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『ギ・クロニクルif』ファイナルルート

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発端

『ギ・クロニクルif』ファイナルルート_001

 ここはヘルドラ最北部、
 一年を通じて雪と氷が閉ざす、
 過酷な場所。

 限られた居住地を除けば
 人の生存すら困難な、
 吹雪荒れ狂う、死の荒野……

 その外れを、
 銀色の薄闇に隠れて進む、
 ぼろい旅装(りょそう)の一団があった。

「くっ……この吹雪では、
 先に進むのも一苦労ですね……」

 一団を導くのは、
 巫女のビョルカさん。

 虐(しい)げられた脱走者である
 僕らのために立って下さった、
 気高くも優しい女性だ。

「ビョルカさん、
 無理しないでください!
 
 『護符』があるとはいえ、
 こんな吹雪!
 女性の身にはきついはず!」

 それに続く、僕ことフレイグ。
 『村』において、
 巫女の剣と盾たれとされた、
 勇士の見習いだ。

「……糞以下。肛門野郎」

 正確無比な銃弾と、
 信じられないくらい
 汚い罵声を飛ばす、
 女猟師のヨーズ。

「つい熱くなってしもうたわ!
 ゲハハハ!」

 豪快に笑い、僕をぶん殴り、
 女子供には優しい、
 鍛冶師(かじし)の
 クソジジイ、ウルヴル。

「んもう! ウルじいったら!
 へんひょうひゃひゃっひゃら
 ひょおへんは──」

 最年少の女の子、
 可憐だけど拾い食い大好きな、
 ゴニヤ。

「でもフレイグ、
 お前はちゃんと戦えるだろ?」

 そして、最後尾を守る、
 弱いけどかっこいい兄貴分、
 レイズルさん。

 これが、僕ら6人。
 『村』の生き残りの、6人だ。

 『聖域』を装う怪物たちから
 逃げてきた脱走者。
 敵から奪った『雪渡りの護符』
 の効力は約3日。
 その間にこの酷寒(こっかん)の原野(げんや)を
 踏み越えて、人里に辿り着く。
 それが、僕らの目標だ。

 だけど……
 吹雪が止んだ昼下がり、
 ヨーズが変なことを
 言い出した。

「予感がする。嫌な。
 獣とかじゃない。多分。
 
 その。気を付けて。一応」

【ルート分岐:臨界】

奇妙なことが起きたぞ。
いつも冷たく口汚く僕をののしる幼馴染のヨーズが「気を付けて」と言ってきたんだ。
これ、どういう意味だろう……?

しかし繰り返す余裕は既に無し!
5回分の「慣らし」を信じ、深部接続を断行します!

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