対戦型カードゲーム『カードファイト!! ヴァンガードディアデイズ2』(以下、『ディアデイズ2』)がNintendo SwitchとPC(Steam)に向けて、1月30日に発売される。
本作は2022年に発売された『カードファイト!! ヴァンガードディアデイズ』の続編にあたる作品だ。ゲームの元になっているのは、カードゲームとアニメや漫画をメディアミックスした『カードファイト!! ヴァンガード』。2011年1月から展開されている同作は、今年で14周年目を迎える。
本作は、オンラインなどを利用して最大ふたりまで対戦することが可能。さらにパッケージ版にのみ、『カードファイト!! ヴァンガード』で使用出来る紙のPRカード3種類が特典として同梱されている。
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リリースに先駆けて、『ディアデイズ2』のメディア向け先行体験会が開催された。チュートリアルのプレイにくわえ、ゲームの詳しい内容もお伺いしてきた。こちらの記事では、そこからわかったゲームの特徴や魅力についてご紹介していく。
2011年当時のカードで遊べる「ヴィンテージファイト」モードも楽しめる。3000枚以上のカードが収録されているので「これ1本」で楽しめる
『ディアデイズ2』の大きな特徴は、前作からターゲットとなる層が大幅に増えた点だ。
前作では既存のカードゲームユーザーにくわえて、テレビアニメ『カードファイト!! ヴァンガード overDress』のファンがメインターゲットであった。だが、今作では『カードファイト!! ヴァンガード will+Dress』と『カードファイト!! ヴァンガード Divinez』という、ふたつのテレビアニメ作品のファンがターゲットになっているとのこと。
また、『カードファイト!!ヴァンガード Divinez』の主人公・明導アキナの声はKis-My-Ft2の宮田俊哉さん、『カードファイト!!ヴァンガードwill+Dress』に登場する廻間ミチルの声はSnow Manの佐久間大介さんが演じている。もちろん、本作にはふたりも登場するので、男性アイドルファンからも注目を集めそうだ。
さらに、昨年より『コロコロコミック』で漫画『ヴァンガード!! スカイライド』の連載もスタートしている。
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また、『ディアデイズ2』は、DLCは用意されているものの基本的には売り切り型であるとのこと。カードの収録数も前作の約3倍にあたる、3000種類以上が収録。本作が1本あれば十分に楽しめるようなものに仕上げられている。もちろん、新たなカード自体は、DLCでも増えていく予定となっているので、長く遊べるようなタイトルになっている。
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さらに、2011年に発売された当時のカードで遊べるゲームモードの「ヴィンテージファイト」も収録。具体的には、「騎士王降臨」から「歌姫の饗宴」までが対象となっている。時代に合わせてルール変更が行われていくカードゲームでは、カードの性能もどんどん変化していくため、昔の環境で遊ぶのは難しい。それが実現できるのは、デジタルカードゲームならではの特徴といえるだろう。
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約5分に濃縮されたチュートリアルとTipsでゲームの遊び方をマスターできる。初心者でもすぐに対戦の駆け引きを体験
先行体験では、筆者自身がカードゲーム未経験、かつ知識も乏しいということもあったため、ゲームの基本が学べるチュートリアルをプレイさせていただいた。本チュートリアルをプレイすれば、『カードファイト!! ヴァンガード』をまったく知らない人でも、大まかな内容を覚えることができる。
チュートリアルでは専門用語も飛び出してくるものの、それぞれの単語を解説する「Tips」も用意されている。もちろん、すべての用語を覚える必要はないので、わからない用語が出てきたときにどんな意味か調べる、辞書のような使い方ができるものだと思えばいいだろう。
カードゲーム初心者にとって、最初の大きなハードルは「ルールを覚えること」だ。
特に、友人など自分の回りにカードゲームを遊んでいる知り合いがいないと、どうしても手が出しにくい部分がある。だが、この『ディアデイズ2』では、チュートリアルやTipsなど、初心者をサポートしてくれる機能が充実しているため、入門編としても最適な作品となっている。
実際にカードゲームをプレイするときと同じようにじゃんけんをして先攻・後攻を決め、その後世界観やルールの説明が行われる。プレイヤーが操る主人公の導咲オトワは、昔『カードファイト!! ヴァンガード』を遊んでいたことがある様子。今回は、目黔カンジと対戦していくことになる。
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本作の大まかなルールは「先に相手に6点ダメージを与えたほうが勝利」というもの。チュートリアル自体は基本的にシナリオに沿って展開されていくため、この時点で勝敗を意識する必要はあまりないかもしれない。だが、途中ピンチになるような場面も盛り込まれており、スリルあるカードゲームの駆け引きをすぐに体感することができる。
全体的な視認性もよく、非常にわかりやすい印象だ。アクションをするたびに様々なエフェクトが表示されるため、触っているだけでも楽しい。プレイ中、自分や対戦相手のリアクションとしてキャラクターによるボイスが流れるのも、対戦への没入感を高めてくれる。
ストーリーモードの冒頭にチュートリアルを体験し、終了後はそのままストーリーモードを楽しむことで、ゲームの世界観を堪能できるというわけだ。
