『ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち(以下、DQ7)』といえば、シリーズ屈指の長編RPGとして知られている。2000年にPlayStationで発売された当時は、その圧倒的なボリュームゆえに「石版のかけらを探すのが大変!」という声が多く聞かれ、筆者もなんとなく敬遠してきたタイトルだった。
しかし、2026年2月5日に発売されるリメイク版『ドラゴンクエストVII Reimagined』(以下、DQ7リメイク)をひと足先にプレイしたところ、その印象は完全に覆された。「……え、こんなにサクサク進むの!?」というのが率直な感想だ。
本稿では、原作未プレイの筆者が実際に本作を遊んで感じた「驚くほどの遊びやすさ」と、現代向けに最適化された魅力についてお伝えしよう。
「石版探しが地獄」という噂は、もはや過去のもの
『DQ7』と聞いて真っ先に話題に上がるのが「石版システム」だ。主人公たちは神殿に石版をセットすることで未知の島々へ旅立ち、その地を魔物の脅威から解放していく。物語を進めるには世界に散らばる「石版のかけら」を集める必要があるのだが、オリジナル版ではこの探索が非常に難航するポイントとして有名だった。
じつのところ筆者も、ネット上の「どこにあるかわからなくて詰む」「理不尽な場所に隠されている」といった噂を耳にしていたため、プレイ前はかなり身構えていた。ところが、実際にプレイしてみると拍子抜けするほどスムーズに進行できたのだ。
今回のリメイク版では、町やダンジョンを普通に探索しているだけで石版が次々と見つかる。特に印象的だったのは、NPCがストーリーの流れで自然に手渡してくれる場面が増えている点だ。さらに、石版の場所を具体的に示唆するヒント機能やNPCも充実しており、オリジナル版におけるノーヒントで世界を彷徨うようなストレスとは無縁になっている。

もちろん、完全な一本道というわけではなく多少の探索は必要だ。しかし「数時間探し回っても見つからない」といった、かつて語り継がれた“苦行”の面影は一切なかった。 これは本当に嬉しい変更点といえるだろう。

1つの島が短時間で完結する、社会人に優しい設計
本作の物語構造は、他のシリーズ作とは少し異なる。石版によって導かれた過去の世界は、魔物の策略によって現代から切り離された「一部の地域(島)」だ。主人公たちはその地域の問題を解決し、魔物を退け、現代へと復活させていく。このサイクルを繰り返していくのだが、この“独立したエピソードの積み重ね”という物語構造が、現代のプレイスタイルに驚くほどマッチしている。
短時間で起承転結が完結する「キリのよさ」は、まとまった時間が取りにくい社会人ゲーマーにとって非常にありがたい。「今日はこの島を救うまで遊ぼう」と区切りがつけやすく、翌日に「昨日どこまで進んだっけ?」と迷うこともないからだ。

しかも各島にはそれぞれ独自の物語があり、登場人物たちのドラマがしっかりと描かれている。短編連作のような構成でありながら、それらが最終的に大きな物語へとつながっていく。この「一話完結感」と「壮大な全体像」のバランスが絶妙なのだ。
もちろん、プレイ再開時に「これまでのあらすじ」を振り返る機能も完備。久しぶりにログインしても、迷子にならずにすぐ冒険の続きへ没入できる親切なシステムが用意されている。
重厚な物語を引き立てる、新機軸の「ドールルック」
本作におけるもうひとつの大きな特徴は、「ドールルック」と呼ばれる新しいビジュアル表現だ。キャラクターたちが人形のような可愛らしい頭身で描かれており、その表情や動きの作り込みには目を見張るものがある。
ここで注目したいのが、ストーリー内容とのギャップだ。 『DQ7』の物語はシリーズ随一でシリアス。各地域で起こる悲劇や人々の業(ごう)をテーマにしたり、救いようのなかったりする展開も少なくない。そうした重いテーマを、あえて愛らしいドールたちが演じるのである。

一見ミスマッチに思えるが、実際に遊ぶとこの演出が実に効いている。人形劇のような愛らしさの中で展開される重厚感のあるドラマは、独特の余韻を残す。美しいフィールド、細やかに動くキャラクターの表情、そして現代的に洗練されたUI。すべてが「いま改めてDQ7を遊ぶ」という体験のために再構築されている印象を受けた。
自分好みにカスタマイズできる「快適なバトル」
リメイク版では、バトルの難度調整機能が搭載されている。これにより「サクサク進めたい人」も「歯ごたえを楽しみたい人」も、それぞれの好みに合わせたプレイが可能だ。
筆者は標準の難易度でプレイしたが、JRPGらしい成長の楽しさと、ボス戦でのやりごたえを存分に味わえた。特筆すべきはテンポの良さだ。バトルスピードを「超はやい」に設定すれば雑魚戦のテンポが格段に向上し、格下の敵との戦闘を省略する機能もあるため、面倒さは一切感じない。

さらに、オートセーブやダンジョン各所の回復・セーブポイント(石像)の設置など、現代的な機能も完備。強敵に倒されて大きく戻されるといったストレスもなく、遊びやすさにかなり振り切った印象だ。

原作未プレイの人こそ、この“新体験”を味わうべき
正直に言えば、筆者はオリジナル版の『DQ7』に対して「長すぎる」「石版探しが苦痛」といったネガティブな評判を聞いており、今回の取材時も若干の先入観を抱いていた。しかし、実際にプレイしたいま、その印象は完全に塗り替えられた。
ストレスフリーな石版探し、社会人に優しい1話完結の物語、そして物語の深みを引き出すドールルック。本作は単なる移植ではなく、現代の感覚で名作を再定義した、まさに今遊ぶべき一本だ。
発売日は2026年2月5日。Nintendo Switch、PS5、Xbox Series X|S、PC(Steam)でプレイ可能だ。長らく本作を敬遠してきた人にこそ、この機会にぜひ触れてみてほしい。
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