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親孝行の親子旅行。【黒木ほの香のどうか内密に。】

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みなさま、こんばんは。黒木ほの香です。

六月だというのに猛暑日を記録している地域もあるなんて話が、つけっぱなしにしていたテレビから聞こえてきたのが数日前。

はぁ。この先の夏が恐ろしいです。冷却グッズのおすすめがあればご一報くださいね。

今日は一つ、前回の記事でちらっと出た、旅行のお話を。

自分でお休みの日を決められる働き方になったこのタイミングを逃すまいと、母と二人、贅沢に二泊三日で遠出しました。

五月は母の日がありましたし、実は母の誕生日もあるので、そのお祝いもかねて。

昨年だったか、友人が「お母さんと旅行に行った、楽しかった」と言っていたのが少し羨ましかったわたし。

『母と二人で旅行』…。
ふーん、楽しそうじゃん!

まずは場所選び。
わたしの住まいは東京、母は大阪なので、どう考えても現地集合になります。

母と話した条件は以下の二つ。

・大阪と東京の間の場所だといい
・母が行ったことのない都道府県がいい

うちの母親は数年前から「死ぬまでに、四十七都道府県すべてに行く」という目標を立てていて、わたしに会いに東京へ来た時も、栃木県や群馬県に行ったりしています。

ただ、母は「別になんもせんでええねん、とにかく行ったことない都道府県に降り立てばええ」と常々言っていて、栃木の鬼怒川温泉まで行ったのに、足湯だけささっと浸かってとんぼ返りしたりしています。

わたしからしたらかなり勿体ない気がするのですが、本人は嬉しそうに「行った場所リスト」を埋めているのでまぁ、いいのです。

そんなこんなで、お互いが行ったことのない場所で、お互いがそこそこ行きやすい場所である「石川県」を旅の目的地としました。

せっかく行くなら勉強するべきだろうと、金沢のガイドブックを二冊ほど本屋さんで購入してみたり。

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母の分もネットで購入して、気になるお店があったら教えてね、と一言添えて送りました。

宿泊先の選定や観光地の回り方のプランニングなど、もろもろの調べ物はわたしが担当したのですが、これが結構楽しかった。

時間はかなり取られてしまったけど、石川県について調べていると、魅力的な場所がたくさんあることに気が付きました。嬉しいです。

わたしは普段、自分から遊ぶ計画を立てるタイプではないのであたふたしたけど、いい経験でした。

なんやかんやで迎えた旅行当日。朝六時には起床して、待ち合わせ場所である金沢駅へ、新幹線で二時間ほどかけて向かいます。

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わたしの方が先に到着したので、浮かれて一枚

金沢駅で合流して、金沢市内1日フリー乗車券なるものを駅で購入したら、いざ出発です!
まずは今夜の宿である『ホテルフォルツァ金沢』へ、キャリーケースを預けにバスに乗り込みます。

三分くらいしたらバスを降りるのに、キャリーケースと共に無理やり椅子に座る母。驚愕。
キャリーケースを膝の上に載せて座る人中々見たことないよ…。

無事にホテルに荷物を預けたわたしたちは、まずは金沢城公園へと向かいました。

金沢は、見所がぎゅぎゅっとひしめき合っているので、かなり観光しやすいんだそうです。
とはいえ金沢城や兼六園は大きく、歩き回ることになるのでスニーカー着用必須だと思います。

『兼六園下・金沢城』というバス停に降り立ったら、目の前にある大きな五差路を渡った入り口に、前田利家公の大きな像がありました。

実は以前、音声作品で前田利家役を演じたことがあるので、同じポーズで写真を撮らせていただきました。

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公園内を見渡しながらずんずんと歩き、兼六園へ向かおうとしたところで、道が合っているのか不安になったわたしたちは、すぐそばに見える開けた案内所にいたスタッフさんに尋ねることにしたんですが

