あの「壇上でゲームをプレイする」スタイルって、どこから出てきたんですか?
──ゲームデザイナーズ大賞の、「大賞に選ばれたゲームをその場でプレイする」というスタイルは発明だと思っているんです。あの「実際に生プレイをしよう」という発想は、どこから出てきたものなのでしょうか?
桜井氏:
これはやっぱり、「百聞は一見にしかず」ということですね。
とくに、独創性というものはプレゼンするのがたいへんなんですよ。いままでにないものだから、まずその「ないもの」を理解してもらわないといけない。それもまた、自分が散々苦労していたことでもあって……だから、企画書とかの精度を上げていったりしているわけですけれども。
わかりやすく、プレゼンをする。
そうするなら、実際にプレイしてみる以外ないんじゃないですか?
──その結論に至るのが、すごく桜井さんらしいと言いますか……なんと言いますか(笑)。

桜井氏:
……と言いつつ、壇上生プレイではなくムービーを撮って編集したこともありますけどね。
だいたい、5分から6分くらいでプレゼンを終えなければいけないのですが、「このゲームをその尺でプレゼンするのは無理だな」と思ったら、事前にムービーを作っておいて、それを流しながらプレゼンをしていました。
──その動画も、撮影と編集は桜井さんがされていたのでしょうか?
桜井氏:
そうですね。
でないと、だいたいの話の筋とかは出せないですから。
──聞けば聞くほど、これを引き継げる方がどんどんいなくなっていく気がします。
桜井氏:
そもそも、「自分の作品を、実際にプレイしながらプレゼンをする」という人がいないですよね。けっこう難しいと思います。
──いや、「結構」というか、かなり難しいと思います(笑)。
桜井氏:
いやぁ、私は……まぁまぁゲームができるんですよ(笑)。

桜井氏:
それに、自分が推していないものが大賞に選ばれたときにも、器用にプレゼンできないといけないですからね。自分が決めているわけではなくて、みんなで決めているものですから。
だから、「うーん、これをどのようにプレゼンしたらいいんだろう……」と、頭を悩ませたこともあります。
たとえば、2016年に『Life Is Strange(ライフ イズ ストレンジ)』【※】が大賞に選ばれたときは、審査する前からクリア済みではあったんですが、「これはどこを切り出して、どうやったら効果的にプレゼンできるかな?」というのを考えるために、もう1回最後まで遊んでいました。
そのうえで「じゃあ、ここだな!」と決めて、プレゼンをしました。
──サラッとおっしゃられていますが、『ライフ イズ ストレンジ』はすごく長いゲームですよね!?
桜井氏:
長いですね。
「その選択肢をミスった場合にどうなるのか」とか、そういうものを試行錯誤するゲームなわけですから。「バタフライ・エフェクト」をうまく見せられるのは、飼い犬のポンピドゥーに噛まれるところかな?とか(笑)。
──(笑)。やっぱり、桜井さんじゃないとあのポジションは務まらないと思います。

DONTNODが開発した、アドベンチャーゲーム。グローバル版は2015年、日本語版は2016年に発売。アメリカの田舎町を舞台に、時間を巻き戻す能力が発現した女子学生・マックスの物語が描かれる。選択肢によって、その後の未来に大きな変化が生じる「バタフライ・エフェクト」のシステムが特徴的。2016年のゲームデザイナーズ大賞にて、大賞を受賞。(画像はライフ イズ ストレンジ: シネマティックトレーラー – YouTubeより)

桜井さんが振り返る、16年間のゲームデザイナーズ大賞の思い出──本当にいろいろ大変だったプレゼンの舞台裏
──全16回のゲームデザイナーズ大賞のなかで、とくに印象に残っている回などはありますか?
桜井氏:
印象に残っているものは、いろいろありますけどね。
じゃあ、まずは……『ヒラメキパズル マックスウェルの不思議なノート』【※】。これはコナミが移植と日本発売をしたのがかなりあとのことで、私は以前から海外版の『Scribblenauts』として遊んでいました。

