暑い!
「史上もっとも暑い」とも言われる、2025年の夏である。
記録に残る、うだる「暑さ」の毎日には……
記録にも記憶にも残る、うなる「熱さ」の名作で対抗するしかない!
「スクウェア・エニックス スマートフォンゲーム サマーセール」、開幕!
なんと35タイトルが最大72%OFFだ! 買い放題か!?
今回、電ファミさんより「10,000円おこづかいをあげるので、好きな作品を買ってプレイしてみてください」と連絡がきたので、気になる作品を買いまくりながら紹介するぞ! ホントに買い放題じゃねーか!

筆者は、それなりのスクエニっ子である。
小~中学生時代はスクウェア・エニックスのRPGとともに歩んだと言って過言ではない。
とくに、SFC後期~PS2あたりの『ファイナルファンタジー』シリーズと『サガ フロンティア』シリーズには思い入れが強い。学校の教科書より、流行りの漫画より、「解体新書」や「アルティマニア」を深く読み込んだ世代である。
ちょうど最近も、PC(Steam)で『FF5』『サガフロ』『サガフロ2』あたりを見つけて買い、自分のブログやYouTubeで話題にしながらプレイしていた。
そんな折に、このサマーセール! 懐かしの名作はもちろん、名前は知っているが遊んだことはないタイトルや、まったく知らなかったタイトルまで、さまざまな作品がスマートフォンで安く遊べる!
気になる作品をいくつかスマホに入れておけば、夏休み期間の旅行や帰省の移動時間も退屈しないこと間違いなし! いろいろ買いたい!
※この記事は「スクウェア・エニックス スマートフォンゲーム サマーセール」の魅力をもっと知ってもらいたいスクウェア・エニックスさんと電ファミ編集部のタイアップ企画です。
セールラインナップと値引率を整理しよう
あらためて、今回の「スクウェア・エニックス スマートフォンゲーム サマーセール」とは、スクエニおなじみの『ファイナルファンタジー』シリーズをはじめとして、同社がスマートフォンで出している買い切り型タイトルのうち35本が期間限定で大幅割引になるというもの。
基本的にApp Store(iOS)とGoogle Play(Android)が対象だが、一部タイトルはAmazon アプリストアやSQUARE ENIX MARKETでも取り扱いがある。
具体的なタイトルと、その価格、値引率、セール期間を下表にまとめた。
※「ファイナルファンタジー I-VI バンドルセット」のみ、App Storeのみで販売。ほかはすべてApp StoreとGoogle Play両方で販売。
なんか……思ったより多いな……35本って、かなりあるな……
ちなみに、1本はバンドルセットなので実質34本として、そのすべてを買った場合、合計金額は通常時で102,180円、今回のセール時で52,950円である。約半額!
でもまあ、さすがにそれは買いすぎだし、そもそも今回の予算は10,000円なので、「とりあえずパッと見で興味のあるタイトルだけリストアップしていくか」と上から順にチェックをつけていったら、34本中23本にチェックがついてセール価格でも34,350円かかることが判明した。
多すぎるわ! 候補が! 「せっかく安いなら遊びたい」みたいな気になるタイトルが多すぎるわ!
実際に買ったもの
悩みに悩んで、電卓を何度も叩き……
この6本に着地。
価格は合計ピッタリ10,000円! このピッタリ具合から、いかに本気で選んだかを察してほしい。
過去に遊んだことがあるのは、『ファイナルファンタジーVI』と『ヴァルキリープロファイル』の2作。これらを「懐かし枠」として堪能しつつ、初めて触れる4作もたっぷり遊んでいくことにした。
こういうとき、人はつい自分が慣れ親しんだ名作ばかりを選びがちだ。ハズレがないし、思い出も詰まっているから。
でも、セールのいいところは、安さゆえに新しいチャレンジをしやすいところ! 懐かし枠もチャレンジ枠も両方買えちゃう!
さっそくプレイしていこう!
まず気になること:スマホでの操作感って、実際どうなの?
