現地時間の6月10日（土）～12日（月）にかけてアメリカ・ロサンゼルスで開催されたUbisoft Forwardのリアルイベントにて、『スター・ウォーズ アウトロー』に関する最新情報が発表された。本稿ではイベント中のプレゼンテーションをもとに、本作の明らかにされたポイントをお届けしていく。
【※更新 2023/6/13 11:00】記事中の一部画像を公式ゲームプレイ解説動画のものに変更。クリエイティブディレクター・Julian Gerighty氏へのインタビューを追記しました。
取材・文／久田晴
■『スター・ウォーズ アウトロー』ゲームプレイ解説映像
本作は言わずと知れた名作映画『スター・ウォーズ』シリーズを原作とするオープンワールドゲーム。公式映像の概要欄では“史上初オープンワールドの「スター・ウォーズ」ゲーム”を謳う作品で、開発は『ディビジョン』シリーズなどでも知られるMassive Entertainmentが担当している。
ゲームの舞台は映画『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』（エピソード5）と『スター・ウォーズ/ジェダイの帰還』（エピソード6）の間にあたる時代だ。主人公は公式に“悪党”と称される女性、ケイ・ヴェス。タイトルの「アウトロー」から受ける印象通り、銀河系の裏社会の住人のひとりである。
イベント中の発表によると、彼女はとある過去の事情から常に追われ続けるような日々を送っており、自由と新たな人生を切望している。それらを手にするべく奮闘するさまが本作『スター・ウォーズ アウトロー』では描かれていくという。かわいい相棒・ニックスとともに、さまざまな依頼をこなして裏社会での地位を上げていくのだ。
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会場ではゲーム序盤と思われるゲームプレイの映像が公開され、それはケイとニックスが依頼品を無事に盗み出したシーンから幕を開けた。基本的なゲームプレイはTPS形式のアクション&ステルスゲームとなっているらしく、背後から忍び寄ってテイクダウンしたり、遮蔽物に身を隠したりといったオーソドックスなシステムが採り入れられている。
映像で見えた中での本作の大きな特徴のひとつが、相棒・ニックスの存在だ。どうやらニックスにはボタンひとつでさまざまな行動を行わせることができるらしく、映像中では自分は隠れたままニックスにボタンを押してクレーンを動かしてもらったり、倒した敵の銃を拾ってきてもらう姿が確認できた。
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ニックスに回収してもらった敵の銃はケイが持つ標準のブラスターよりも強力そうな様子だったが、撃ち終わるとその場に捨ててしまう。あくまでオプション的な運用になるのだろう。
侵入がバレてしまったケイは交戦に移り、まず立ちはだかるひとり目の敵を西部劇さながらの早撃ちアクションで倒す。その後の戦闘でも上述の通りニックスから銃を受け取ったり、周囲に配置された爆発物の利用、シールドを構えた敵にはブラスターのモードを切り替えて対処するなど、単純な射撃戦に留まらないバトルの模様を見ることができた。
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敵地から脱出したのちには『ジェダイの帰還』を思い起こすようなスピーダー・バイクを使ったチェイスがスタート。ここでは周囲の敵をマーキングしてから矢継ぎ早に撃ち落とすという、通常の射撃戦とは異なる方法で場を切り抜けていた。
なお、ケイの愛用するスピーダー・バイクは、従来の『スター・ウォーズ』シリーズに登場したものとは少しデザインの方向性を変えているとのこと。実際のモトクロスに使うバイクをイメージした外見となっており、ゲーム中ではドリフトやジャンプといったスタントも決められるという。
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無事に追手から逃げ切ったケイは街へ足を運び、その地下に待つ依頼人らしきエイリアンに成果物を届ける。しかしそこには銀河帝国の軍人も待ち受けており、ケイはワイロを要求される。イベント中の映像ではワイロを断り、帝国軍に追われながら宇宙へ逃げ出す……という流れだったが、大人しくワイロを渡す選択肢も用意されているようだった。
公開された宇宙に脱出する流れでは、帝国軍の戦闘機と宇宙空間でドッグファイトを繰り広げるシーンも。最後には映画ファンにはおなじみ、ハイパースペースで宙域から脱出してひとつの区切りを迎えた。
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なお、今回のイベント中のミッションはゲームで初登場となる惑星「Toshara」を舞台にしたものだったが、ゲーム中にはシリーズでおなじみの惑星も登場するとのこと。世界初公開トレーラーでも「カーボン冷凍されたハン・ソロ」や「ジャバ・ザ・ハット」などの姿が確認できており、映画ファンへのサービスも注目ポイントのひとつと言えるだろう。
