先入観にとらわれすぎないことは大切だ。
『クレアラ・セレクト』を「東京ゲームダンジョン14」で試遊して、改めてそう思わされた。
本作は8つの人格を持つ蜘蛛少女・クレアラの生態を7日間かけて調査し、兵器利用に最も適した人格を選ぶことが任務となる、生態調査型恋愛アドベンチャーゲームだ。
試遊では3日間の調査を行うことができ、3つの人格に出会うことができた。筆者はそのなかで、人間に対して敵意を向ける攻撃的な人格「カミツキ」について詳しく知っていくこととなる。
カミツキの攻撃性を兵器利用できるかもしれないと考えていたが、彼女を調査する過程で見えてきたのは、まったく違う一面だった。
採血の注射針や、触診を怖がる様子はまるで病院嫌いの小型犬のよう。一度そう見えてしまうと、彼女の攻撃的な言動のすべてが、怖いのをかくして強がっているように感じられてくる。
そんな様子を知ったうえで対話をしてみると……あれ、この人格めっちゃツンデレ可愛いのでは?
本稿では『クレアラ・セレクト』を試遊して、ひとつの人格の可愛さに夢中になっていった様子をお伝えしていく。
取材・文/としあど
個性豊かな人格との出会い。兵器利用に向いているのは誰?
本作では画面下部の操作盤を使ったり、アイテムを支給するなどの条件を満たすことで、新たな人格を呼び出すことができる。今回の試遊で出会った人格は、どれもくせ者ばかりだった。
最初に表に出ていたのは「シズカ」。とにかく寡黙で、何を考えているのかがわかりにくい。会話も必要最低限のことしか話してくれないような印象だ。
こちらに関心を向けられておらず、兵器利用どころか仲良くなるのもひと苦労しそうだ。
次に、異臭のするジャーキーを支給して呼び出したのが「クルイ」。人間を食べようとする人格だ。
おとなしかったシズカとは一変して、完全に話が通じないという化け物らしい危険性を感じる。
最後に呼び出した「カミツキ」は、人間に敵意むき出しの人格だ。攻撃的で言葉遣いも強いが、ほかのふたつよりは話が通じそうだ。
兵器にするなら、この攻撃性は武器になるかもしれない。
いずれの人格もコミュニケーションをとるのが大変そうだ。兵器利用に適した人格を見つけるのはまだしも、このひと癖もふた癖もある人格たちと恋愛関係になんてなれるのだろうか?
攻撃的な人格かと思ったら、注射針が怖い……? なにそれかわいい
調査2日目には、採血や触診といった身体検査を行うことになった。表に出ていた人格は「カミツキ」。危険な調査になるかと思いきや、筆者は彼女の意外な一面を見ることとなる。
襲われる危険がないように椅子に拘束し、それでも攻撃的な態度を崩さないカミツキ。恐る恐る採血をしようとすると……
注射が怖い? だとしたらこの強気な態度は怖がっていることを悟らせないための強がりなのか?
そう思うといっきにカミツキが可愛い性格に見えてきた。動物病院で必死に吠えて抵抗してる小型犬を見ているかのようだ。
めっちゃがんばってガマンしててえらい!!
兵器利用を企てられるような危険生物が、注射一本でこうも可愛く見えるようになるとは。
続いては触診だ。背中の触診をするためには拘束を解いてあげる必要がある。解いた瞬間に襲われる危険もあるため、リスクが高い選択を迫られている……はずなのだが、筆者は拘束を解くことを即決した。
だって、目の前にいるのは注射が怖くて「ぐぎぎぎ……!」ってガマンするかわいすぎる生物ですよ?
実際のところ、カミツキは触診のあいだも怯えたようにじっと目を瞑ってガマンしてくれた。
身体検査を通して、攻撃的で危険かと思っていたカミツキの態度が、いじらしくてかわいく感じられるようになってしまった。これでは兵器利用なんてかわいそうでできないし、カミツキのことがもっと知りたくなってしまうではないか!
対話で深まる理解。知れば知るほど兵器利用しづらくなる……!
調査3日目には、カミツキのことをもっと知るための対話を重ねた。ことあるごとにカミツキは敵意むき出しの言動を見せるのだが、それがまったく怖くない。というかぜんぶかわいい。身体検査で見たギャップに狂わされてしまっている。
そんな対話のなかでは、カミツキという人格が生まれた経緯も語られた。
人間の攻撃に対抗する。注射針でさえ怖い彼女にとって、それはどれだけ勇気のいることなのだろうか。壮絶な経験をしていることを思わせるセリフだ。
カミツキはほかの人格との関係についても教えてくれた。カミツキは生まれた順番も早い。だからお姉ちゃんらしく優しくて大らか(自称)なのだとか。
人格たちは表に出ていない時でも脳内で会議をしたりするようで、寡黙なシズカとは言い合いをすることもよくあるらしい。
カミツキが言うには、シズカは頑固な性格だという。おとなしそうでとても頑固には見えなかったが、そんな一面もあったとは。
人格同士でしかみせない部分もあるのだろうか。だとしたら、ほかの人格からみたカミツキの話もぜひ聞いてみたいところだ。
そんなふうに彼女たちのことを聞いていると……
カミツキの髪型が変わっている!
Steamストアページによれば、調査が進むにつれて同じ身体だったクレアラは、その人格だけの姿へと変化していくという。ここからさらにカミツキらしくなっていくということなのか。
そうと知ってしまったらもう調査任務とか兵器利用とかどうでもいい!カミツキの調査を進めてカミツキだけの姿となったクレアラの姿を見なければ……!
と、完全に私利私欲に走る決心がついたところで試遊は終了となってしまった。

攻撃的だと思い込んでいたカミツキの印象は、たった一本の注射針でひっくり返ってしまった。
今回は最初にカミツキの魅力を知ることとなったが、きっとほかの人格にも意外でかわいらしい一面があるのだろう。
製品版ではそんな魅力をたくさん見せつけられたうえで、7日間の調査の果てに選択を迫られる。
まだ見ぬ人格やカミツキのさらなる魅力、その果てに待ち受けるものが今から楽しみだ。『クレアラ・セレクト』は2027年にSteamにてリリース予定だ。










