“45万円”のプロジェクターが我が家に届いた。
一般的にプロジェクターといえば「映画鑑賞のための贅沢品」というイメージが強い。
しかし、我が家に届いたプロジェクター「HORIZON 20 Max」の価格はNintendo Switch 2が約9台も買えてしまうほどの超高額設定だ。
早速開封してみると、今まで嗅いだことのない高貴な香りが漂う。
これが、最新のテクノロジーが放つ芳香だというのか……
見ればみるほど、こんな平凡な我が家に存在するのが異常に見えてくる。
このプロジェクターが飾られるべき家は、優雅で天井の高い豪邸だ。内装や家具も、それに見合った高貴さがないとバランスが保てない!
このプロジェクターを置くには、我が家はみすぼらしすぎる!
「いっそこの家を取り壊すか……」
そんな錯覚すら抱かせる風格だが、肝心なのは「映像」だ。とりあえず、サンプル映像を流してみる。
すると……
自宅が山脈になった
部屋の壁一面が、瞬時に雄大な山々に書き換えられた。映像がクッキリ映るとか、そういう次元ではない。
これはもはや単なる映像機器ではなく、部屋の空間そのものを定義し直す「異世界への入り口」だ。
続いて初期設定を済ませようとすると、我が家の猫がいそいそと近づいてくる。
初期設定の時点で超反応!身を乗り出して、画面に飛びついてきた。チョイチョイとWi-fiマークをいじる姿が愛らしい。
「ニャーン」と鳴く猫をそっとどかしていた時、筆者はふと「人間はどう映るんだろう?」と思い立つ。
試しに、電ファミのYouTubeで公開しているひろゆきさんの動画を流してみる。
デケェ……
ひろゆきさんの映像は、先ほどの大自然とは違うベクトルだ。毛穴までもが見えているのではないかと錯覚してしまうほどの生々しさ、凄まじい実在感……思わず戦慄した。
ということで、今回は最新型のプロジェクター「HORZION 20 Max」を使用した感想をレビューする。
文/DuckHead
編集/TsushimaHiro
※本記事は、「HORIZON 20 Max」の魅力をもっと知ってもらいたいXGIMI株式会社さんと電ファミ編集部のタイアップ企画です。
ヒトの目を超越してる?圧倒的な臨場感と機能性

冒頭で説明したとおり、「HORZION 20 Max」の映し出す映像は綺麗さはもちろんのこと、かなりの臨場感と迫力だ。次は、機能面について軽く説明する。
このプロジェクターには、宇宙工学レベルで使用されるレーザーガラスとXGIMIの技術が込められた自社開発レンズ「X-Masterレッドリングレンズ」が搭載されており、昼でも夜でもくっきりと映像を投影できる機能が実装されている。
そのコントラスト比【※1】は、市販の一般的なプロジェクターが「1000:1」に対し、なんと「20000:1」と圧倒的。暗さと明るさ、光と闇が極限までくっきりと映し出される。さらに、色調は人間の目に見える色のほとんどを含んでいる広色域「BT.2020」【※2】を110%まで引き出せるとか。
人間の能力、超えちゃってるってこと?
1※コントラスト比
画面の「最も明るい白」と「最も暗い黒」の輝度(明るさ)の差を比率する際に使用する言葉。「1000:1」のように表記され、数値が高いほど明暗の差が大きく、メリハリの効いた鮮明な映像になる。
2※BT.2020
BT.2020(Rec.2020): 4K/8K放送やUltra HD Blu-ray向けに策定された広色域(広大な色空間)の規格。従来のフルHDで使われていたBT.709よりもはるかに広い色をカバーする。人間の目に見える色のほとんどを含む「CIE1931色度図」の約75.8%をカバーする色域となっている。

また、「HORZION 20 Max」にはオートフォーカス機能や障害物を検知して自動で画面サイズを調整してくれる機能があるため、この映像を投影するためにこちらが何かをする必要が一切ない。
プロジェクターの初期設定を終えたらすぐに映像を楽しむことができるストレスフリーな設計は、とても嬉しい。
また、画面を投射した際に自動的に台形を補正してくれる機能がついている。これは、プロジェクター本体を画面の正面に置かずとも、斜めからでも画面の角度をまっすぐに自動的に補正してくれるという優れもの。
筆者が今まで触ってきたプロジェクターは手動で調整しなくてはならなかったため、これはかなり嬉しい機能だ。
さらに、自動的に障害物を回避する機能も搭載されており、スクリーンが配置されているのであれば画面を自動的に最適化してくれる補助機能も嬉しい。

今回、筆者の壁に直接映像を映しているが「HORZION 20 Max」は300インチ(縦:約3.7m 横:約6.6m)のスクリーンにも対応する模様。我が家の壁が足りない……。
しかし、我が家の壁はそこまで巨大ではないが、それでも映像美を十二分に感じられた。

