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「eBASEBALL プロリーグ」の12球団を代表する選手を選ぶ「KONAMI eドラフト会議2020」をレポート。ひとりの選手に5球団が競合する波乱含みの展開も終わってみれば満足する結果に

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 一般社団法人日本野球機構(NPB)とコナミデジタルエンタテインメントは、10月17日に「eBASEBALL プロリーグ」2020シーズンeドラフ会議(以下、eドラフト会議)をオンラインで開催。12球団を代表する48名のプロプレイヤーが決定した。

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 今回のeドラフト会議では、8600名が参加したオンライン予選から勝ち抜いてきたプレイヤーと、昨年の日本一・リーグ優勝球団の特別枠から6名を加えた47名の候補者の中から26名の選手が指名される。そこに、継続契約になった22名のプレイヤーと合わせた合計48名の選手で、2020シーズンが行われていことになる。

 eドラフト会議の流れはこんな感じだ。今シーズン継続契約プレイヤーが0名だった唯一の球団である埼玉西武ライオンズが1巡目から指名。それ以外の球団はすべて継続制約プレイヤーが2名であるため、3巡目から指名権を持つ。3巡目以降は同時に指名するため、重複がある場合は抽選が行われる。また、4巡目に関してはウェイバー方式になっており、パ・リーグ最下位の埼玉西武ライオンズから順番に指名が行われていく。

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▲スタジオ内では、写真左から、実況の清水久嗣氏、応援監督の真中満氏、リポビタンマン、ゲストの坪井ミサトさん、開設の田中一朗氏という、賑やかなメンツで進行が行われた。

5球団が競合した脇直希選手は阪神に

 一般社団法人 日本野球機構 事務局長の井原敦氏より開会宣言が行われた後、いよいよeドラフト会議がスタートした。1巡目と2巡目に選択権があるのは埼玉西武ライオンズのみだが、同球団が最初に選んだ選手は元ロッテの町田和隆選手だ。2巡目には、強打が持ち味の元日本ハム・加藤誉士典選手が選ばれ、それぞれ指名が確定した。

 埼玉西武ライオンズの尾関亮一氏は、2名の選手を指名したポイントについて「アドバイザーの意見を聞きながら、チームスタイルにあった選手を選んだ。昨年優勝の経験をしているふたりなので、チームの軸になってくれることを期待している」と語った。

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 3巡目からは、各球団一斉に指名を開始。西武、阪神、広島、福岡ソフトバンク、オリックスの5球団が脇直希選手を指名。日本ハムは佐藤優太選手、横浜DeNAは巨人の球団職員でもある板東秀憲選手を指名したが、当然のことながら巨人も渡さないということで同選手を最初に指名している。楽天は荒木颯太選手、中日は岡久将吾選手を、ロッテとヤクルトが柳虎士郎選手を指名した。

 この段階で選択が確定したのは、日本ハム・佐藤優太選手楽天・荒木颯太選手中日・岡久将吾選手の3選手だ。

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 続いて、競合した選手の抽選が行われた。最初は脇直希選手を指名した5球団だ。リモートで行われているため、数字が書かれた番号を、下位球団の西武から指名していくという方式がとられている。抽選の結果、阪神が交渉権を獲得した。

 「現役最強のプレイヤーと聞いているので、阪神タイガースのプレイヤーとして活躍することを期待する」と、球団マスコットのトラッキーから代弁という形で感想が語られた。

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▲脇直希選手は今回のeドラフト最大の5球団が競合。番号を選び、代理が結果を発表するというスタイルで行われた。

 次に、板東秀憲選手を指名した2球団による抽選を実施。こちらは、巨人が指名権を獲得し、無事元鞘に収まる形に。指名が決まった瞬間、板東選手はホットした表情を浮かべていた。

 まさかの指名重複であったが、読売ジャイアンツの山岸均氏は「重複も予想していたが、やはりドキッとした」と、素直に感想を述べていた。

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▲まさかの横浜DeNAからの指名だったが、元の巨人に戻ることができて安堵の表情を浮かべる板東選手。

 続いて、2球団から指名された柳虎士郎選手の抽選が行われた。その結果、ロッテの指名が確定。再び同球団の選手として活躍することになった。千葉ロッテマリーンズの上野大樹氏は、「まさかヤクルトが指名してくるとは思わなかったので、くじも引くつもりはなかった。そのため緊張したが、当てることができてよかった。12球団1熱い球団だと思っているので、熱いプレイでファンを楽しませて欲しい」と感想を語った。

