絶のギミック難易度は「いまがてっぺん」。新難易度「改」はノーマルと極のあいだを埋める
──ノーマルレイドに新しい難易度「改」などがくわわることで、コンテンツの難易度のグラデーションはどのように変わるイメージですか? 中間層の難易度が拡張されることで、零式や絶など、高難易度のコンテンツがさらに難化することはあるのでしょうか。
吉田氏:
逆に言うと、僕はいままで中間層がなかったと思っています。IDですら最近はちょっと難しいと言われ気味です。
IDからつぎにステップアップするとなったとき、ノーマルの8人レイドはクリア率を見ると相当クリアはしていただいているので、「8人いればやれるんだ」というところは見えています。ただ、そのつぎが「極」です。このあいだを埋めるものが必要だ、というのが今回の「改」です。

「新しく『改』が増えるよ」と言われると、そこだけをイメージしてしまうと思いますが、「改」はノーマルをクリアしてから挑むものなので、ノーマルをクリアしている人しかチャレンジできません。
つまり、ノーマルで誰と戦うかもわかっていて、その層をクリアしているわけです。第1層「改」も、あくまでクリア済みの層の「改」なので、ベースのギミックはもう知っているはずです。
そのうえで少し味付けをした、「極」よりも易しい「改」なので、うまくフィットしてくれるのではないかと思っています。個人ギミックのほうが多めで、何度か立て直しながらでも押し切ってクリアできる内容にしました。とにかくクリアして前に進む喜びを味わっていただこうと考えています。それでもまだ難しめだという結果が出たら、おそらく難度を下げると思います。
また、零式、絶という立ち位置は変わりませんが、新たにアライアンスレイドの零式がくわわります。こちらは、偶数パッチが当たって公開された直後の零式よりも難しく感じるはずです。

基調講演でもお話ししましたが、零式はギアが揃っていない状態でも突破できます。ある意味、初周でクリアできるわけです。しかしアライアンスレイドの零式は、偶数パッチで装備を強化した人向けの高難度なので、かなり難しくなります。
4層ほどとは言いませんが、3層に立ち向かっていくぐらいの気持ちで装備を整えて挑み、そこで鍛えて、さらにつぎのレイド、もしくは絶へ挑んでいく、と思っていただければと思います。難易度を絶よりさらに上げていくことは考えていません。ギミックの難しさはもう限界で、あれ以上は人間には無理だと思います。
これ以上難しくするとなると、コンテンツをクリアし、レイドギアをガッチガチに揃え、揃えるために何週間もかかる……と、どちらかと言えば「起動編」に近いやり方をしないといけなくなります。おそらく、ユーザーさんは望んでいらっしゃらないと思います。
高難度バトルコンテンツが好きな方は、ぜひアライアンスレイドの零式にチャレンジしてみていただきたいですね。
「白銀のワンダラー」は久々の「鏡像世界」が中心の物語。もっとも重視したのは「テンポ感」
──「白銀のワンダラー」は、プレイヤーにどのような感情や体験を得てほしいと考えて制作されていますか?
吉田氏:
ちょっと答えるのが難しい質問ですね。そのポイントをお話ししてしまうと、ネタバレになりかねないかと思っています。とはいえ、拡張パッケージは同じ物語や同じテーマをお伝えすることはせず、必ず何か新しい体験や気づきを皆さんに感じてもらえるように作ってきています。今回もそこは間違いなくお伝えできるのではないかと思っています。
また、今回の物語を終えたときに「この先の『FF14』も気になるし、おもしれえな」と思ってもらえるように、全力で取り組んでいます。
──「白銀のワンダラー」を開発するにあたり、とくに重要視したポイントや、「黄金のレガシー」から意識して変更した点などはありますか?
吉田氏:
今回いちばん重視している点は「テンポ感」です。前回の「黄金のレガシー」では、新しい大陸、新しい価値、新しい文化、新しい人たちとの出会いを描くにあたって、とくに序盤で価値観などを丁寧に伝えようとしました。その結果、どうしてもクエストの足が重くなってしまったんです。
ストーリーの進行ペースが非常にゆっくりになったことで、「この先へ進みたい」というところが、プレイヤーの皆さんの気持ちとどうしても噛み合わなかった。そこはディレクションの反省点です。
今回そういった部分については、できるだけサイドに回して、そちらでゆっくり味わってもらえるような形を取ろうと考えました。物語のペースには、今回とくに気を使っています。
これは『FF14』全体の進化として、ゲーマーの皆さんの時間がどれだけ貴重なものか、ということを考えてのことです。とくに現在は、スピーディーにテンポよく物語が進まないと、なかなかヒットにつながらないというところもあります。
──「白銀のワンダラー」のストーリーに関して、事前に見返しておいたほうがよい・プレイしていると物語の理解度が深まるコンテンツやクエストはありますか?
吉田氏:
これは……うーん……とくにはございません。ただ、今回は久しぶりに、本当に「鏡像世界」を中心に回る物語になります。
「鏡像世界ってどういうものだっけ」「そもそも、いつ分割したんだっけ」といったところは、『FF14』の最初のサーガのクライマックスで出てきています。世界の分割など、そのあたりの理解をあらためて覚えておいていただくと、理解度が深まる可能性は少しあるかなと思います。