2011年に発売された、ニンテンドーDS用のパズルゲーム。「書いた言葉がなんでもアイテムとして出現する」という不思議なノートを使い、さまざまなステージをクリアしていく。欧米では2009年に『Scribblenauts』として発売されていたタイトルを、コナミデジタルエンタテインメントが日本語ローカライズを行った形となる。2011年のゲームデザイナーズ大賞にて、大賞を受賞。(画像はヒラメキパズル マックスウェルの不思議なノートより)
桜井氏:
2011年です。で、当時、幕張メッセの壇上でプレゼンをしているときに、地震があったんですよ。つまり、東日本大震災のあとで、けっこういろいろなところで問題が生じていて……また、日本ゲーム大賞の授賞式ができるのかどうかも怪しいときに、余震のようなものがあったんですよね。
プレゼンしつつも避難経路を目で確認して、「いざとなったらこちらに!」と話をしていたりします。なかなかない、ライブ感のある回でした。
そのほかには、『Ingress』【※】。

2013年にリリースされた、スマートフォン向けの位置情報ゲーム。ランドマークと現実の位置情報をもとに、陣取りゲームを行う。のちに『Pokémon GO』などを制作する、ナイアンティック(当時はNiantic Labs)が開発を行っていた。2015年のゲームデザイナーズ大賞にて、大賞を受賞。
桜井氏:
『Ingress』って、説明のしようがないじゃないですか。
まず、ゲーム内で近くのポータルのようなものを刺して、そのままリアルにやってみようかなと思ったのですが……どうも、ゲーム大賞の席って電波がすごいんですよ。いろいろなところで電波が発生していて、それはできなかった。
なので、パワポでプレゼン資料を作って、まとめました。
これは珍しいです。実機でもないし、録画でもない。
とはいえ、喜んでもらえてよかったなと思います。
- 桜井さんが、2015年のゲームデザイナーズ大賞で『Ingress』をプレゼンする際に使ったというプレゼン資料の一部が、こちら。
桜井氏:
あと、『Baba Is You』【※】と『マリオカート ライブ ホームサーキット』【※】が受賞したころは、コロナ禍だったんですね。

2019年に発売された、パズルゲーム。ブロックを動かすことで、ステージ内のルールを自由に変更することができ、「自分を岩に変える」「壁を通れるようにする」といった予想だにしない解き方を発生させていく。2020年のゲームデザイナーズ大賞にて、大賞を受賞。(画像はSteam:Baba Is Youより)

2020年に発売された、Nintendo Switch用のゲームソフトおよび対応するラジコンカーセット。カメラが内蔵されたカートと、Switchが連動することで、自分の部屋がサーキットとなり、現実で『マリオカート』を楽しむことができる。2021年のゲームデザイナーズ大賞にて、大賞を受賞。(画像はマリオカート ライブ ホームサーキット | Nintendo Switch | 任天堂より)
桜井氏:
だから、CESAに行ってプレイはするけれど、基本的には録画になりました。そのときには、CESAの会議室でプレゼンをしたのですが……基本的にこれらって、台本はないんですね。アドリブでやるという。
──台本はなかったんですか!?
桜井氏:
考えてみたら、「録画だったら台本くらい用意してもいいんじゃないか?」とは思いましたけど。結果的には、そのままアドリブで話をさせてもらいました。
そして『マリオカート ライブ』のときには、CESAの方々が、会議室にちゃんとコースを作ってくれました。それは、たいへんありがたかったです。

──個人的な話ではあるのですが、僕は『INDIKA』【※】が大好きで、発売当初から周りの人に勧めていたのですが……誰もやってくれなかったんです。それがゲームデザイナーズ大賞に選ばれたら、みんな『INDIKA』を遊んでいて(笑)。
桜井氏:
やっぱり、「誰が言うか」が大事ですよね(笑)。

