『オーバーウォッチ2』×『スト6』コラボ!!!
リュウ姿のハンゾーに、春麗姿のジュノ、キャミィ姿のウィドウメイカー……“幻想(ユメ)”じゃねえよな…!? ゼニヤッタのダルシムにシグマのベガまで……!
Blizzardとカプコン!! 生まれてきてくれて、ありがとう!!!!!
5月9日(土)の「EVO Japan」にて発表された本コラボ。『オーバーウォッチ』も『ストリートファイター』も大好きな筆者にとってはまさに夢のような出来事で、本当に、本当に「ありがとう」の言葉しか出てこない……。俺は世界で一番幸せな人間だ……。
そんな興奮も冷めやらぬなか、コラボ発表時には来日して「EVO Japan」のステージにも登壇された『オーバーウォッチ2』アソシエイトゲームディレクター・Alec Dawson氏へのインタビューの機会をいただきました。「これを逃す手はねえ!」と喜び勇んで参加したところ ──。
「もうすぐ実際に遊んでいただけると思うと、これ以上ないくらいワクワクしています」
「『スト4』のころからずっとブランカを愛用しているんです」
「『EVO』も今回が初めてではなく、過去にも何度か選手として参加しているんですよ」
「私自身もウィンストンの『ブランカ』スキンを愛用しています」
このディレクター、すっごく嬉しそうに話してくれる……!!
さらにAlec氏以外にも開発チームには『ストリートファイター』のファンがたくさんいるそうで、今回のコラボは『オーバーウォッチ2』としても特に気合が入っている模様。コラボスキンの数は過去最多の8種類、さらに「近接攻撃の特殊サウンド」に特殊ボイス、エモートなども複数用意されているとのことで、聞いただけでもその熱量は感じ取れるでしょう。
※『オーバーウォッチ2』×『ストリートファイター6』コラボスキン一覧は以下の通り
ハンゾー × リュウ
ジュノ × 春麗
キリコ × ジュリ
ウィドウメイカー × キャミィ
ゼニヤッタ × ダルシム
ソルジャー76 × ガイル
ウィンストン × ブランカ
シグマ × ベガ
というわけで、本稿では誇り高き格ゲーマーにして『オーバーウォッチ2』アソシエイトゲームディレクター・Alec Dawson氏へのインタビューの模様をお届けしていきたいと思います。

文・取材/久田晴
念願だった『ストリートファイター』コラボがついに実現! 過去最多となる8種類のコラボスキンには「近接攻撃の特殊サウンド」付きで、気合の入りっぷりがすごい
──本日はよろしくお願いいたします。今回は『ストリートファイター6』という非常にメジャーなゲームとのコラボということでとても期待しているのですが、そもそもこのコラボはどのようにして実現したのでしょうか。
Alec Dawson氏(以下、Alec氏):
はい、まずすべてのコラボは開発チームが「この作品とコラボしたい!」、「この作品が好きだ!」というところから始まっています。そして私たちのチームには『ストリートファイター』を遊んだり、観戦するメンバーがたくさんいましたので、これまでもコラボ先を検討するとき、常に『ストリートファイター』という選択肢は候補の中にありました。
また『オーバーウォッチ』の全体的なアートスタイルも、『ストリートファイター』に影響された部分があります。キャラクターをちょっと現実よりもオーバーに、性格・体格の両面で誇張して描いている部分だとか、そういったキャラクターたちが画面中を飛び回るように激しく動く姿だとか、そういった部分には両作品に通じるものを感じますね。
──コラボスキンの数も過去最多とのことで、かなり気合を入れたコラボであることが伝わってきます。
Alec氏:
実は今回のコラボは1年以上かけて準備してきたものですので、やっと皆さんにお見せすることができ、もうすぐ実際に遊んでいただけると思うと、これ以上ないくらいワクワクしています。
私たちとしてはコンセプトアートが完成したときから、実際に3Dモデルが制作され、ゲーム内に実装され、ついに動く……という流れを見届けてきましたから、本当に感慨深いものがありますね。実際、開発チーム内でのテストプレイでは、ほとんどのプレイヤーがシグマの「ベガ」スキンを使っていますし、私自身もウィンストンの「ブランカ」スキンを愛用しています。
さらに、今回のコラボで喜ばしいことがもうひとつあり、ジュノやキリコ、ソルジャー76などコラボスキンを実装するヒーローの内の何人かが新モードの「スタジアム」に実装されていることですね。スタジアムでは三人称視点でゲームをプレイできるので、より自分のヒーローのスキンを堪能できると思います。
来シーズンにはゼニヤッタもスタジアムに追加されるので、ぜひ「ダルシム」スキンを三人称視点で使っていただけると、より『ストリートファイター』らしさを感じられると思います。