北欧、スクエニと言えば……「あんなキャラクターも出るようですよ」。極討滅戦は完全新規のストーリー
──『ヴァルキリープロファイル』らしきイラストがちらりと出ていましたが……?
吉田氏:
たしかに「それっぽいもの」はちらっと出ていましたね。「さて、あんなキャラクターも出るようですよ」ということだけお伝えしておきます。北欧、スクエニと言えば……かな、みたいな。
『FF14』が『ヴァルキリープロファイル』とコラボか。「白銀のワンダラー」の新インスタンスダンジョン紹介後にイラストが公開 https://t.co/2Hk86VMbV7 吉田Pは「こんな強敵も出るようですが、あまり多くは語らないようにしましょう」とコメント https://t.co/Cb8hc8c7m5
— 電ファミニコゲーマー (@denfaminicogame) October 31, 2026
相変わらず「本当に『FF14』チームは妙なところにこだわるな」ということを感じていただけるようになっていると思いますので、楽しみにお待ちください。
──「白銀のワンダラー」では、『FF14』のパッケージとしては初めてノーマル/アライアンスレイド双方のレイドがクロスオーバーコンテンツとなっています。期待の声が上がる一方で、『FF14』独自の世界観にもとづく新規のオリジナルコンテンツが減ることを懸念する意見もありますが、コラボとオリジナルのバランスについてはどう考えていますか?
吉田氏:
ご懸念はごもっともだと思います。ただ、今回は「白銀のワンダラー」ならではの討滅戦、いわゆる極討滅戦などに、完全新規のストーリーラインを持ってきています。『FF14』ならではのオリジナルストーリーを持つコンテンツはしっかりあります。
#FF7R × #FF14 新たなレイドダンジョン // ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄▞▞▞꒰ঌ 𝙱𝚎𝚢𝚘𝚗𝚍 𝚝𝚑𝚎 𝙻𝚒𝚏𝚎𝚜𝚝𝚛𝚎𝚊𝚖 ⚔ ▞▞▞__________// #白銀のワンダラー https://t.co/1UD34YqtC4
— FINAL FANTASY XIV/FF14 (@FF_XIV_JP) July 25, 2026
なお、まだ詳しいことは言えませんが、クロスオーバーのほうも、両方とも『FF14』の世界観にもとづいた形で融合しているので、そこからも深掘りできるようになっています。
──『FF14』はサブコンテンツにも数多くの人気キャラクターが存在し、そういったキャラクターが他のコンテンツやメインクエストへ再登場する機会が少ないことを惜しむ声もあります。今後、サブコンテンツのキャラクターたちがより広く活躍できるような機会はありますか?
吉田氏:
出したい気持ちはあります。ただ、サブコンテンツの人気キャラクターをメインで出すと、そのサブコンテンツをやっていない人からすると「誰こいつ?」となってしまいます。
そうなると、膨大な数の分岐を作らなければいけません。サブコンテンツをやっていない人がメインクエストで先に出会ったときのセリフにくわえて、メインクエストで会ってからサブクエストで出会ったときのパターンも必要になります。
ちょっと言い方は悪いのですが、サブコンテンツ側に役割が残っていると、物語を大胆に展開できず、メインストーリーで死なせることもできなくなります。たとえば、「光の戦士を助けようとして大怪我をして歩けなくなった」としても、「サブコンテンツでは元気に出ているな」ということになってしまいます。物語の自由度が減ってしまうんです。
サブコンテンツに人気のあるキャラクターがたくさんいることは、もちろん我々も理解しています。なので、メインへ持ってくるというよりは、サイドクエストをさらに広げた物語を連作のように作り、キャラクターやストーリーを楽しんでもらう形にしたいです。あとは、今回の「ガントレット・オブ・パワー」のように、新しいタイプのコンテンツを作ったときに再活躍してもらう形です。
種族のアイデンティティもプレイヤーに委ねる。ミコッテの戦化粧も消せるように
──基調講演でさまざまなハウジング関連の発表がありましたが、「白銀のワンダラー」で新たなハウジングエリアを追加する予定などは検討されていますか?
吉田氏:
新しい地域のハウジングエリアを追加する予定は当面ありません。
基調講演でもお伝えしたとおり、できるだけ多くのプレイヤーの皆さんに庭付きのハウスを提供することを先にやりたいんです。特定の地域にハウジングエリアを増やそうとすると、結局そこにしかハウスが増えません。そうではなく、本当に『FF14』全体に対して新しい仕組みにするかどうかですね。やり方を3パターンに絞っていて、そのどれかで大きく増やしたいと思っています。
とはいえ、ハウスがSサイズでも中をLサイズにできる、といったものが入ったときに、みんな満足して「別にこれでいいや」となる可能性もあるんじゃないかと思っています。そうなった場合、信じられないぐらい土地を追加すると、今度は余ってしまう可能性があるんです。
あとは、たとえば自分ひとりだけの庭と家をお渡しすることもできますが、通行人という概念がないので、他人に見せるという点では基本的に1人遊びになります。もちろん人を招待したり、パブリックで開けておいて「いつでも遊びに来てください」という遊びはできますが、いまの都市区画のように、通りがかりの人が「この家すげえな」となるわけではありません。

