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今、試したいことがある【緒方佑奈 晴れ、時々彩雲】

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皆さん、こんにちは。
緒方佑奈です。

いきなりですが、ご報告があります。

わたくし、1歩進んで、1歩下がりました…!

というのも、前回のエッセイにて高らかに宣言した目標「腹筋を割る」について。

緒方佑奈エッセイ「今、試したいことがある」【緒方佑奈 晴れ、時々彩雲】_001

あれから2週間ほどコツコツと食生活を改善し、様々な運動を積極的に取り入れて、順調に1kgを落とすことに成功しました。しかしその後、地方でのお仕事や帰省で反動のように食を楽しみまして、現在はなんと、元通り!一か月前と何ら変わらない柔らかなお腹を保持しております。

たった数日の豪遊で…恐るべし、ホメオスタシス!あんなに熱く語っていた食べる瞑想は、今や遠い昔の話になりました。私のガードが固くなる日は本当にやって来るのでしょうか…。

さて、身体的には依然スタートラインにいる私ですが、喜ばしいことに心境的にはちょっとした変化がありました。なので今回は、私が新境地に足を踏み入れた話〜音楽の沼〜のお話を書いていきたいと思います。

だいぶ感覚的なお話なので、伝わるかどうか不安なのですが…。もし“その感覚分かります!”という方がいらっしゃったら是非、感想などで教えてください。私は喜びます。

では、早速。

圧倒的安心感の世界

“あぁ…ここには、こんな景色が広がっていたのか”

生きていると時々、空気が切り替わる瞬間に出くわすことがあります。RPGでいう、はじまりの村から次の街へ一歩を踏み出した時のような、地続きだけどどこかちがう空気が流れる瞬間。

表現の世界で生きていると、そのあたりの変化に敏感になるらしく、私はつい先日、新たなフィールドへ足を踏み入れたような感覚を体験しました。

「DIALOGUE+WITH vol.8 -オーイシマサヨシ-」&「Welcome to D+ vol.4」

緒方佑奈エッセイ「今、試したいことがある」【緒方佑奈 晴れ、時々彩雲】_002

アニソン界を牽引するシンガーソングライター、オーイシマサヨシさんとの対バンライブにて。

私の所属するDIALOGUE+というユニットは、ライブ中にMCをほとんど行いません。伝えたい気持ちは全て音楽に乗せる!というロック魂のもと、曲間も可能な限り詰めて、最初から最後まで歌と踊りで駆け抜けていきます。

そのため重要となるのが体力配分。
BPM160超えの楽曲を連続5曲!なんてこともざらなので、配分を間違えれば命取り…なのですが…。

久しぶりの対バンで気合いが入っていたから?
ユニットの色々なアナウンスの後だったから?

何がそうさせたのでしょうか…。
自分でも分かりません。
けれど、無性にそうしたくなったから。
私は今回、リハーサルで身体に馴染ませた体力配分から大きく逸脱し、己が放てる最大火力で数曲を披露しました。

どんどん上がる息。
空気を溜め込もうと広がった肋骨が、息を吸うたび、背中を圧迫します。

“足、もっと動け。
まだ、あと少し、次の拍まで踏ん張れ。
この程度じゃ死なない。
だから、まだ、いける、いきたい……!”

ゴールテープはまだ数曲分先の位置にあるのに、身体は既に限界を迎えていました。

“冷静と情熱の間で”

演奏をしてくださったバンドメンバーさんが、ライブ中の感覚として教えてくださったこの言葉。お芝居でも2割くらいは全体を俯瞰する自分を残した方が良いと習ったし、これらのバランスを上手く取りながら、その時々に合った気持ちを最大限出力するのがプロの表現者なのでしょう。

私の経験的にも、力任せに感情100%で表現してしまったものは、エンターテインメントというよりは自己満足に近いと感じることが多いです。

だから、理性を無視して、流れてくる音に対して気持ちのまま進んでみたいという好奇心をまるっと採用した今回の私のパフォーマンスは、表現者としては決して褒められるものではなかったように思います。実際に後半ブロックで少しヨレてしまったし…。(反省)