各タイトルをプレイした感想を語る前に、この話をしておきたい。
もう10年以上いろんなところで言われているテーマではあるが、かなり大事なことだし、意外とこういうWeb記事でしっかり言及される機会は少ないので、真正面から触れておく。操作感の問題について。
最初からスマートフォン用ゲームとして開発されたならともかく、今回のサマーセール対象タイトルは、ほぼすべてがもともとコンシューマー(家庭用)ゲームであり、それを後にスマートフォン向けに移植やリメイクしたものだ。
もちろん、昔に比べれば、仮想パッドやタッチ操作の技術はかなり進化したし、UI(ユーザーインターフェース)も全体的に洗練された。
……が、どうしても「遊びづらいのでは?」という懸念が生じる。なんなら、この懸念ゆえにスマホ版の購入を躊躇している人だって多いはずだ。かくいう筆者も、数ヶ月前に『FF5』や『サガフロ』や『サガフロ2』を趣味で買ったときは、同じ理由でSteamで購入した。
これについて、今回6タイトルを遊んでみた感想を率直に述べると……
自分自身が過去にコンシューマーでプレイしたタイトルなら、最初は操作に違和感がかなりあり、慣れるまで時間がかかるし、ストレスも正直ある。
そもそも未プレイのタイトルなら、違和感なく「そういうもの」としてストレスなく快適に操作できる。それくらい技術やUIは洗練されている。
……という感じだった。ぜひ参考にしてほしい。
筆者の場合、『ファイナルファンタジーVI』と『ヴァルキリープロファイル』が前者にあたる。どうしても自分の脳と身体にSFCやPSのコントローラーでの操作が染みついているので、感覚のズレが起きて「ぐぬぬ」となる。
プレイしていれば慣れるし、短時間ちょこちょこ遊ぶ分にはたいして気にならないのだが、家で長時間遊ぶときはBluetoothでコントローラーを自分の端末(iPhone)に接続してプレイするようにしていた。
が、それ以外の4タイトルは驚くほどストレスがなかった。とくに、『ケイオスリングスIII』は感動するほど快適で、いままでスマホで遊んだすべての3DRPGのなかでもっとも操作感がよかったと断言してよい。
ちなみに、あとから知ったが、同作はもともとPS Vitaとスマートフォン(iOS/Android)向けに同時開発されたタイトルだそうだ。どうりでこんなに。2014年の作品だが、これより操作しやすいRPGはいまでもそうそうないと思う。このすごさを体験できただけでも買った価値があった。
「いちばん好きなFFは?」と聞かれたらこの作品を挙げる! 『ファイナルファンタジーVI』
スーパーファミコン最後のファイナルファンタジーにして、グラフィック、ストーリー、戦闘システムの極まり具合がいまでも語り継がれる超名作! それが『FF6』だ! 『FF6』を語らせろ!
筆者は、「いちばん好きなFFは?」と聞かれたら6か9を挙げる。それくらい好きだ。とくに6は、物心ついて初めてちゃんとストーリーを理解しながらプレイしたFFなので思い出深い。
「夢幻闘舞」とか「必殺剣 龍」とか、『FF6』のおかげで覚えた漢字がたくさんあるし、それがうれしくて小学校の習字の授業で意味もなく「闘」と書いていた。いま冷静に考えるとだいぶ痛々しい。
1994年の発売当時からその圧倒的なグラフィックは高く評価されており、「FFと言えば映像美」というイメージが世間に醸成され始めたのも本作からだろう。
もともと美しいのだが、それがピクセルリマスターによって怖いほど美しくなっている。とても31年前のゲームとは思えないほどだ。
……えっ!? 『FF6』ってもう31年前のゲームなの!? 怖い!映像美よりそっちのほうが怖い!