──コラボと言えば『オーバーウォッチ2』になってから『ワンパンマン』や『カウボーイビバップ』、『僕のヒーローアカデミア』など日本IPとのコラボが特に多く見受けられます。これには何か理由があるのでしょうか?
Alec氏:
日本のコンテンツはカッコいいものが多いですから、開発チームの中にも日本のIPが好きで、熱意を持っている人間が多いというのが理由だと思いますね。今回の『ストリートファイター』も、スタッフが自信をもって「大好き」と言える作品です。
社内チャットに「オーバーウォッチの次のコラボは何がいい?」というチャンネルがあるのですが、そこでもずーっと「『ストリートファイター』はできないの?」という意見が出され続けていました。私以外にも、社内に『ストリートファイター』ファンがたくさんいるのは間違いありません。
特に『ストリートファイター6』が発売された際にはすごい盛り上がりで、みんなが「対戦しようぜ!」と。「この人、格闘ゲームやるんだ!」って新しい発見があるくらい社内で人気を集めていましたね。
──スキンを制作する中で、『ストリートファイター』という対戦格闘ゲームのキャラクターを『オーバーウォッチ2』に登場させるにあたって、デザイン面ではどのような工夫が必要だったんでしょうか。
『ストリートファイター』のキャラクターは全体的にとても筋肉質な体型かつ衣装も派手で、それを『オーバーウォッチ』の世界になじませる必要がありますよね。しかもゲーム的な当たり判定とか、ゲーム中のヒーローのシルエットに影響を与えるわけにも行かないと思いますし。
Alec氏:
基本的な方針として、他のIPとのコラボでは『オーバーウォッチ』のヒーローが「コスプレをしている」という説明をさせていただいています。今回もそれは変わっていなくて、ハンゾーはリュウほど筋肉質になっていないですし、ジュノも春麗のような体つきにはなっていません。そういう意味で「コスプレ」っぽさはあると思いますね。
一方、シグマにはベガのようなショルダーパッドを付けてみたり、ゼニヤッタはダルシムらしく「足が伸びそう」な感じを表現してみたりと、なるべく『ストリートファイター』らしさを出せるようにいつも以上に力を入れました。
特に気に入っているのはソルジャー76の「ガイル」スキンですね。彼の髪型はすごくガイルっぽくなっているので、ぜひそこにも注目していただきたいです。

──今回のコラボでは、ハンゾーが『ストリートファイター』の顔ともいえる「リュウ」のコラボスキンに選ばれましたよね。これはやはり、彼がアルティメットで“龍”を使えるからなのでしょうか?
Alec氏:
やはりこのコラボをするにあたって、リュウと春麗の登場は必須かなというのはチームの共有認識としてありました。「じゃあ誰がリュウの役をやるか?」となったとき、しっくり来たのがハンゾーでしたね。誰が波動拳を撃てるか……と考えたら、まぁハンゾーなんじゃないかなと。
日本人というルーツに共通点もありますし、ハンゾー自身も身体能力の高いキャラクターなのでリュウの技も使えそうなイメージがあり、自然と彼に決まりました。私たちとしてはあまり違和感のない、良い仕上がりになったんじゃないかなと感じています。
──逆に『オーバーウォッチ2』にはドゥームフィストという格闘ゲームのモチーフを採り入れたヒーローもいますが、彼は今回のコラボスキン対象にはいませんでしたよね。候補としてはあがっていたのでしょうか?
Alec氏:
はい、彼も候補にはあがっていまして、もちろんスキンは「バイソン」を想定していました。ただ、そうするとどうしても右手に巨大なボクシンググローブ、左手にちっちゃなボクシンググローブという、あまりしっくりこないデザインになってしまいまして……。
──なるほど、たしかに……。ドゥームフィストと言えば、巨大な右手ですからね。
Alec氏:
なので今回は彼のスキンは見送ることになりました。ただ、カプコンさんとのお仕事は本当に素晴らしい時間でしたので、私としてはコラボの第2弾をやりたいという思いがあります。次回はもしかしたら、実現できるかもしれませんね。
──『オーバーウォッチ2』のコラボと言いますと、スキンだけでなく特殊なエモートやサウンド、ボイス・ラインも注目ポイントのひとつだと思います。今回もこだわったものが用意されているのでしょうか?
Alec氏:
そうですね! 例えばジュノは春麗の「スピニングバードキック」を出しますし、ハンゾーはリュウの「波動拳」を撃ってくれます。『ストリートファイター』を象徴するような技をいくつもエモートやボイスに落とし込んでいますので、ぜひご期待ください。
あと、今回は開発陣も特に再現に気合を入れていまして、コラボスキンを選択しているときは近接攻撃時に特殊サウンドが聞こえます。やっぱり肉弾戦のときに『ストリートファイター』らしい音がなることでより格闘ゲームらしさが演出できると思い、こうした要素を採り入れました。
それからヒーロー選択時にも、ヒーローが自分の名前でなく『ストリートファイター』キャラクターの名前を言うようになります。ウィドウメイカーが「キャミィ」と名乗るようなイメージですね。
──ヒーローが『ストリートファイター』キャラの名前で名乗ってくれるのは、かなり思い切ったコラボ要素ですね……!
Alec氏:
ほかにも『ストリートファイター』と言えば車を殴るボーナスステージなんかも象徴的ですので、もしかするとハンゾーが竜巻旋風脚や昇龍拳で車をぶっ壊す姿も姿も見られるかもしれませんよ。
総じて『オーバーウォッチ』と『ストリートファイター』どちらのファンにも楽しんでいただけると思いますし、もちろん両方をプレイしている方にとっては、より素晴らしい体験となるでしょう。
