。
ゲーム界隈では、ホラーゲームも分化。ハードウェアの性能が上がるにつれ、高騰する開発費を前に、1990年代のような意欲作が出にくい状況になっており、当時から続くAAAタイトルの新作が発表されていくなか、その反動でインディや自作ゲームの中に光るものを求める動きも見えている。近年ではオンラインマルチプレイを軸としたF2Pのホラーゲームや、『フォールアウト4』(2015年)に代表されるオープンワールドタイプのサバイバルホラーなどが流行となっている。
そして時代はいよいよ本格的なVRを生み出した。人間が後戻りできないほどテクノロジーが進化するというシンギュラリティまであと30年足らず。臨場感や没入感がこれまでの機構に比べ、各段に跳ね上がるこのデバイスを携え、ホラーは、ホラーゲームは、僕らにどんな風景を見せてくれるようになるというのだろうか。
2000年『呪怨』(ビデオ)
2000年『オーディション』(映画)
2000年1999ChristmasEve(PC)
2000年デスピリア(DC)
2000年パンドラMAXシリーズVOL.2 死者の呼ぶ館(PS2)
2000年うずまき〜電視怪奇篇〜(WS)
2000年バイオハザード コード:ベロニカ(DC)
2000年ゼルダの伝説 ムジュラの仮面(N64)
2000年稲川淳二 真夜中のタクシー(PS)
2000年SIMPLE1500シリーズ Vol.31 THE サウンドノベル(PS)
2000年リング∞インフィニティ(WS)
2000年アリス イン ナイトメア(PC)
2000年霊刻 -池田貴族心霊研究所-(PS)
2001年『ファイナル・デスティネーション』(映画)
2001年アローン・イン・ザ・ダーク4 新たなる悪夢(PC)
2001年SuperLite 1500シリーズ 魔紀行(PS)
2001年夜想曲2(PS)
2001年The FEAR(PS2)
2001年逢魔が時(PS)
2001年ルイージマンション(GC)
2001年サイレントヒル2(PS2)
2001年最終電車(PS2)
2001年零~zero~(PS2)
2002年『仄暗い水の底から』(映画)
2002年『彼岸島』(マンガ)
2002年ザ・ハウス・オブ・ザ・デッド III(AC)
2002年バイオハザード外伝(GB)
2002年エターナルダークネス 〜招かれた13人〜(GC)
2002年ゴーストヴァイブレーション(PS2)
2002年かまいたちの夜2 監獄島のわらべ唄〜(PS2)
2002年コワイシャシン ~心霊写真奇譚~(PC)
2002年ゴーストトラップ(GBA)
2002年ひぐらしのなく頃に(PC)
2002年バイオハザード0(GC)
2002年クロックタワー3(PS2)
2002年アローン・イン・ザ・ダーク4 The New Nightmare(PC)
2003年『呪怨』(映画)
2003年『着信アリ』(映画)
2003年『フレディVSジェイソン』(映画)
2003年世界最大級のお化け屋敷『超・戦慄迷宮』がオープン(エンターテインメント)
2003年『でろでろ』(マンガ)
2003年ハウス・オブ・ザ・デッド3(Xbox)
2003年遊星からの物体X episodeII
2003年サイレントヒル3(PS2)
2003年グレゴリーホラーショー ソウルコレクター(PS2)
2003年SIREN(PS2)
2003年マンハント(PS2)
2003年零~紅い蝶~(PS2)
2003年バイオハザード アウトブレイク(PS2)
2003年沙耶の唄(PC)
2004年『SAW』(映画)
2004年雑誌『幽』創刊(マンガ)
2004年『不安の種』(マンガ)
2004年九怨 -kuon-(PS2)
2004年サイレントヒル4 ザ・ルーム(PS2)
2004年ゆめにっき(PC)
2004年マヨヒガ(PC)
2004年流行り神 警視庁怪異事件ファイル(PS2)
2004年Michigan(PS2)
2004年ブラッドレイン(PS2/PC)
2004年バイオハザード アウトブレイク FILE2(PS2)
2004年クトゥルフ神話TRPG(アナログ)
