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死にゲーにはしたくない。でも”歯ごたえ”は譲らない──『鬼武者 Way of the Sword』開発者が語る難易度設計の哲学

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「死にゲー」が全盛の時代である。

高難度を売りにしたアクションゲームが次々とリリースされ、「死んで覚える」という体験がひとつのジャンルとして確立した。そんな時代に、20年以上のブランクを経て帰ってきた『鬼武者 Way of the Sword』が出した答えは、それとは少し違うものだった。

「死にゲー系にはしたくないけど、大事なのは歯ごたえ」。

用意されたのは「剣撃モード」と「活撃モード」、2つの難易度モードだ。
どちらの名前にも、「簡単」も「イージー」も出てこない。

今回、Steam向け体験版の配信開始と発売日発表に合わせ、米ロサンゼルスで開催された「Summer Game Fest」にてハンズオン取材の機会をいただいた。本稿では、プレイ後にディレクターの二瓶賢氏、プロデューサーの門脇章人氏に行ったインタビューをお届けする。

なぜ「死にゲー」を選ばなかったのか。なぜ「簡単」と書かなかったのか。20年ぶりに帰ってきた『鬼武者』が向き合った、難易度設計の哲学を聞いた。

死にゲーじゃないけど歯ごたえはほしい。『鬼武者 Way of the Sword』が出した、難易度問題への20年越しのアンサー_001
左から『鬼武者 Way of the Sword』ディレクターの二瓶賢氏、プロデューサーの門脇章人氏

聞き手/佐伯匠
編集/kawasaki

「鬼武者」最新作の新形態は「完全覚醒」──部位ではなく全身が鬼になる

──お二人は過去に実施したインタビューでもご登場されていますが、あらためて自己紹介をお願いします。

二瓶氏:
ディレクターを担当しております、二瓶です。よろしくお願いします。

門脇氏:
プロデューサーの門脇です。よろしくお願いします。

──さっそくですが新トレーラーで公開された「新形態」について、ヒントをいただけますか。PVの最後に全身が変身するような演出がありましたが。

二瓶氏:
全ては言えないんですけど、言える範囲で言いますと──、武蔵が変化を遂げた姿で、鬼の力を得ています。

これまで、目の覚醒、腕の覚醒、足の覚醒という「部位の覚醒」は情報公開してきたんですけど、今回は初めて、全身が覚醒する、いわゆる「完全覚醒」の状態になります。
だから、攻撃力も通常より上がりますし、専用のアクションもあったりします。

死にゲーじゃないけど歯ごたえはほしい。『鬼武者 Way of the Sword』が出した、難易度問題への20年越しのアンサー_002

──今回Steamで体験版が配信されましたが、どういったユーザーに、どういうゲーム体験を伝えたいと考えていますか。

門脇氏:
ファーストタッチで何を伝えたいかというと、「爽快な剣劇」です。今の時代の爽快な剣劇というものを、なんとか作れたと思っているので、まず触って、感覚的に体感していただきたい。それが1番ですね。

あとは、幅広いアクションゲーム好きのお客さんに、「自分にもできそうだ」と感じてほしかった。アクションゲームは好きだけど、今流行っている「高難度のゲーム」はちょっと無理だな、と思ってらっしゃる方々もたくさんいると思うんです。

だから、そういった方にも安心して始めてもらえるゲームなんだ、ということを見ていただきたかった。その思いも強くありました。

昔できなかった表現に挑む「自由切断」──時代劇のリアクションと切断技術の両立

──体験版をプレイして、非常にスピーディーな剣劇だと感じました。「今の時代の剣劇」とは、具体的にどういったものを目指されたんでしょうか。

死にゲーじゃないけど歯ごたえはほしい。『鬼武者 Way of the Sword』が出した、難易度問題への20年越しのアンサー_003

二瓶氏:
昔できなかった表現というのは、今風に作る上でチャレンジすべきところだなと思っていました。とはいえ、鬼武者らしさというのも大事にしたかった。
だから、その2つがちゃんと重なるものを作りたかったんです。

今回こだわっているところで、「自由切断」という表現があります。切ったベクトルに合わせて、切断面がちゃんと綺麗になる、という技術です。

「自分からその方向で切る」というよりも、直感的にアクションしたら、そのベクトルによって切れる──そういうものを作りたかったので、色々と技術検証しながら、綺麗な断面が見えるようにしたりとか。

あとは、腕を切った時に、体はモーションを動かしながら、腕はちゃんと落ちる、みたいな。
よく「ラグドール」【※】と言って、切った瞬間にもう物理で死んじゃうのはあるんですけど、それはカプコン物らしくない。

今回の作りとしては、ちゃんと時代劇のやられのリアクションを取りながら、部位も綺麗に切れる──こういうところに、今風の新しい技術を入れたりしていました。

※ラグドール:
ゲーム制作における物理演算技法のひとつ。キャラクターが倒れる際、関節を物理シミュレーションで動かす方式。

──「時代劇のやられ」はモーションキャプチャーで作られているんですか。

二瓶氏:
そうですね。例えば屋根の上に立っている「幻魔」【※】を撃ち落としたりすると、引きのいわゆるやられ方を、ちょっと間を出して落ちたりとか。いろんなやられ方を研究しながら作っています。それが表現の幅としてあります。

※幻魔:
『鬼武者』シリーズに登場する妖怪・敵キャラクターの総称。

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──それは今回新しく挑戦したことですか。

二瓶氏:

そうですね、今回やってみよう、というチャレンジです。三船敏郎さんというのも、アイコニックな部分と、昔ながらの時代劇というところが、今回の表現に合うなと思って、こだわりました。

三船敏郎の「べらんめえ」と人間味──「決めるところは決める」宮本武蔵像

──体験版をプレイして、武蔵の表情がとても親近感の湧くキャラクターだと感じました。驚いた時の表情や、べらんめえ調のボイスなど。おどろおどろしい世界観の中で、武蔵がいることで「なんか大丈夫そう」という安心感がありました。これは意図的に作られたものですか。

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二瓶氏:
そこは意図的に作っているところがありまして。三船さんの映画やお芝居も、結構感情をちゃんと出していらっしゃる。それこそべらんめえだったり、感情を表に出す。その野蛮さとか、野性さがちゃんと出ているところが、今回の宮本武蔵にすごく合っているんです。

ある意味、人間味が出るということは、「決めるところはかっこよく決める」という対比が効くので。だから、キャラクターとしていろんな表現が出る主人公にしたかった、ということです。

──ファニーな要素は、ストーリー全体を通じて入っているのか、それともピンポイントで緩急をつけるために使われているのでしょうか。

二瓶氏:
まさにもう、ピンポイントです。「ここで緩急をつけたい」という狙った位置で、ああいうふうにやられたりしているところもそうですし、それ以降の「オオヤマ」とか、新しくPVで出ていたような場所でも、そういうシーンがあったり。本当にワンポイントとして取り入れています。

オープニングでもちょっと入れたいというので、本人のキャラクターというよりかは、まさに「フリとオチ」を決めるための緩急として入れています。

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編集者
三度の飯よりゲームが好き。 HoN、LoL、Dota2におよそ1万時間費す。 きっとその時間でどんな資格も取れたけど、後悔はしていない。 なお下手の横好きの模様。

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