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Netflix実写映像化は1年前に話があった? 『龍が如く』から客層が変わった? 食事シーンはなんであんなに美味そうなんですか? 『ストレンジャー ザン ヘヴン』開発陣にTGS会場で聞く【TGS2026】

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ゲーマーから熱い視線を集めているRGGスタジオの新作『STRANGER THAN HEAVEN』(ストレンジャー ザン ヘヴン)。

『ストレンジャー ザン ヘヴン』開発陣インタビュー: Netflix実写映像化の背景は? 『龍が如く』から客層が変わった?_001

9月20日には「『STRANGER THAN HEAVEN』トーク&ライブステージ with 黒田崇矢」が配信され、Adoさんが演じる「白井恵子」の演技シーンが公開。弊誌のポストが1000万インプレッションを超えるなど、大きな話題となっている。

2026年9月19日~20日(※21日は開催中止)に幕張メッセで開催された東京ゲームショウ2026のセガ/アトラスブースでも『ストレンジャー ザン ヘヴン』は大々的に出展。

試遊プレイのほか、未発表楽曲を含む楽曲映像を見られるシアター、舞台となる5つの時代を伝えるウォークスルーミュージアムが来場者を迎えていた。

一般公開日がスタートした9月19日、電ファミ編集部は開発陣へのインタビューを実施する機会を得た。

RGGスタジオ代表・エグゼクティブディレクター横山昌義氏、プロデューサー阪本寛之氏、チーフディレクター堀井亮佑氏、ディレクター阿部幹信氏、アートディレクターの加那屋大志氏の5名に話をうかがった。

聞き手・文/豊田恵吾


まさかの“映画化”はNetflixからのアプローチがきっかけ

──本日はよろしくお願いします。まず、先日電撃発表されたNetflixとセガの新たな提携による『ストレンジャー ザン ヘヴン』の映像化について、お話できる範囲でお聞きしたいのですが……。

横山氏:
9月16日に放送した「『STRANGER THAN HEAVEN』TGS2026スペシャルオープニングナイトライブ」の中で話したこと以外、詳しいことは言えないんですけども……。改めてお伝えすると、タイトルアナウンスの映像とSummer Game Festで出した2ndトレーラー、それだけしか情報がない状態で、Netflixハリウッドの方から「話を聞かせてほしい」と打診があったんですね。去年、2025年の東京ゲームショウの初日にわざわざ日本までいらっしゃって。

──Netflixとしても、それほどインパクトのある映像だったということですね。

横山氏:
Netflixがフックに感じてくれたのは、日本の雰囲気とか時代感。あと、「どういうストーリーなんだろう」とか、『ストレンジャー ザン ヘヴン』というタイトルの意味だったり、そういったところに対して映像を観たときにすごく興味を持たれたと。

「RGGスタジオが作っている」というのもポイントだったらしいんですけど、お会いしたときに『ストレンジャー ザン ヘヴン』のあらすじをすべてお伝えしたんですね。そこからは密に連絡を取りながら進めてきて、発表まで1年が経ったわけですが、なんと映画化なんですよ(笑)。

アメリカ主導での映画化ですから、そういった点も含めてかなりビッグなプロジェクトになりそうな感覚があります。制作にはセガの役員である『ソニック』の映画をずっとやっている中原徹がしっかりと入ってくれていますし、僕も当然入りますから。

──RGGスタジオとして監修されるわけですね。

横山氏:
どういう形になるかはまだ未定ですが、かなりしっかりと入る予定です。たとえば『龍が如く』のように、IPとしてある意味完成されているものって、先日の舞台化でおわかりだと思うんですけど、キャラクターどうしの関係やシチュエーションを本編と違うものに変えることができるんですよね。

完成されている作品って、「世界とキャラクターが確立されてるから、多少ぶっ飛んだ設定でも大丈夫」みたいなところがあるじゃないですか。でも、『ストレンジャー ザン ヘヴン』はこれから発売を迎えるタイトルですので、そうはいかないんですよね。

──完全新作のゲームタイトルで、しかも発売前に映画化が発表されるというのは、すごく珍しいケースですよね。

横山氏:
僕も驚きました(笑)。光栄なことですよね。

TGSでは「新しい客層」という手ごたえを感じた

──今後の情報も楽しみにさせていただきます。さて、『ストレンジャー ザン ヘヴン』はTGSにて大々的に出展されています。国内初試遊のほか、楽曲が楽しめるシアターや5つの時代を伝えるウォークスルーもあり、ステージイベント出演陣もすさまじく豪華です。TGS一般日を迎えて、反響はいかがですか?

