DRIMAGEは7月27日、新作スマートフォン向けRPG『オズ リライト(OZ Re:write)』のリリース直前オフラインイベントを、東京・秋葉原で開催した。

今回のイベントは、8月19日に正式サービスを迎える本作の魅力を、より多くの人に知ってもらうべく開催されたもの。会場内には特設ステージが用意され、開発スタッフ・出演声優を招いたトークショーや、本作のキャラクターに扮したコスプレイヤーの撮影会が行われた。
そのほかにも、ゲームを先行体験できる試遊台や、ゲームの世界観を再現したフォトスポットなどが設置され、真夏日の秋葉原を道行く大勢の人たちが足を止め見入っていた。
文/澤田アツシ
聞き手/竹中プレジデント
編集/kawasaki
※この記事は『オズ リライト』の魅力をもっと知ってもらいたいDRIMAGEさんと電ファミ編集部のタイアップ企画です。
物語を書き換える、異世界冒険アニメRPG
オズ リライトは、おとぎ話『オズの魔法使い』などの世界観にインスピレーションを受けて制作された、iOS・Android向けのアニメRPG。プレイヤーは世界を再構築できる7人の“リライター”と共に、ANOTHERと呼ばれる異世界を冒険するのだ。
童話やファンタジーなど、既存の物語の再解釈をテーマに、さまざまな物語の登場人物をモチーフにしたキャラクターたちが登場する。それらのキャラクターは2Dアニメ風のビジュアルで描かれ、多彩な声優陣などと相まって、まるで“アニメを遊ぶ”ようなゲーム体験を楽しめるのが大きな特徴だ。
開発陣が語る“ユーザーと共に紡ぐ物語”とは
ステージイベントでは、本作の開発会社MACOVILLでプロデューサーを務めるチェ・スングァン氏と、アートディレクターのイ・スヨン氏が登壇。本作の開発経緯などを語った。

チェ氏は、今年3月に開催された「開通(β)テスト」の参加者に礼を述べ、そこで得られたフィードバックをもとに「戦闘とメインストーリーの改善」に注力したと話した。
戦闘面では、ほぼすべてのキャラクターのスキル構成を見直し、パーティ内での組み合わせを替えるだけで、戦略性の高いバトルが楽しめるよう調整。
また、メインストーリーの展開を再構成し、軽快なテンポを生み出すことを重視したという。UIや操作性の改善、全体的なコンテンツの流れにも手を加えて、より快適なゲームができるように配慮したとのことだ。
アート面についてイ氏は、開通テストでは制作が間に合わず、一部キャラクターアートが不均一だったことについて言及。リリース版ではこれらを改善し、「どのキャラクターでも、その魅力を最大限に楽しめるよう拡充した」と話した。
チェ氏は、ゲームのテーマである“リライト”について、「これは物語を書き換える、ゲーム内システムを越えたテーマ」だと説明。ユーザーの投票で新キャラクターを作る「共同創造キャンペーン」を2月に実施しており、これらを通じて、ユーザーと一緒にゲームを作る体験も、本作ならではの見どころだと語った。

続いて、オズ リライト 日本運営チームの阿部氏が登壇。ドロシー役の長谷川育美さんが歌う楽曲『Rewrite:キミと紡ぐ物語』を起用した最新PVをお披露目し、本作の日本サービスについて語った。

上述した「共同創造キャンペーン」で作り出されるキャラクターも、ここで明らかになった。
紹介された“乙姫”は、これまで7回もの投票を経て、ユーザーの意見を反映しているとのこと。かわいい見た目に反して毒舌キャラという、ユニークな設定となっている。
ちなみに、乙姫はまだ完成には至っておらず、8月にも引き続き“共同創造キャンペーン”が行われるという。完成した暁には無料で配布されるほか、彼女が登場するゲーム内イベントなども予定されているとのことだ。
正式サービス開始後から5週目までのロードマップも公開された。
期間限定イベントやエンドコンテンツなどを立て続けに実装し、「週替わりでさまざまなイベントが楽しめる」と、本作をアピール。
最後に、とあるボーカロイドとのコラボ楽曲を予定していることも紹介。
現在は鋭意制作中で、人気のボカロPが参加していることも含め、阿部氏は「続報を楽しみにしてほしい」と呼びかけていた。
声優のトークショーやコスプレイヤーの撮影会も実施
ステージではそのほか、コネティー役の声優ささきのぞみさんと、エスメラルダ役の早瀬ゆりさんが登壇したトークイベントや、本作に登場するドロシーとシャルロットの衣装に身を包んだコスプレイヤーの撮影会などが行われた。