さらに、「HORZION 20 Max」本体に搭載されている「レンズシフト」機能により、本体を動かさずにレンズ自体を上下左右に物理的に移動させて映像を投影する位置も変更可能。プロジェクター本体に触れることなく、投影映像を上下左右に調整できる。
それに加えて、「光学ズーム」機能により、映像を投影できる範囲は最大9.96m。レンズを動かして映像を拡大・縮小するので、画質はそのままに、約10m離れた場所に映しても鮮明で劣化のない映像を映し出せる仕組みとなっている。
端的に言うと、自宅で映画館並みのクオリティで映像を流せてしまう。ということだ。
人間を映したら“そこに居る感”が抜群。天井にも映せる
プロジェクターの用途として真っ先に思い浮かんだのは「映画鑑賞」だ。
映像が持つ躍動感やリアリティが損なわれてしまわないかどうかが気になるところ。また、「HORZION 20 Max」は、本体単体だけでもネットワークに繋ぐことで各種サブスクや動画サイトをダウンロードすることができるので、なおさら重要と言えるだろう。
冒頭でも触れたが、今回は電ファミYouTubeの動画【ひろゆきにゲーム語らせてみた】を投影してみることにした
改めて見てもかなりのリアリティ。まるで、ひろゆきさんがこの部屋にいるかのようだ。毛穴さえも見えてきてしまうのではないか?感じるレベルの生々しさが、壁一面に広がる。
ちなみに、「HORZION 20 Max」は上下に回転させることができる。つまり、天井に映像をブチ当てることが可能だ。寝たまま山脈を仰ぎ見たり、天井からひろゆきさんが語りかけてきたりする。
そんな摩訶不思議な状況を体験した結果、一つの結論に至った。
「天井にゲームを映せば、寝たまま永遠に没入できるのではないか?」
幼少期に抱いた「天井がゲーム画面になればいいのに」という夢。それが今、45万円の暴力的な技術力で結実する。これはかなりの背徳感だ。この没入感を知ってしまえば、もう普通のモニターには戻れない。
いざ、ゲームをプレイしたら画質と音響で世界を塗り替える
さて、公式サイトによると「HORZION 20 Max」は1ms(ミリ秒)の極低遅延で、シームレスなゲーム体験が可能であるという。
300インチの画面に対して、1080pの240Hzのリフレッシュレートで入力遅延が1ms。4K画質の60Hzでも遅延は3msと限りなくスムーズな映像が投射できる。
加えて、メモリ(RAM)は従来のプロジェクターが約2GBであることと比較しても4GBと2倍。ストレージ(ROM)に関しては128GBも搭載されているため、投影される映像は高速で処理される仕組みだ。
さらに、本体にはVRR【※1】とALLM【※2】に対応しており、ゲームをプレイしている最中には入力遅延を排除し、滑らかで途切れのない映像とゲームプレイが楽しめるとのこと。
1※VRR
Variable Refresh Rate(可変リフレッシュレート)の略称。ゲーム映像などのフレームレートに合わせてディスプレイのリフレッシュレート(Hz)をリアルタイムに同期させる技術。ゲーム中に発生する画面のちらつきやカクつきを抑制する。
2※ALLM
Auto Low Latency Mode(自動低遅延モード)の略称。ゲーム機などのHDMI機器からの信号に応じて、「低遅延モード(ゲームモード)」と「高画質モード」を自動で切り替える機能。ゲーム中は遅延を減らして操作性を高め、映画鑑賞時などは高画質モードに自動で切り替わる。手動での設定が不要になり、より快適な視聴・プレイ体験を提供

