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動物たちとムショ暮らしするゲーム『Back to the Dawn ~ブレイク・ザ・アニマル・プリズン~』で送るたのしい獄中生活。クセつよ×ゆるカワな囚人たちに癒されて、刑務作業で労働の喜びを知る

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『Back to the Dawn ~ブレイク・ザ・アニマル・プリズン~』は、刑務所の中で繰り広げられる物語を描いた作品だ。

プレイヤーは無実の罪を着せられて投獄されたトーマス、または潜入捜査官であるボブのいずれかの主人公として、獄中生活を生き抜き目的の達成を目指す。

気の利いたセリフの飛び交うハードボイルドな雰囲気で、さながら海外ドラマのようなストーリーが味わえる作品となっている。

のだが……本作、登場人物たちはみんな動物の姿をしている。そして、殺伐とした世界観や設定に反して、みんな愛嬌があってやけにカワイイのである。ハードな獄中生活の中で、限界値を超えんばかりのモフモフ成分を提供してくれる。

『Back to the Dawn ~ブレイク・ザ・アニマル・プリズン~』レビュー・評価・感想。クセつよな囚人たちに癒される_001
ゆかいな動物たちと刑務所生活を送る

刑務所で出会うことになる囚人たちには中国詩を口ずさむ中年パンダや投資プロジェクトに勧誘してくるカモノハシ、ゲームオタクのワオキツネザル、催眠術師のバクなど、クセつよだけど憎めない魅力的なキャラクターが揃っており、シリアスなメインストーリーが進む裏でコミカルな会話を繰り広げ、プレイヤーを癒してくれる。

言うなれば、「みんな犯罪者のゆかいな動物園」状態だ。

Steamにて2025年7月に発売され高評価を受けている本作。このたび待望の日本語コンソール版がNintendo Switch、Nintendo Switch 2にて発売となったのだが、さらに嬉しいのは日本語ボイスが実装されているという点だ。

仲村宗悟さんによるキザなキツネのトーマスや、間宮康弘さんによる激シブなパンサーのボブという2人の主人公をはじめ、個性豊かな動物たちが要所要所で喋ってくれる。

本記事ではそんな本作に登場する動物たちの魅力を語るとともに、彼ら動物たちとの楽しい獄中生活の模様をお届けしていこう。

文/海ソーマ

※この記事は『Back to the Dawn ~ブレイク・ザ・アニマル・プリズン~』の軽微なネタバレが含まれています。あらかじめご注意ください。


クセつよ×ゆるカワな動物たちがカワイイ! あなたも“推し囚人”が見つかるはず

まずは、主人公たちを軽く紹介したい。もちろん彼らもモフモフな動物の姿だ。

このゲームには2人の主人公が用意されている。それぞれ異なった背景や目的で刑務所に入所しており、片方のプレイではもう片方はNPCとして登場するというシステムだ。

まずはキツネのトーマス。テレビ局の記者で、悪徳市長が絡む汚職事件を追及したがために無実の罪を着せられ、投獄されている。全力で治安が悪い。

『Back to the Dawn ~ブレイク・ザ・アニマル・プリズン~』レビュー・評価・感想。クセつよな囚人たちに癒される_002
(画像はYouTube「『Back to the Dawn ~ブレイク・ザ・アニマル・プリズン~』 発売日アナウンストレーラー」より)

陰謀の証拠を集めて冤罪を晴らすのが目的……という重たいストーリーなのだが、獄中生活ではジョークや皮肉を言うなどけっこうお茶目な面を見せてくれる。若干やさぐれ気味だけど正義感のある愛すべきイケメンだ。

ちなみに中盤のイベントで語られるのだが、彼の大学時代の想い人はウサギの女の子。彼曰く「キツネがウサギを好きになるのは当たり前だろ?」とのことだ。

2人目はパンサーのボブ。彼は犯罪者ではなく、ミッションを受けて刑務所に潜入している捜査官だ。友の死の真相を追うため「フェンリル」と呼ばれる人物を探しているようだが、なかなか手がかりを掴めずにいる様子。

