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『アーマード・コア6』わずか1分のアセンブルで完全初見ミッションをクリアした「歴戦レイヴン」がすごかった。“イレギュラー”の登場で話題になった先行試遊会、現地の盛り上がりをお届け

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『AC6』を構成する3つのポイント

 今作は、『アーマード・コア』の面白い部分と同社がこれまで培ってきたものを掛け合わせて、新しいものを作るプロジェクトとしてスタートしている。それを実現するために、3つのポイントでゲームが構成されている。

 ひとつ目のポイントは「スケール感×立体的なレベルデザイン」である。『AC6』では、メカならではのスケールで構成された3次元のマップ設計が採用されている。プレイヤーは、緻密に作られたSF空間をメカのダイナミックなアクションで移動していくことができるのだ。

 ふたつ目のポイントは「アセンブル×駆け引き重視のバトルデザイン」だ。『アーマード・コア』シリーズの面白さは、この「アセンブル」にある。そこに、同社が最も得意とする駆け引き重視のバトルが組み合わさっているのだ。これらが融合して、現在のフロム・ソフトウェアが作る銃撃戦はこういうものだ、というものを提示していきたいと考えているのである。

 また、ACのパーツの構成が変わると、アクションやプレイスタイルも大きく変わり、それによって攻略方法自体も変わってくる。先ほども少し触れたが、特に脚部はアクション性がかなり大きく変わるようになっているため、その違いが最も体感できる部分となっている。

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 3つ目のポイントは、「難局を乗り越えた先にある高い達成感」である。こちらは、同社のタイトルに共通しているものともいえるが、手応えのあるシチュエーションがプレイヤーを待ち受けている。

プレイヤー自身が成長していくだけではなく、ミッションに合わせてACをアセンブルすることで、自分に合ったプレイスタイルや突破効果を切り開いていくことができるのが、今作の面白さに繋がっている部分なのである。

 もうひとつ、「メカだからこそできるダイナミックなアクション」ということもコンセプトに掲げられている。こちらは人間のキャラクターではできないような、3次元空間をフルに使った立体機動戦闘だ。プレイヤーが操っているのがメカであれば、地上と空中を自在に行き来することにも説得力が生まれる。それに加えて、複数の武器を同時に使えるようにすることでメカ同士の激しいバトルを実現しているのである。

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シリーズを遊んでない人でも楽しめるストーリー構成

 長年続いているシリーズ作品ということで、どうしても気になるのが過去作を遊んでいないと今作を十分に楽しむことはできないのではないか? というところだろう。これに関して山村ディレクターは、「本作が始めてのアーマード・コアでも大丈夫です」と太鼓判を押す。その理由は、舞台設定からストーリーにいたるまで、今作は完全新規で作られているからだ。

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 ストーリーとしては、舞台となる惑星ルビコンで、過去に新物質の「コーラル」というものが発見される。それがとんでもないエネルギーであるということで注目されたのだが、何かしらの原因で大災害を引き起こしてしまう。その余波で、ルビコンは惑星全体が災害の跡地ともいえるような環境になってしまったのである。

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 ゲームスタート時点の時系列では、その大災害で失われたはずのコーラルが、また発見されたという情報をキャッチして、いろんな勢力が非合法に侵入。プレイヤーはそこで、様々な勢力からの依頼を受けながら、一方でコーラルの謎に迫っていくといったものになっているのである。

パラメーターだけではなく手触り感にも変化をもたらす「アセンブル」

 『AC6』のバトルで重要となってくるのが、「アセンブル」だ。見た目も動きも大きく変わる部分でもあるが、こちらは単純にカスタマイズすることでパラメーターの数値が変わるだけではなく、アクションに関わる手触り感も変化するように作られている。例をあげると、脚部を変更するだけでも移動性能や回避性能がガラリと変化する。また、四脚タイプなら空中でホバリングできたり、タンクならものすごいスピードで地上を移動して、ドリフトターンもできたりといった感じである。

