スタイリッシュな「ダッシュ」を軸にした横スクロールアクションゲーム『Near The Sun』。初めてPVを見たときからおもしろそうだなと気になっていました。そのゲームが、10月31日に開催された「東京ゲームダンジョン14」に出展。さっそく試遊してきました。
その直感はあたっていて、やはりおもしろい。敵を倒さなくても、ダッシュでぶつかるとさらにダッシュできる。そしてひたすら右へ進む。ただそれだけなのに気持ちいい。
その1点に集中しているからこそ、ダッシュの楽しさを堪能できるんです。
しかし、中盤から「トゲ」が現れると、あまりの速さで激突。頭では「ああっ!右斜め上にダッシュ!!!」とわかっているのに速すぎてついていけない。
ところが、遊んでいるうちに頭じゃなく手元が勝手に反応して、自分でもびっくりするほどトゲに当たらなくなる。当たったら即死のトゲにスリルを感じつつ、研ぎ澄まされた集中力でダッシュ。一歩間違えれば即死だからこそ、たまんないんですよね。
そんな『Near The Sun』の試遊レポートをお届けします。
取材・文/佐伯匠
右にダッシュして進むだけ!気持ちよさに特化したゲーム性
操作説明は至って簡単。
方向キーで移動。Aボタンでジャンプ、もう一度押すとダッシュ。以上!
ひたすらにマップを右に進みます。
ダッシュのチャージはふたつあります。ダッシュ中、青く縁取られた敵にぶつかると、かっこいい演出とともに少し時間がゆっくりになり、チャージがひとつ回復します。
敵は進む先に必ずいて、ぶつかって回復、ダッシュと連鎖させていきます。
ただそれだけなのに、なんだか気持ちいい。
ダッシュの演出かっこよすぎませんか? 青い稲妻がほとばしり、残像が出てきてバシュン!と高速移動。男の子が大好きな要素が詰まりまくってる。
敵はあたりを監視しており、黄色いサーチライトに触れるとゲージがたまり、MAXになると見つかってしまいます。とはいえ、今回の試遊版ではダッシュで爽快に進んでいると見つかることはありませんでした。
また、本編にはストーリーがあります。
舞台は、地上を焼き尽くした災厄が、地下世界にまで迫りつつある世界。主人公の少年は妹を背負い、世界の崩壊を食い止めるために、機械だらけの暗闇へと足を踏み入れます。
荒廃した駅、忘れ去られた廃坑、真紅に染まる宗教施設。滅びゆく地下を駆け抜けた先で少年が出会うのは、すでに滅びた「前世界」の少女。
彼女はなぜ、失われた時代に取り残されているのか。そして、世界の崩壊と彼女の運命はどうつながっているのか。少年は彼女の記憶をたどりながら、その運命を変える方法を探していくことに。

といったストーリーが、PVでは雰囲気満点に紹介されています。
遊ぶ前は、スタイリッシュなダッシュはもちろん、このストーリーにも惹かれていたんですよね。
今回の試遊版では本作の核となるダッシュのみに絞られていました。物語は製品版までお楽しみといったところでしょうか。
簡単なチュートリアルが終わると、3分のタイムアタックが始まります。
進んだ距離はメートルで表示され、どこまで進めるか挑戦。よっしゃ、やってやるぜ(腕をぶん回しながら)。
速すぎて、頭が追いつかない。トゲに激突するたび削られる自尊心
このゲーム、とにかくダッシュが速すぎて頭が追いつきません。
タイムアタックを進めていくと、触れたら即死のトゲが出てくるのですが、不意を突かれると吸い込まれるように突っ込んでしまいます。
アァ!とっさに右上を入力したつもりなのに!!
右下にぶっ飛んでトゲに激突。
いやいや、違うんです。手がね、言うことをきかなくて。頭じゃわかっているんだけども……。
横スクロールのアクションゲームは幼少期に遊んだ『スーパーマリオ』シリーズから始まり『星のカービィ』『ソニック』『ロックマン』『ロックマンゼロ』、インディーでは『ENDER LILIES』『Skul: The Hero Slayer』『Dead Cells』などなど、やさしいタイトルから硬派な作品まで数え切れないくらい遊んできました。
そんな経験があるにもかかわらず……ダッシュして無様にトゲに突っ込んでしまう……。
そんななかでもうれしいポイントとしては、死んでもちょっと前の中間地点から即リトライできること。とはいえタイムアタックなのに時間をロスしてしまい、ゲーマーとしての自尊心がゴリゴリ削られます。
で、これがまた絶妙な難易度に設定されていて「つぎはうまくやれる!」と思えるんです。そもそもダッシュしてるだけで気持ちいいし。細かいことは考えなくて良くて、ただ右にダッシュするっていう制限された状況が心地いい。
頭じゃなく指先が適応した瞬間、反射神経の限界を強制突破させられる
そんなこんなでリトライを繰り返していると、さっきまで言うことをきかなかった手が一転して頭より先に反応をし始めます。反射神経の限界を強制的に突破させられ、頭はいきなりのトゲにびっくりするけど身体がついてくる。
上に移動するときにはジグザグダッシュして稲妻のように駆け抜ける余裕だって出てきた。
もうこうなったらこっちのもんです。さっきまでトゲにぶつかってたコースが、すっかり気持ちよくなるための舞台に変わった瞬間です。
ああやばい、またもや右下にダッシュをしてしまった……!
しかしここで身体が反応して
右上にダッシュを切り返す!身体がこのゲームに適応しました。
この困難を乗り越える瞬間を味わうためにゲームで遊んでると言っても過言じゃない。ギリギリの状況だからこそ、精神が研ぎ澄まされる。そうだ、俺はゲーマーだった。
後半はトゲだらけ。落ちた瞬間に即死、というスリルが集中力を極限まで高めてくれます。
そしてタイムアタックの記録は1953mでした。くぅー、2000mは超えたかった。
さらにスコアボードを見てみると、2634m???こちとら全力で1953mですよ。すごすぎて、ピンときません……。
『Near The Sun』は、「右入力」と「敵への体当たり」だけという、ひたすらに削ぎ落とされたゲーム性のアクションゲームでした。
敵にぶつかってダッシュをつなぎ、右へと突き進む。
最初は速すぎて頭が追いつかなかったけれど、リトライを重ねるうちに頭より先に手が反応しはじめる“あの感覚”がたまりませんでした。今回の試遊版はダッシュだけに絞られていましたが、製品版で描かれる、崩壊しつつある地下世界の物語も気になりますね。
アクションゲームをしているとき、ひたすらにダッシュしているだけで気持ちいい!という経験をしたことがある人は、チェックしてみてください。
『Near The Sun』は2026年にSteamでリリース予定となっています。















