皆さん、こんにちは。
緒方佑奈です。
夏がはじまりました。
私が見ている天気予報アプリは、ここから2週間ずっと30℃越えだと言っているんですが、これ、本当にあっていますか…?
どうか一日でも多く、予報が外れますように。
矛盾する気持ちを抱えながらアプリを眺めます。
今は正確さより涼しさが欲しい。
暑い…。
あぁ、暑いせいか…。
私が暑苦しい文章を書いてしまったのは…。
今日でこのエッセイも3話目だし、もう少しライトな気持ちで書き進めたいと思いつつ、
前回の話の中で書ききれなかった部分…というか、一話分しっかり使って書きたいから、前回あえて書かなかった部分の話をさせてください。
「DIALOGUE+」のプロデューサーである、田淵智也さんのお話です。
ベーシスト、ソングライター、音楽プロデューサーなど多岐に渡る活動・活躍で、この業界にいる人なら必ずどこかで、田淵さんの手がける楽曲を耳にしたことがあると思います。
今日はそんなかっこいい人の、かっこいい話です。
こりゃ地球の温度も上がっちゃうよね。
それでは、早速。
ここ数日、私は究極に落ち込んでいました。
アレの撮影日が迫っている…。
表現活動全般が好きな私が、心の底から苦手に思い続けているあのお仕事、Dance Practice動画撮影です。
アーティストやアイドルたちのダンスを引きの定点から撮影している映像、と言えば伝わるでしょうか。
私の所属する声優アーティストユニット「DIALOGUE+」でも、そのダンス定点映像なるものを定期的に撮影しているのですが…実は私、この撮影が他のどんなお仕事より苦手なのです。
「ダンス得意じゃん?なんで?」
と身内からは言われたりするのですが、それは私が一番思っています。ほんと、なんでなんだろう…。
無理やり言語化するなら、ダンス映像の一発撮りなので、誰か一人でもミスをしたら最初からやり直しになるというプレッシャーと、全員が成功するタイミングまで集中力を保たなくてはならないという∞の緊張感に押し潰されるからとなるんでしょうが、最近はもはや、パブロフの犬みたいに条件反射が出来ているせいだと思っています。Dance Practiceと聞くと呼吸が浅くなって手足が震えます。撮影がある週は、うっすらずっと憂鬱でよく眠れません。ワンチャンお化けより怖い。
そんなDance Practice撮影日のこと。
その日は朝から自分の機嫌を取ることに必死でした。油断すると思考がマイナスな方へ落下していくので、努めて他のことに意識をズラします。ピラティスをして、本を読んで。今日ばかりは自分を甘やかすんだと、お気に入りのカフェで普段はカロリーを気にして頼まないケーキも頼みました。
しかしそんな努力虚しく、撮影まであと1時間を切ったあたりで猛烈な鬱波を食らいます。
たったひとつの撮影で…情けない…。
自分ってなんでこんなに弱いんだろう…。
落ちていく思考の中で、ふと仕事の連絡が来ていたことに気がつきました。
今日のレッスン内容に関わることかもしれない。
現場に行く前に読んでおかなければ…。
気は進まないけれど、添付された資料に目を通しました。
差出人は「DIALOGUE+」のプロデューサーである田淵智也さん(以下、田淵P)から。内容は、前回提示された課題に対するフィードバックと、次のライブに向けた目標についてです。
読み進めて、ある行で目が止まりました。
«緒方さんは自分の、というか常人の限界はここ、となんとなく決めているところがあって、身の丈を知っているという面では全然いいことなんですが、実は自分は結構強い、という気づきをしてもいい頃かなと。»
«あなたはもう全然強いから大丈夫»
«今回の課題は「緒方は強い」です»
……。
田淵P、、
私、今まさに、
自分の弱さに折れかけていたんですが、、
私ってもう全然強いんですね、、?!!
Pがそう言ってくれてるのに、肝心の私が逃げ腰じゃダメだ…!(泣)
携帯片手にカフェで静かに泣き、”私は強いから大丈夫”の文字を何度も読みながら現場に向かいました。
(※撮影は無事完了)
«君はヒーローになれる»
(『僕のヒーローアカデミア』第1巻より)
皆が憧れるヒーロー、オールマイトは主人公デクにこう言いました。
ヒーローになりたかったデクが、自分はヒーローになれると思えるようになった魔法の言葉です。
時に人は、誰かに信じてもらうことで、自分のことが信じられるようになります。
その法則を知ってか知らずか。
田淵Pは”ある日”を境に、私たち「DIALOGUE+」のメンバーに繰り返し«信じるの魔法»をかけているように思います。
“ある日”の話。
デビュー曲「はじめてのかくめい!」制作時から音楽プロデューサーとして「DIALOGUE+」に関わってくださっていた田淵Pですが、本格的にユニットの舵取りをしてくださるようになったのは総合プロデューサーに就任した2022年末。
様々な問題が重なって崩れかけていたユニットを立て直すべく総合Pに就任した田淵Pは、重い空気が流れるリハーサルスタジオの扉を開けるなり、突然こう言い放ちました。
「僕は皆さんを幸せにするためにやってきました」
……………………………………、
……………………………………、
………………………………ッ!?
