リチャード・ギャリオットは『Ultima』開発前に何を? ジョン・カーマックはPC版『スーパーマリオ3』を作っていた? 2003年以前のゲームの動きを克明に記したドキュメンタリー本「ダンジョンズ&ドリーマーズ」が無料公開へ

 『Ultima』リチャード・ギャリオット氏『DOOM』ジョン・カーマック氏ジョン・ロメロ氏といった著名なゲームクリエイター、そしてコミュニティを育てていったゲームファンたち。
 ゲームを中心にしたコミュニティ全体のムーブメントを記録したドキュメンタリー「ダンジョンズ&ドリーマーズ」の翻訳者である平松徹氏が、すでに絶版となった本書を無料配布する準備を進めていると同氏のツイッターアカウントで発表した。pdf化にあたり、手直しも行われるようだ。

 『ダンジョンズ&ドリーマーズ』はブラッド・キング氏ジョン・ボーランド氏による2003年発行の著書で、2004年には平松氏が翻訳したバージョンが発売された。
 今や伝説と呼べるゲームクリエイターだけでなく、ゲームファンたちも含んだコミュニティ全体の記録を、綿密な取材によってまとめているのが大きな特徴だ。翻訳者の平松氏は本書刊行当時、『Return to Castle Wolfenstein』のサーバー運営を行う気合の入ったゲームファンだったという。

 『Ultima』や『DOOM』といった著名なゲームの開発記録だけでなく、たとえばリチャード・ギャリオット氏が処女作『Akalabeth: World of Doom』をパソコンショップで売り出したときの話や、ジョン・カーマック氏が『スーパーマリオブラザーズ3』のPC移植版を作って任天堂に売り込んだ話など、著名人たちが伝説となる前の興味深い話も収録されている。

※Vimeoにジョン・ロメロ氏が投稿しているPC版『スーパーマリオブラザーズ3』の映像。

 また、日本でも最近取り沙汰されるようになったeスポーツやコミュニティによるゲームプレイイベントの、海外での様子を知る意味でも本書は有用だ。たとえば今年『DOOM Eternal』『Rage 2』のゲームプレイ映像が公開されたQuakeConの始まりは、id Softwareのゲームが大好きなファンたちによるLANパーティイベントに端を発している。

 ほかにもゲームを取り巻くコミュニティの活動として、こういったゲームイベントだけでなく、暴力ゲームへのバッシングやMOD文化についても触れられている。

(画像は紀伊國屋書店 | ダンジョンズ&ドリーマーズ―ネットゲームコミュニティの誕生より)

 『ダンジョンズ&ドリーマーズ』の発売は2003年と少し古いが、それだけに当時の様子を克明に描いている。現在へと続く当時のゲームのコミュニティの発生と変遷は、そのゲームのファンならずとも楽しめるはずだ。

 中古本であればアマゾンでも比較的簡単に購入できるが、今回の無料配布を機に本書がより多くの人に届くことを願ってやまない。

 なお、現在平松氏のツイッターではpdf制作にあたってレイアウトの投票を9月20日ごろまで行っている。レイアウトへの希望がある人は、そちらの投票にも参加してほしい。

文/古嶋 誉幸

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一日を変え、一生を変える一本を!学生時代Half-Lifeに人生の屋台骨を折られてから幾星霜、一本のゲームにその後の人生を変えられました。FPSを中心にゲーム三昧の人生を送っています。
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