先行試遊やフォトスポットを設置。事前登録者にはオリジナルグッズも
イベント会場内には、本作を体験してもらうべく8台の試遊機が設置され、多くの来場者で賑わっていた。秋葉原駅の近く、さらに休日ということもあり、道路側に設置された36人のキャラクター紹介パネルでは、立ち止まって眺める通行人の姿が多く見られた。
『オズ リライト(OZ Re:write)』は現在、公式X(@Ozrewrite_JP)で事前登録キャンペーンを実施中だ。キャンペーンはリリース直前の8月18日まで行われ、登録者数が5万、10万、15万、20万人を達成するごとに、さまざまなプレゼントが当たる抽選会なども行われるとのこと。
日本のゲームやアニメ文化が好きすぎる開発者にメールインタビュー
ここから先は、本作の開発会社MACOVILLでプロデューサーを務める、チェ・スングァン氏へ行ったメールインタビューの内容を紹介しよう。
──日本のゲームやアニメがお好きとのことですが、特に思い入れのある作品を教えてください。
チェ・スングァン氏:
いまや古典ともいえる作品ですが、ゲームは『クロノ・トリガー』、アニメは『星界シリーズ』です。
スーパーファミコン版のクロノ・トリガーの発売前は、指折り数えて待ちわびていました。そして壮大なストーリーと音楽に魅了され、全キャラのレベルをカンストさせるほど夢中にプレイしました。
これに触れて、「自分でもRPGを作ってみたい!」と思うようになったんです。
また、当時の日本アニメには素晴らしい作品が非常に多かったのですが、なかでも『星界シリーズ』は特に思い入れがあります。『星界の紋章』から『星界の戦旗』『星界の断章』に至るまで、全シリーズを繰り返し視聴するほど大好きです。
──日本のゲームやアニメ文化からは、どのような影響を受けましたか?
チェ氏:
クロノ・トリガーは、古代、中世、現代と時空間を超えて物語を紡ぐストーリーが最も印象的でした。たとえ同じ場所を舞台としていながら、計り知れないゲーム体験が得られるんだなと。
星界シリーズでは、同じ空間、同じ出来事の中で登場人物たちがそれぞれの立場によって異なる考えを持ち、葛藤する部分に多くのことを考えさせられました。物語を多様な視点から立体的に展開していく点がすごいと感じましたし、いつかこのような物語を自分でも作ってみたいと思いました。
そして「日本語のひらがなを覚えたい!」と思いました。
いったいどういうわけか、先にカタカナを先に覚えてしまったのですが(笑)、初めて「セーブ」というメニューを読めた時はすごく嬉しかったのを覚えています。
また学校では、ノートを使って自作ゲームを作るようにもなりました。休み時間中、友達に自作ゲームで遊んでもらったりしましたね。それと漫画にもチャレンジしたのですが、こちらは友達からの評判が今ひとつでした(苦笑)。
──現在ハマっている日本のゲームやアニメはありますか?
チェ氏:
好きな作品が多すぎて選ぶのは難しいですが……。上記の作品以外だと、『スーパーロボット大戦』シリーズが思い浮かびますね。
初めてこの作品に触れた時、それぞれ異なる物語を持つロボットアニメが一同に会するのは、ファンにとって“聖なる福音”のようなものだと感じました。
ロボットごとの個性が際立っているので、戦略的にロボットを操作するのがとても楽しく、主題歌と共に展開されるストーリーや戦闘にはアツくさせられます。あらためて振り返っても、すごい作品だと思います。
──とくに好きなゲームやアニメのキャラクターはいますか?
チェ氏:
『星界シリーズ』のラフィールと、『プリコネR』のジュン。
それと、『ブルーアーカイブ』のリオのビジュアルも好きです。
どうやら私は、普段は強くて理性的で冷静だけど、主人公に対しては優しい一面を見せるようなキャラクターが好きみたいです(笑)
──最近ハマった日本のゲームはありますか?
チェ氏:
最も熱心にプレイしたゲームは『オクトパストラベラーII』です。
このシリーズは、伝統的なRPGのスタイルを受け継ぎつつ、古臭さを感じさせないように洗練されたプレイフィールがあって、そこがとくに気に入っています。