プレイヤーの皆さんが「そうそう、こういうのが欲しかったんだよ」と思うのはどこなんだろう、というのを決めようとしているほぼ直前なんです。いまはどれにもメリット、デメリットがあると思っています。
ただ、基調講演でもお伝えしましたが、それを待ってからサーバーを発注したら遅くなるので、「もういいよ、先に買って」という話はしました。
しばらくはエリアという単位でのハウジング追加はありませんが、土地と家を皆さんに届けることを優先したいと思っています。
──「白銀のワンダラー」では、キャラクタークリエイト要素も大幅に手がくわえられますが、なかでもアウラの角やミコッテの戦化粧など、種族の由来にまつわる装飾を選択できるようになるのが印象的でした。あらためて、このような思い切ったシステム変更をされた意図をお聞かせください。
吉田氏:
これを発表したときの基調講演でもお話ししましたが、もともとは、種族のアイデンティティに関わる部分なので変えたくない、プレイヤーの方に委ねる予定はない、というのがリリース当初からの運営のポリシーでした。

ただ、これだけオシャレをすること、自分のキャラクターをよりかっこよく、より可愛く着飾ることが、遊びのモチベーションに大きく寄与する状況になりました。そうなったときに、そのこだわりを残すよりは、ロアへのこだわりもふくめてプレイヤーの皆さんに委ねたい。それが今回の設計変更の意図です。
アウラだけでなく、各種族でさまざまな象徴を外せるようにしています。ミコッテの戦化粧もずっと消したいと言われていて、「あれはミコッテの種族アイデンティティだから消せません」とお答えしてきたのですが、消せるようになります。そこはもう皆さんに委ねていこうと思っています。
こうした設定はパッチ8.1だけでなく今後も増えていくと思いますので、キャラクタークリエイトの要素にも、ぜひ期待していただけるとたいへんうれしく思います。

──プレイヤーとしても待望の、衣装の装飾をカスタマイズする機能ですが、これらはシーズンギア・レイドギアなどの特定の装備に反映される機能でしょうか? 今後、過去に実装された装備品に同様の機能が反映される可能性はありますか?
吉田氏:
これは2色染色と同じで、作業量があまりにも膨大なので、一気にすべての装備に適用するのは難しいのですが、まず8.0で実装される非常に多くの装備にこの仕様を適用しています。シーズンギアもレイドギアも基本的には対象で、ジョブ専用装備や一部のおしゃれ装備にも、ほぼ適用されていると思っていただいて大丈夫です。かなり細かくいじれます。

キャラメイクのプロデューサーレターLIVEを予定していますので、そこでどれぐらい気軽にオン・オフできるのか、髪が襟に潜らないよう襟を少し低くする機能などを、実機でご紹介しようと思います。
過去に実装された装備も、遡って適用は始めます。装備品はもういま何万という数になっているので、とくに人気のありそうなものから順次対応していきます。パッチで随時アップデートされていくとお考えください。(了)



