1993年に公開された実写映画『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』の未公開映像が発掘された。Game Spotなど複数の海外メディアが報じ、注目を集めている。
映画『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』は、任天堂が誇るキャラクター「スーパーマリオ」を題材にした実写映画で、マリオをボブ・ホスキンスさん、ルイージをジョン・レグイザモさん、クッパを名優で知られるデニス・ホッパーさんが演じている。
6500万年前、巨大隕石の落下によって恐竜世界と人間世界が2つに引き裂かれた世界。絶滅したと思われていた恐竜は進化し、独自の世界を地下に作り上げていった。
ニューヨーク・ブルックリンで配管工の仕事を請け負うマリオとルイージの兄弟は、ある日、マリオたちは地下の下水路で化石発掘を行う調査チームのデイジーと知り合うが、食事した後にデイジーは何者かに連れ去られてしまう。追いかけた先の地下空のに広がっていたのは、恐竜人の帝国。そしてデイジーを探すマリオとルイージの前にに、地下帝国の王クッパの魔の手が迫る。
本作は興行的には失敗したとみなされており、映画の興行成績を集積、分析するウェブサイト「Box Office Mojo」によると、4800万ドルの制作予算に対して、それを下回る約2100万ドルの成績を記録。現在でも映画情報サイト「IMDb」においては、ユーザーの集積評価が4.1/10という低評価となっている。ただしゲームの『スーパーマリオ』シリーズとかけ離れた珍妙な味わいを愛好する人もおり、これまでカルト映画として一部で人気を博している。
本作の未公開映像は、プロデューサーのローランド・ジョフェさんがVHSテープとして所有しているだけで、一般に公開はされていなかった。しかし、ファンコミュニティである「Super Mario Bros: The Movie Archive」が独自に発掘。これまで未公開だった20分にもわたる映像は、劇中の登場人物であるイギーとスパイクが、クッパ王を倒したいというラップを披露するシーンや、クッパが部下をスライムに変身させるシーンが含まれている。
未公開映像や制作資料の発掘自体は数年前から行われていたが、入手できた映像が低品質だっため、リマスタリング作業を行い、本編との再編集と合わせて、文化保存を目的とした資料閲覧サービス「Internet Archive」にて公開されている。だが本作はBlu-rayの権利表記からわかる通り、映画製作会社Allied Filmmakersと任天堂が権利を持っており、今回の公開に対して権利元が静観をするのか、どういう判断をするのかは不明だ。
「Super Mario Bros: The Movie Archive」は映画関係者にインタビューを実施したり、制作資料を発掘したりと『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』に対して熱心なファンコミュニティだ。以前から『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』のBlu-rayの再販を訴えているが、今回の未公開映像を含むエクステンデッド版（拡張版）の公開と合わせて、このバージョンのオフィシャルな公開を目指している。その動向に注目といえそうだ。