2005年『ノロイ』(映画)
2005年『地獄少女』(マンガ)
2005年The HOUSE(PC)
2005年ザ・ハウス・オブ・ザ・デッド4(AC)
2005年バイオハザード4(GC)
2005年DEMENTO(PS2)
2005年彼岸島(PSP)
2005年実話怪談 新耳袋 一ノ章(PSP)
2005年零~刺青の聲~(PS2)
2005年Darkwatch(PS2/Xbox)
2005年F.E.A.R. -First Encounter Assault Recon-(PC)
2005年ドラえもん のび太のBIOHAZARD(PC)
2006年『輪廻』(映画)
2006年『HOSTEL』(映画)
2006年『インプリント~ぼっけえ、きょうてえ』(映画)
2006年『サイレン』(映画)
2006年『サイレントヒル』(映画)
2006年『怪 〜ayakashi〜』(アニメ)
2006年『ひぐらしのなく頃に』(アニメ)
2006年歪みの国のアリス(フィーチャーフォン)
2006年RULE of ROSE(PS2)
2006年ゴア・スクリーミング・ショウ(PC)
2006年SIMLE2000シリーズ Vol.95 THE ゾンビV.S.救急車(PS2)
2006年SIREN2(PS2)
2006年オシチヤ(PC)
2006年かまいたちの夜×3(PS2)
2006年Condemned:Psycho Criminal(Xbox 360)
2006年一夜怪談(フィーチャーフォン)
2006年デッドライジング(Xbox 360)
2006年ネクロネシア(Wii)
2007年『ゲゲゲの鬼太郎(アニメ第5作)』(アニメ)
2007年ホラー漫画誌『実際にあった怖い話』創刊(マンガ)
2007年『ゆうやみ特攻隊』(マンガ)
2007年『ミスミソウ』(マンガ)
2007年『REC/レック』(映画)
2007年『28週後...』(映画)
2008年『ミスト』(映画)
2008年『墓場鬼太郎』(アニメ)
2008年『デイ・オブ・ザ・デッド』(映画)
2008年『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』(映画)
2007年地獄少女 朱蘰(PS2)
2007年忌火起草(PS3)
2007年マンハント2(PSP/PS2/Wii)
2007年アイギス THE FIRST MISSION(フィーチャーフォン)
2007年四八(仮)(PS2)
2007年サイレントヒル ゼロ(PSP)
2007年Apathy アパシー 〜鳴神学園都市伝説探偵局〜(DS)
2007年流行り神2 警視庁怪異事件ファイル(PS2)
2008年バイオショック(Xbox 360)
2008年Condemned 2 Bloodshot(Xbox 360)
2008年ダークセクター(Xbox 360)
2008年ザ・ダークネス(Xbox 360)
2008年ディメンティアム 閉鎖病棟(DS)
2008年ナナシノゲエム(DS)
2008年SIMPLE DSシリーズ Vol.42 THE 廃屋病棟 〜呪われた病院からの脱出〜(DS)
2008年SIREN:New Translation(PS3)
2008年トワイライトシンドローム 禁じられた都市伝説(DS)
2008年零~月蝕の仮面~(PS2)
2008年みてはいけない(DS)
2008年サイレントヒル ホームカミング(PS3/Xbox 360)
2008年Dead Space(PS3/Xbox 360)
2008年Left 4 Dead(PC)
2008年アローン・イン・ザ・ダーク(第5作)(PS3/Xbox 360/PC)
2009年『エスター』(映画)
2009年『うみねこのなく頃に』(アニメ)
2009年『アイアムアヒーロー』(マンガ)
2009年『サバイバル・オブ・ザ・デッド』(映画)
2009年『REC/レック2』(映画)
2009年青鬼(PC)
2009年Shellshock 2: Blood Trails(PS3/Xbox 360/PC)
2009年バイオハザード5(PS3/Xbox 360)
