プレイヤー自身が「犯人のメイド」となり、孤島の館へ招いた6人の客を襲撃していくミステリーアドベンチャー『犯人はメイド』。10月31日に開催された「東京ゲームダンジョン14」で試遊した本作は、まず犯行現場となる館への「招待状作り」から始まった。
用意された選択肢を自由に組み合わせて手紙を完成させるシステムなのだが、でき心でフレーズを選んでいった結果、完成したのがコチラである。
招待状
おい、貴様!
リアル脱出ゲームに閉じ込められて二年が経ちました。
しからば、私の情緒のように話題もコロコロと変わります。“貴様を安房吉水の館へ招待してやろう”
エロい下着をアメニティとして準備しています。
いいか? 名探偵だけは絶対に連れてくるなよ。追伸
SNS社会に踊らされてんじゃねーよ!暗黒魔界の王
差出人は「暗黒魔界の王」、アメニティには「エロい下着」。自分で作っておいてなんだが、こんな招待状を受け取ってホイホイやって来る人間がいるはずもない……と思いきや、この世界では立派に通用してしまった。
半裸のサーファーに、チャンネル登録者数100万人の未亡人など、やって来る客たちも正気とは思えない曲者揃い。それを迎える主人公(プレイヤー)も胸元に「犯人」の名札を提げる。
いや、おかしいだろ全員!!!!!!!!!!!!!
そこで本稿では、へんな人たちにつっこんでいるうちに自分も正気を失ってしまった試遊レポートをお届けする。
丁寧な挨拶を心掛けるはずが、選んだのは「おい、貴様!」
主人公が夢見ているのは、美しいトリックで名探偵も読者も翻弄する、キラキラした殺人事件。最高の舞台に最高のトリックと、殺人事件にも一流の輝きを求めているらしい。
本人は、丸の内勤務のオシャレな会社員を目指す就職活動にたとえて語っている。殺人計画のはずなのに、どこか楽観的な冒頭である。
その計画のために、筆者が取りかかるのが招待状作り。用意された選択肢から、挨拶やその後の文面を選んで、一通の手紙にしていく。
「相手に不信感を与えないよう、丁寧な挨拶を心掛けるべき」と考える犯人。候補には「おい、貴様!」も「にゃーん。」もある。
しょっぱなから、こんな調子でいいんですか。そう思いながらも、筆者は「おい、貴様!」を選んでいた。
出来上がったのが、冒頭の招待状である。しかも本作、全編フルボイス。犯人はこの手紙まで、ボイスチェンジャー越しの声で読み上げてくれる。
いかにも犯人らしい声で、差出人の「暗黒魔界の王」まで読み上げられると、ついニッコリとしてしまったが、いや、これで本当に人が来るのだろうか。
ここまで悪ノリを徹底するゲームなら、こちらも遠慮する必要はなさそうだ。よし、やってやろうじゃないか。
この招待状でなんで来たの?
あの招待状で、客たちは本当に集まってきた。
画面の名前欄を見ると、「午前0時の名探偵」に「夏の浜辺にいそうな陽キャ」。筆者がつけたあだ名ではなく、これが彼らの呼び名なのだ。なるほど、一癖も二癖もありそうだ。
陽キャは本当に上半身裸で、サーフボードまで抱えている。招待状の文章には、何か記憶に引っかかるものがあったそうだ。
「遠い遠い、あの夏の浜辺に忘れた海パンのような、そんな記憶さ。」
アメニティの「エロい下着」に、海パンの記憶が刺激されたんですか?
いかにもミステリーで最初の犠牲者になりそうな、金持ち風の「有限会社にっこりんご社長」もいる。招待状のとおりに島へ来れば「絶対に儲けられる!」という。
かと思えば、なぜか口の悪い北欧系の双子の姉妹もいる。
そして、「愛する人に先立たれたチャンネル登録者数100万人の妻」。
あの文面で来る人がいるだけでも驚きなのに、来たのがこの面々である。ところが、やり取りを眺めているうちに、その呼び名にもだんだん違和感を覚えなくなっていた。「午前0時の名探偵」くらいなら、もう普通に読み流せてしまう。
客の正気を疑う筆者も、気づけば悪ノリに飲み込まれていた
もっとも、客にばかり驚いていると、こちらの立場を忘れそうになる。
迎えるメイドは星形の眼鏡をかけ、顔を布で覆った姿。胸元の名札には「犯人」。画面の名前欄にも「犯人」とある。
あんな手紙で来る方も来る方だが、迎える方もこの格好。しかも、こっちが自分なのだから、客の警戒心をとやかく言っている場合ではない。
ちなみに、試遊前に筆者の目を引いた女性こそ、このメイドの声を担当する、かわい 凛香さん。ボイスチェンジャー越しの声もご本人が担当しているという。会場では、ゲーム内と同じメイド姿で参加されていた。

試遊は、そんな客たちと向かう「皆殺シ館」が見えたところで終了。
ここで終わるのか!!!
これだけの面々を揃えておいて、館の中を見せてもらえないのはつらい。まだ誰も襲っていないし、肝心のキラキラしたトリックだって見ていない。なのに、招待状を書いて人を迎えただけで、これほど続きが気になるとは。
あの招待状で来る客たちを不思議がっていた筆者も、いまやこの人たちと館の中へ入りたくて仕方がない。すっかりこのゲームの悪ノリに飲み込まれてしまった。
そんな筆者に、制作者の方が「犯人、誰だと思います?」と問いかけてきた。
え。私ですよね?
タイトルにも、名札にも、名前欄にも、あれほど堂々と書いてあったじゃないですか。こちらはそのつもりで、襲う相手を呼ぶ手紙まで作っていたんですけど。
そう聞かれると、さっきまでの確信が急に怪しくなってくる。犯人を隠す気がなさそうなゲームで、まさか自分の立場から疑うことになるとは。
……いや、犯人はメイドですよね?














