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「死」が報酬になるローグライク──3D弾幕アクションシューティング『SAROS』は、なぜ何度でも挑みたくなるのか

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「次こそは──」
気づけば何度もそう念じながら、コントローラーを握りしめていた。

4月30日発売のPS5/PS5 Pro Enhanced対応3D弾幕アクションゲーム『SAROS』は、死ぬたびに強くなれるローグライクだ。その中毒性は、実際にプレイしてみるまで想像していなかったほどだった。

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開発を手がけたのは、フィンランド・ヘルシンキを拠点とするHousemarque。昨年設立30周年を迎えた同スタジオが、2021年に大きな新境地を開いたタイトルが『Returnal』だ。『SAROS』はその独特な雰囲気や特徴を継承しつつ、要素を新たに再定義することで生まれた精神的な続編といえる。

舞台となるのは惑星「カルコサ」。主人公のアルジュン・デヴラジは超巨大企業ソルタリ社の宇宙船エシュロンIVの護衛官だが、とある人物を探すという目的を胸に、銀河の果てのこの地へとやってきた。奥深いダークSFアクションスリラーとして、主人公以外の個性的なキャラクターたちも絡み合いながらストーリーが展開していく。

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本作の主人公・アルジュン・デヴラジ

そんな本作のリリースに先駆けて、メディア向けのプレビューイベントが開催された。ゲーム冒頭から約3時間、ゲームを体験できたので、本稿でその特徴などを紹介しよう。

取材・文/高島おしゃむ
編集/kawasaki

ローグライクだが死ぬたびに強くなれる独自のシステム

この『SAROS』は、ローグライクな要素を持ったステージクリア型のゲームだ。
途中で死んでしまった場合は、それまで道中で入手した武器などはほぼすべて失ってしまい、再び拠点からスタートすることになる。

だが本作では、死を迎えた後、再スタート地点に設けられた「アーマーマトリクス」を通じて、ツリー状にスキルをアンロックしていけるのだ。そのために必要なリソースの「ルセナイト」は、倒した敵から獲得できるほか、マップ内に点在している。

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死ぬたびにお世話になる「アーマーマトリクス」。ここでスキルツリーを解放できる

ツリーで解放可能な要素には、アドレナリンや耐久度の最大値、パワーの増加などのほか、シールド量やパワーウェポンの使用回数、そして「ルセナイト」の獲得量が増えるものなどもある。また、集めた「ルセナイト」は復活時の強化に使えるだけでなく、一定量集めることで熟練度が上がっていくという要素もある。熟練度が上がるほど、道中で入手できるメインウェポンやパワーウェポンのレベルも上がっていく。

とくにゲーム序盤に取得しておきたいスキルが「セカンドチャンス」だ。これは途中で倒されても1度だけ復活できるというもので、あるかないかでステージクリアの効率も大きく変わってくるほどであった。

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ちなみに前作の『Returnal』では、運が悪いと途中で死んでしまい、それまでのランがすべて無駄になってしまうということがたびたびあった。これはある意味ローグライクの宿命的なストレス要素でもあるのだが、心が折れてしまった人も多いのではないだろうか。

そのてん『SAROS』では、地道にゲームプレイを続けることで、アーマーマトリクスの恩恵によって少しずつ攻略しやすくなるわけだ。

敵の攻撃をシールドで吸収してパワーウェポンをぶち込め!

アクションに関しては、『Returnal』の操作感に似ている部分も多いが、新たな取り組みとして「シールド」「パワーウェポン」が加わっている。

シールドは、自分の周囲に展開するバリアのようなものだ。すべての攻撃を防ぐことはできないが、敵が繰り出す青白く光る発射体は吸収が可能となっている。さらに吸収時は、パワーとして貯めておくことができ、これを消費してシールドを展開したり、パワーウェポンと呼ばれる強力な攻撃も繰り出したりできるのだ。

敵が青白い発射体を放ってきたら、あえてシールドで受けて貯め込み、そこからパワーウェポンの強力な一撃につなげるという戦術が取れるわけだ。

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敵が放ってくる青い発射体は、シールドで吸収可能だ

マップを進んでいくと、最初からそこに存在している敵もいれば、突然目の前に現れる敵もいる。そのため、油断していると気づけば多数の敵に囲まれてしまっていた……ということも頻繁にあった。

もちろん、マップ上に落ちているエーテルと呼ばれる緑色の物体を入手することで、失った体力を回復することは可能だ。だが、基本的に回復手段は少ないため、極力体力を削らないよう立ち回っていく必要がある。

今回の試遊では、最初のボスにたどり着けたのはわずか1回のみだった。しかもその時点で残り体力がわずかで、攻撃パターンを把握できないまま倒されてしまった。その次のループが始まる前に解放できたスキルが「セカンドチャンス」であった。これでいけるぞ! と思ったのだが……無情にもそのランの途中で試遊時間が終了してしまい、悔しい結果となった。

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日蝕では敵も凶暴化する!