2009年PROTTYPE(PS3/Xbox 360/PC)
2009年君に贈るホラー(フィーチャーフォン)
2009年恐怖体感呪怨(Wii)
2009年流行り神3 警視庁怪異事件ファイル(PSP)
2009年ディシプリン*帝国の誕生(Wii)
2009年F.E.A.R.2 PROJECT ORIGIN(PS3/Xbox 360)
2009年ザ・ハウス・オブ・ザ・デッド オーバーキル(Wii)
2009年CALLING~黒き着信~(Wii)
2010年『パラノーマル・アクティビティ』(映画)
2010年『学園黙示録 HIGHSCHOOL OF DEAD』(アニメ)
2010年鈍色のバタフライ(フィーチャーフォン)
2010年バイオショック2(PS3/Xbox 360)
2010年Red Seeds Profile(PS3/Xbox 360)
2010年サイレントヒル シャッタードメモリーズ(Wii)
2010年Alan Wake(Xbox 360)
2010年メトロ2033(Xbox 360)
2010年Re:kinder(PC)
2010年「超」怖い話DS 青の章(DS)
2010年シンギュラリティ(PS3/Xbox 360)
2010年デッドライジング2(PS3/Xbox 360)
2010年レッド・デッド・リデンプション(DLC)(PS3/Xbox 360)
2010年コール オブ デューティ ブラックオプス(DLC)(PS3/Xbox 360)
2010年Splatterhouse(PS3/Xbox 360)
2011年『王様ゲーム』(映画)
2011年『ウォーキング・デッド(日本語訳版)』(マンガ)
2011年『死人の声をきくがよい』(マンガ)
2011年『REC:レック/ザ・クアランティン2 ターミナルの惨劇』(映画)
2011年トガビトノセンリツ(フィーチャーフォン)
2011年哥欲祟(PC)
2011年隙鬼間-放課後のウワサ-(フィーチャーフォン)
2011年Dead Space 2(PS3/Xbox 360)
2011年イケニエノヨル(Wii)
2011年怪談レストラン ゾク!新メニュー100選(DS)
2011年F.E.A.R.3(PS3/Xbox 360)
2011年アリス マッドネス リターンズ(PS3/Xbox 360/PC)
2011年ライズ オブ ナイトメア(Xbox 360)
2011年デッドライジング2オフ・ザ・レコード(PS3/Xbox 360)
2011年DEAD ISLAND(PS3/Xbox 360/PC)
2011年怪異症候群(PC)
2011年真かまいたちの夜 11人目の訪問者(PS3/PS Vita)
2012年『悪の教典』(映画)
2012年『REC/レック3 ジェネシス』(映画)
2012年心霊カメラ~憑いてる手帳~(3DS)
2012年バイオハザード リベレーションズ(3DS)
2012年ネバーデッド(PS3/Xbox 360)
2012年Ib(PC)
2012年PROTOTYPE 2(PS3/Xbox 360/PC)
2012年ロリポップチェーンソー(PS3/Xbox 360)
2012年零~眞紅の蝶~(Wii)
2012年脱出アドベンチャー 旧校舎の少女(3DS)
2012年THE 呪いの廃病院(3DS)
2012年SCP Containment Breach(PC)
2012年魔女の家(PC)
2012年バイオハザード6(PS3/Xbox 360)
2012年サイレントヒル ダウンプア(PS3)
2012年コール オブ デューティ ブラックオプス2(PS3/Xbox 360/PC)
2012年ZombiU(Wii U)
2012年マッドファーザー(PC)
2012年つぐのひ(PC)
2012年SLENDER:THE EIGHT PAGES(PC)
2013年『クロユリ団地』(映画)
2013年USJ『バイオハザード ザ・リアル』開催(エンターテインメント)
2013年『闇芝居』(アニメ)
2013年『ワールド・ウォーZ』(映画)
2013年サイレントヒル ブック オブ メモリーズ(PS Vita)