『スター・ウォーズ アウトロー』は2024年の発売を予定している。まだ詳細については明らかにされていない点も多いが、『スター・ウォーズ』世界で“悪党”をやれるというだけでも心躍るものを感じずにはいられない。引き続き、本作の動向を注視していきたいところだ。
『スター・ウォーズ アウトロー』：クリエイティブディレクター・Julian Gerighty氏インタビュー
──本日はよろしくお願いいたします。
Julian Gerighty氏：
はい、よろしくお願いします。
──本作は『スター・ウォーズ』という世界的な映画を原作としたゲームとなるわけですが、映画のファンとしてはトレーラーに「カーボン凍結されたハン・ソロ」や「ジャバ・ザ・ハット」が登場していたのが非常に印象的でした。それと同時にゲームオリジナルの主人公を立てた作品となっていますが、映画シリーズとのつながりはどのようなものになるのでしょう？
Julian Gerighty氏（以下、Gerighty氏）：
これは以前からお話ししている通り、『アウトロー』では『エピソード5/帝国の逆襲』と『エピソード6/ジェダイの帰還』の間を描いていきますので、物語自体はもちろん映画シリーズに続いていく内容となります。まだ詳しくはお話しできませんが、映画でなじみ深いキャラクターたちも登場しますよ。
ただし、本作の主人公であるケイ・ヴェス自身が直接映画に結び付いているというわけではありません。
──なるほど。今回のトレーラーはゲームオリジナルの「Toshara」という惑星を舞台にしていましたが、例えば映像に出てきたジャバ・ザ・ハットの拠点もある「タトゥイーン」や、シリーズ全体で重要な位置を占める「コルサント」といった惑星に足を運べたりはするのでしょうか。
Gerighty氏：
そのあたりもまだ細かにお話しするわけにはいかないんですが……（笑）。予告されたものは確実に“あります”ので、期待していただけると嬉しいですね。
──承知しました（笑）。もうひとつ設定的なところをお聞きするのですが、ケイと銀河帝国軍、そして反乱軍との関連はどのように描かれていくのでしょうか？ 今回の映像では帝国軍に追われることになっていましたが……。
Gerighty氏：
ひとつ重要なのは、本作はあくまでケイの物語であり、帝国軍と反乱軍の戦争にフォーカスしたストーリーではないということです。
もちろん『スター・ウォーズ』の歴史通り、銀河では帝国軍と反乱軍が戦っている時代ですので、帝国軍と戦う場面はありますし、反乱軍のキャラクターも登場する“かも”しれません（笑）。ただ、あくまでメインは裏社会に生きる主人公のストーリーの方ですね。
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──ありがとうございます。では、少し話題を変えて本作の特徴的なキャラクター、主人公の相棒である「ニックス」についてうかがいたいと思います。キュートなルックスのニックスですが、何とも実際の動物に例えにくい外見をしていて……このデザインはどこから着想を得られたものなんでしょう？
Gerighty氏：
イヌ、ネコはもちろん、トカゲやアルマジロなどなど、色々な動物の要素を組み合わせて生まれたのがニックスですね。ただ、開発の中ではアライグマの動画を特にたくさん見ていたと思います（笑）。
補足しておきますと、ニックスはこれまでの『スター・ウォーズ』シリーズから採り入れたわけではなく、完全に本作オリジナルの生き物です。もちろん、制作にあたってはルーカスフィルム・ゲームズと協力して取り組んできました。
──アライグマはかわいいですからね！ 映像ではスイッチを代わりに押してくれたり、銃を拾ってきてくれるアクションが紹介されていましたが、他にはどのようにしてプレイヤーの役に立ってくれるのでしょうか。
Gerighty氏：
ニックスは上で挙げていただいたアクションのほかにも、敵を直接攻撃したり、敵の注意を引いたりしてケイの冒険をサポートしてくれます。戦闘だけでなく、隠されたロケーションを見つけ出してくれることもありますよ。
──仮に敵を直接攻撃した場合、ニックスは相手を倒せてしまえるんですか……？
Gerighty氏：
えー……“再起不能”に陥らせることができます（笑）。
──なるほど（笑）。小さくキュートなニックスですが、頼れる存在になりそうですね。
Gerighty氏：
今作の主人公・ケイは『スター・ウォーズ』シリーズの“ジェダイ”のような特殊な能力を持った存在ではありません。なので、ジェダイの主人公であればフォースを使って行うアクションを、ニックスにお願いしているようなイメージですね。ある意味で、ニックスは「ケイの力のひとつ」といったイメージになるとも言えると思います。
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──なるほど、アクションのイメージが少し定まった気がします。それではお時間も近くなって参りましたので、最後に日本のファンに向けたメッセージなどをいただけますでしょうか。
Gerighty氏：
日本の『スター・ウォーズ』ファンの皆様の熱量のすごさにはいつも驚かされていますし、とても嬉しく思っています。今後も本作『アウトロー』についてお伝えできる内容があれば、積極的に発信していきたいと思っていますので、なにとぞよろしくお願いいたします！
──ありがとうございました。（了）