2024年に発売された、アドベンチャーゲーム。19世紀のロシアを舞台に、修道女インディカの旅が描かれる。作中の宗教観や雰囲気などに、ほかのゲームでは味わえない独創的な表現が取り入れられている。2025年のゲームデザイナーズ大賞にて、大賞を受賞。(画像はSteam:インディカより)
桜井氏:
まさに『INDIKA』や『ASTRO BOT: RESCUE MISSION』【※】、あるいは『INSIDE』【※】のようなタイトルは、システムが特異なわけではないですよね。
基本的なシステムは、よくあるタイプ。だけど、その中身や見せ方によって評価を得ている。それが共通しているかなと思っています。
「独創性」というものは、別にゲームシステムだけではなく、「その作品がいかにほかと異なり、輝いているか」ということだと思うので、これらもふさわしいタイトルだったのではないかなと思っています。

2018年に発売された、PlayStation VR専用のアクションゲーム。主人公のASTRO(アストロ)と協力し、迷子になった仲間のBOT(ボット)たちを救出していく。コントローラーやヘッドセット自体を取り込んだ、VRならではの表現が特徴的。2019年のゲームデザイナーズ大賞にて、大賞を受賞。(画像はASTRO BOT: RESCUE MISSION | ゲームタイトル | PlayStationより)

2016年に発売された、横スクロールアクションアドベンチャーゲーム。独特なアートスタイルのなかで、セリフやテキストが一切ないまま、衝撃的な展開が描かれていく。『LIMBO』でおなじみのPlaydeadが開発を行っている。2017年のゲームデザイナーズ大賞にて、大賞を受賞。(画像はSteam:INSIDEより)
桜井氏:
ちなみに『INDIKA』も、プレゼンの動画を編集しましたね。
まぁ~……たいへんだった、あれも(笑)。
やっぱり、見せどころがうまく撮れないこともあるし、そこを通過してしまうと、また撮り直しというか、チャプターのやり直しにもなったりするので……なかなか!
──とくに『INDIKA』は「水を汲みにいって、捨てられて……」と口頭で説明しても、伝わりづらい部分がありますよね。
桜井氏:
やっぱり、あそこの水汲みは象徴的なところですよね。
あの無駄な作業は、『INDIKA』を語るうえでは捨てられないところだと思っています。「いかにいじめられているか」ということが、よくわかる。

審査員をお願いするのは、失礼なことだと思っていた。それでも、ゲームデザイナーズ大賞を続けた理由とは
──ちょっと話は変わってしまうのですが、審査員のみなさんが揃われているゲームデザイナーズ大賞後のお食事会の風景が、SNSで話題になっていたりしましたよね(編集部注:インタビュー取材は9月末に実施)。
桜井氏:
もちろん、今年もやりますよ。
京都にいる飯田さんは参加できなさそうなのですが、ほかのかたからは「参加希望!」といただいておりまして……すごい晩餐になりそうです。
そのあと、ウチに遊びに来るという。
入るのかな? この人数。
──桜井さんのご自宅にまで行かれるんですね! うらやましい!(笑)
こんにちは。
— 桜井 政博 / Masahiro Sakurai (@Sora_Sakurai) October 5, 2026
ゲームディレクターのアベンジャーズ的な集いです pic.twitter.com/omnT4Rs1RJ
桜井氏:
ちなみに、びっくりすることに、ゲームデザイナーズ大賞の1回目が行われた2010年は、たぶんLINEがないんですよね。
いまはLINEのグループのようなものを作り、一斉に送信をするのですが、当然それはできない時代でした。メールなどで連絡していましたね。
──それで言うと、1回目のころから豪華メンバーですよね。三上(真司)さんも1回目からいらっしゃったり……
桜井氏:
そのころから、三上さんとは縁がありましたね。
カプコン時代から仲良くさせてもらっていまして。
自分がHAL研をやめたあと、ほどなくして三上さんもカプコンをやめてしまい……そんな時代がありました。1回目のころは、もう三上さんはTangoにおられたと思いますけど。