2013年Dead Space 3(PC)
2013年3D肝試し〜呪われた廃屋〜(iOS/Android)
2013年ルイージマンション2(3DS)
2013年Eyes - the horror game(iOS/Android)
2013年バイオショック インフィニット(PS3/Xbox 360/PC)
2013年Cry of Fear(PC)
2013年デンシャ(PC)
2013年State of Decay(Xbox 360)
2013年The Last of Us(PS3)
2013年プレイする怖い話(iOS/Android)
2013年OUTLAST(PC)
2013年物念世界(PC)
2013年クロエのレクイエム(PC)
2013年BEYOND: Two Souls(PS3)
2013年霧雨が降る森(PC)
2013年Alice mare(PC)
2013年バイオハザード リベレーションズ(3DS)
2013年ウォーキング・デッド(PS3/PC)
2013年7 Days to Die(PC)
2014年『青鬼』(映画)
2014年『切子』(マンガ)
2014年Neverending Nightmares(PC)
2014年デッドマンズ・クルス(iOS/Android)
2014年月光妖怪(PC)
2014年knock-knock(iOS/Android)
2014年心霊廃墟からの脱出(iOS/Android)
2014年Slender Man Origins(iOS/Android)
2014年Dungeon Nightmares(PC)
2014年The Forest(PC)
2014年DeathForest~森からの脱出~(PC)
2014年最恐!脱出ゲーム SCHOOL(iOS/Android)
2014年真 流行り神(PS3/PS Vita)
2014年Five Nights at Freddy's(iOS/Android/PC)
2014年P.T.(PS4)
2014年呪巣(iOS/Android)
2014年デッドライジング3(Xbox One/PC)
2014年零~濡鴉ノ巫女~(Wii U)
2014年ダンス・マカブル(PC)
2014年サイコブレイク(PS3/PS4/Xbox 360/Xbox One)
2014年House of Terror VR(iOS/Android)
2014年獄都事変(PC)
2015年『コープスパーティー』(映画)
2015年ニコニコ超会議2015『超フリーゲームお化け屋敷』開催(エンターテインメント)
2015年『がっこうぐらし!』(アニメ)
2015年H1Z1(PC)
2015年Dying Light(PC)
2015年バイオハザード リベレーションズ2(PS3/PS4/Xbox 360/Xbox One/PC)
2015年Forgotten Memories:Alternate Realities(iOS)
2015年Lost Within(iOS)
2015年虚白ノ夢(PC)
2015年隠れん坊(Story of Dorothy)(iOS/Android)
2015年Monstrum(PC)
2015年エイリアン アイソレーション(PS4/Xbox One)
2015年ゾンビディフェンス(Wii U)
2015年殺戮の天使(PC)
2015年アンティル・ドーン 惨劇の山荘(PS4)
2015年Nevermind(PC/Mac)
2015年The Park(PC)
2015年夜廻(PS Vita)
2015年レイジングループ(iOS/Android)
2016年『貞子VS伽椰子』(映画)
2016年『アイアムアヒーロー』(映画)
2016年脱出ゲーム ひとりかくれんぼ(iOS/Android)
2016年CHASING DEAD(Wii U/PC)
2016年NightCry(PC)
2016年ホラー実体験室 脱出病棟Ω(VR)
2016年恐怖!廃病院からの脱出:無影灯(iOS/Android)
2016年脱出ゲーム:赤い女(iOS/Android)
