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これがドラクエ流のローグライトだ。クローズドβテストを盛況のうちに終えた『ドラゴンクエストスマッシュグロウ』のファーストインプレッション

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1986年にファミコンで初代作が発売された「ドラゴンクエスト」のシリーズは、これまでの39年のあいだ、数多くのシリーズ作が世に出され、世代を超えて親しまれてきた。
そんなドラクエが、今回ついに、現代の若者にも大人気のローグライトゲームになった……!

これがドラクエ流のローグライトだ。『ドラゴンクエストスマッシュグロウ』プレイレポート_001

『ドラゴンクエストスマッシュグロウ』は、スクウェア・エニックスが2026年に配信予定のスマホ向けアプリ。ジャンルはドラクエのシリーズで初となるローグライトRPGで、毎回プレイするたびに、イチからプレイヤーキャラを育成しつつ攻略するのだ。

1回のゲームプレイは3~5分前後と短く、そのあいだにプレイヤーキャラはすさまじいインフレで成長していく。そんな、まるで「ヴァンサバ(ヴァンパイアサヴァイヴァーズ)」のようなローグライトの面白さに、多彩な育成システムと、ドラクエらしさがギッシリと詰め込まれた一作となっている。

そんな本作のクローズドβテストが先日実施されたので、ファーストインプレッションをお届けしよう。

文/澤田アツシ
編集/kawasaki

“攻め”を徹底的に重視したローグライトRPG

ドラゴンクエストスマッシュグロウでは、プレイヤーキャラが停止しているあいだ、通常攻撃をオートで繰り出してくれる。そのため敵から逃げるだけでなく、効率的に倒すための位置取りが超重要だ。

一例を挙げると、主人公の初期装備では3回連続攻撃を繰り出せるのだが、この3発目をうまく当てたいのである。

ヴァンサバ系と聞いて、終始逃げ回るゲームというイメージを抱くかもしれないが、本作はもっと“攻め”を重視しており、その点においては個人的にはどちらかというと『アーチャー伝説』に近いと思えた。

一定量の経験値を獲得することでプレイヤーキャラはグロウ(=レベルアップ)し、3つのなかから習得スキルを選ぶのは、ヴァンサバライクでは定番のシステムだ。習得スキルによって攻撃パターンもガラリと変わり、より効果的に戦える立ち回りも違ってくる。

いっぽうで攻撃を当てることで、必殺技「スマッシュ」を使うためのゲージが貯まっていく。

装備した武器によってスマッシュの攻撃パターンは違っていて、筆者がメインで使っていた武器では、まるでビリヤードのブレイクショットのように弾が飛んでいき、衝突した敵がさらに別の敵をも巻き込むという豪快極まりないモノだった。

そして、このスマッシュを数多く繰り出すことを念頭に置いてプレイするのがアツい。敵へのヒット数に応じてスマッシュ用のゲージを貯められるので、ときにはギリギリまで敵に接近して戦う必要も出てくるのだ。
臨機応変にキャラビルドを考える要素と、リスクとリターンの駆け引きが相まって、非常にスリリングなゲームだと思えた。

長期的な育成システムや世界観には「ドラクエ」らしさがたっぷり

数多くあるローグライトゲームと本作が決定的に違うのは、(当たり前だが)「ドラゴンクエスト」のシリーズ作であることだ。

往年のドラクエファンなら、ドラクエでおなじみのモンスターが新たに登場するたびに、(ターン制のRPGではない)本作のシステムで、どのような攻撃を繰り出してくるのかを考えてしまう。もともとの個性を生かしつつ、ヴァンサバライクならではの攻撃をしてくるモンスターを見て、「そう来たか!」と唸らされることもしばしばであった。

というか、筆者のようなおっさん世代のプレイヤーは、ゲーム内の随所で“あの”BGMを聞くだけでテンションが爆上がりしてしまうのだ。はっきり言って、ずるい。

ゲーム内にはドラクエでおなじみの各職業が登場し、どれを選ぶかで装備アイテムやゲーム中のスキル選択も変わってくる。パーティプレイの要素や“転職”もある。

モンスターからドロップした「メモリ」を装着することでパラメータを上昇させられる、『ドラゴンクエストウォーク』で定評のあるシステムも搭載している。もちろん、ガチャドロップによる装備アイテムの収集・強化もある。

今回軽く触っただけでもビルドの多彩さは相当なものであった。運営型のスマホゲームを何作もヒットさせている同社なので、長期的な視点でコツコツと育成する面白さにも期待できそうだ。

本作のゲームシステムの根幹は『アーチャー伝説』や『ヴァンサバ』からの影響を色濃く受けているが、それとは別に独自性もたっぷりとある。

ヴァンサバやアーチャー伝説といった作品は既に、ひとつのジャンルとして確立されているといって良いと思うが、その影響を受けたうえでプラスアルファがどれだけ含まれていて、そして結局のところゲームとしてどれだけ面白いかが、大事ではなかろうか。

そういった観点においては、本作には独自性が多々あり、しかもドラクエらしさで丁寧に味付けされていて、面白い作品に仕上がっている。今後の正式サービスに向けての展開が楽しみな一作だ。

ライター
フリーランス物書き。面白そうなことはとりあえずやってみる系ライター。趣味は子どもと遊ぶこと。子どもと一緒にゲームやって、ドーナツ食べて、バカみたいに笑うのが生きがい。コミュニティFM局「TOKYO854くるめラ」でパーソナリティーもしています。普段は塾講師。
Twitter:@Ashy256

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