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『ギ・クロニクルif』ファイナルルート

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「……このままだと破滅する……
 
 僕らの中に潜む、
 アイツのせいで……
 
 そんなことを、
 警告したいってわけ……?」

「……は。
 
 何いってんの?」

「とぼけるなよ、ヨーズ……
 
 お前……
 
 お前も、知って……
 
 ……え?
 
 知って……」

「……
 
 とうとう脳と口が腸になった。
 
 こわ。距離おこ」

『ギ・クロニクルif』ファイナルルート_001

 いつの間にか、
 ヨーズはいなくなっていた。

 僕は、

 滝のように出てくる汗と、

 記憶に、圧倒されている。

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 なんだ、これは。

 僕は知ってるぞ。

 これから僕らは全滅する。

 何度でも、何をやってもだ。

「おっと、そいつは
 『虫の知らせ』
 ってやつかもなあ、
 お二人サン……っと、
 
 お前さんだけか、フレイグ。
 
 知ってるか?
 捕まってる時、
 看守どもから聞いたんだが……」

「……『狼』……
 
 敵の……
 『聖域』にひそむ……
 『黒の軍勢』の追っ手で……
 
 僕らに寸分たがわず化けて……
 
 夜に……僕らを殺す……
 
 内側から……
 ばらばらにしてしまう……!!」

「へーぇ。
 
 『よく知ってる』なァー。
 
 ただ、それだけじゃ駄目だ。
 お前ひとりじゃ、な。
 残念ながら、失敗する」

「……何を、言って……
 
 レイズルさんは、
 何を……知ってんですか……」

「いや~、これ難しいとこでな。
 俺には言えること、
 できることが相当に限られる。
 
 しかも『今回』が最後……
 
 最初から、賭けなんだよ。
 相当に分の悪い、な。
 
 ま、やれるだけやってみな。
 お前にゃ期待してるぜ?
 頭で考えて人に説くのは、
 結局お前が一番だからな」

「分からないっつってんだよ!
 ちゃんと説明してくださいよ!
 
 でないと全員に話すぞ!
 レイズルさんがこんな、
 ワケわかんないことを
 言ったって!
 
 それで困るなら──」

──胸倉をつかまれた。

 レイズルさんは笑顔だ。
 でも、目が笑ってない。

「そうそう、そうやって、
 エゲツなく頭を回すんだよ。
 お前らだけで目覚め、
 お前らだけで
 『祈祷』の奇跡を
 つかみ取れ。
 
 それしかねーんだ。
 
 『5回』ギリギリで、
 お前ただ一人が『目覚め』た。
 これでも望外(ぼうがい)の幸運でな。
 これ以上は『鍵の言葉』が──」

「……5回やって、
 『目覚めた』……?
 
 ……6回目が今回で、
 最後、ってことか……
 
 失敗したら、どうなるんです。
 7回目はないってこと?」

「──以上だ、以上。
 あとはうまくやれよー。
 
 ったく、ヨーズどこ行った?
 残る仕込みは
 アイツだけなんだよ。
 手ェ焼かせやがって……」

 ……そうして、レイズルさんは
 僕を残し、どこかへ行った。

 どうやら、

 僕は、

 地獄みたいな『5回分』
 記憶を持て余しながら、

 手がかり一つない
 『解決』を、

 たった一人で目指せと、

 そういうこと、らしい。

 時はさくさく進み……

 【日没を迎えた】

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