序盤のハイライトである、マッシュとバルガスの一騎打ち。
マッシュのオリジナルコマンド「ひっさつわざ」ももちろん健在。格闘ゲームのようにコマンド入力して強力な攻撃を出すという、画期的なシステムだった。
マッシュ、いちばん好きだったな。昔はずっと、マッシュ、エドガー、カイエン、ティナでパーティーを組んでいた。
全身が張り裂けんばかりのむちむちマッスルボディを誇るマッシュは攻撃力も体力もとても高くて、「やっぱり身体は縦にも横にも大きければ大きいほどいいんだ!」と学んだ。おかげでいまでも大きい生物全般が大好きだ。
なお、これは『FF6』に限った話ではなく、FF1~6の「ピクセルリマスター版」すべてに共通なのだが、プレイを快適にするためのさまざまな便利機能や工夫が用意されている。
たとえば、倍速移動、どこでもセーブして終われる中断機能、負けても直前からやり直せるオートセーブ機能、取得できる経験値やお金を4倍にしたり、エンカウントをOFFにしたりするブースト機能……至れり尽くせりである。
これらのおかげで、現代のゲームと遜色ないテンポで、かつスマホで遊ぶのに適した利便性で、快適に遊べる。
個人的にはスキマ時間にちょこちょこ遊びたいので、すぐ始めてすぐ終われるのが本当にありがたい。
これならもう、土曜日のお昼、おばあちゃんと「ご飯できとるよ! はよう来なさい!」「もうすぐで次のセーブポイントじゃけえ、ちょっと待って!」みたいなやりとりをしなくて済む。
おばあちゃん、先に食べることだってできただろうに、ぼくがセーブするまでいつも待ってくれてて、優しかったな。ぜんぜんわかってないはずなのに、「きょうは、敵は倒せたんか?」なんて聞いてきて。
ぼくが「うん! マッシュがね、メテオストライクでね」って話すと、「ほ~、そうかそうか、がんばったんじゃのう」って、よくわからないなりにホメてくれて。ありがとう、おばあちゃん。ちりめんじゃこが入ったチャーハン、いまでも大好きだよ。なにこのちょっといい話?
そんな昔の思い出に浸りたいプレイヤーのために、フォントやBGMをオリジナル準拠の「クラシック」にできる設定があったり、
タイトル画面の「エクストラ」からサウンドプレイヤーが起動できたりするぞ! これはうれしい!
先日、新幹線で2時間半ほど移動する機会があったのだが、1時間ほど『FF6』をプレイして、そのあと眠くなったのでサウンドプレイヤーで連続再生ONにしてこれをBGMにしながら昼寝した。『FF6』漬けの幸せな移動時間だった。
さらに、細かいが本作のすばらしい点として、「コントローラー非接続時と接続時でUIが大きく変わる」というものがある。
まず、これがコントローラー非接続時。つまり、ふつうにアプリを起動してプレイしているとき。
「そうび」「アイテム」などのメニューが右手で選びやすいよう、右側に来ている。
そして、こちらがコントローラー接続時。筆者の環境で言えば、iPhoneにBluetooth接続でコントローラーをつないだときだ。
このときは、メニューが左側に来るほか、画面下に操作ガイドが出るなど、コントローラー操作に最適化された表示になる。
これはすばらしい! 外でパパッと遊ぶときも、家でガッツリ遊ぶときも、ほぼ自動的に状況に適した形に!
SFCというひとつの時代の頂点に君臨する作品が、こんなに美しく、こんなに遊びやすく、そしてこんなに安くなっているとは。懐かしい人も、初めての人も、ぜひ。個人的イチオシ。
25年の全力待機を経て初プレイだ! 『ファイナルファンタジーIII(3D REMAKE)』
ぼくはワンダースワンカラー版『FF3』を25年待ち続けている。ぼくはワンダースワンカラー版『FF3』を25年待ち続けている!
想いが強すぎて2回言ってしまった。本当はあと23回言いたいのだが我慢する。
筆者は、FC~SFCで出たFF1~6のうち、この「3」だけプレイしたことがない。4~6はSFCやPSでプレイして、1と2はWSC(ワンダースワンカラー)でプレイした。
3は、WSCで出ると当時のゲーム雑誌で読んだし、なんならそのためにWSC本体を親に頼み込んで買ってもらったので、開発中止の噂を信じられず、いまでも律儀に発売を待っている。ぼくはワンダースワンカラー版『FF3』を25年待ち続けている!