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 次に、残念ながら抽選に外れた6球団による指名が行われた。こちらも選手が重複した場合は抽選が行われる。西武は香川真輝選手、広島は野上隼紀選手、福岡ソフトバンクは大上拓海選手、横浜は辻春選手を指名し確定。オリックスとヤクルトの2球団が藤本洋介選手を指名し、抽選が行われることとなった。

 その結果、オリックスが藤本洋介選手の選択を確定。抽選で外れたヤクルトは、渡部隼人選手を指名し3巡目までの指名がすべて確定した。

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 波乱含みの3巡目だったが、4順目は下位チームから選手を選んでいくウェイバー方式となっているため、競合は起こらない。

 西武は毛利隼也選手、阪神は元広島の徳田直也選手、日本ハムは岡坂雄大選手、広島は山本慧選手、福岡ソフトバンクは原健四郎選手、横浜DeNAは山本遼太郎選手、楽天は村上翔太選手、中日は嶋崎幹選手、オリックスは元西武の前田恭兵選手、巨人は高川健選手、ロッテは元福岡ソフトバンクの大石直弥選手、ヤクルトは2005年のパワプロ日本一に輝いたこともある矢吹圭介選手を指名。これで、全球団すべての選手指名が確定した。

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▲eドラフト会議の最後に決まったのは、ヤクルトの矢吹圭介選手。30代に突入にして、再び夢の舞台に返り咲くことができた。

新たなメンバーによるリーグは12月5日に開幕!

 最後に、事務局長の井原敦氏がふたたびスクリーンに登場し、閉会を宣言。今年のeドラフト会議が無事終了となった。今回のeドラフト会議を振り返り、真中満応援監督からは「面白かったのは板東選手の指名が重複したところ。そんな中、ジャイアンツはしっかり板東選手を引くことができたので、そこがドラマチックだった」と感想が語られた。

 「eBASEBALL プロリーグ」は、この3年で歴史のあるリーグに育ってきたが、元々野球をしていたという選手も増えてきている。これについて真中氏は「プロ野球選手を目指していたが慣れなかった人たちが、eBASEBALLという異なる場所で活躍できるのはいい傾向だと思う」と、リーグの成長にも満足している様子だった。

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 北海道日本ハムファイターズ・田中賢介氏は「全員道産子を集めることができて良かった」と述べ、広島東洋カープ・安仁屋宗八氏からは「今年は本当にカープが優勝します」と、早くも優勝宣言が飛び出した。

 また、横浜DeNAベイスターズ・小山田保裕氏は「横浜愛があるふたりの選手が取れたので良かった」と語り、東北楽天ゴールデンイーグルス・川岸強氏も「当初予定していた最高の2名が取れ、大成功のドラフトだった」と、今回のeドラフト会議の結果に満足しているようだった。

 オリックス・バッファローズ・小川博文氏は、前田選手を選んだ理由について「本人は悔しい思いもしているので、必ずやってくれる」と期待を込めていた。また、東京ヤクルトスワローズ・山部太氏は「元(秋期)キャンプのバイトリーダーとディフェンディングチャンピオンを獲得できたのは良かった」と、こちらも大満足の様子であった。

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■eドラフト会議最終結果
東京ヤクルトスワローズ:渡部隼人選手、矢吹圭介選手
千葉ロッテマリーンズ:柳虎士郎選手、大石直弥選手
読売ジャイアンツ:板東秀憲選手、高川健選手
オリックス・バファローズ:藤本洋介選手、前田恭兵選手
中日ドラゴンズ:岡久将吾選手、嶋崎幹選手
東北楽天ゴールデンイーグルス:荒木颯太選手、村上翔太選手
横浜DeNAベイスターズ:辻春選手、山本遼太郎選手
福岡ソフトバンクホークス:大上拓海選手、原健四郎選手
広島東洋カープ:野上隼紀選手、山本慧選手
北海道日本ハムファイターズ:佐藤優太選手、岡坂雄大選手
阪神タイガース:脇直希選手、徳田直也選手
埼玉西武ライオンズ:町田和隆選手、加藤誉士典選手、香川真輝選手、毛利隼也選手

 初のオンライン開催ということで不安な面もあったが、蓋を開けてみれば今回もなかなか熱い結果となった。気になる開幕は12月5日。この新たな布陣で、今シーズンはどんなドラマを見せてくれるのか、今から楽しみだ。

取材・文/高島おしゃむ

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