みなさんは「初日の出」を見たことはあるだろうか？
澄んだ空気の中、地平線や水平線の向こうに昇る日の出はきっととても綺麗で、見れば感動するに違いない。
でも正直、実際に見に行くのは大変すぎる！！！
山にせよ海にせよ、日の出が綺麗な場所というのはだいたい“遠い場所”。せっかく足を運んでも天候が悪かったり人混みに飲まれたりすると綺麗な日の出を見るどころではないし、そもそも早起きするのがたいへん。
年末年始には引きこもってゲームだけやっていたい筆者のような人間にとって、「初日の出」とはあまりにも過酷すぎるイベントなのだ。
そうは言っても、一年の初めくらい特別な気分になりたい。「初日の出」の気分を味わいたい。そう考えていたある日、突然思いついた。
ゲームの世界で初日の出を見ればいいのでは？？？
昨今はゲーム技術の進歩も著しく、現実さながらの日の出だって見れちゃうに違いない。もっと言えば、現実では見れないような日の出だって、ゲームの中なら見れるかもしれない。
というわけで、今年2025年に発売されたゲームタイトル17本から、「日の出」（もしくはそれっぽく見える）シーンを集めてきた。
現実の日の出に勝るとも劣らない最新ゲームの映像美から、今年の作品を振り返っていただけたら幸いだ。
「日の出」で振り返る2025年
01.『Avowed』2025/02/19発売
最初にご紹介するのは、冒険と危険が待ち受ける神秘の島「リビングランド」を舞台にした一人称視点のアクションRPG『Avowed』。プレイヤーは固有の生態系を持つ多種多様な環境や風景に満ちた島を探検しながら、不可解な疫病の調査を行うことになる。
本作は、4K解像度やレイトレーシングにも対応しており、木々の間から差し込む陽光から古代の洞窟を照らす松明の灯りまで、臨場感あふれる神秘的な世界を楽しめる。写真は港町「パラディス」にある灯台の頂上から撮影したもので、海と山の重なる地平から差し込む曙光が美しい。
02. 『モンスターハンターワイルズ』2025/02/28発売
『モンスターハンターワイルズ』は、カプコンの人気ハンティングアクションゲーム『モンスターハンター』シリーズの最新作。禁足地にて「白の孤影」と呼ばれるモンスターの調査を行うハンターたちを描く。
今作では広大なマップをオープンワールドとして自由に探索でき、モンスターの生態系などを含む「自然」を描くことに力が入っている。天候の移り変わりや環境の変化などが、ゲームシステムの一部として組み込まれていることも特徴だ。画像は序盤のエリア「隔ての砂原」豊穣期の朝に撮影。
03. 『The Elder Scrolls IV: Oblivion Remastered』2025/04/23発売
『The Elder Scrolls IV: Oblivion Remastered』は、Bethesda Game Studioが開発するRPGシリーズ『The Elder Scrolls』の第4作目。名前の通りのリマスター版で、元作品を忠実に再現しつつ、グラフィック面が大きく向上している。圧倒的な自由度の高さが特徴で、広大なフィールドを舞台に、ストーリーに縛られない冒険を楽しめる。
リマスター版ではUnreal Engine 5が使用されており、ビジュアルとパフォーマンスが大きく向上。キャラクターから武器、チーズのかけらからスイートロールに至るまで、すべてが一から丁寧に作り直されている。
04. 『CLAIR OBSCUR: EXPEDITION 33』2025/04/24発売
『CLAIR OBSCUR: EXPEDITION 33』は、フランスのスタジオ「Sandfall Interactive」が開発を手掛けるJRPG作品。革新的なターン制バトルや超常的な存在「ペイントレス」による死の呪いと戦う人々を描く物語が人気を博した。
海外レビュー集積サイトMetacriticでは平均レビュースコア「92点」をマークし、ユーザースコアも驚異の「9.6」を記録。12月12日に開催されたゲーム表彰イベント「The Game Award2025」では最優秀賞である「GOTY（Game of the Year）も受賞した2025年を代表するタイトルだ。
05. 『ELDEN RING NIGHTREIGN』2025/05/30発売
