生配信機能も搭載。電話するだけでコラボ放送、視聴者参加型の番組も
POPOPOには通話機能に加えて生配信機能も搭載されている。友達と電話をするだけでそのままコラボ配信ができるため、従来のコラボ配信のようにスタジオを用意する手間やコストが不要だ。
配信中は視聴者が画像やメッセージを投稿できる「投稿募集機能」を備えており、ラジオのお便りコーナーのような視聴者参加型の番組が簡単に作れる。投稿者が1,000人いても自動で抽選され、配信者は最大10人から当選者を選ぶだけ。さらに視聴者が配信者と直接電話で会話できる機能もある。
注目すべきは「スーパーコール」機能だ。これは1配信につき1回だけ使用でき、設定をオンにしているフォロワー全員に向けて一斉に電話の形で通知が届く。応答するとそのまま視聴に参加できるという、これまでのSNSにはなかった独自の仕組みだ。
佐藤健さんは「まだ見つかっていない、トークが面白い一般の方がいると思います。でも、そういった人のなかには地方にいてテレビには出られないかもしれません。ですが、POPOPOなら関係ありません。地方からすごい面白いトークスターがバンバン生まれることを期待しています」とコメントした。
異色の取締役陣が語るPOPOPOの狙い
発表会後半では取締役5名が揃って登壇し、トークセッションが行われた。
庵野秀明氏は「川上さんに巻き込まれて今ここに立っています(笑)」と笑いつつ、キャラクター・ビジュアル面の監修を担当したことを紹介。また川上量生氏はPOPOPOの出発点についてこう語った。

「20年前にニコニコ動画を作ったとき、画面にコメントが被って見えないなんてひどいサービスだと思いました。でも、1週間使ってみたらだんだん気持ちよくなってきたんです。POPOPOにも同じ要素があって、音声コミュニケーションは楽しいのにZOOMやテレビ電話は生理的に気持ちよくないんです。でもこの方法なら、開発中のものを使っているうちに生理的に気持ちよくなってしまう。そこに賭けてみようと思って始めたプロジェクトです」

GACKT氏は川上氏との25年来の付き合いに触れたうえで、アーティストの立場からSNSの課題を指摘した。「ファンを広めるためにSNSを使いたいのに、それを使うことでファンクラブがどんどん意味をなさなくなっていく。POPOPOは表現者にとっていいコミュニティが作れる場だと思っています」と期待を語った。
西村博之氏は、ニコニコ動画がコメントなしでは寂しく感じるようになったのと同じように、POPOPOの通話体験が当たり前の感覚として定着することへの期待を述べた。