 「アセンブル」はゲームの肝の部分ともいえるのだが、その入り口自体はそれほど難しく考える必要はなく、最初は好みのものに変更していきながら慣れていくことで、徐々にカスタマイズの仕方がわかっていくようになっているのである。

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 もうひとつ、ゲーム自体にもメリハリが付けられており、通常の殲滅ミッションでは、ザコキャラを一方的に殲滅していく爽快感が得られる。しかし、歯ごたえのあるバトルも節目でしっかりと用意されており、そうした難局に当たったときなどに「アセンプル」を変えるきっかけを与えてくれるようになっていうのだ。

対戦と非同期のオンライン要素もあり

 『AC6』のオンライン要素は、大きくわけてふたつ用意されている。ひとつは過去作にもあった対戦形式のモードで、もうひとつは非同期のオンライン要素だ。対戦形式では、1対1と3対3のチームマッチが選べる。1対1では、ガチの対戦が楽しめるようになっており、相手のAPを0にしたほうが勝ちとなる。

 3対3のチーム戦では、制限時間内に敵を撃破するとポイントが加算されていき、最終的にチームとしてポイントが多いほうが勝ちとなる。対戦中にポイントが一番高い人が「プライオリティターゲット」となり、そのプレイヤーが敵を倒すと多くのポイントがもらえるほか、逆に倒されてしまうと相手に多くのポイントが入る。そのため、「プライオリティターゲット」のプレイヤーを有効に活躍してもらうようにサポートするなど、駆け引きが生まれるようになっているのだ。

 オンラインは最大9人まで参加することができ、対戦に参加していない他のプレイヤーは観戦で楽しむことができる。マッチングについては、ルームを作って参加者を待つほか、友人同士プライベートで楽しむこともできる。

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 非同期のオンライン要素もふたつ用意されている。「機体データの共有」では、プレイヤーが「アセンブル」して作ったACのデータ(機体構成)をアップロードすることができる共有するとIDが発行され、それを教えることでほかのプレイヤーが利用することができるのだ。使い方としては、特定のボスを攻略するための「攻略用アセンブル」として配布するなど、ユーザー同士が助け合えるようなものをイメージしているそうだ。

もうひとつの非同期のオンライン要素がエンブレムである。こちらは、以前同様に共有することができる。友人同士で同じエンブレムを貼って部隊を編成するといったときにも活用できそうである。

 さらに、オンライン要素とは別に「フォトモード」も用意されている。こちらは、インゲーム中に止めて、好きな場面を撮影することができるというものだ。角度や画角、色などを好みに調整することも可能である。

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キーアサインは変更可能? 『AC6』に関するQ&Aコーナー

 続いて、事前にユーザーから募集された今作に関するQ&Aコーナーが行われた。

――『AC6』のサウンドについて、特に注力した部分や目指した音楽的テーマは何ですか?

山村ディレクター:
 BGMは、ACファンの皆さんであればおなじみ弊社の星野康太がリードコンポーザーとして、いっぱい新曲を書いてくれたので、ぜひ楽しみにしていただけたらいいなと思います。

 宇宙が舞台ということで、オールドSFをテーマにしています。一昔前の『2001年宇宙の旅』なども若干香るような、どこか懐かしくも新しいSFサウンドを目指しているので、星野ファンの皆さんには彼の新境地をお見せできると思います。

――近接武器は左手専用ということですが、他に固定部位だけの装備はありますか?

山村ディレクター:
 左肩専用装備としてシールドがあります。基本的に『アーマード・コア』は、銃撃戦で攻めっけを出していった方が勝ちにつながりやすいゲームですが、狭くて避けるスペースがあまりなかったり、あるいは敵の攻撃が強すぎて避けるだけでは堪えきれなかったりという時には活用できる余地があるかなと思っています。

――デフォルトのキー操作を教えてください。また、キーアサインはどれくらい変更できますか?