ローグライクらしい要素はほかにもある。
アルジュンが探索する惑星「カルコサ」は、プレイするたびにマップの構成が変化する仕組みだ。ただし完全なランダムではなく、いくつかのパターンの組み合わせになっており、同じステージ内にも節目となるポイントが設けられている。そのため、何度も繰り返しプレイしていると、だいたい次に何が来るかが分かってくるような作りになっていた。

道中では、メインウェポンやパワーウェポンなど様々な武器が手に入るだけでなく、キャラクター自身を一時的に強化できるアーティファクトも入手できる。アーティファクトは取得することで耐久度の最大値やパワーなどがプラスになるバフ効果を持つが、途中で死んでしまった場合はすべて失われ、また新たに集め直すことになる。

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マップの生成はランダムだが、どこに向かえばいいかは非常にわかりやすくなっている。十字キーの下を押すことで周囲をスキャンでき、メインルートには黄色い旗のアイコンも表示される。ミニマップも表示されているため迷うことはないが、メインルート以外にも探索要素が用意されていた。

例えばマップ上に白い三角のアイコンで示された場所に行ってみると、そこは静かなキャンプ場のような空間だった。中には様々なログデータが残されていたほか、アーティファクトなども入手できた。ほかにも気になるものの行けない場所がいくつかあったが、こうした要素もゲームを進めるうちに解明されていきそうだ。

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もうひとつのユニークな要素が「日蝕」だ。これは天気のようにコロコロ変化するものではなく、特定のエリアに差しかかったときに発生する。謎の力によってあらゆるものが浸食されていくという、惑星「カルコサ」特有の現象だ。ゲーム序盤では、なぜ日蝕が起こるのかはまったく明かされていない。

日蝕が始まると、それまでの近未来的な重厚感あるBGMが、より混沌としたサウンドへと変化する。周囲の雰囲気も炎に包まれているかのように赤く染まり、異様さがいっそう増す。こうした影響は環境だけでなく敵にも及び、通常はシールドで吸収できる発射体を放つ敵であっても、日蝕時は防げない攻撃を仕掛けてくる。

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具体的には、青白い発射体ではなく黄色い発射体を放ってくるようになる。この黄色い発射体はシールドを展開した状態でも耐久度の最大値を低下させる「コラプション」というデバフ効果を持っており、接触した場合はパワーウェポンを放つことで浄化し、耐久度を元に戻すことができる。日蝕時はそれに応じた戦い方が求められるのだ。

ただし、日蝕の影響はマイナス面ばかりではない。道中で手に入る「ルセナイト」の量も増えるため、うまく活用すれば稼ぎ時にもなる。

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中毒性のある繰り返しプレイが最大の魅力

死ぬことでキャラクターを成長させられるというのは、非常にユニークな試みだ。ローグライクの弱点を逆手に取ったような仕組みであるだけでなく、プレイヤーのモチベーションを下げるどころか、むしろ新たな冒険へと駆り立てられる感覚がある。そうした意味では、RPG的な成長要素も盛り込まれた作品といえるだろう。

こうした成長システムに加えて、今作ではシールドなど敵の攻撃を防ぐ仕組みも用意されている。そのため、プレイ前は『Returnal』よりもライト層向けに作られているのかと思っていたのだが、これは大きな誤りだったと痛感した。あの独特な世界観や雰囲気、歯ごたえのあるゲームの味わいは、本作でもしっかりと受け継がれている。

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やり応えは十分にある。ストーリーについても、その先の展開が気になる作りになっており、開発者が「クリア後も長く心に残る体験を目指した」と語っているだけに、大いに期待できる。今回プレイしたバージョンはまだ開発中のものだったため、英語のセリフに日本語字幕というスタイルだったが、製品版ではしっかりと日本語ボイスでゲームを楽しめる。歯ごたえのある作品に挑戦したいと思っているなら、ぜひ手に取ってほしい1本だ。

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ライター
ライター/編集者。コンピューターホビー雑誌「ログイン」の編集者を経て、1999年よりフリーに。 現在はゲームやホビー、IT、XR系のメディアを中心に、イベント取材やインタビュー、レビュー、コラム記事などを執筆しています。

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