加那屋氏:
手応えは感じていますね。これまで海外でトレーラーの発表や試遊の展示を行ってきましたが、海外の方々からは全体的なアートの雰囲気とか、ゲームの手触りといった、全体的なところに対しての反応をいただいていました。

一方、TGSではすごく細かなところ……『龍が如く』を遊ばれていたユーザーさんなのか、新規のお客さんなのかはわかりませんが、「この看板の模様が……」とか、「この文字は……」とか、キャラの衣装といった細部に対してのこだわりを拾ってくださる反応が多いんですね。アートディレクターとして、本作には細かなこだわりを持って臨んでいるので、そういったところに気づいてくださるのは、デザイナーとしては非常にうれしい限りです。

阿部氏:
『ストレンジャー ザン ヘヴン』は完全新作ですので、当然ながらいろいろな要素、新しさを伝えたいと思っていたんですね。シアターでは音楽をストレートにお届けし、ウォークスルーミュージアムでは作り手側のこだわりを含めての5つの時代の差分や、アートワークを体験いただけるものを用意しました。

横山氏:
ウォークスルーミュージアムでは、よく見ていただくと、ちょっとした発見があったんですね。加那屋は気づいていないかもしれないけど(笑)。

加那屋氏:
え? あー、と、なんでしょう? 本編の時代の変遷がわかるものが……。

横山氏:
(笑)。まあ、気づいた方がいらっしゃるといいなと。ごめん、阿部の話を遮っちゃって。

『ストレンジャー ザン ヘヴン』開発陣インタビュー: Netflix実写映像化の背景は? 『龍が如く』から客層が変わった?_002
編集部で撮影したウォークスルーミュージアムのビジュアル

阿部氏:
(笑)。加えて、試遊ではgamescom出展バージョンからさらにブラッシュアップを行い、荒々しさのあるバトルが楽しめる内容となっています。ステージイベントでは役者さんたちの登壇に加え、ゲーム内ムービーの一部を流させていただきました。

タイトルアナウンスからこれまでを振り返ってみると、『ストレンジャー ザン ヘヴン』のトータルパッケージを伝えきる機会というのは初めてに近いのかなと。そういった意味で「あ、こういうゲームなんだ」と、いままで点だった情報を線で結んでお届けできたということをうれしく思っています。

堀井氏:
試遊のロムに関してお話すると、すごくいいものになったと感じています。カジュアルさもちゃんとありつつ、やり応えもあるいいバランスの仕上がりになっているなと。どちらかというと特殊な操作に分類されるとは思うのですが、バトルにどういった楽しさがあるのかを味わっていただけたんじゃないかと思います。

でも、TGSの一般日を迎えていちばん衝撃的だったのは、お客さんの層が変わったということだったんですね。

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(画像は『STRANGER THAN HEAVEN』TGS2026スペシャルオープニングナイトライブより)

横山氏:
たしかに変わったね。

堀井氏:
僕自身、「いままでの『龍が如く』ファンの方々が多いのかな」と予想していたのですが、これまで『龍が如く』を遊んだことのないような方たちがたくさんブースを訪れていて。

海外の方々も多かったですし、見た感じで明らかにこれまでと違う客層の方たちに来ていただいて。そこに驚くと同時に、とてもうれしく感じました。RGGスタジオとして、「新しい作品をいろんな方に届けたい」という思いで挑戦をしていますので、今回のTGSがまずひとつフックになったというか、手応えを強く感じました。

阪本氏:
The Game Awardsの発表を皮切りに、Summer Game Festやgamescom、そして今回のTGSと、海外のイベントで発表したり、メディア限定でお見せしたり、一般のお客様に対してお伝えしたりと、いろいろなやり方でゲーム情報をお伝えしてきましたが、情報を出すたびに評価が上がっているという印象があります。

最初は「すごくユニークなゲーム」という感じで受け取ってもらっていましたが、いざゲームのディティールだったり、仕込みのようなものが伝わると、「すごく壮大なゲーム」というか、「ひと言で言い表せないよさがあるゲーム」といった捉え方をしていただいて……。ですので、情報を出すたびにフィードバックをいただけている印象ですね。

