5月15日、政府はカフェや小売店といった商業施設で流れるBGMの使用料について、実演した歌手やレコード会社が対価を受け取る権利を新たに創設する「著作権法改正案」を閣議決定したことが共同通信やNHKなど複数の国内メディアで報道された。
これまで、現行の日本の制度では店舗でのBGM使用料は作詞家や作曲家にのみ支払われており、歌唱したアーティストやレコード会社には還元されない仕組みとなっていた。今回の法改正は、日本も諸外国と足並みを揃えることで、歌手の権利保護や海外進出の後押しを図る狙いがある。
歌手や演奏家にも音楽使用料を分配 著作権法の改正案 閣議決定https://t.co/qC59n6S4M7 #nhk_news
— NHKニュース (@nhk_news) May 15, 2026
文化庁の資料等によると、この権利は1961年のローマ条約に盛り込まれており、世界142カ国で導入済み。OECD(経済協力開発機構)加盟38カ国において、導入していないのは日本とアメリカのみであり、アジア圏を見ても韓国、中国、シンガポールなどがすでに導入しているという。
日本は長年この制度の導入を見送ってきたが、結果として「海外のカフェやショップで日本の楽曲がBGMとして再生されても、日本の歌手やレコード会社には使用料が1円も入ってこない」という課題が生じていた。
近年、日本のアニメソングやJ-POPが世界的なブームを巻き起こしている背景もあり、音楽業界などから同権利の導入を求める声が強く上がっていた。今回の法改正により諸外国と足並みが揃うことで、海外で再生された対価も日本のアーティストに適切に還元されるようになることが期待される。
歌手にもBGMの使用料を配分 - 著作権法改正案、閣議決定https://t.co/Vx1ipDxbOc
— 共同通信公式 (@kyodo_official) May 14, 2026
一方で、店舗でBGMを利用する商業施設や事業者側にとっては、これまでの著作権料(作詞家・作曲家向け)に加えて、新たな使用料(歌手・レコード会社向け)の負担が生じることとなる。
そのため政府は、現場の混乱を防ぎ制度の準備を整えるため、本改正案の施行時期については「公布から3年以内」をめどに猶予を設けるとしている。
また、文化庁著作権分科会政策小委員会の資料では、SpotifyやYouTubeといった「個人向けの音楽ストリーミングサービス」が、利用規約に違反して店舗のBGMとして使われている状況が蔓延していることもトピックとして挙げられた。
業務利用による機会損失を防ぐため、今後はストリーミング配信事業者と協働して適正利用を促す申し入れなどもあわせて強化していく方針だという。
