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初期ウルトラマンシリーズを巡る海外利用権、約30年にわたる“訴訟”で円谷プロが勝訴。グローバル展開をさらに推進へ

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円谷プロダクション(以下、円谷プロ)は5月21日、ユーエム株式会社(以下、ユーエム社)を被告として提起していた「利用権不存在確認請求事件」に関する書面を公開。

初期ウルトラマンシリーズの日本国外利用権に関する訴訟となっており、円谷プロの主張が全面的に認められる勝訴判決が、5月14日に東京地方裁判所(日本国内)で言い渡されたと発表した。

中国でウルトラマンシリーズを含めたキャラクターIPのライセンスを管理している上海新創華文化発展有限公司(SCLA)も、円谷プロの声明を現地のSNSで引用。中国のウルトラマンファンから多くの反響を呼んでいる。

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(画像は上海新創華文化発展有限公司の公式Weiboより)

背景には「ウルトラマン訴訟」と呼ばれることもある、日本国外の独占権に関する訴訟がある。多数の企業や人物を巻き込み、四半世紀以上にわたる争いに発展していた一大訴訟だ。

事の発端は、円谷プロとの合作で特撮作品(ハヌマーンが登場することで有名な『ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団』など)を制作していたタイの映画スタジオ「チャイヨー・プロダクション」が、1995年に主張し始めた権利にある。

その内容とは「チャイヨー・プロダクションが日本以外で『ウルトラQ』から『ウルトラマンタロウ』までのウルトラシリーズなどについて、商用目的で利用する権利を持つ」というものだ。

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(画像は「円谷ステーション」より)

チャイヨー・プロダクションはすでに活動を停止しているが、今回の被告であるユーエム社(日本国内の企業)が利用権となる「76年書面」を承継したとされる。

円谷プロは一貫して「76年書面」は偽造されたものであると主張。タイ最高裁(2008年)および米国連邦裁判所(2018年)においても、偽造であるとの司法判断が下され、おおむね円谷プロが勝訴する形となっていた。

一方で過去に日本で行われた訴訟では偽造と判断されなかったこともあり、ユーエム社は同書面を根拠とした海外展開を一部地域で行っていたという。

一連の訴訟がシリーズに与えた影響は非常に大きく、円谷プロにとっては海外展開の壁になっていた。スティーヴン・スピルバーグ監督の映画『レディ・プレイヤー1』では原作小説のようにウルトラマンではなく、ガンダムが登場することになったとされる逸話も有名だ。

また、ウルトラ6兄弟といったキャラクターの登場に関して、一定の枷が国内における新作展開の方向性に影響を与えていると、ファンから指摘されることも少なくない。

今回、2014年7月10日に円谷プロが行った「76年書面」に関する契約の解約通知が認められ、ユーエム社が日本国外で初期ウルトラマンシリーズ作品を利用する権利を持たないことを法的に確認。(日本国内の判決においては)円谷プロ側の勝訴という形で落ち着きそうだ。

一方で同シリーズの主戦場の一つとされる中国においては、判決直前にユーエム社が円谷プロに対する訴訟を取り下げたこともある。結果的に「判決の確定」という面では、円谷プロ側のかつての敗訴が完全に覆ったとは言い難い状況だ。

とはいえ、円谷プロは米国連邦裁判所(2018年)における司法判断が下った時点で海外展開を拡充していく意思を示した。今回もグローバル展開をさらに推進していくとしている。

ライター
小学生の頃は「一太郎スマイル」のタイピングゲームでランキングを席巻することでしか己を証明できませんでした。現在は「広く深く」をモットーに好きなこと・できることを拡大中。積みゲーが多い中、ポケモンだけは万劫末代まで入れ込み続けると思います。

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