第20回あらすじ
1980〜1990年代というゲーム業界の「青春期」に大奮闘したゲームクリエイターたちの、熱くて、若くて、いきすぎた思い出を田中圭一先生がたずねる『若ゲのいたり〜ゲームクリエイターの青春〜』。
第20回は、超一流のゲームクリエイター・鈴木 裕さんをゲストにお迎えしました。裕さんといえば、1980年代には数々の体感ゲームを、1993年には3D格闘ゲームのパイオニア『バーチャファイター』を生み出した方。2019年11月に発売を控える世界的人気シリーズ最新作『シェンムーIII』では、総監督を務めている、まさにゲーム業界のレジェンドです。
子どもの頃から工作が好きだった裕さんが、セガ(現・セガゲームス)に入社したのは、1983年のこと。
それまで「就職したら趣味に生きよう」という考えでしたが、ハードもソフトもわかる、信頼できる上司に巡り会ったことで、“ゲーム制作”という仕事でメキメキと頭角を現すことに。『HANG-ON』や『アフターバーナー』などの名作を次々と世に送り出し、1980年代のセガを牽引しました。
以降、裕さんは新しい3Dの表現を実現するために邁進します。設計から関わった3DCGアーケード基板「MODEL1」を使った『バーチャファイター』を1993年にリリース、さらに翌1994年にはリアルタイムでテクスチャマッピングが可能となった基板「MODEL2」で『バーチャファイター2』をリリースしました。
ポリゴンで3D空間を実現し、画像を貼り付けられる──たった1年という短期間で、なぜこのような驚異の技術革新を起こせたのでしょうか?
それは、「1991年の世界情勢が、我々に味方してくれたから」と、裕さんは当時のことを静かに述懐してくれました。(編集部)
【『シェンムーIII』は2019年11月19日に発売!】
YS NETとDeep Silverは『シェンムーIII』の発売日を延期し、8月27日から11月19日へと変更すると発表した。プラットフォームはプレイステーション4とPCが予定されている。
1999年にドリームキャスト用のゲームソフトとして発売された『シェンムー』シリーズ。その最新作が、20年の時を経たいま、ついにリリースとなりました(プラットフォームはプレイステーション4とPC)。
『II』の直後から物語がはじまる本作では、『シェンムー』独特の心落ち着く世界観や、FREE(Full Reactive Eyes Entertainment)システムはもちろん健在(当然、フォークリフトに乗ることもできるそうです)。
鈴木 裕さん率いるYS NETが贈る、壮大な物語を楽しめるまであと少し。発売までは『シェンムーI&II』をプレイして気持ちを高めておきましょう!
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そこに1998年、日本人が開発した“とあるゲーム”が収蔵された。その名は──「バーチャファイター」。そして、この開発者こそが『アウトラン』や『スペースハリアー』などの「体感ゲーム」でセガを世界的企業に押し上げ、現在も欧米の開発者から高い評価を受ける、鈴木裕氏である。