また、画面は「5,700 ISOルーメン」【※】の高輝度で、強い日差しの中でも制限なく、映像は明るくクリアに映像を投影できるという。昼でも夜でも無敵のプロジェクター、という訳だ。
※5,700 ISOルーメン
プロジェクターの明るさを示す国際規格ISO/IEC 21118に基づいた、非常に高い輝度のこと。リビングの照明が点いた状態でも鮮明でパワフルな映像を投写できるレベルの明るさで、映画館のような体験を家庭で提供する際に指標となる数値。
とはいえ、最新鋭のプロジェクターで映像美・躍動感・リアリティが醍醐味のド派手なゲームを最大限に楽しめるというのは簡単に想像がつく。そこで私の中に、ひとつの疑問が浮かびあがる。
「逆に、映像じゃなくてテキストやイラストが基本になってるノベルゲームって、どのくらい楽しめるんだろうか?」
そこで、筆者はプレイヤーが行動をテキストで入力し、それを受けた生成AIが新たに物語を描写し、物語が紡がれていく“文字だけRPG”『Saga & Seeker』をプレイしてみることにした。
本作は自分でプロフィールやスキルなどを設定してキャラクターを作成することもできるが、上記のように、ひろゆき、ヨコオタロウなど現代の著名人から、フロイト、ニーチェなどの偉人などあらかじめ用意されているキャラも存在する。
これらのメンバーと共にさまざまなクエストに出発し、自らの選択がストーリーに反映されるという代物だ。さて、このタイトルを高級プロジェクターでプレイしてみると、どのようなプレイ感になるのだろうか。
まず、驚いたのは「情報の解像度」が物理的なサイズによって底上げされるという体験だ
先述したとおり、『Saga & Seeker』はプレイヤーがテキストを入力して物語を紡いでいくゲームである。そのため必然的に、細かい文字を読み込む時間が長くなる。
極度の近視、かつ乱視持ちである筆者にとって通常ならPCモニターを凝視する作業は苦行に近いのだが、「HORIZON 20 Max」が映し出す文字は巨大でありながら輪郭がくっきり鋭利で、ストレスなく視界に飛び込んできた。これはありがたい!
特筆すべきは、プロジェクター本体の「反射光」による視覚的な心地よさだ。液晶モニターのように光源を直接見つめるのではなく、壁に反射した柔らかな光を浴びているため、ニーチェやフロイトといった饒舌な面々と数時間対話を続けても目が疲れにくい。 これも非常に助かる。
「文字を読む」という行為が、デジタルな作業から「広大な壁面に刻まれた叙事詩を眺める」ような贅沢な体験へと変質していく。

さらに、音響面でもプロジェクターの存在感が光る。
内蔵スピーカーから放たれる重厚なBGMは、部屋の空気を一変させ、壁に映るイラストと相まって「部屋そのものがゲームの世界に飲み込まれる」ような全方位の没入感を作り出していた。
単に映像がデカいのではない。視覚と聴覚の両面から、現実の部屋の境界線を消し去ってしまう感覚だ
綺麗なイラストに見やすい文字、それに加えて迫力のBGM。低負荷なテキストRPGであっても、この「空間を定義し直す力」を持つプロジェクターを通せば、その没入感は最新の3Dゲームにも引けを取らないものになる。
描写に関してもすばらしい。
静止画の背景イラストに描かれた、居酒屋のコップや豚の丸焼きの質感さえも、まるでそこに実在するかのような生々しさで迫ってくる。
また、本体にはゲームジャンル別にプロジェクター設定を変更することで、自動的にパフォーマンスが最適化される機能も搭載されている。
一例として、「スポーツモード」ではモーションブラーを減らして、より高いスピード感を実感できるようになり、「FPS」モードではフレームレートを最大化し、スムーズにゲームプレイを楽しめる。

また、FPSで言うと「HORIZON 20 Max」には暗い場面の細部を自動的に強調して鮮明に映し出してくれるので、文字が強調されて見やすくなる機能「ブラックイコライザー」も搭載されている。
この機能は、暗闇で敵を発見しなくてはならないFPSを遊ぶ際にも使えそうだ。
さらに、「HORIZON 20 Max」のオプションを設定するとバーチャルクロスヘア(的)も表示させることが可能で、クロスヘアが存在しないゲームなどに対しても照準を維持しやすくなる便利機能も搭載されている。
猫ちゃんが暴れても安全な“視力保護モード”搭載
次は、本体に搭載されている安全機能について紹介したい。起動設定をしていると我が家の猫ちゃんが飛んできたことは冒頭で説明したとおり。
猫ちゃんは自身の身体にキーボードが映ってしまっても興味津々だ。
「かわいいなぁ」と、飼い主バカを炸裂させつつ、しばらくその様子を眺めていると、テンションの上がった別のネコちゃんが部屋に走り込んできて、プロジェクターの前へ突撃!
ネコちゃんたちの可愛さに気を取られて、プロジェクターから発せられているのが強い光だということを忘れていました。
「危ない!」
と反射的に声を出したその時!
プロジェクターの“アイ・プロテクション”モードが発動!
すぐに光の量を抑え、猫の目を守ってくれた。
この機能は、映像を投影中に人物や生物が通りかかると自動的に光をおさえ、目を守ってくれるという親切なもの。
よくプロジェクターの前を通る際に「まぶしっ」となっていた筆者にとって、これはありがたい機能だ。猫ちゃんも安全に飛び回ることができる。
45万円もの高額プロジェクター「HORZION 20 Max」を使ってみて感じられたのは、「映像」「画像」「文字」「音響」「ネコちゃんの食いつき」のどれもが高水準であったということ。間違いなく高級品ではあるが、それだけの価値がある製品と思えた。
個人的な話にはなるが、『かまいたちの夜』や『428 〜封鎖された渋谷で』といったサウンドノベル・ミステリー系のゲームの愛好家としては、「文字を大画面で読める」という点はとても重要なポイントだ。
自宅にプロジェクターを設置して、視覚的に向こう側の世界へ訪れたい方は、「HORZION 20 Max」の購入を検討してみてはいかがだろうか。













