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美麗な2Dドットの探索アクションアドベンチャー『Chasm』発売開始。軽めの難度でメトロイドヴァニア入門者に最適

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 2013年にKickstarterでのキャンペーンを成功させたアクションアドベンチャーゲーム『Chasm』が7月31日に発売された。開発はアメリカのメリーランド州を拠点とするインディーデベロッパー「Bit Kid, Inc.」。ちなみに、Kickstarterキャンペーン時は「Discord Games LLC」という名前で活動していた。『Chasm』はSteamのほかに、海外ではPS4とPS Vitaでもリリースされている。

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(画像はKickstarter | Chasmより)

 プレイヤーはGuildean Kingdomの騎士見習いであるDaltyn(名前は任意で変更できる)となり、Karthasと呼ばれる町で、王国に必要不可欠な資源を産出する鉱山が閉鎖されたという噂の調査を命じられる。町に到着してみると事態は予想以上に深刻であり、地下から現れた正体不明のモンスターたちに住人たちがさらわれたのだという。

 Daltynは騎士としての自分の力を示すべくこの事態の解決へと乗り出す。

 ゲームはマップを探索し、アイテムを見つけ、敵を倒してレベルを上げ、少しずつ探索範囲を広げながら進行していく。いわゆるメトロイドヴァニアにRPGの要素を足したもので、開発者が影響を受けたゲームとして挙げている『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』にプレイ感覚がよく似ている。

初心者にも優しいRPG要素

 『Chasm』はRPGライクな成長システムにより、道中での戦闘を意味あるものにしている。レベルアップがあるおかげで、筆者のようにメトロイドヴァニアや2Dアクションゲームが苦手なプレイヤーでも楽しくプレイできる。敵が強いと感じたならば、勝てる敵と戦ってレベリングすることができるからだ。

 主人公の攻撃手段は2通りあり、ショートソードやハルバードなどのメイン武器と、魔力を消費して攻撃するサブ武器が用意されている。武器によって攻撃の威力やリーチ、スピードが変わるほか、飛び道具であればそれぞれ軌道はまったく違うものになっている。魔力は道中にあるランプを壊すなどすれば比較的簡単に手に入るので、残量をあまり気にする必要なく使える。

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 武器の他に主人公の防御力を上げるアーマーやベルトといったアイテムの存在も、ゲームに探索と成長の楽しみを与えている。これらのアイテムは購入する以外にも、ダンジョンを探索することで発見できることもある。

 HPはレベルアップ時やセーブポイントに到達したときに全回復するほか、道中でりんごのような食べ物を手に入れることでも回復可能だ。しかしセーブポイントはそれほど頻繁に登場することはなく、レベルアップも容易にはできないので、気を抜くと簡単にゲームオーバーになってしまうバランスだ。食べ物は手に入れればインベントリに登録され、いつでも使うことができるが、よく考えて使う必要がある。

徐々に面白くなるモンスターとの戦闘

 雑魚モンスターとの戦闘は、序盤こそただ歩きまわるだけの敵ばかりで複雑さは感じられないが、少し進むと特徴ある動きをするモンスターが登場し、歯ごたえある戦闘が楽しめるようになっていく。序盤に行える回避行動はバックダッシュとジャンプのみだが、スライディングのような新しい行動もゲームを進めることで身につけることができる。

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 アクションゲームのキモであるボスモンスターとの戦いは、正確に攻撃パターンを読む必要があるが、その分、序盤であっても手に汗握る熱戦が楽しめた。慣れないあいだは何度もゲームオーバーになりセーブポイントまで戻されていたが、敵の動きが理解できるようになると無傷での攻略も可能になる。プレイヤー自身の知識、経験がダイレクトに上達につながる喜びがあるというわけだ。
 また、同じモンスターを何度も倒すことで、図鑑に登録されるというコレクション要素もあり、ドロップしたアイテムも図鑑に載る。

メトロイドヴァニアの真骨頂、美しいマップと少しずつ広がる探索範囲

 メトロイドヴァニアの醍醐味といえば、探索範囲が広がる瞬間だ。越えられない壁や進めない小さな隙間が通れるようになる瞬間は、強い敵を倒せたときとはまた違う達成感が得られる。

 本作のマップは大きく6つのエリアで構成されている。最初の坑道だけでなく、地下とは思えないような森林や地下墓地など、バラエティに富んだロケーションが用意されている。
 Steamのストアページなどで「本物のピクセルアート」と自称するだけある美しいグラフィックで描かれるマップは見ているだけでも楽しい。

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 これらのマップは大筋では誰もが同じ部屋を通るものの、マップそのものの構造はゲーム開始時に入力するハッシュ値によって変化する。そのため、難度を上げて2週目に挑むときなども新鮮な気持ちでプレイすることができるだろう。

 また、マップに配置してあるセーブポイントは地上以外にも階層を移ったすぐやボス戦の手前にも配置されており、意地悪な配置になっていないのがありがたい。要所要所には地上に戻るためのショートカットも存在している。プレイヤーによっては簡単に感じるかもしれないが、アクションゲームを普段プレイしないようなプレイヤーにとっては、ちょうどいい難度調整になっている。

 鉱山を探索していくとモンスターに連れ去られた町の住人たちに出会うことがある。彼らを助け出せば地上に脱出して町が徐々に賑やかな姿を取り戻していく。住人は街に戻るとお店を開いたりカードゲームで遊んだりと様々な形でプレイヤーを支援してくれる。序盤こそ寂しい風景が広がっているが、地下だけでなく地上でもゲームがどれほど進んだかがひと目で分かる楽しい仕掛けになっている。

2018年に登場したクラシックなメトロイドヴァニア

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(画像はChasm公式サイトより)

 ストーリーは突如として現れたモンスター軍団のひしめく地下ダンジョンに挑む騎士見習いの少年の英雄譚。ゲームプレイは過度の反射神経を求められるものではなく、探索と観察と理解で攻略していくメトロイドヴァニア。
 ストーリーもゲームプレイもどちらをとっても非常にクラシックな内容だ。難易度も少なくとも序盤でやめたくなるような凶悪なものではない。公称で1周が15時間ほどのプレイ時間だが、不慣れであれば難度を下げたりじっくりとレベルを上げながら攻略も出来る懐の深さもある。
 本作はメトロイドヴァニアをやりこんだプレイヤーだけでなく、このジャンルに初めて挑戦する初心者プレイヤーにも最適なゲームだといえるだろう。

文/古嶋 誉幸
編集/ishigenn

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一日を変え、一生を変える一本を!学生時代Half-Lifeに人生の屋台骨を折られてから幾星霜、一本のゲームにその後の人生を変えられました。FPSを中心にゲーム三昧の人生を送っています。
Twitter: @pornski_eros
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ニュースから企画まで幅広く執筆予定の編集部デスク。ペーペーのフリーライター時代からゲーム情報サイト「AUTOMATON」の二代目編集長を経て電ファミニコゲーマーにたどり着く。「インディーとか洋ゲーばっかりやってるんでしょ?」とよく言われるが、和ゲーもソシャゲもレトロも楽しくたしなむ雑食派。
Twitter:@ishigenn

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