また、キャラクターごとに独立した物語が展開され、それらが交差することで生まれるストーリー構造も見事でした。各キャラクターの個性や魅力が自然に伝わってくるため没入感が高く、王道ながらもよく練られたシステムも相まって、非常に遊びやすいです。クラシックな手法と現代的な演出が絶妙に融合した、良いゲームだと思います。
──アニメに関しては、いかがでしょうか?
チェ氏:
『劇場版 鬼滅の刃 無限城編』を待ちわびていました。
この作品は原作のころからキャラクターたちの魅力が際立っていましたが、アニメ化の際に独特の映像や音楽の表現が加わったことで、いっそう魅力的になりました。
最初から最後まで感動しましたし、いつか『オズ リライト』でも、このような素晴らしいアニメーションを作りたいと思わずにはいられませんでした。
──チェさんがゲーム開発者を目指した経緯について教えてください。
チェ氏:
いまでも覚えているのは、15歳くらいの頃に『第4次スーパーロボット大戦』をプレイしたときのことです。
ノートにゲームの絵を描いたり、鉛筆でサイコロを作ったりして、友達にゲームで遊んでもらうことに夢中になっていました。
このとき、数少ない友人たちが、私の作ったゲームを楽しんでいる姿を見て、誇らしく、嬉しかったんです。また、もっと多くの人々に自分が作ったゲームをプレイしてもらえる想像をすると、胸がいっぱいになりました。それがきっかけで、「本物のゲームを作ってみたい!」と思うようになったんです。
──憧れのゲームクリエイターはいますか?
チェ氏:
坂口博信さんを尊敬しています。
幼い頃から大好きな『FF』のシリーズを生み出したことはもちろんですが、どこかのインタビューで坂口さんがおっしゃっていたことが、とても心に残っています。
「完成した後、『プレイしてほしい』と思えるなら、それは自分にとって既に100点のゲームだと言えます。そう思えるまで調整を重ねているので、私自身も自信を持って世に出しています。」という話をされていたんです。
私はゲームを発表するたびに、「これで大丈夫なのだろうか?」という不安を抱えていたのですが、坂口さんのこの言葉を見て勇気づけられました。ちなみにこの言葉は、私が普段スマホで使っているメモ帳のアプリの1番最初のページにも書いていて、毎日目にしています。
そのほかには、ゲーム開発の現場で働いていると、たとえ名声が知られていなくても、尊敬できる開発者が見られます。皆さんがそれぞれの持ち場で最善を尽くしている姿を見るたびに、私も頑張らねば! と心を引き締めています。
──現在の日本のスマホゲーム市場に対して、どのように分析していますか?
チェ氏:
私は以前、日本でサービスしていたゲームの開発作業に携わっていたのですが、そのときのプレイヤーの皆さんの対応を、いまもよく覚えています。
心から楽しんだり、応援してくださったり、改善アイデアを送ってくださったりする人もいたんです。大変に勇気づけられましたし、いまも良い思い出として残っています。
ですので今回の『オズ リライト』でも、真心を込めてゲームを開発し、真摯な気持ちで皆さんに寄り添い、そして気に入ってくださるといいなと期待しています。
──『オズ リライト』の、どの部分に注目してもらいたいですか?
日本にはRPGのファンが多く、またアニメやマンガを好む人もたくさんいます。
そして、これらは「ストーリー」と「キャラクター」を大事にしていることが共通しています。
『オズ リライト』では、ストーリーとキャラクターの魅力を最大限に引き出すことに注力しているので、ぜひ注目してほしいですね。
それともうひとつは、本作における「リライト」というテーマです。
ゲーム内のストーリーはもちろんですが、ゲーム外でもプレイヤーの皆さんと一緒にキャラクターを制作する「共同創造キャンペーン」など、共に創造していける展開は、きっと新鮮に感じてもらえると思います。開発・スタッフが一丸となって、皆さんと一緒に歩んでいければ、これに勝る幸せはありません。ぜひご期待ください!