「すみません~、兼六…」
「あっちです!^^」

なんて早すぎる返答…うちらでなきゃ聞き逃しちゃうね…。

兼六園への道を聞かれ続けて数十年のベテランさんのようでした。

母と二人してスタッフさんの即答具合に笑いながら、五月にしては強烈な日差しを日傘で遮って、砂利道を歩きます。

足を一歩踏み出すたびに聞こえる、じゃりじゃりという音。嫌いじゃない。

そういえばわたしって小さいころ、ビー玉同士を掌の中でこすり合わせて「ギィ、ギィ」と鳴らすのが好きだったなぁなんて、今思い出しました。

歩き出して五分くらい経ったでしょうか。ようやく目的の兼六園に到着です。

ガイドブックでも兼六園は数ページにわたって特集されていたのですが、足を踏み入れれば、大特集を組む意味が分かります。

月並みな言葉ですが、とにかく空気が清らか。樹木が空高くに向かって生えていて、そこかしこに大小さまざまな池があるのも風流そのもの。

小道が曲がりくねっていたり、小さな橋がかかっていたりと、歩いていて飽きない素敵な場所でした。

入園する際に手渡されたガイドマップに時折目を落として、ゆっくりと歩き回ります。

母がたまに立ち止まって、空を見上げながら深呼吸をしているのを見て、わたしも真似してみたり。

うん、気持ちいい。

ぐるりと見て、そろそろお昼ごはんでも…と出口の方に歩みを進めていると…なんだか、RPGに出てくるような、胸が高鳴る小さな木扉が目に留まったので、パシャリ。

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「ドラクエとかに出てきそうやなぁ」

そう母に言葉を投げると、共感するとともにわたしの感性をえらく褒めておりました。
別に大した事言ってないので、普通に居心地が悪かったです。

兼六園茶店通りまで戻ってきたところで、『堤亭』というお店に入ることに。

母は金沢の郷土料理である治部煮(読み:じぶに※1)うどんをオーダー。

わたしも何か名物を…と思っていたところに「甘海老丼」なる文字が飛び込んできました。
甘海老…ここじゃなくても気軽に食べられる…。

ですが甘海老好きなわたしとしてはどうしても見逃せず、悩んだ末に甘海老丼を注文です。

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美味しくいただいた後は、デザートにあんころ餅も頼んで、満腹!
もちろんあんころ餅も美味しかったです。餅だけに。

金沢城と兼六園周辺を堪能した(ここでちゃっかりお土産屋さんで買い物もした)ので、
続いては、母が行きたい場所として挙げていた『ひがし茶屋街』を目指し、またもやバスに乗り込みます。

ここは観光客の方でかなり賑わっていました。
散歩したり、時たまお店に入ってお買い物をしたり。

主計町茶屋街の方にも足を延ばしたら、なんと、見覚えのある人に出会いました。

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小さく記されたローマ字を確認すると、ハチマキ、とありました。人違いかぁ。

大通り沿いには、攻めた名前のアパレルブランドのお店があったので母を誘い入店。

父が好きそうなデザインのTシャツをゲットして、お土産として母経由で渡してもらいました。

「ここでしか取り扱いをしていない物ばかりです」とスタッフさんが教えてくれて、限定に弱いわたしは自分用にもTシャツを一枚お買い上げしちゃいました。

さてそろそろ疲れもたまってきたなというところで、いったんホテルに戻ることに。

お昼に荷物を置きに来た時も思ったけど、ロビーがとってもいい匂い。おそらく、ヒノキの香り。

ウッド系が好きなわたしはもちろん、母もしきりにいい匂いだと言っていました。

部屋で少し休憩して、お待ちかねの夜ご飯!

旅行の夜ご飯はメインイベントですよね。ここは計画を練っているときも気合が入る部分でした。

今回の旅行は、二泊目の夜ご飯がとっても豪華な分「一日目は居酒屋とかでええんちゃう?」と母が言ったので

ガイドブック二冊ともに載っていた海鮮が有名なお店に行こうと、旅行一週間前に電話したんですが…なんと五月の予約はすべて埋まっているとの返答が。

地元の人も観光客も訪れる、かなり人気なお店みたいでした。

それならば!と、いろいろ検索して探し出した『とと桜』という居酒屋へ。

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お品書きが筆で書かれているかつ、朱色で印をつけてくれているところに外れはないです わたし調べですけど

 

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金沢で栽培されているブランド芋『五郎島金時』の天ぷら

結果、とっても美味しくて、気のいい店員さんが多い素敵なお店でした。

お会計の合間に「ホテルに戻りたいんやけど、どのバス停で乗ればええかなぁ」と店員さんに尋ねると、バスアプリで検索してくれたんです。優しい…大変助かりました。

「四分後にバス出ます!」と教えてくれたので「走るわ!」と返すと「頑張ってください」と笑いながら送り出して下さいました。

小走りしてたどり着いたバス停で、三分ほど待ちました。超近かった。そりゃ店員さんも笑うよね。

無事ホテルにたどり着いたわたしたちは、年功序列でお風呂に入り、あとは寝るだけになった時間。

わたしは、この日最後の計画を進めるタイミングをうかがっていました。

できれば今日中に、テンションが落ち着きすぎる前に、母にあることをしたかったのです。

日付が変わる前に切り出した方がいいと踏んだわたしは、おもむろに部屋の電気を消し、大きく息を吸って。

歌い始めたのです。

そう、かの名曲である『ハッピーバースデートゥーユー』を!

ロマンティックな演出をしたつもりだったんですが、母のベッドの枕元に忍ばせておいたプレゼントは、わたしの入浴中にサイドボードに移動されてしまっていたし、壁のスイッチをひとつ押しただけで想像以上に漆黒に包まれてしまったので、歌いながら速攻で電気をつけなおしました。

ロマンティックにはリハーサルが必須なようです。みなさんのご参考になれば幸いです。

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大変嬉しそうな母

ハンドクリームと(なんとヒノキの香り!)、子供のころに実家でよく一緒に食べていた『マルカワ』のフーセンガムをプレゼントしました。(※2)
キャッキャッと大はしゃぎしていたので、一安心です!

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マルカワガムの缶を開けたら、結構な余白スペースがあったので、おかしくなって二人で笑いました。

缶デカいやろ、いやガムの数が少ないんちゃう?、これで合ってんの、とツッコめるだけツッコんだ後は、疲れに身を任せ、あっという間に就寝。

最高の旅行の始まりの日は、笑い声と共に幕を閉じたのでした。

※1…鴨肉やお麩、お野菜が入ったとろみのある煮物で、少なくとも江戸時代から食べられていたとされる武家料理。
※2…ロマンティックな演出なのにプレゼントこれかい!みたいなツッコミ待ちだったんですが、ロマンティックは失敗したし、プレゼントは母の心をくすぐるチョイスだったようなので、当初の計画としては完全に失敗です。喜んでたからいいけど!

編集:川野優希

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