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(画像はYouTube「『Back to the Dawn ~ブレイク・ザ・アニマル・プリズン~』 発売日アナウンストレーラー」より)

ボブはクールな低音ボイスで喋るタフガイだが、身分を隠す必要性から若干ぎこちない敬語で喋ったりクセつよ受刑者にツッコミを入れたりと、コミカルな面もあわせ持ったキャラだ。

彼ら2人の主人公のうちいずれかを操作して、刑務所で受刑者としての生活を送りつつメインストーリーを進め、刑務所からの脱出を目指していくというのが『Back to the Dawn』の主な目的となる。

2人の主人公はプレイヤーの好みや技量にもよるが、基本的にトーマスが初心者向け、ボブが上級者向けというような位置づけのように感じた。まずはトーマス編でプレイして、ゲームに詳しくなってからボブ編をプレイするのがスムーズな流れといえるのではなかろうか。

キャラ選択が終わったら、臨場感のあるボイスつきのオープニングシーンが流れ、いよいよ刑務所入りだ。トーマスは前述の通り、市長の汚職を糾弾した結果犯罪者に仕立て上げられて逮捕されてしまう。友人の弁護士と協力して冤罪の証拠を掴むことが彼の目的だ。

そして、そんな失意の中での獄中生活を彩ってくれるのが受刑者となる動物たちである。みんななかなかに強烈なキャラ設定でアクの強い面々が揃っているのだが、ドット絵のグラフィックも相まって絶妙にゆるカワな雰囲気を醸し出している。

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小さなドット絵ながら表情豊かに見える動物たち

面白いのが、彼らの設定や性格が元となった動物の特徴を反映しているという点。高身長をネタにするキリンや超子だくさんで猛毒持ちのカエル、ウロコを取られないか被害妄想に陥っているセンザンコウなど、個性的な面々が揃い踏みで話しかける手が止まらない。

ちなみに主人公のトーマスの属するキツネ属も「狡猾」という偏見を持たれているという設定が会話イベントで語られる。もちろん正義の記者であるトーマスは心外……なのだが、プレイスタイルによってはスリのスキルを習得し、クエストに必要なアイテムや食料を他の受刑者から盗みまくるということもできる。というかアイテム入手の手間を省けるのが便利すぎるため、多くのプレイヤーがスリに手を染めることになるだろう。これだからキツネは……

そのほか刑務所内には3つのギャングが存在しており、それぞれのボスや幹部はライオンやゾウ、ゴリラなどシンプル強そうな動物たちが担当。また、借金まみれのコアラや怪奇事件調査員のグレーネコ、謎の儀式を行うヤギみたいな明らかにやべーやつらもいるぞ。

そんな個性的な受刑者たちは全部で47人。あなたもきっと“推し囚人”が見つかるはずだ。

筆者のお気に入りはカモノハシのペリー。いろんな受刑者に「宝島」という怪しげな投資プロジェクトへの共同出資を持ちかけているのだが、あまり真剣には受け取ってもらえていない。もちろん、トーマスにも熱心に勧誘を仕掛けてくる。

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初対面でいきなり投資話を持ちかけてくる

彼と仲良くなって、投資の話に乗るともらえるスキル「投資家」は「毎朝自動で所持金が5%増える」というスグレモノ。間抜けそうな見た目に反して有能なのか……? と思ったら、仲良くなると解放されるバックストーリーでは才能ある苦学生だったことが明かされる。学費を稼ぐためにもうけ話に乗ったところ、騙されて詐欺に加担してしまい逮捕というハンカチ必須の苦労話を読むことができるのだ。ペリー、頑張ったんだね……!