2016年DEAD BY DAYLIGHT death is not an escape(PC)
2016年ウォーキング・デッド シーズン2(PS4/PS3/PS Vita)
2016年真 流行り神2(PS4/PS3/PS Vita)
2016年ZERO LATENCY VR「ZOMBIE SURVIVAL」(VR)
2016年夏予定PARANORMAL ACTIVITY(VR)
2017年予定バイオハザード7 レジデント イービル(PS4/PS VR/Xbox One/PC)
参考文献
荒木飛呂彦『荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論』(集英社2011年)
荒俣宏『ホラー小説講義』(角川書店1999年)
石田一『図説ホラー・シネマ 銀幕の怪奇と幻想』(河出書房新社2002年)
泉速之『銀幕の百怪 本朝怪奇映画大概』(青土社2000年)
一柳廣孝『オカルトの帝国 1970年代の日本を読む』(青弓社2006年)
宇佐和通『都市伝説』(新紀元社2004年)
江戸木純他『プロが選んだはじめてのホラー映画 塩田時敏ベストセレクション50』(近代映画社2009年)
風間賢二『ドラキュラからキングまで ホラー小説大全』(角川書店1997年)
加藤耕一『「幽霊屋敷」の文化史』(講談社2009年)
紀田順一郎『幻想と怪奇の時代』(松籟社2007年)
小中千昭『恐怖の作法 ホラー映画の技術』(河出書房新社2014年)
五味弘文『ナレッジエンタ読本19 人はなぜ恐怖するのか?』(メディアファクトリー2009年)
五味弘文『お化け屋敷になぜ人は並ぶのかーー「恐怖」で集客するビジネスの企画発想』(角川書店2012年)
高橋克彦『幻想ホラー映画館 超刺激的傑作&名作シネマ選』(PHP研究所1999年)
高橋洋二編『日本恐怖映画への招待』(平凡社2000年)
戸田山和久『恐怖の哲学 ホラーで人間を読む』(NHK出版2016年)
南條竹則『怪奇三昧 英国恐怖小説の世界』(小学館2013年)
橋爪紳也『化物屋敷 遊戯化される恐怖』(中央公論社1994年)
堀江あき子『怪獣博士! 大伴昌司「大図解」画報』(河出書房新社2012年)
前田亮一『今を生き抜くための70年代オカルト』(光文社2016年)
宮本直毅『エロゲー文化研究概論』(総合科学出版2013年)
リン・カーター『クトゥルー神話全書』(東京創元社2011年)
『映画秘宝ex 映画の必修科目11 鳥肌ホラー映画100』(洋泉社2015年)
『昭和40年男 Vol.37 2016年6月号 オカルトブーム再検証』(クレタパブリッシング2016年)
『STUDIO VOICE Vol.396 2008年12月号 オカルト、ホラー&ミステリー!』(INFASパブリケーションズ2008年)
『世界の幻想文学・総解説』(自由国民社1998年)
『ニコニコ自作ゲームフェス ホラゲお化け屋敷は驚くべき経験だった――お化け屋敷P・五味弘文が語るニコニコ超会議の2日間』
Wikipedia
※作品プラットフォームの略称
AC……アーケードゲーム
FC……ファミリーコンピュータ
FCD……ファミリーコンピュータ ディスクシステム
GB……ゲームボーイ
GBA……ゲームボーイアドバンス
GC……ゲームキューブ
Mac……マッキントッシュ
N64……ニンテンドウ64
PC……パソコン(非マッキントッシュ)
PCE CD……PCエンジン スーパーCDロムロム
PS……プレイステーション
PS2……プレイステーション2
PS3……プレイステーション3
PS4……プレイステーション4
PSP……プレイステーション ポータブル
PS Vita……プレイステーション Vita
PS VR……プレイステーション VR
SFC……スーパーファミコン
SS……セガサターン
VB……バーチャルボーイ
VR……各種VRコンテンツ
WS……ワンダースワン
アナログ……非ビデオゲーム
ケータイ……フィーチャーフォン
ブラウザ……パソコンブラウザゲーム
VCS……Atari Video Computer System