横山氏:
TGSでもしっかりと手応えはありますね。とくにシアター。試遊に関しては、これまでも僕らはバトルを中心に伝えてきたので、どういう楽しさがあって、どういった操作感で、というのはある程度お客さんもわかっていただいているというか、伝わっていると思うんです。

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(画像は『STRANGER THAN HEAVEN』TGS2026スペシャルオープニングナイトライブより)

いちばんわかっていなかったのが、僕らが「すごい、すごい」と言っているのに情報を出していなかった歌の部分。パフォーマンスの高さはトレーラーのテーマソングからわかってはいただいてはいましたが、「実際、どうなんだ?」とお客さんも感じていたんじゃないかと思うんです。

でも、歌のよさを伝えるのはすごく簡単なことなんですよ。言葉で説明するんじゃなくて、「実際に見てもらえばわかる」と。だから、それをシアターでお見せしたんですね。

──シアターではクローズドの空間に大スクリーンがあり、ゲーム中の映像が流れるものになっていましたが、動画撮影や内容を伝えるのはNGということもあり、メディアとしては記事にするのが難しく……。

横山氏:
多分皆さん「シアターってなんなんだろう?」と不思議に感じていたと思うんですよ。「公演と言っているけど、歌が流れるの?」と。

すごく深く情報を追いかけている方だったら予想できたのかもしれませんが、お客さんたちの生の反応を見たくて、実際に何回かいっしょにTGSのシアターを鑑賞したんですね。

そうしたら、感極まっている方がたくさんいらっしゃったんです。感動して泣いていたり、映像が流れ終わった瞬間に拍手が巻き起こったり。

映像を流しただけで、ゲームでどうなるかなんて、いっさいお伝えしていないんですよ。でも、「いま見た内容がゲームに入っているんですよね? だったら買います!」という反応ばかりで。

ほかにも、TGS期間中は例年ビジネスデイが終わると、知り合いからたくさん連絡をいただくんですね。だいたいがゲーム業界の方からの連絡なんですが、「あれ、よかったよ」とか。

でも、今年はそうじゃなくて。たとえばライセンシーさんとか、グッズ制作会社の方だったり、ゲームとは少し離れた業界の方々から「こんなすごいものを……」といった長文の熱量高いメッセージをたくさんいただいて。

ですので、『ストレンジャー ザン ヘヴン』の総合力みたいなところがやっとアピールできたんじゃないかなと思っているんです。『ストレンジャー ザン ヘヴン』の持つユニークさとクオリティの高さがやっと伝えられたんじゃないかなと。シアターを全国、全世界で展開できないかと考えている最中です。

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(画像は『STRANGER THAN HEAVEN』TGS2026スペシャルオープニングナイトライブより)

──まさにそこをうかがいたかったんです。TGS以外で観られるようにしないのですか、と。

横山氏:
TGSでスペシャルに公開したものですから、さすがにいますぐ展開するのは申し訳ないと思っているので、しっかりと考えたいと思います。

シアターを実際に体験して思いましたけど、大きなスクリーンで、いいスピーカーで、映画館的な環境で見るのはすごくいいですね。強い感動があるというか。

ただフォトリアルにするのではなく「光の表現」にこだわって時代の空気感を演出

──なるほど。ちょっと話題を変えますが、電ファミが加那屋さんにお話をうかがうのは初めてなんですね。本作のアートディレクターを務めていらっしゃるということで、アートについてお聞かせください。

これまでにいろいろなところで横山さんがお話されていましたが、『ストレンジャー ザン ヘヴン』は画の色味も変わっていますし、荒々しさだったり、泥臭さみたいなところもあえて表現されている、とてもユニークなタイトルです。そういった独特のビジュアルについて、アートディレクターとしてどういったところを重視されて作り上げていったのでしょうか?

加那屋氏:
色味に関しては、横山が以前話していたとおり、もともとは狙ってできたものではないんですね。横山にチェックをお願いするときに、画がバグで緑色に染まっていたときがあったんです。それを見た横山がひと言「これ、お洒落じゃん」と。すべてはそこからスタートしています。

時代としては小倉を最初に作り上げていったので、ベースは小倉にあります。その後、呉、大阪、熱海、新宿に舞台が移り変わっていく中で、時代ごとの統一感はバラバラでありながら「時代が変わった」ということを遊んだ方に自然に認識していただき、かつ強烈に体験が変わることを意識して組み上げていきました。

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(画像は『STRANGER THAN HEAVEN』TGS2026スペシャルオープニングナイトライブより)

──横山さんからの指示の中で、実現がもっとも難しかったのは?

