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死にゲーにはしたくない。でも”歯ごたえ”は譲らない──『鬼武者 Way of the Sword』開発者が語る難易度設計の哲学

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「切りながらパリィ」のためにアニメーションを総ざらい──理不尽さを感じさせない設計

──体験版でとくに印象的だったのが、「切りながらパリィできる」という点です。一般的なアクションゲームはどちらかというとターン制に近い構造で、相手の攻撃モーション中は様子を見るのが基本だと思うんですが、本作は攻撃の途中でボタンを押すと、そのままパリィに移行できる。これは意図的に設計されたものですか。

死にゲーじゃないけど歯ごたえはほしい。『鬼武者 Way of the Sword』が出した、難易度問題への20年越しのアンサー_007

二瓶氏:
最初にこの仕組みを考えた時に思ったのは、自分が切っている最中とかに、「今はガードできない、パリィできない」というのがわかりにくいな、ということでした。

だから、自分がガンガン攻めながらも、敵が来た時に「やば!」と思ってボタンを押したら、ちゃんとパリィが成功する感覚を作りたかった。だから、慎重に楽しむユーザーさんには、そのまま遊んでもらいつつ、自分で攻めている時に「理不尽さ」を感じないように、そういう仕組みを作りました。

ただ、そうすると絵が飛んじゃうんですよね。普通のゲームではなかなかそれをしません。理由は、背中から回っている時にそれをしたら、いきなり反転しちゃう、ということがあるので。そういう動きの制約上、できなかったりするんです。

だから我々は、背中ガード、背中の受け流しというのを専用で作っています。右も左もガードを作ったりしているんで、ボタンを押した時に、ちょうどいい場所のアニメーションが繋がるようにしている。だから破綻なく気持ちよく繋がる、というのは、ある意味技術的にこだわったところです。

──1体のボスに対して、パリィモーションやジャスト回避のモーションはどのくらい用意されているんですか。

二瓶氏:
そこは実際に見てもらいながらお話ししたいんですけど、もう1つだけ言えるとしたら、ボスごとに弾いた時、崩れた時のモーションは全部違います。さらに、大型敵と人間型の敵では、ガードした時の体の沈み方も変わっています。

強力なコンボでガーンとやられた時に、立ったままだとリアクションが嘘臭く感じるので、体がちょっと沈んだりとか。大きなキャラクターと人間型のキャラクターみたいな区分で、ちょっと変えたりとか、そういうやり方をしています。

死にゲーじゃないけど歯ごたえはほしい。『鬼武者 Way of the Sword』が出した、難易度問題への20年越しのアンサー_008

──対峙する敵ごとに、時代劇的な専用モーションが用意されているわけですね。

二瓶氏:
「オオムネ」っていうでっかい着物みたいなのが出てきた時に、「やっぱり崩した後に乗りたいよね」みたいな話になるんです。だから、刺した後にブンブン振り回されながらやるとか、そのダイナミックな表現を持ちたかったので、専用で「どういう動きをしたら画になるか、かっこいいか」を考えながらキャプチャーしています。

モーションキャプチャーは「ライブ感覚」で──プロの所作が混ざり、「気持ちよさ」と「リアリティ」が重なる

──「乗る」といったアイデアは、どういう形で生まれてくるんですか。

二瓶氏:
基本的にモーションキャプチャーの時は、専門のプロの方と話しながら作っていきます。アニメーションのプロと僕が毎回同席して、僕の方は結構、どの敵がどういう動きをするかというのを、キャラクター付けを社内である程度決めるんです。

そこで差別化をしながら、「キャプチャーでこういう動きどうですかね」と相談しながら作っていく。基本的には、ライブ感覚でキャプチャーをしながら決めていきます。やっぱり事前に決めちゃうと、それは開発側の都合だったりしちゃう。どうしてもゲーム寄りな動きになっちゃうんです。

逆に、ゲームをあんまり知らないプロのアクターさんの方のアイデアをうまく入れる方が、もう斬新な動きが出る。

国内の殺陣のプロとかって、やっぱり日本だからこそ精通していたりするので、そういう動き方を入れたい、と。

死にゲーじゃないけど歯ごたえはほしい。『鬼武者 Way of the Sword』が出した、難易度問題への20年越しのアンサー_009

──パリィのモーションは非常に気持ちよかったんですが、一方で「実際の剣豪はこういう動きをするのか」という疑問も湧きました。リアリティと気持ちよさのバランスは、どうやって取られたんですか。

