7周目、45分。また三面のボスに負けた。
ラスボスには、まだ辿り着けていない。
それなのに、この原稿を書いている今も「次はうまくやれるはず!」と思っている。
『Cinderia』はダークファンタジー・童話の世界観を持つローグライトアクションゲーム。MyACG Studioが開発し、2026年3月30日からSteamで早期アクセス配信中だ。
プレイヤーはキャラ・必殺技・パッシブ能力・装備を組み合わせ、さまざまな部屋を踏破し、最奥にいるボスを目指す。
主人公の少女はもちろん、ゾンビやゴーストといった敵までトゥーン調でかわいい。操作せずに放置しておくと、蝶をつかまえたり、剣を研いだりしている。
一方でBGMはダークな雰囲気で、童話の世界が焼かれたあとだという設定に合っている。
筆者はいわゆる『Hades』のようなローグライトアクションを触ったことがなかった。ダークファンタジーな世界観とかわいい見た目に惹かれて始めたが、同時に「難しすぎて、途中でやめてしまったらどうしよう」とも思っていた。
その不安は当たった。7周やって、7周とも負けた。それでも、負けるたびに「次はうまくやれるはず」と自分に期待してしまう。
なぜそう思えるのか、7周分の体験を順に振り返ってみたい。
負けても「次はここを直せばいい」が見えてくる
1周目は16分で死んだ。2周目は8分、3周目も8分。
思っていたよりも難易度が高い。
それでも、普通に楽しい。敵の攻撃はダッシュで回避でき、タイミングが合うと爽快だ。敵の懐に潜り込むように回避すれば背後を突け、ダメージも上がる。狙って決まると嬉しい。
ただ、遠距離から飛んでくる攻撃は避けきれず、倒すと自爆する敵にも回避が間に合わない。一撃で死ぬわけではないが、気を抜いているといつの間にかダメージが蓄積し、道半ばで倒れてしまう。
だから、いかに被弾を最小限に抑えるかが大事だ。
マップを進めば進むほど、新たな敵が出現する。遠距離から攻撃してくる敵や、単純にHPの高い敵など……敵の特徴をつかみ、どの順番に対処するかを考える。わらわらと湧いてくる敵をどう捌くか、この順番を考えるのがまた楽しい。
途中で負けるたびに、原因は自分の対処にあったと分かる。だから「同じ状況になったら今度はこうしよう」と、次の戦いに活かしたくなるのだ。
ビルドを変えるたび、「今度こそ勝てる」と思ってしまう
4周目、15分。5周目、14分。
ある程度敵の攻撃を回避できるようになり、ようやく一面のボスの元へ辿り着けた。しかし効率的にダメージを与えられず、負けてしまった。いくら回避できても、高いダメージが出せないままではジリ貧になる。
そこで、ボスに辿り着くまでの被弾をなるべく減らし、ボスだけでなく周りのザコの動きも見るようにした。そのうえで、高いダメージを叩き出すために大事なのが、ビルドだ。
キャラクターは、必殺技とパッシブ能力を取得できる。必殺技は3つまで取得可能で、パッシブ能力は無限に取れるが取りすぎるとデバフがかかってしまう。
毎回得られるスキルは異なるが、これらのスキルをどの組み合わせで取るか考えるのが楽しい。強化内容にも面白いものが多く、どれを取るかで毎回悩まされる。
6周目、55分。
この周回で辿り着いたのが、「処刑」という必殺技を使ったビルドだ。最初は適当に取っただけだったが、実戦で使ってみると一撃で敵を倒せたので、これを軸に戦うことにした。
近距離の敵に大ダメージを与えるシンプルな必殺技だが、強化すると「これで敵にとどめをさす度に永続的に攻撃力上昇」の効果がつき、群れをなすザコをワンパンできる。これ一本でも戦える、と気づいた瞬間だった。
このビルドで、これまで苦戦していた一面ボスも突破でき、最終的には一撃1800ダメージが出て爽快だった。