だけど、それをしたことで図らずも、私はこれまでのライブでは体験したことのない、新たな境地に辿り着くことができました。

苦しいなか必死で走り続けて、心拍が最大まで上がったその先。

数年前に感じた”あれ”に似た感覚。

圧倒的安心感の世界です。

私の好きなこと、私が好きなこと

少し話題は逸れますが、私はお芝居が好きです。

ただ、Like!みたいな前向きでキラキラした感情かと言われたら分からなくて、感覚的には落ちたとかハマったの方が近い気がしています。そしてさらに言うと、私はこの芝居の沼に落ちていった日のことを明確に覚えています。

大学の塾生会館の地下にある小さな箱。
芝居のしの字も分からぬまま立った舞台で、思いっきり自分のセリフを叫んだ時。

お芝居的にはまだまだ至らない部分だらけだったので、その場面で描くべきものを、きちんとお客さんに届けられたかは分かりません。…いえ、十中八九自己満足の表現になっていたことでしょう。(恥ずかしい)

けれど、あの瞬間、私の心はときめいてしまったのです。

“私って必死に叫ぶと、こんな声が出るんだ…”
“そっか…ここなら、全部出しちゃってもいいんだ”

日常を生きる時、人は努めて自分の感情を一定に保とうとします。例え、思い通りにいかなくて感情が揺れたとしても、それを表に出さず冷静に対応できるのがかっこいい大人だと思っています。

だけどステージの上は特別です。

悔しい気持ちも、涙が出るほど怒る気持ちも、全部抱えてていい。むしろそういう場面が来たら腹の底から出してくれという世界。

これまで邪魔者のように隅に寄せて見ないようにしてきた感情たちが、板の上ではピカピカの武器になって、自分の表現の質を高めてくれることを知りました。

お芝居は全部の私を許してくれる。

どんな感情を持っててもいいし、出してもいい。
全部、味方なんだ…。

全く、この世にこんな楽園があったなんて。
表現者である限り、私は全ての感情を価値あるものとして肯定し続けることでしょう。

厳しくて、甘い。
それが芝居の沼です。

そして、今。ズボッ。

目の前に広がるのは音楽の沼。
これまでは警戒するように周辺を彷徨いていただけだったけれど…。

自分の心の赴くままに必死に歌って踊った数曲。
ドクドクと心臓が脈打つ中で、思ってしまったんです。

“あれ…ここでも、出していい…?”

考えてみれば、感情のアウトプットの方法は声だけではないですよね…。表情、踊り。これまではその楽曲に合う表情や、正しい振り付けを大事にしてきたけれど。もしかしてこれらも、声と同じくらい自由で良いんじゃないか…?

可愛くて美しいだけが正解じゃない。怒りを込めた踊りがあっても、悔しそうな顔して踊ってても、いいじゃない。まあ、曲にもよるけど。

次のライブ、早く来い。
私は、試したいことがあるんだ。

沼。

思ったより深いところまで沈んでいそうです。

緒方佑奈エッセイ「今、試したいことがある」【緒方佑奈 晴れ、時々彩雲】_003

その場所でしか獲得できない素材やスキル。
新エリアに来た私は、また一から集めないといけません。

外からはどう見えているかは分からないけれど…この場所でしばらくは、忙しく動き回ることになりそうです。

もし良ければ、見に来てください。
私はこの沼を進んでみます。

↓NEXT LIVE情報↓
日程:2026年11月21日(土)
会場:Yokohama Bay Hall

<1部>14時30分開演「DIALOGUE+WITH vol.9 -PENGUIN RESEARCH-」

<2部>19時開演「新曲初披露公演 〜ミテカラキク〜」

編集:川野優希
制作協力:ハナテンワークス株式会社

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