桜井氏:
しかし……ゲームデザイナーズ大賞の審査員も、もうみなさんお年ですよね。
──トビー・フォックスさん以外はそうですよね。
桜井氏:
まぁトビーさんもそのうち、歳を取っていくので(笑)。
「じゃあ、若い人を採用しなかったの?」というと、これがまた難しくてですね。「若い人は誰がいいのか」と考えると、なかなか思いつかないじゃないですか。
1本のゲームを作って、それがウケて、大成する……というのは、難しい時代になってきているんだなと思ったりしますね。いや、「ベテランがどかない」と思われる人もいるんでしょうけども。
──そこは、「ベテランをどかす人が現れる」ほうが正しいような気がします。
桜井氏:
本来はそうですね。
でも、ベテランの人もしんどいんですよ。
ずっと続けるのは(笑)。
自分は今回でゲームデザイナーズ大賞をやめたわけですが、これで「肩の荷がひとつおりたな」とは思っています。これからは肩の荷を少しずつおろしていきたいなと思っているころですし、なにしろ……おじいちゃんになるまで続けられないですからね。
壇上では話が長くなるので端折ったのですが…
— 桜井 政博 / Masahiro Sakurai (@Sora_Sakurai) September 16, 2026
毎年敏腕ゲームディレクターの方々に審査をお願いするのが非常に申し訳ないと思っておりました。
みんな作り手なので。
「他の作品を評価するぐらいなら、自分で斬新な作品を作れよ!」と言われたらそれまでです。
まったくその通りだと思います。… https://t.co/JhNz6At2Mx pic.twitter.com/yTupkKfwfn
桜井氏:
これもXには書いていたのですが、クリエイターのみなさんに審査員を頼むのは、非常に申し訳ないと思っていました。
本来は、自分たちでゲームを作るべきだし、評価されるものを作るべきなんだけれど……そうじゃなくて、審査員として「評論家になれ」というのは、たいへん失礼な話だと思っています。
作ったものだけが勝負の世界で、ほかの人を評論するようなことをしてくれ……というのは、いかにも失礼だなと、私は思います。もし逆の立場だったら、断っている可能性もあります。それは毎年毎年、鑑みるんですよね。「鈍感力」とは言うけれど、そういうところは鈍感ではいられないので。
だけど、そうは言っても、「あのまま、日本ゲーム大賞のみでよかったのか」と言うと、決してそうではなかった。ある程度の価値があるから、やってきた。でも、そのジレンマはいつもありましたね。
「誰になにをしてほしい」というのはない、けど──ゲームデザイナーズ大賞を終えて、桜井さんが願っていること
──ゲームデザイナーズ大賞での、桜井さんの最後のスピーチを聞いて、「独創性」の重要性を再認識した方も多かったと思うんです。その反響などはいかがでしたでしょうか?
桜井氏:
その重要さを再認識された方が増えたことは、よかったです。
だけど、「反響もまた一部に過ぎない」とは思うんですよね。
成したことに対してリアクションがある。けれど、その世界は変わらないかもしれないし、「これから独創性のあるものを楽しんでくれるのか」と言うと、そうでもないかもしれない。
こういうのは、結局「結果は出ない」んですよね。
「マーケティングと同じ」というと、ちょっと違和感がありますが、「宣伝でなにをしたからいくら売れた」とか、具体的に数値が出るものではないと思うんですよね。結果は、もう誰にも出せないものであると。
だけど、私のYouTubeチャンネルもそうでしたけど、そういう「数値で見える結果」にはとくに期待しないで、なんとなくいろいろな人たちが考えることに対して、少しだけ影響を与えることができれば、それで目的は果たせたと見るべきかなと思っています。