小倉プロデューサー:
 デフォルトは近年の弊社のアクションRPGのタイトルと近しいような形になっています。右左のR1、R2辺りに攻撃ボタンが入っており、スティックでキャラクター操作して右がカメラになっているという形のものになっています。

 そのため、『ELDEN RING』や『SEKIRO』、『Bloodborne』などに慣れている方であれば比較的すんなり操作はしていただけるのかなと思っています。キーアサインは色々変更することもでき、スティック以外は全て変えられます。なので、どのキーに何を当てはめるかというのはプレイしていただきながら、ご自身で調整しながらカスタムすることもできます。

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「挑戦! 『ARMORED CORE VI』大型ミサイル発射支援ミッションチャレンジ!」

 最後に行われたのが、会場に訪れたユーザーが参加して行われるミッションチャレンジだった。こちらは、これまでPRなどで一切公開されていなかった初出しのもので、押し寄せる大量の敵からミサイルを5分間守り抜く、防衛ミッションとなっていた。

 抽選の結果選ばれたのが、ファイヤーワークス氏だ。全作プレイ済みで、挑戦前に「今までの経験を総動員して頑張りたいと思います」と意気込みを語っていた。ちなみにこの挑戦、ゲームの肝である「アセンブル」に与えられた時間はわずか1分のみであったが、両手の装備に手数が多いガトリングを選んだファイヤーワークス氏。短い時間のなかでジェネレーターをいじるというツウぶりに、小倉プロデューサーも感心していた。

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 ミッションはすでに防衛が始まっている離れた場所からスタート。発売前のソフトであるにもかかわらず、かなり慣れたプレイスタイルで、余裕すら感じる上手さであった。ミッションでは3ヵ所にミサイルが設置されており、それを守るのが目的だ。画面上部にミサイルの耐久値が表示されており、それがなくなると破壊されてしまう。ミッション終盤、左右のミサイルが壊されてしまったものの、なんとか中央のミサイルを守り切りミッション成功となった。

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無事ミッションに成功したため、来場者全員にスタッフ用に作られた非売品のTシャツがプレゼントされた。

 ミッション成功後、ファイヤーワークス氏は「すごく緊張しましたが、楽しかったです。もともとアセンプルはシリーズを通してあんまり得意ではありませんが、防衛ミッションということで弾幕を張れるアセンブリと、あまり操作したことのないゲームなので機体の装甲を強くしたアセンプルにしました。肩の方はミサイルがくっついているので、腕との内部だけに集中しました」と感想を述べていた。

 余談だが、帰りのエレベーターで取材陣とファイヤーワークス氏が一緒になったのだが、そのときたまたま乗り込んでいた裏方のスタッフに、「裏で見ていましたけど、仕込みだと思われるぐらいすごかったですね!」と、大興奮で話しかけられていた場面も見られた。

 イベントの締めくくりに、山村ディレクターと小倉プロデューサーからファンに向けてのメッセージが語られた。

山村ディレクター:
 『ARMORED CORE VI』、過去からのファンの皆さんにも、本作が初めての『アーマード・コア』だという皆さんにも、どちらにも楽しんでいただけるようなものを作ってきたつもりなので、ぜひ発売日を楽しみにしていただけたらと思っています。

小倉プロデューサー:
 本当に長くお待たせしました、この長い間、皆さん、『アーマード・コア』シリーズをご支援いただきまして、本当にありがとうございます。これをきっかけに、『アーマード・コア』って面白そうだと思ってもらった方もたくさんいらっしゃるのかなと思っています。そうした方々にもぜひ手に取っていただけると、本当に幸いです。我々が今作る『アーマード・コア』は、こういうものだというものを、新しい一歩として提供できると思っていますので、ぜひ発売日にお楽しみいただけたらなと思っています。

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 というわけで、いろいろとご紹介してきたが、これにて今回のイベントは全て終了。シリーズのファンのみならず多くの人に遊んで欲しい作品であることは間違いない。発売まであとわずかだが、ぜひこれを機会に『AC6』の世界に飛び込んでみよう!

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ライター
ライター/編集者。コンピューターホビー雑誌「ログイン」の編集者を経て、1999年よりフリーに。 現在はゲームやホビー、IT、XR系のメディアを中心に、イベント取材やインタビュー、レビュー、コラム記事などを執筆しています。

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