ただし必殺技にはクールタイムがあり、一撃で倒せない相手、特にボスには連発しにくい。結局、三面ボスはHPが多く、四方八方から押し寄せる攻撃に回避が追いつかず、やられてしまった。
今回も負けてしまったが、次はもっと面白いスキルの組み合わせに出会えるかもしれない。さらに面白いビルドが組めるかもしれない。そう思うと、次こそは、次こそは勝てると考えてしまうのだ。
死ぬたびに、自分もキャラクターも少し強くなる
ローグライトアクションといえば、負ければその周回で得たものを失い、最初からやり直すのが基本だ。プレイスキルが追いつかず、負けてばかりだと「また0からか」と残念に思うかもしれない。
だが『Cinderia』は、まったくの0からのリスタートにならない。探索で手に入れた素材を使って拠点を強化すれば、周回を重ねるほど、強くなった状態でニューゲームが可能になるのだ。
1周目に死んだあとも、恒久強化のおかげで、ちょっとだけ強くなった状態で再スタートできた。最初は分からなかった各部屋の詳細も、恒久強化のパークで見えるようになった。
周回を重ねるうちに、スキルのリロール回数も増えていく。候補の入れ替えがしやすくなり、自分が最適だと思う組み合わせを作りやすくなった。「次はもっといいスキルや装備が来て、うまくやれるかもしれない」と思えるのは、こうした積み上げがあるからだ。
それでも新しい壁が出てくる。でも、また試したくなる
7周目は45分までいけた。
ずっと同じキャラクターを使っていたし、新しいキャラクターも解放されていたので、別の子を試して新鮮さを得たかったのだ。
本作では4人の女の子から1人を選んで操作することになる。見た目はもちろん、キャラクターごとにスキルが異なる。
今回は遠距離攻撃が強そうなキャラクターを選び、遠距離攻撃ビルドを組んでみた。今まで使っていた子とは使用感がまるで違い、面白かった。
装備の運もよく、ザコ戦は順調だった。ところが、6周目と同じく三面のボスで苦戦し、やられてしまった。敵に与えたダメージは6周目よりも伸びていたのに、悔しい。
負けた原因を振り返ると、ボスが生み出していたオブジェクトの攻撃に気づけていなかった。オブジェクトを壊すか、その攻撃に合わせて回避を入れなければならないのに、ボスの動きに集中するあまり、まったく意識に入っていなかったのだ。ザコ戦で勝てるからといって、ボス戦でも戦えるわけではないらしい。
それでも、原因が分かれば対処はできる。次はオブジェクトから壊してみよう。火力も、もう少し欲しい。
ボスを倒して新しいマップに進めば、また新しい敵に出会い、その攻撃を覚えることになる。壁は増えるが、学ぶことも増える。まだ試せることはいっぱいあるはずだ。次は何を試そうか。
かわいい見た目に惹かれた人こそ、ぜひ挑戦してほしい
7周やっても、ラスボスにはまだ辿り着けていない。
それでも筆者は、「次はうまくやれるはず」と思っている。
負ければ原因が見え、ビルドを変えれば勝てる気がして、死んでも少しずつ強くなっていく。だからこそ、何度負けても自分に期待してしまう。『Cinderia』は、そういうゲームだった。
かわいい見た目につられて始めた冒険は、たしかに苦難の道だった。だが、その苦難ごと楽しめる道でもあった。
ローグライトアクションを触ったことがない人も、世界観やキャラクターの見た目に惹かれた人も、まずは最初の1周を遊んでみてほしい。たとえすぐに負けても、きっと2周目を始めたくなるはずだ。
本作は現在、早期アクセス版がSteamにて2,000円で配信中。正式版に向けて、トゥルーエンディングや新キャラクター、新ボスなどの追加が予定されており、シングルプレイ部分が固まったあとはマルチプレイモードの実装にも挑戦したいとしている。











