『アイドルマスター』765プロ所属アイドルである如月千早による日本武道館での単独公演の開催が発表された。そう、如月千早“本人”による公演だ。“音楽ライブの聖地”である日本武道館に、765プロの歌姫が舞い降りる。
公演タイトルは「Oath ONE」。開催日は2026年1月24日。本日3月25日よりチケット予約販売が開始されていることも告知されている。
「アイドルマスター」シリーズの歴史において、武道館ライブが開催された事例はあるが、今回はまさかの“アイドル本人”が、しかも単独（ソロ）での公演である。
補足しておくと、“アイドル本人”とは“ゲームの登場キャラクター”のことを指している。つまり、本公演はMRアイドル【※】としての如月千早による音楽ライブを意味することになる。
※ MRアイドル……複合現実（MR）技術を活用したライブやタレント活動を行うアイドルのこと。
初代『アイマス』より、歌をこよなく愛するアイドルとして、卓越した歌声で多くのファンを魅了してきた如月千早。彼女のイメージカラーである“青”は、いつしか『アイマス』における“歌姫”ポジションの象徴となった。
後に登場した『アイドルマスター シンデレラガールズ』や『アイドルマスター ミリオンライブ！』などの派生ブランド作品においても、通称“青（蒼）の系譜”として受け継がれている。
そんな彼女が、音楽シーンの“聖地”である武道館でのまさかの単独公演……彼女を導いてきたプロデューサー（プレイヤー）や作品のファンにとっても言葉にならない嬉しさなのではないだろうか。
そんな記念すべき発表をはらんだ記者会見では、集まった報道陣の前に如月千早がソロで登場。報道陣との質疑応答をリアルタイムでくり広げた。
あの千早が、その場で、こちらの投げかけた質問にみずからの言葉で答えてくれたのである。まさに次元の壁を超越した、夢のようなひとときであった。
記者会見の模様はYouTubeLiveやニコニコ生放送などで配信されているが、本稿では未配信シーンも含めた質疑応答の模様をお届けしていく。ぜひ最後まで楽しんでいただければ幸いだ。
※記事を作成するうえで編集を入れており、配信での質問順と異なる箇所がございます。また、如月さんの発言をテキスト形式にするにあたり、一部の表現を変更させていただいています。
取材・文／山本雄太郎
編集／竹中プレジデント
真冬の海で凍えながら撮影……キービジュアル製作時のエピソードを語る
──本公演の開催を初めて伝えられたときの心境を教えてください。
如月：
正直、本当に私でよかったのかなという気持ちもありました。でも、ステージに立たせてもらうとなったからには、全力でやり遂げたいという強い気持ちに、いまは変わっています。
──ストイックで謙虚な姿勢も如月さんの魅力だと感じますが、いまのご自身に足りないこと、公演に向けて成長していきたいと思うことなどを教えてください。
如月：
いまの自分に足りないことは、挙げたらきりがありません。本番までにそれらをひとつずつ埋めていけるように、日々のトレーニングやレッスンに取り組み、表現を磨いていきたいです。
──本公演のコンセプトやキービジュアルを決めるにあたって、如月さんも意見を出されたのでしょうか。また、キービジュアル撮影の際の思い出などがあれば教えてください。
如月：
はい。すべてではありませんが、「こんな風にしたい」という思いをお伝えし、スタッフの皆さんがこのような形にしてくださいました。
（キービジュアル撮影は）じつは真冬の海での撮影だったので、体が凍えそうなくらい気温が低かったんです。手が震えてしまって……。ただ、不思議なことに、本番になると手が震えなくなったんです。
最終的にはデザイナーの方が“文明の技術”を用いて、とても美しくしあげてくださいました。
──今回は単独公演ということで、765プロの皆さんといっしょに公演に臨まれるときとの心境の違いについて教えてください。
如月：
これまでも、公演中にソロで歌わせていただくことはありましたが、やはりパフォーマンスを終えたら、振り返れば仲間がいるので。今回、ひとりでステージをやり切るというのは（765プロとしての公演と）大きく違うと思います。
「子どものころから憧れの存在」武道館という“夢”の舞台に懸ける思い
──ソロでの武道館ライブということで、緊張はしていますか？
如月：
はい。とても緊張しています。
──“音楽ライブの聖地”で公演することについて、意気込みを教えてください。
如月：
いま、とても心が震えています。さまざまなアーティストの方にとって、武道館は“夢”だと思います。しかもソロコンサートなんて……。身が引き締まる思いです。
──武道館という場所について、如月さんはどのようなイメージをお持ちでしょうか。
如月：
音楽を志す者なら、誰もが一度は憧れる場所だと思います。私も、子どものころから憧れの存在でした。まさかその舞台に、私がひとりで立つなんて。
たくさんのアーティストやアイドル、そしてその方々を応援する皆さんの思いが詰まった、本当に素敵な場所だと思っています。
──憧れを現実にしようとしているいま、ご自身の“歌”にかける情熱や意気込みについて語っていただけますか。
如月：
ひとりで皆さんに歌を届けるということに、とても緊張しています。でも、それ以上に“ひとりだからこそ”の表現が届けられるように、努力したいです。
──公演タイトルにちなんで、如月さんがふだんの活動や生活のなかで“誓って”いるマイルールなどがあれば教えてください。
如月：
日々のトレーニングを欠かさない……ことでしょうか。
──武道館ならではの演出やパフォーマンスの構想、あるいは公演にあたって楽しみにされていることなどがあれば教えてください。
如月：
ステージの演出などについては、多くのスタッフさんが現在考えてくださっている最中かと思います。