『ELDEN RING NIGHTREIGN（エルデンリング ナイトレイン）』は、2022年2月に発売され出荷本数3000万本以上を記録した人気作『エルデンリング』のスピンオフ作品。
異なるスキルを持つ8人のキャラクター「夜渡り」からひとりを選び、最大3名のプレイヤーと協力しながら広大な地リムベルドに降り立ち、3日目に出現する「夜の王」の討伐を目指していく。画像は標的「夜を象る者」出撃時の朝
06. 『マリオカート ワールド』2025/06/05発売
『マリオカート ワールド』は、1992年から続く『マリオカート』シリーズの最新作であり、今年発売されたNintendo Switch2のローンチタイトル。
Swithc2となりグラフィック性能が大幅に向上したのはもちろん、各コースが一つのエリアという扱いになり、巨大なオープンワールドで自由にドライブ出来るようになった点も大きな特徴となっている。画像は「ハテナしんでん」や「ピーチビーチ」から滑空しながら撮影。
07. 『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム Nintendo Switch 2 Edition』2025/06/05発売
本作は2023年に発売された『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』を、Nintendo Switch 2向けにアップグレードしたタイトル。
解像度やフレームレートが向上しているほか、HDR対応などグラフィック面が大幅に進化し、より高精細でなめらかな表現が可能になっている。画像は空島からゾナウギア「翼」で滑空中に撮影。
08. 『PEAK』2025/06/17発売
『PEAK』は今年正式リリースを迎えた、最大4人プレイのオンライン協力型クライミングゲーム。プレイヤーたちは遭難した探検家となり、謎めいた孤島から脱出するために、島の中心にそびえる山の頂上を目指す。
ただ山を登るだけ……と思いきや、“一寸先は闇”なシビアかつハードなゲーム体験が人気を博して大きな話題となり、発売からたった9日で200万本を売り上げたと発表されている。画像はステージ「海岸」「火口」の登頂地点付近にて撮影。
09. 『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』2025/06/26発売
『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH（デス・ストランディング 2：オン ザ ビーチ）』は、2019年に発売された『デス・ストランディング』の続編。『メタルギア』シリーズなどを手がけた小島秀夫監督率いるコジマプロダクションの作品で、オープンワールドの世界を舞台に「荷物を運搬する」という異色のゲームだ。
プレイヤーは前作と同じ主人公「サム・ポーター・ブリッジズ」として、荷物を運びながら、時に敵対する人間やこの世ならざる存在・BTなどに対処していく。画像は東部環境観測所付近の山にて撮影。
10. 『ドンキーコング バナンザ』2025/07/17発売
『ドンキーコング バナンザ』は、巨大な地下世界を“破壊”の力で突き進むドンキーコングの3Dアクションゲーム。目に映るほとんどのものを壊せてしまう、という豪快なコンセプトが特徴のタイトルだ。
本作の舞台は地下世界であり、本来「日の出」と無縁なゲームではあるのだが、地下300階にて太陽……のように輝く「光るバナナ」を撮影することに成功した。
11. 『SILENT HILL f』2025/09/25発売
『SILENT HILL f（サイレントヒルf）』はコナミの人気ホラーゲーム『サイレントヒル』シリーズの外伝作で、1960年代日本の架空の田舎町「戎ヶ丘」を舞台にしたサイコロジカルホラー。シリーズの特徴である“心理的恐怖”を継承しつつも、新たな世界観と物語を描いている。
不気味さと美しさが共存するビジュアル表現は本作の大きな特徴のひとつ。画像はストーリー終盤の深水家周辺で撮影したもの。
12. 『Ghost of Yōtei』2025/10/02発売