加那屋氏:
露出(レンズに取り込まれる光の量)ですかね。

横山氏:
実現というか、露出の調整がもっとも手こずったところでしたね。

加那屋氏:
露出、明るさの調整というのはどうしても難しくて……。

──『ストレンジャー ザン ヘヴン』は、暗いところから明るいところに移動したときの露出、ライティング、光の使い方がすごく印象に残っています。

加那屋氏:
僕はもともと美術が好きだったこともあり、当時の絵画を徹底的に調べたんですね。昔の画家の光の表現を、いかに油絵のうえで再現するかというか、どれだけ眩しく感じさせるかというか……。光の表現に関しては、かなり気合を入れて作りました。

ただ、光をいじると、どうしても露出のコントロールに影響が出てしまうんですね。白い画面に引っ張られてしまって画面が意図せず暗くなったり、カメラでよくある自動露出のような機能が効いてしまったり。自動露出に関しては、シーンごとにオンにしたり、オフにしたり、レンジをコントロールしているので、そういったところもたいへんでした。

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(画像は『STRANGER THAN HEAVEN』TGS2026スペシャルオープニングナイトライブより)

横山氏:
そこまで意識しても、途中でふと気を緩めるとフォトリアルというか、いわゆる「ふつうの画」に寄っていってしまう瞬間があるんですよ。Summer Game Festでトレーラーを出す直前に、日陰の部分が認識していた影より浅くなっていたんですね。それで「なんでこんなことになっているんだ」と確認したら、プログラマーがよかれと思って新しい露出機能を搭載して入れていたんです。そういった細かなところまで気を配らないと実現できないんですね。

The Game Awards 2024で『PROJECT CENTURY』として最初にアナウンスしたときの画。あれがテスト版の僕の理想の画だったんですよ。大正ロマンを感じさせるような、ちょっとベタッとした感じと、すごい濃淡があるというか、影の暗さがある。

その時点からすでに「これをこのままゲームに入れたら視認性が悪くなるだろう」と言っていたんです。実際、日陰とか暗い道に入ると、本当に真っ暗になってしまったんですね。

理想の画のクオリティをどう底上げし、どうゲームとして視認性がある状態でプレイできるようにするか。そこに挑んでいるので、気を緩めるとふつうのフォトリアルに戻ってしまう。そうならないように、つねに気を配りながら開発を続けているわけです。

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──メディアとして記事を作るときに、トレーラーの映像をキャプチャし、静止画として使うじゃないですか。『ストレンジャー ザン ヘヴン』はどこを切り抜いても、一枚の画として見たときに、すごく「映える」んですよね。

横山氏:
そうなんですよ。どのシーンでも静止画にしたときの強度があるというか。たとえば、Tシャツをデザインするときに、胸の部分に画面写真が貼ってあるだけのデザインで、ぜんぜん成り立つんですよ。手抜きとかじゃなくて、それがかっこいいんです。シーンを切り取っただけの静止画なのに、アパレルのデザインに耐え得る強度があるんですよね。

「アナログな体験」を重視した。食事シーンは「とにかく美味そうに食わせてくれ」とお願い

──ほかにもいろいろうかがいたいのですが、取材時間がそろそろ終わりとなるので、最後に堀井さん、阪本さん、横山さんからひと言ずつメッセージをお願いします。

堀井氏:
『ストレンジャー ザン ヘヴン』はタイトル名も含めて「奇妙なゲームだな」と僕自身も思っています(笑)。このコスパ重視のご時世の中で、ゼロからアクションの操作系を見直しているという、奇妙なタイトルです。アクションゲームだったらレスポンスの良さとか、そういったもののほうがどちらかというと評価される中で、生々しさだったり、逆にレスポンスを悪くしてアナログ感を出していたり。時代に逆らったゲームだと、作り手側もわかっています。

でも、そんな作り方をしている本作でしか表現できないアートだったり、いわゆるツールとして便利なゲームではなく、没入してひとりの男の人生を追体験できたり、時代による日本の移り変わりを味わえたり、そういったところをプレイヤーが投影できるゲームになっています。