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彼は同じ小動物系の受刑者たちとよくつるんでいる。交友関係を観察するのも本作の楽しみの1つだ

このように彼らにはそれぞれ背景情報が設定されており、アイテムをプレゼントして関係を深めることで刑務所にいたるまでの身の上話を聞くことができるのだ。

パッと見で「このキャラいいな」と思ったら迷わずアタックして好感度を上げていきたい。また、初見ではあまり刺さらなかったキャラも身の上話を聞けば「いいな……」ってなることもある。なお、囚人ごとにどんなアイテムを気に入るかは異なるため、渾身のプレゼントを気に入ってもらえず玉砕、なんてことも起こりうる。キャラの設定やイメージを考慮してプレゼントを選び、結果に一喜一憂……まるで恋愛ゲームのようだ。ちょっとむさ苦しいけど。

また、関係を深めることで教えてもらえるスキルは上述のように普段の獄中生活や戦闘(ケンカ)で役立つ強力なものが揃っている。友情パワーが主人公を強くしてくれるのだ。

そのほか、受刑者だけでなく看守や回想シーンで登場するキャラたちも当然ながら動物で、やっぱりどいつもこいつもかわいい。特に刑務所のスタッフたちが「犬」で統一されている点に注目だ。そう、ここはモフモフなワンちゃん看守に合法的に飼いならされる地上の楽園。脱出する気が失せちゃいそう。

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回想シーンで登場する、個人的モブキャラMVPのバーで酔いつぶれるクオッカ。絶妙な角度に釘付けだ

こんなに愛くるしい動物たちに囲まれて生活するなんてご褒美では……? なんて思ってしまうが、本人たちの境遇はいたってシリアス。受刑者たちはたいてい、主人公に負けず劣らず結構重めなストーリーを抱えている。若干ネタバレになるが、ひとつ具体例を紹介しよう。

またまた登場のカモノハシのペリー。ある日、運動場の片隅で彼がバビルサのリチャードに、とある医学研究所に押し入った件について尋ねているところを目撃した。

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どうやらその研究所は肝臓病の特効薬を研究していたが、娘のための臓器移植に使われるはずだった肝臓が研究に使われてしまうと知り、リチャードは襲撃を決意したそう。それを聞いてペリーは「はは……」と歯切れの悪い返答を返して、この会話イベントは終了した。

その日の夜、ペリーが誰かに電話をかけているところを見かけたので立ち聞きしてみると……

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彼の父親は肝臓病を患っており、そのための特効薬を待ち望んでいたということが明かされる。推しキャラが苦労人過ぎてつらい。

このように、キャラクターたちの背景情報や彼ら自身のストーリーの模様は受刑者たちが日々繰り広げる雑談の中からもうかがい知ることができるのだが、これがまた彼らへの愛を加速させてくるのだ。

おバカなメンツのゆるくてコミカルな会話から刑務所を仕切るギャングたちの不穏な会話、それに上記のような個人のストーリーがうかがい知れる会話など、受刑者たちの性格や設定を知ることができるイベントが毎日たくさん発生するため回収が忙しい。

ちなみに1回のプレイだけですべてのストーリーや設定を把握するのはけっこう難しいため、何周もして徐々に彼らの理解を深めていくというような遊び方もできる。

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会話を聞けるときはこのように会話中であることを示すエフェクトが表示される
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受刑者たちの会話はバリエーション豊かで実に楽しい

このゲームは20日ほどの日数制限があり、期間内にメインミッションをクリアしなければならないのだが、クセつよ×ゆるカワな動物たちの会話を観察することに思わず夢中になってしまう。使命を忘れて「ずっとここで暮らすのもいいかも……」と思ってしまいかねないほどであった。

ホントに、彼らの雑談を永遠に見ていたい。エンドレスモードとか実装されませんか?

次は、こんな愉快な面々に囲まれて過ごすたのしい獄中生活の模様をお届けしよう。

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編集・ライター
『The Elder Scrolls』や『Dragon Age』などの海外RPGをやり込むことで英語力を身に付ける。最も脳を焼かれたゲームキャラは『Mass Effect』のタリゾラ。 面白そうなものには何でも興味を抱くやっかいな性分のため、日々重量を増す欲しいものリストの圧力に苦しんでいる。

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