私としては、会場独特の形（を生かした）、まるで空から歌声が降ってくるような、隅々まで歌声が届けられる音響環境にできたらと、そう思っています。
765プロメンバーからの反応は？ 仲間たちから受け取ったメッセージを胸に携えて
──公演決定を受け、如月さんがよろこびの報告を最初に伝えたのはどなたでしたか。
如月：
まずは、同じ事務所の仲間のみんなに伝えました。みんなすごくよろこんでくれて……。それを見て、私自身のためにも、そして応援してくれる仲間のためにも、がんばろう、と思いました。
──765プロの皆さん、とくにソロ、デュオ公演を経験したメンバーとは意見交換をされたのでしょうか。
如月：
765プロのみんなからは、たくさんのアドバイスをもらっています。そのアドバイスを糧に、素晴らしいステージをお届けできるようにしたいです。
──具体的にどういったお言葉をかけてもらえたのでしょうか。
如月：
まず、報告を受けたときに事務所にいた我那覇響さんに伝えました。我那覇さんは、いつも「私のソロライブが待ち遠しい」と声をかけてくれていたので。
同じ理由で、四条（貴音）さんや、萩原（雪歩）さんにも。とくに萩原さんは、自分のことのようによろこんでくれました。「絶対に観に行く」と言ってくれました。
（画像は「アイドルマスターOFFICIAL WEB アイドル名鑑 我那覇響」より）
（画像は「アイドルマスターOFFICIAL WEB アイドル名鑑 萩原雪歩」より）
──765プロとしては、菊地真さん＆萩原雪歩さんによるデュオライブをはじめ、天海春香さん、秋月律子さんがそれぞれソロライブを行っています。如月さんがご覧になっていたとしたら、ぜひ感想を教えてください。
如月：
はい。もちろん拝見しました。とくに一番初めに公演があった「菊地 真 ・ 萩原 雪歩 twin live “ はんげつであえたら ”」は本当に衝撃的でした。真と萩原さんのふたりのライブがこんな風になるんだと、配信で何度も見返しました。
私もいつか誰かと……と思っていたのですが、まさかソロとは思いませんでした。ですが、自分にかけていただいた期待に、心から応えたいと思っています。
何年経っても色褪せない、「宝物」のようなステージに
──本公演に向けて、如月さんが取り組んでいることはありますか？
如月：
いままで以上に、歌のレッスンに取り組んでいます。それ以外にも、ひとりでステージに立つということで、これまで以上に体力を求められるので、体力トレーニングもいまからしっかりと始めていこうと思っています。
──今回の公演での目標を教えてください。
如月：
まだ演目もすべて決まりきっているわけではないので、最後の最後まで吟味して、観に来てくださる方々が本当に楽しかったと思っていただけるような、そんなライブにしたいと思っています。
──如月さんは、本公演をどういった方々に観てもらいたいと思っていますか？
如月：
これまで応援し、支えてくださったたくさんの方々、そして仲間や関係者のかたにも観に来てほしいです。……それと、両親にも。
またこの大きなプロジェクトが、私たち765プロのみんなに興味を持ってくださる一助となるよう、いままで私たちを知らなかった方々にも、ぜひ観に来ていただきたいです。
──本公演について「私たち（765プロ）を知らなかった方々にも、ぜひ観に来ていただきたい」とのお言葉がありました。765プロのアイドルのライブが初参加の方でも楽しめるライブになるよう、心がけたいと考えていることがあれば教えてください。
如月：
“伝える”ということに真摯に向き合いたいと思っています。初めて聴いてくださる方の心にも響く歌声を、届けられたらと。
──ファンの方々に向けて、どのようなステージを届けたいとお考えでしょうか？
如月：
何年経っても、あのときの光景が目に浮かぶ。あのときの歌声が耳に残る。そんな、“宝物”のようなステージにできればと。
──今回、如月さん単独で記者会見に臨まれたことについて、率直な感想をお願いします。
如月：
いつもは横に誰かがいるのですが、今回はひとりということで本当に緊張しました。でも、自分の言葉で皆さんにお伝えできてよかったと思っています。
──公演当日までに、さまざまなプロモーション展開を期待するファンの方も多いかと思いますが、公演に向けた取り組みについての意気込みをお願いします。
如月：
まだ決まっていないことも多いのですが、だからこそ、いただいたことに全力で取り組み、皆さんといっしょに公演をつくりあげていくことができればと思っています。
公演タイトルとなっている「Oath ONE」について、「Oath」は「誓い」を意味し、
「いつも応援してくださるファンや765プロの仲間へのひとつの誓い」
「武道館公演という新たな挑戦や決意を込めた始まりの誓い」
「このライブに全力を尽くし、すべてを懸ける誓い」、
の3つの意味が込められているという。
「皆さんに多くのものをお返しできるようなライブにしますので、ぜひ観に来てくださるとうれしいです」と、並々ならぬ覚悟をうかがわせた“765プロの歌姫”。
質疑応答を終えた後、あらためて如月さんは、
「今回のライブは、これからの765プロの道筋を決める、本当に、本当に大切なライブ」
「だからこそ、私の出せる全力を出し切り、つぎにつなげられるようなライブにしたいと思っています」
と、決意表明した。
そして最後に、「何よりも大好きな歌を世界中の人に聴いてほしい。心から、そう思います」との言葉で、会見を締めくくった。
そんな如月さんの歌声が余すところなく堪能できるであろう、今回のソロ公演。果たして彼女は、“聖地”たる武道館でどのようなパフォーマンスを見せてくれるのか。
深く蒼き海から星空に向かって手を伸ばしたその先で、何をつかみ取るのか。期待は高まるばかりだ。
©窪岡俊之 THE IDOLM@STER™& ©Bandai Namco Entertainment Inc.