桜井氏:
だから、手応えのようなものはないんですよね。
なにかを成し遂げて、それで結果がついてきた……みたいなことって、基本ないですからね。「曖昧に始まり、曖昧に終わる」という印象です。
──桜井さんとしては、そういった感覚だったんですね。ちなみに、日本ゲーム大賞側に「ゲームデザイナーズ大賞を終了させます」といったお話をしたとき、なにか引き留めのようなことはなかったのでしょうか?
桜井氏:
そこは、何年も前から話をしていましたからね。
──賞の終了自体も、事前に話をされていたんですね。
桜井氏:
実際に、3年前に「ここから3年のあいだに、代替案がなければ終わる」という話もしていました。……なかったんですけどね(笑)。
──だから、終わってしまったと。
桜井氏:
いや、本当に「代わりの人はいないかな?」と真面目に考えていたんですけどね。考えるだけでは、どうにも。
どうです?
誰か代わりにやってくれる人っていますかね?
──うーん……さきほど桜井さんがおっしゃった条件をクリアできる人は、なかなかいらっしゃらないと思います。
桜井氏:
やっぱり、狭いですよね。
「Aの条件とBの条件を、同時に満たさないといけない」というか。
──正直、メディアとしては申し訳ないと思っているんです。桜井さんにゲームデザイナーズ大賞をやらせてしまっているのは、メディアの不甲斐なさでもあるというか。
桜井氏:
なるほど。
そういう考え方もありますか。
──もちろん、僕らはゲーム開発者ではないのですが……ゲームメディアだからこそ、メディア主導でそういう賞があってもいいんじゃないかと、昔から思っていたんです。
桜井氏:
そこまで責任感を持とうとする人は、珍しいと思いますね。
だけど、いざそれをやってみようとしたときに、これもまた「誰が言っているか」は大事じゃないですか。たとえばメディアがやると、どうしても「忖度」があるように思われてしまう。「どうしてもニュートラルになり得ない」というのは、大きいんじゃないかなと思いますね。
私が、ゲームデザイナーズ大賞の全体的なまとめ役をやったのも、「どこにも所属していないから」というのが、まぁまぁ大きいと思うんですよね。これがもしも任天堂などに所属していたら、やっぱり「任天堂としてのバイアスがかかったものになるのではないか」と、勘ぐられてしまったりはするんでしょうね。
──最後に、ゲームデザイナーズ大賞を16年続けられて、毎年この賞を楽しみにしていた方々へ、なにか「今後こういう動きがあるとうれしい」といったことがあれば、お聞かせください。
桜井氏:
あんまり、「このような催しをしていただきたい」というものはないです。それを言うのは、そもそもおこがましいと思います。
「審査員を頼んだりするのも申し訳ない」と思っているのは事実ですし、あくまでそれはボランティアとして活動していることでもあるので、仕事でもない。
受験シーズンよりも忙しくなりがちなゲーム制作において、その人たちにブレーキを踏ませるようなことは、あってはならないとも思っていますし。だから、「誰になにをしてほしい」というのはないです。
やっぱり、自分の願いとしては、単純にみんなが少しずつ……「ものが出ているのは、当たり前のようでいて当たり前ではない」とか、「なにか新しいものを作るのは、それなりに障害があってたいへんである」とか、あるいは「こういう作品があったんだ」と気づいてもらえること。
そして、そういうことについて、少しだけ敏感になっていただくこと。
それで、十分なのではないかなと思っています。(了)
取材中、「桜井さん自身もゲームを制作するなかで、独創性のあるタイトルを作り上げることに苦心していた」というお話が、すごく印象的だった。クリエイターはみんなそうなのかもしれないけど、桜井さんですら、「独創性のあるもの」を作り出し、商品として成立させるのは難しい。
だからこそ、その苦難を乗り越えたタイトルを表彰する、「ゲームデザイナーズ大賞」が存在していた。ただ「人気」だけで選ぶのではなく、どんなタイトルも「ゲーム」として、その独創性を表彰する。どんなに日の目を浴びなかったとしても、すばらしい作品なら、それは評価されるべきなのだから。
そんな桜井さん自身の気持ちを感じるとともに、これを16年間なんの見返りもなく……言ってしまえば「ボランティア」で続けたところに、ゲームデザイナーズ大賞の意義があったのではないかとも思う。
そしてインタビューにて、桜井さんはこうも語っていた。
「なぜやめるのか」ではなく、「なぜ続けられたのか」。
それはやはり、桜井さんのゲームへの愛と、「願い」があったからこそ続いた、16年間の偉業だったのではないだろうか。ゲームデザイナーズ大賞は、間違いなく「価値のある賞」だったと、強く感じる。改めて、16年間、本当にお疲れ様でした。
そして次のページには、ゲームデザイナーズ大賞にて皆勤で審査員を務めた、飯田和敏氏・イシイジロウ氏・神谷英樹氏からのコメントを掲載している。こちらも、あわせて読んでいただきたい。