想いが強すぎて3回目を言ってしまった。本当はあと22回言いたいのだが我慢する。
しかし、いいかげん我々は呪縛から解放されねばならない。WSC版『FF3』の呪縛から。
というわけで、このセールを機に意を決して買った。『FF3』は「ピクセルリマスター版」と「3D REMAKE版」があり、通常価格にはあまり差がないが、今回のセールでは前者が約30%OFF、後者が50%OFFなので、後者のほうがちょっとお得。というわけで、3D REMAKE版を買った。
3D REMAKE版は、2006年に発売されたニンテンドーDS版がベース。
オリジナル(FC版)からさまざまな点が刷新されており、ほぼ新作と言って差し支えない。主人公たちに名前や個性が明確に与えられているほか、目玉システムである「ジョブチェンジ」のバランスも大きく調整されている。
具体的には、オリジナル版は終盤どうしても戦力的に厳しくなるジョブがあったが、3D REMAKE版はどのジョブでも最後まで活躍できることをめざしたバランスになっている。
総じて、オリジナルとは別物と言ってよいので、すでにオリジナルを遊んだことがある人にも遊び応えがある。なお、オリジナルに忠実なほうがいい場合はピクセルリマスター版がそれに該当するので、どちらを買うかは好みで決めるとよい。
筆者は『FF3』をプレイしたことがないくせにバージョンごとの違いにやたらと詳しいが、これはWSC版FF3を待ちすぎて『FF3』の情報だけはいつも仕入れ続けていたからである。執着が強すぎてもはや地縛霊みたいになっている。
ストーリーはいわゆる王道のFFであり、「剣と魔法とクリスタルの物語」である。
主人公ルーネスが親友アルクゥとともに旅立ち、レフィアやイングズと出会い、クリスタルの導きにより「ジョブ」の力を得て、やがて世界を救う冒険へ……という感じ。戦闘や育成のシステムもおなじみのもの。
ただ、「いまとなっては王道やおなじみになった」というだけであり、当時としては非常に斬新だったことを忘れてはならない。本作をお手本にして世にさまざまな名作RPGが生まれていったし、それこそ『FF』シリーズの中でも「5」は本作のエッセンスを多分に受け継いでいる。
3D REMAKE版はさすが携帯機のニンテンドーDS用にほぼゼロから作り直されただけあって、スマホとの相性も悪くないし、ゲームテンポもまずまず良好。
ただ……
意外と難度が高い!
「まあ、いまどきのゲームなんてポチポチ連打してればいちおう勝てるようにはしてあるでしょ」くらいの意識で臨むと、ザコ戦でも一瞬で全滅するので覚悟しよう。
4人で挑む最初のボスである、ジン戦。
ここもかなり難度が高いが、ダンジョンの道中で「なんきょくのかぜ」というアイテムがいくつか拾えたことと、直前のお城で見逃していなければ黒魔法「ブリザド」を手に入れていることを思い出せれば、かなりラクになる。
ゴリ押しでは勝ちづらい戦闘が多く用意されているし、ジョブチェンジシステムによるやり込み要素も豊富なので、攻略しがいがあるRPGを求めている人にかなりおすすめ。
個人的にいちばん好きなジョブは赤魔道士。
白魔法も黒魔法も使えるし、肉弾戦もある程度こなせる万能ジョブだが、どれも一番にはなれない器用貧乏ジョブでもある。
赤魔道士は、なんでもできるが、なんにもできない。その悲哀が好きだ。自分と重なる。一番になりたかった。なんでもいいから、なにかひとつでいいから、一番になりたかった。広く浅くじゃなくて、狭くて深くて、誰かの心に刺さるような人生を送りたかった。なにこの悲しい話?