そういった感覚が残っているタイトルというのは、ほかのスタジオではなかなか実現できないことだと思いますし、そういうチャレンジをさせてくれる環境というのは、周囲のメンバー含めて、感謝しかありません。

稀有な体験ができる内容になっていますので、発売を楽しみに待っていてほしいですね。

──TGSで試遊させていただいたときに、食事のシーンがめちゃくちゃ印象的だったんです。本当に美味そうに食べているなと。綺麗な食べ方じゃないんですけど、だからこそすごく伝わるものがあって。

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(画像は『STRANGER THAN HEAVEN』TGS2026スペシャルオープニングナイトライブより)

横山氏:
そうなんですよ。

阿部氏:
食事に限らないんですけど、アナログであることの体験というのを重視しているんですね。

店の看板もそうですが、デジタル的なUIがポンと出るのではなくて、オブジェクトに紐づいた何かだったり、アナログ的な体験というのを味わっていただきたくて、食事もその一例として表現しています。

──時代がまたそう感じさせるというか。本当に腹が減ってたんだろうなとか、本当に美味かったんだろうな、というのが伝わるんですよね。

横山氏:
ボクサーの減量後の食事というか。YouTubeにそういった食事の動画がありますが、あれ以上に美味そうに食事している動画ってないんですよ。感覚としては、それに近いかもしれません。

加那屋氏:
フェイシャルチームに、いま横山が言ったようなことを伝えて制作したんですね。「とにかく美味そうに食わせてくれ」とお願いして。

横山氏:
生きるために食べる。飢えているときの食べ方って、やっぱりいちばん美味そうに見えるんですよ。

加那屋氏:
まだいまみたいに満たされた時代じゃないというところもあったので、そこがすごくいい感じに描けていたんじゃないかと思います。

阪本氏:
マスターアップまでそんなに間もないんですけど、ゲームとしてはバランスも含めて最終調整をやりきります。ほかのタイトルでは味わえない貴重な体験だったり、読後感が絶対にあるゲームだと思いますので、信じていただいてぜひプレイしてもらえたらと思います。

横山氏:
読後感はすごいと思いますよ。

阪本氏:
グワっとくると思います(笑)。

横山氏:
続編の存在も感じさせないからね。

阪本氏:
フルマラソンを走りきったみたいな感じというか。

堀井氏:
『龍が如く』って朝食バイキングみたいな感じじゃないですか。『ストレンジャー ザン ヘヴン』はコース料理というか。

横山氏:
「続きは?」という感想には絶対にならないと思います。

──そこをいろいろと深掘りしたいのですが、まだ発売前なので、発売後にぜひお聞かせください。

横山氏:
やっぱりゲームってシステムとかだけじゃないんですよ。とくにコンソールのゲームって。

しかも、セガのような大手のメーカーが気合を入れて作るものっていうのは、ふつうじゃできないことを実現しなければいけないんです。

『ストレンジャー ザン ヘヴン』はふつうじゃできないことをかなり実現できたプロジェクトだと思っているんですよ。キャストの集め方もそうですし、集めたキャストで歌も作っているわけです。その歌という要素で、今度はシアターでお見せできるほどの公演内容というか仕掛けを作り上げ、それをゲーム性として取り入れている。

これって多分、大きなスタジオ以外ではできないことなんですよね。そういったことを合わせてこそのエンターテインメントなんです。

もちろん、小規模制作タイトルには、小規模だからこそのケレン味だったり、尖りだったりというのはあります。でも、美しいゲームシステムとか、すごく優れたアクションを味わえるっていうものではない、世界観を丸ごと味わえて、いつまでも覚えていてもらえるゲームを作れるというのは、僕らの使命だと思っていますし、『ストレンジャー ザン ヘヴン』はそれが全部できたプロジェクトなんじゃないかなと。

そこを余すところなく伝えたい、っていうのがいまのフェーズですね。ですので、発売まで情報を追いかけてもらえればと思います。(了)

副編集長
電ファミニコゲーマー副編集長。元ファミ通.com編集長。1990年代からゲームメディアに所属しており、これまで500人以上のゲーム開発者、業界関係者、著名人インタビューを手がける。1970年代後半からアーケード、PC、コンシューマーゲームにのめり込み、『ウィザードリィ』のワイヤーフレームで深淵を覗き、現在に至る。
Twitter:@Famitsu_Toyoda

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