二瓶氏:
まさにそこは、最初に立ち上げた時に議論になりました。例えば「どの流派・どの型を採用するか」というのが最初の議論だったんですけど、僕としては、やっぱり幅を狭くしたくなかった。いろんな動きがしたいから、特定の流派はやめました。

ただ、嘘臭さはバレたくないので、プロの方と話した時に、「こういう動きはしますか」とか、例えば「剣を杖のように使ってもありですか」とか、そういう話をしながら。で、面白かったのは、「本当に最後の死に際の切り合いはルールなんて関係ない」というのを、プロの方から教えてもらったんです。だから「自由に行こう」というのがありました。

──「もう何でもあり」ということですね。

二瓶氏:
杖をつくのが、「マナーになっていない」とかじゃなくて、「もうそんなの関係ねえ、その時は杖のように使うんだ」みたいな。そういう会話をしながら動きを作っていきました。

で、実際そのプロの方がやる以上は、自然に表現というか、「所作から」入るんですよね。だから僕らは自由に言わせてもらいながら、アクターさんがちゃんとやる時には、そこがうまく混ざり合う。

死にゲーじゃないけど歯ごたえはほしい。『鬼武者 Way of the Sword』が出した、難易度問題への20年越しのアンサー_010

──ゲーム的に大袈裟な動きをお願いしても、プロの方の所作が自然に入ることで、ちょうどいいところに着地するわけですね。

二瓶氏:
お互いの、そうですね、「このキャプチャーの採用だったらこういう動きですかね」というのが自然と出てきて、「あ、それプロっぽいですね」という話になる。

──モーションキャプチャーのアクターさんは、専門の会社にお願いしているんですか。

二瓶氏:
そうです。歩き方から、声、口の動かし方まで、いろんな動きが出てくる。武蔵が刀を納めるところも結構、殺陣的な動きをするんですけど、ああいうところも、自然と作法が入っているというか、崩しながら入っている、みたいな。「型を知ってからやる」というのは、意識していましたね。

だから結構、受け流しとか、「こんな時受け流せないでしょ」というところも、所作が入ることでかっこいい、他で見たことないような動きが出る、というのを意識しています。

死にゲーじゃないけど歯ごたえはほしい。『鬼武者 Way of the Sword』が出した、難易度問題への20年越しのアンサー_011

「死にゲーにはしたくない、けど歯ごたえは欲しい」──剣撃モードと活撃モードの両立

──難易度についてお聞きします。体験版では剣撃モードを選んで、60分のプレイ時間ギリギリでクリアできました。難易度はどのように決められたんですか。

二瓶氏:
ここはまさにプロデューサーとも話し合って、「死にゲー系にはしたくないよね」というところがありながらも、やっぱり大事なのは「歯ごたえ」というところでした。

だから、1つの難易度だけだと、どうしてもそれが難しかったので、そこを分けてやった、というのがあって。そこに関しては、プロデューサーのこだわりが大きいですね。

門脇氏:
高難度が好きなプレイヤーさん、ライトなプレイヤーさん、両方にいい塩梅で歯ごたえを感じながら、強敵と戦ってもらうというところは、かなり時間を使いました。調整しては触ってもらい、調整しては触って、いろんな方々に触ってもらいながら、いい感じに落とし込めたかなと思っています。

だから、「簡単に」ってあんまり使いたくないんですよ。決して簡単ではないので。ライトなプレイヤーさんにとっても歯ごたえがしっかりで、難易度高めのものを求めてらっしゃる方にもちゃんと歯ごたえがある、という形にはしたかったので、結果的にはいい感じになっているんじゃないかな、と思います。

死にゲーじゃないけど歯ごたえはほしい。『鬼武者 Way of the Sword』が出した、難易度問題への20年越しのアンサー_012

実際、今配信中の体験版をやっていただいているお客さんの感想を見ても、「めちゃくちゃ簡単だ」と言っている方も見受けられるんですけど、今回の体験版でやっているのは「最序盤」で。それと、アクション部分も、より宮本武蔵の手引きを分かってもらえるように、かなりカスタマイズしているんですよ。

途中で身に付けるスキルとかも、装着した状態でプレイしていただけるようにしている。だから確かに簡単に思われるかもしれない部分もあるんですけど、そこはしっかり製品なので。

歯ごたえを感じながら徐々に武蔵を強化していく。難易度を感じながら、「もう1回チャレンジ、もう1回チャレンジ」と繰り返しやっていただけるような形にはできたかな、と思っています。

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編集者
三度の飯よりゲームが好き。 HoN、LoL、Dota2におよそ1万時間費す。 きっとその時間でどんな資格も取れたけど、後悔はしていない。 なお下手の横好きの模様。

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