直前に発売が約10ヵ月延期されることが発表された、SNKとPLAION REPLAIが共同で展開する『NEOGEO AES+』。本機は、オリジナルの『NEOGEO AES』のハードウェアを現代技術で再設計した新型マシンだ。
そんな状況でもレトロゲーマーたちからの注目度は高く、今回の「東京ゲームショウ2026」(以下、TGS2026)に出展されていたブースもなかなかの盛況ぶりを見せていた。
というのも、これまで秋葉原でガラスケースに収められた本体のモックが展示されたことはあったものの、実際にゲームをプレイできる状態で一般公開されたのは今回が初めてだからだ。また、これまで発表されていなかった『ゼロウィング』が同ブースでプレイアブル展示されていたことも、大きな話題となっていた。
そうした中、TGS2026の2日目にはメディア向けのハンズオンプレビューが実施された。こちらでは、PLAION REPLAIのスタッフによる同機のプレゼンテーションや未発表タイトルに関する情報が公開されたほか、実機を触りながらQ&A形式で、気になるポイントについて開発メンバーに直接話を聞くこともできた。
この記事では、『NEOGEO AES+』開発メンバーによるプレゼンと、実際にお伺いしたインタビューの様子をお届けする。
エミュレーションでもFPGAでもない。専用ASICでNEOGEOを現代に再現
最初に行われたプレゼンでは、PLAION UK & Retro マーケティングディレクターのSimon Turner氏から『NEOGEO AES+』に採用されている独自技術について紹介が行われた。
SNKが90年代に発売した『NEOGEO AES』は、スペックが高かったこともあり、価格も上がってしまい、現代の価値で換算すると本体が1500ドル(日本円で約23万円)、ソフト1本あたり600ドル(約9万3000円)と、かなり高価だった。そのため、いいゲーム機ではあったもののあまり売れなかったのである。
そうしたこともあり、今回の『NEOGEO AES+』では、普通の人でも購入して遊べるような価格設定になっている。コンセプトとしては、オリジナルを1:1で完全再現するというものだ。そのため、ハードウェアのパーツや素材、重量に至るまで、細部にこだわって再現されている。
後ほどご紹介する新たに開発したチップにより、カセットを差し込めばゲームをプレイすることができる。それだけではなく、過去に発売された『NEOGEO』のゲームもカセットを差して遊ぶことが可能だ。これは本体だけではなく、コントローラーなどの周辺機器も同じように使用できるようになっている。
プレゼンでは、『NEOGEO AES+』が一般的なソフトウェアエミュレーションではなく、再設計された専用のASICチップを採用している点をアピール。これを「Real hardware, not emulation」と表現しており、さらに「FPGAを超える再現性(Beyond FPGA)」を掲げていた。
FPGAは内部の回路構成を書き換えられる汎用的なデバイスであるのに対して、ASICは特定用途のために専用設計された集積回路だ。『NEOGEO AES+』では、この専用ASICによってオリジナルのマシンに近いタイミングや応答性、動作の再現を目指しているという。
また、PLAIONが開発した特許出願中のHDMI技術によって表示遅延を最小限に抑え、現代のHDMIディスプレイでもオリジナルハードウェアに近いレスポンスを実現するとしている。

ここまではすでに一般にも公開されている情報だ。ここからは、初公開の情報も含めたソフトの紹介が行われた。『NEOGEO AES+』用タイトルとしては、すでに10本のソフトが発売されることが決定している。それに加えて、「TGS2026」で初公開されたのが『ゼロウィング』だ。
本作は、もともと東亜プランが開発したアーケード向け横スクロールシューティングゲームで、オリジナルの『NEOGEO』では発売されていない。今回はTATSUJINからライセンス提供を受け、新たにNEOGEO向けへ移植されたタイトルとして登場する。本体のローンチ後にリリースされる予定だ。

それに加えて、9月22日に新たに発表されたのが『ファイターズヒストリーダイナマイト』と『マジカルドロップ2&3』、『ミラクルアドベンチャー』、『ダンクドリーム』の4本である。ちなみに、『マジカルドロップ2&3』はふたつのタイトルを1本にまとめたものなので、実質追加されるのは5本といってもいいかもしれない。









