「NowLoading」。ゲームを遊んだことがあるなら、一度は目にしたであろう読み込み画面だ。なかなか終わらず、いっそ再起動したくなった経験もあるだろう。
ところが、今回ばかりは再起動しても無駄である。
2026年にSteamで発売予定の『NowLoadingが終わらない』は、読み込み画面そのものがミニゲームになった作品だ。プレイヤーの目的は、作中の架空の大作RPG『ファイナルテイルズクエスト』を起動すること。その本編を遊ぶため画面上の仕掛けをマウスで攻略し、自力で読み込みを進めていく。
たとえば、書類を入れようとすると、フォルダが全力で逃げ回る。物理的に飛んでくるウイルスからは、アイコンをマウスで逃がさなければならない。読み込みの進み具合を示すロードバーも、傾くと貯めた青い中身がこぼれ出す。
何としてもロードを終わらせまいという、明確な意思を感じる。
本稿では、「東京ゲームダンジョン14」でこの妨害の数々に挑み、いつもなら待つだけの「ロード画面」にさんざん遊ばれてきた筆者の試遊レポートをお届けする。
待つだけのはずのロード画面で、腕前を試される
開発者は、『利用規約に同意したい』を手がけたべすとまん氏。ゲームを始めるために、さまざまな仕掛けを突破して全12項目の利用規約への同意を目指す作品だ。
筆者も以前から少し気になっていたのだが、今度は待っていれば済むはずのローディングまで遊びにしてしまったらしい。
画面に映るのは、RPG『ファイナルテイルズクエスト』と、昔のパソコンを思わせるウインドウだ。ゲームを始める前に、読み込むデータの一覧が提示される。
読み込むファイルは全部で10個。「SystemData 16KB」「GameData 27MB」と始まる一覧を下へたどると、「SoundFile 437GB」。音声らしきファイルだけで、もう数百GBである。
さらに「AbyssCore 512TB」、最後の「PandoraProtocol」に至っては1024TB。もはやパソコン一台に収まる量には見えない。
もちろん、実際にこの容量のデータを読み込むわけではなく、ゲーム内の演出である。ただ、演出だからといって、待っていれば終わるわけでもない。
公式ストアによれば、コンピューターの気分やプログラムの調子が悪いときは、プレイヤーの手助けが必要になるという。その「手助け」が、マウスでミニゲームを突破し、青いロードバーを満たす作業だ。読み込みの成否はこちらの操作次第。
コンピューターのご機嫌を取るのに、巧みなマウスさばきを求められる。
ロードは遅いのに、フォルダの逃げ足だけは速い
たとえば、地球型のアイコンから飛び出す書類を、フォルダへ入れるミニゲームがある。
アイコンをマウスで直接振ると、書類アイコンが次々と舞い散る。パソコンで書類がフォルダへ飛んでいく、あのファイル転送の表示を、自分の手で動かすような遊びだ。
ただし、肝心のフォルダは全力で逃げ回る。
書類を送り込もうにも、受け皿がじっとしてくれない。こちらが追いかけるほど腹が立ってきて、思わず「クソ」と悪態が漏れた。けれど、フォルダの必死な逃げっぷりには、つい口元が緩んでしまう。そこまでして遊ばせたくない本編って、いったいどんなゲームなんだ。
最後は、とにかくアイコンを振りまくり、書類を大量に送り込んで突破した。気づけば、フォルダとの追いかけっこにすっかりむきになっていた。
さらに手を焼いたのが、地球、ディスクドライブ、フォルダという三つのアイコンをウイルスから守るミニゲームだ。ウイルスはミサイルのように飛んでくるので、狙われるアイコンをマウスで動かして避けなければならない。
ウイルス対策が、アイコンの避難誘導になっている。
動かせるのは、一度にひとつだけ。フォルダを逃がしているあいだも、残りのふたつは危険にさらされている。三つに目を配りながら、ひとつずつ動かして逃がす。筆者はマルチタスクが苦手なので、読み込み画面でその弱点まで突いてくるのは勘弁してほしい。
別のミニゲームでは、青いロードバーそのものが、シーソーのような受け皿になっている。上から降ってくる青い部分を貯めるのだが、バランスを崩して傾くと、せっかく貯めた中身がこぼれてしまう。
おまけに時間制限があり、間に合わなければシステムデータの読み込みからやり直しになる。操作はマウスで行うものの、見ただけですぐに扱えるとは限らない。慣れない操作を試しながら、制限時間にも追われるのだ。
たぶん、本編より難しい。
ロード画面に、“続き”を期待してしまう
それでも、失敗からすぐに再挑戦できるのは助かった。やり直しは厳しいが、次の挑戦へは気軽に移れる。
しかも、やり直すとミニゲームの内容が変わる。システムデータを読み込む段階だけでも何パターンもあり、同じところへ戻されたからといって、先ほどの操作をなぞれば済むわけではない。
まずは手探りでマウスを動かし、どこを動かせばいいのか、どうすればゲージが貯まるのかを探る。さっきまで必死に逃げるフォルダを追っていたのに、別の仕掛けを前にすると、また手が動いてしまう。やり直しのはずなのに、同じ作業を繰り返している感覚が薄い。
必死にマウスを動かしていたのは、ロードを終わらせるためだったはずだ。ところが、気づけば「次はどうやって邪魔してくるんだろう」と期待していた。
早く終われと急かしていたのに、まだ見ていない仕掛けがあると思うと、今度は終わるのが惜しくなってくる。
……もう、終わらなくてもいいか。