アニメや漫画ではそういうシーンを見たことがあったけれど、まさか現実でこんな言葉を聞く機会があるなんて。数秒間の驚きの後、どよめきがあって…私はなぜだかちょっとだけ泣きそうになりました。
こんなことを、真正面から言ってくれる大人がいるんだ…と。
「現場に来る楽しみがあった方がいいと思いまして。差し入れも買ってきました!」
この時からはじまった田淵Pの差し入れ。
その後もずっと続き、今では”差し入れドラフト”(どの味が欲しいか指さしで決める)という恒例行事が誕生しました。ドラフトのたびチーム内では会話と笑顔が生まれていて、まさに”現場に来る楽しみ”のひとつです。
この日の出来事は何度かインタビューで話していて、あの時は緊張したよ〜、と後に本人から人間味のあるエピソードも教えてもらいましたが、何度思い返しても、あの日の田淵Pは間違いなく、ヒーローの姿をしていました。
ファンタジーみたいな”ある日”とその後のリアル
しかし本当に凄いのはここからです。田淵Pは”幸せにする”という甘い言葉をただの夢物語にせず、一歩ずつ手繰り寄せる確かな現実として、多くの思考と時間を私たちに費やしてくださいました。
歌もダンスもずば抜けた才能がある訳ではない私たちが、使い捨てのエンタメで終わらないためにはどうしたら良いか。どうしたらファンと共に歳を取れるアーティストになれるか。
チームが目指すべき方向を示し、武器となる楽曲を授け、ひとりひとりと対話し、コンスタントにライブが打てるよう各方面の調整もして、さらに宣伝・発信活動も積極的に行う…という、ここには書ききれないくらい多くのことを、ご自身の活動もある中で、ひとつずつ丁寧に進めてくださいました
最初に書いた1000字を超える田淵Pからのメッセージもそのひとつで、通称”田淵通信”と言われています。主に課題や目標について書かれていて今回は#63。世の中に出るわけではないのに毎回真摯で熱量の高い言葉が綴られていて、私はこの通信が大好きです。これはご本人には秘密ですが、お気に入り号はクラウドに保存をして、たまに読み返したりしています。
「ガーター、書きすぎだよ〜」
(※ガーター…田淵Pが私につけたニックネーム。現状、田淵Pしか使っていない。)
とそろそろ言われちゃいそうですが、私たちのPがかっこいいところをもうひとつ、ここに書かせてください。
それは、田淵Pは自身が思う”現実”をきちんと伝えてくれるというところ。だから決して、私たちを簡単には持ち上げません。
«エンタメをやるには君たちはまだあまちゃんだ»
«歌もダンスも一流ではない»
なんてことをサラッと言います。
悔しい。けど本当のことです。
でも、そんな本当のとこをちゃんと伝えてくれる田淵Pだから、その後に続く言葉も本当だと思って私たちは受け取れています。
«手を抜かずにやってみなされ。出来るようになるから»
«大丈夫、全員で必ずいいパフォーマンスができます»
私たちなら、できる。
今の「DIALOGUE+」に流れている”できる”の空気。
鬼のような楽曲やセットリストを渡されてもへこたれなくなったのは、そばで信じてくれる田淵Pがいたからです。
人生はいつか絶対終わりがやって来るし、私たちが音楽を届けるのにも、いつか必ず終わりの日はやってきます。
複数人メンバーがいるユニットなんて、それこそ奇跡のようなバランスで成り立っているから、なにかの掛け違いであと数年で…という可能性だって全然ありえます。
いつか必ず来るその時までに、
私たちはいくつ返せるでしょうか。
田淵Pが信じた未来を、ひとつでも多く現実にして届けたいです。
私たちを幸せにするためにやってきた男を、幸せにするために。
これからも頑張ります。
p.s.
私、数年前から文字を書くことに一生懸命取り組んでいるんですが、そのきっかけとなったのも田淵Pの、«君は文字の才能があるから、もっと文字を書きなさい»という言葉からでした。今回も心を込めて書きました…が、まだまだ、!現実で体験した感動の数十分の一しか書けていない気がします。もっと素敵だったのにな…。心に届く文章が書けるように、文字の方も引き続き頑張ります、、!
編集:川野優希
制作協力:ハナテンワークス株式会社