GACKT氏「最初は否定的な意見も出ると思う。でも使うとやみつきになる」
発表会後、GACKT氏は囲み取材に応じた。
開発の経緯について、GACKT氏は川上氏からかなり前の段階で声をかけられたことを明かし、完成まで「年単位」の時間がかかったと振り返った。「だいぶ急いで作ってここまで時間がかかったので、もし他の会社が同じようなことをやろうとしても、かなり時間がかかるのではないでしょうか」と、開発の技術的な壁の高さについても言及している。
気になるのは開発費だ。GACKT氏は川上氏とのやりとりをこう振り返った。「最初にお金の話をしたんですよ。どれぐらいかかるのって聞いたら、試算では数十億みたいな。で、誰が出すの?って聞いたら、『ボク』って(笑)」と笑いながら語り、川上氏が個人で全額出資する覚悟を持っていたエピソードを紹介した。
POPOPOの手応えについて、GACKT氏はニコニコ動画と同じ構造があると分析する。「川上のアイデアは、いきなりドーンと当たるタイプじゃない。でもじわじわ来て、やみつきになるんです。最初は否定的な意見も出てくると思うが、使っていると癖になるというのが大きな分岐点になると思います」と語った。
既存のビデオ通話サービスが抱える問題についても具体的に指摘した。
「ZOOMで8人が参加していて、2人は顔出ししていない。顔出ししたくないんですって言われる。一方で、全員が自分を見て、自分も全員の顔を見て喋っているのも違和感がある。恋人や仲のいい友達とは使わないじゃないですか、違和感がありすぎて」。その上で、「POPOPOはそれを全部解消できるシステムになっている。音声認識で自分が笑ったときにキャラクターが勝手に動いてくれて、まるで仲間が集まって話している感じがするんです」と、自身の体験を交えて語った。
今後のコラボ展開についても触れ、「めちゃくちゃコラボしやすいSNSだと思います。おそらく今後、大きなゲーム会社との連携が始まって、名作と呼ばれるゲームのキャラクターがどんどん出てくるのではないでしょうか」との見方を示した。
アーティストとファンの関係性についてはさらに踏み込んだ。
「既存のSNSでファンを広げることと、ファンクラブの価値を維持することの間にコンフリクトが起きているんです。POPOPOはファンコミュニティを持つアーティストやアイドル、タレントにとってめちゃくちゃ使いやすいSNSになるはずです」と語り、その解決策としてのPOPOPOの可能性に期待を寄せた。
さらに、海外展開の可能性についても興味深い指摘があった。
「日本は携帯で文字を打つ文化が根づいていますが、それはある層に限られているんです。若い世代は文字を打たずに音声でやりとりする時代になっていくし、それは海外ではすでに主流です。文字入力が得意でない層、たとえば海外の子どもたちにとっては、音声ベースのPOPOPOのほうが自然なコミュニケーション手段になります」と、音声通話文化のグローバルな潮流を捉えた展望を語った。
マネタイズはプレミアムユーザーとホロスーツ販売
質疑応答では今後のビジネスモデルについても語られた。
矢倉氏によれば、プレミアムユーザー制度と、数百種類あるホロスーツの購入がマネタイズの柱となる。まずはダウンロードして使ってもらうことが最優先であり、使い込むうちに「これも着てみようかな」という自然な購買動機が生まれるサイクルを目指すという。
デバイス展開についてはスマートフォンが中心だが、PC版の開発も進めている。PC版の想定用途としてはYouTube Liveへのサイマル放送や、AIアバターをリアルタイムで動かす際のディスプレイ先としての活用が挙げられた。西村博之氏からは議事録機能やAPI開放によるサードパーティ連携の可能性も示唆された。
川上氏はデバイスの将来についても言及し、「スマートグラスやAI起点のデバイスの話もありますが、急激には起きません。ただ今がAIという意味で時代の転換期にあることは間違いありません。変わったときは今回は乗り遅れないように頑張りたいです」と語った。
手塚眞氏が語った「通信アプリの革命」
発表会の終盤、手塚眞氏はPOPOPOの意義についてこう語った。
「日本は80年前に、手塚治虫というひとりの天才が漫画に映画的な要素を持ち込んで、漫画というメディアをたちまちメジャーなものに変えました。漫画の革命だったわけです。今回、通信アプリに映画エンタメという要素を持ち込んだPOPOPOは、まさに通信アプリの革命だと思っています」
「AI時代を前に人間が作る最後のSNS」というキャッチコピーの通り、POPOPOの設計にはAIによる自動生成ではなく、映画監督のカット割りの法則や空間デザイナーの内装設計といった「人間の職人芸」が注ぎ込まれている。川上量生氏が「ニコニコ動画以来の勝負」と位置づける本サービスが、国産プラットフォームとしてどこまで広がりを見せるのか。今後の展開に注目したい。
サービス開始記念「1億円ひとりじめキャンペーン」を実施
サービス開始を記念して「1億円ひとりじめ!! POPOPOで通話するだけキャンペーン」が開催される。期間は2026年3月19日0時から4月19日23時59分まで。アプリをダウンロードし、アカウント連携をしたうえで友達と1分以上の通話を1回するだけで応募が完了し、抽選で1名に1億円が当たる。西村博之氏は「宝くじより当選確率が高いのでは」とコメントし、会場を沸かせた。







