臣従させた氏族を、信じていいのか。「天下分け目」が待つ終盤戦
天下統一が見えてきた終盤にも、本作ならではの駆け引きがある。
まず、氏族を滅ぼしたときの選択肢として「臣従させる」というものがある。このあたりは、パラドックス社のストラテジーを遊んできた人なら「あれね」となるやつかと思う。
だが本作には「天下分け目」というイベントが用意されている(※天下統一が近づくと、ほかの勢力が一斉に敵に回るイベント)。
このイベントがあるために、臣従させた氏族の扱いには、かなり慎重な対応が必要になる。最終決戦の瞬間に、国家の心臓部で謀反を起こされる、ということも起こりうるのだ。
なお本作では、この天下分け目の設定を変更できるようになっている。これはコンプリートエディションでの変更点のひとつだ。

そもそも、何をもって天下統一とするのか。大名選択時に表示される勝利条件にも注目してほしい。「京都を占領し、維持して征夷大将軍になる。
以下を含む25の領国を占領する」とあるように、「地図全体を自分の色で塗る」のがゴールではない。逆に、「歴史に明確な勝者がないように、本作にも勝者はいません」などと言い出すほど、ヤバい勝利条件が設定されたゲームでもない。

源平合戦から戊辰戦争まで全部入り
最後に、本作が「全部入り」であることに、改めて注目したい。
オリジナル版には大きな追加コンテンツとして、源平合戦を扱った「Rise of the Samurai」と、戊辰戦争を扱った「Fall of the Samurai」がある。本作にはこの2つも同梱されており、ゲーム起動直後からプレイできる。源平合戦も戊辰戦争も、これらを扱ったグランドストラテジーとなると、あまり多くない。
どちらの時代の戦いにも独特の面白さがあり、これだけでも大きな魅力といえる。

またオリジナル版には様々なシナリオが提供されてきたが、これもすべて同梱されている。長篠・長島・姉川・河越(河越夜戦)といった、入手し損ないがちなシナリオもすべて収録されているのは嬉しい。
「Fall of the Samurai」の同梱に伴い、幕末シナリオ(鳥羽伏見や会津、宮古湾など)も全部収録されており、こちらもありがたいポイントだ。
無論、これらのシナリオの評価は、分かれるところがあるのは事実だ(特に幕末シナリオ)。ただ個人的には「まずはあるだけでも嬉しい」という感想になる。また「河越」は史実が興味深い展開を示した夜戦であり、ゲームシナリオとしても面白いのでオススメしたい。少なくとも筆者は楽しめた。

加えて本作では、12家の大名とは別に、50以上の中小勢力が新たにプレイ可能になった。これもコンプリートエディションでの変更点だ。「次はこの国で、こういう方向でやってみようか」という楽しみは、オリジナル版とは比べものにならないほど広がっている。

「Total War」が初めての人にこそ薦めたい決定版
総じて言えば、本作は「Total War」シリーズに初めて触れるゲーマーにとって、優れた選択となり得る。合戦と国家経営の両方で判断を迫られ続ける手触りは、ストラテジーが好きな人ほど楽しめるはずだ。また『トータルウォー:ウォーハンマー40,000』が待ちきれないというファンにとっても、本作は良い予習となるだろう。
本作は2026年10月14日発売、対応プラットフォームはPC(Steam、Epic Games Store、Microsoft Store)で、価格は5,990円(税込)。なおSteam版を購入した場合は、オリジナル版『Total War: SHOGUN 2』とそのDLCもあわせて付与される。