ビジュアルノベルのように遊べるストーリーモードも収録。キャラクターたちの専用シナリオも
ストーリーモードはビジュアルノベルのようなスタイルで物語が楽しめるような作りで、キャラクターたちとの会話を楽しんだ後で対戦を行い、勝利することでシナリオが進んでいく。なお、本モードは、初心者向けを想定して作られているやさしめの難易度となっている。
カードを購入して増やしていくといった、リアルなカードゲームをシミュレーションしたような体験ができるようになっている点も面白い。
物語の時系列は、アニメの「Season1」と「Season2」の隙間を埋めるもの。メインストーリー自体は基本枝分かれせず、ストーリーを進めていくことでサブストーリーも解放されていく。ボリュームとしてはだいたい15時間ほど遊べるようになっており、概ね前作と同じくらいだ。
ちなみにサブストーリーでは、宮田俊哉さんが声を演じた明導アキナや佐久間大介さんが演じた廻間ミチルといったキャラクターたちの専用ストーリーも用意されている。ボイスはフルではないものの、アニメで描かれなかった各キャラの姿を見ることができるのは、ファンには嬉しいポイントだろう。
さらに、ストーリーモードでは特殊能力のような「Dスキル」が使えるほか、どうしても勝てない人は難易度も変更することが可能だ。難易度を下げることで、最初から相手にダメージが入った状態でゲームをスタートすることができるようになる。途中で詰まってしまった人は、こちらを試してみることをオススメする。
オンライン対戦ではランクファイトも用意!「Dスキル」を使った対戦も可能に
さらに、本作のオンライン対戦では、ランクファイトも用意されている。Nintendo Switchでプレイする場合は有料の「Nintendo Switch Online」に加入しておく必要があるので注意しよう。あわせてローカル対戦にも対応しており、こちらは「Nintendo Switch Online」に加入していなくても対戦が行える。なお、Steam版は無料で対戦が可能だ。
ランクファイトは月ごとなどの区別はなく、ひたすら上位を目指していくシステムが採用されている。ランクはビギナーから始まりマスターまで7段階で用意されているが、基本的に降格することはないため気軽にプレイすることができる。もちろん、ランクに関係なく遊べるフリーマッチも用意されている。気軽にオンライン対戦を楽しみたい人は、そちらもおすすめだ。
本作では、「Dスキル」を使用した対戦が実現している。この「Dスキル」は前作から引き続き採用されている要素で、ストーリーモードのお助け機能のようなものだ。例えばトリガーが出やすくなるなど、特定のキャラクターにどうしても勝てないときなどに使える、特殊能力のようなものである。
今作では、対戦で使うバランスも考慮して「Dスキル」を刷新。「Dスキル」は、ストーリーを進行していくことで手に入れることができる。すべて集めてさらにダイナミックな戦いを楽しもう。
デッキごとにファイターアバターも選択可能。「トリガー情報」も閲覧可能になってさらに便利
今作では、デッキごとにファイターアバターが選択できるようになった。ほか、メニュー画面などのナビゲーションボイスも自分の好きなキャラクターに変更することができるようになっている。同じセリフでも声が変わると印象が大きく変わるので、日替わりで変えていくのも面白いかもしれない。
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さらに、前作になかった要素のひとつとして「トリガー情報」がある。デッキの中には16枚しかカードを入れることができないものの、表で見えるカードは数えることができる。つまり、相手にどのカードが残っているか読み取ることも可能だ。そうした、駆け引きに必要な情報を見られるようにしたとのが、この「トリガー情報」である。
この「トリガー情報」の画面では、ほかにも様々なアタックエフェクトなどをオフにすることもできる。エフェクトをオフにするだけでも、ゲームのプレイ速度が倍になったように感じるレベルでサクサクと対戦が進むので、ゲームに慣れてきたらお好みで調整してみるとよいだろう。
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本作ではひたすらCPUと戦っていくモードも用意されている。ユニークなのが、このCPUの強さに関する部分だ。たとえばストーリーモードでは、最初は弱いCPUが徐々に強くなっていく。強さは4段階用意されており、強さによって使ってくるデッキが異なるほか、AIの思考も異なっている。
それにくわえて、キャラクターによって変更できるCPUの強さが制限されているのである。たとえば主人公クラスのキャラクターは、最も強い「Very Hard」しか選ぶことができない。それ以外のキャラクターでも、たとえば最弱の設定が選べないなど調整されているのだ。こうしたCPUの強さでも、キャラクターの個性が反映されている。
実際に本作を遊んでみて感じたのは、『ヴァンガード』の入門用としてもぴったりなタイトルであるということだ。実際に対戦を楽しみながらTipsで知識をつけていくという、初心者が入り込みやすい流れはもちろん、難易度を下げることが可能なのも、気負わずにプレイできるうれしいポイント。また、対戦でも使えるように調整された「Dスキル」は、カードでの戦いに新たな感覚をもたらしてくれそうだ。
あわせて、既存のユーザーもやり込めるような要素や、作品ファンならうれしいシナリオなども収録されている。2011年当時のカードでプレイできるヴィンテージモードも収録されているので、最近本作から離れていた『ヴァンガード』ファンの方も、本作が気になっていた方も、ぜひこの機会にカードファイトを楽しんでみてほしい。