『Ghost of Yōtei（ゴースト オブ ヨーテイ）』は、1603年の北海道・羊蹄山周辺を舞台にしたオープンワールド時代劇アクションゲーム。『ゴースト・オブ・ツシマ』で高い評価を得たサッカーパンチプロダクションズによる新作だ。
PlayStation 5の性能を活かし、大地をはるか彼方まで見渡せる広大なフィールド、美しい空、草や植物を揺らす風の動きなど、蝦夷地の雄大な自然がリアルに表現されている。画像は羊蹄山の山頂付近より撮影。
13. 『Pokémon LEGENDS Z-A』2025/11/20発売
『Pokémon LEGENDS Z-A（ポケモンレジェンズ Z-A）』は、2013年に発売された『ポケットモンスターX・Y』に登場した「ミアレシティ」を舞台にしたアクションRPG。シリーズで初めて。ポケモンとトレーナーがリアルタイムで行動する戦闘が採用されている。
『ポケモン』シリーズなのでデフォルメ調ではあるものの、近代的な都市で見れる日の出は、今回取り上げたタイトルの中では珍しかった。本作では、夜になると街中に「バトルゾーン」と呼ばれる赤いホログラムのエリアが出現するなど、時間経過がゲームシステムの中に組み込まれている。
14. 『ARC Raiders』2025/11/20発売
『ARC Raiders』は、謎の機械「アーク」によって荒廃した未来の地球が舞台の脱出型PvPvEシューター。プレイヤーは「レイダー」として、機械生命体や他のプレイヤーと戦いながら貴重な物資を収集し、生きて脱出することを目指す。
本作は、グローバルリリース後、約2日でSteamの同時接続者数35万人を達成した話題作。記事執筆時点では最大同接数48万人の記録も保持している。
15. 『Escape From Tarkov』2025/11/15発売
『Escape From Tarkov』は、ロシア北西部にある架空の都市「タルコフ」を舞台にした脱出シューターだ。プレイヤーは敵対する他プレイヤーやAIと戦闘を行いながらマップを探索し、様々な物資を集めて帰還することを目指す。
本作は、2017年からクローズドベータ版がリリースされており、今年約8年の時を経て正式版がリリースされたことで話題となっていた。画像はマップ「Shoreline」南部、Tunnel／Ruined roadの手前にて撮影。
16. 『カービィのエアライダー』2025/11/20発売
『カービィのエアライダー』は、「星のカービィシリーズ」のアクションレースゲームとして開発された『カービィのエアライド』の22年ぶりの続編。
画像は「エアライド」のコース「フォーリス」にて、日の出のような写真（厳密には夕日）を撮影したもの。またネタバレ防止のため画像は控えるが「ロードトリップ」のエンディングでもかなり綺麗な日の入りを見ることができる。
17. 『ブループロトコル：スターレゾナンス』2025/12/18発売
『ブループロトコル：スターレゾナンス』は、2023年にリリースされ現在はサービス終了した作品『ブループロトコル』の世界観を引き継いだアニメ調MMORPG。
前作『ブループロトコル』では「劇場アニメに入り込んだような圧倒的グラフィック表現で紡がれる世界」が大きく押し出されていたが、本作でもそのグラフィック表現は健在だ。画像はアステルリーズ「神殿エリア」やアステリア平原にて撮影。
こうして「日の出」を並べてみて筆者が驚いたのが、“ひとつとして同じ日の出はない”ということだ。太陽の表現はもちろん、空の色や雲の描写、光芒やレンズフレアの演出など、どれもがゲームによって全く異なる。
ゲームの世界とは、自然とは異なり、描かれるもの全てに制作者の意図が含まれているものだ。
リアリティを追求した日の出、演出としての美しさを追及した日の出、世界観にあわせてデフォルメされた日の出、新たな一日の始まりを告げる日の出、不安な夜の終わりを告げる日の出、止まっていたものが動き出す再開の日の出、成し遂げた者を明るく包む祝福の日の出。
「日の出」ひとつをとっても、そこに含まれる意図は数えきれないほど存在する。「日の出」を通して、そんな世界の裏側に思いを馳せてみるのもいいかもしれない。
皆さんも今年遊んだゲームを振り返りつつ、好きなゲームで自分だけの最高の日の出を探してみてはいかがだろうか？
