「『アストラエ・オラティオ』って、美少女を愛でるだけのゲームじゃなかったのか……!?」
これが先行プレイを通した率直な驚きだった。
Dynamis Oneが開発を手がける『アストラエ・オラティオ』は、「新伝奇魔法RPG」を掲げるタイトルだ。しかし、いまだ謎に包まれている部分は多い。
魔法の存在する「’89年の東京」を舞台とした世界観は、どこかノスタルジーを刺激してくる佇まい。そんな世界で公務員である「主任」は、個性的な魔法使いたちと関わっていく。

事前にわかっていた情報はこれくらいだったので、試遊前は「世界観と美少女で魅せる作品」と思い込んでいた。もちろんこの2つも魅力的だったのだが、それ以上に衝撃的だったことがある。
バトルが想定を超えて個性的で、さらにめちゃくちゃおもしろかったのである。
そもそも「RPG」という括りから、「仲間たちと戦うターン制のコマンドバトル」というオーソドックスなものを想像していたのだが、実際に出てきたのは「タイマンで戦うリアルタイムのコマンドバトル」だった。
本稿では、東京ゲームショウ2026(TGS2026)での出展に先駆けた先行試遊レポートをお届けしていこう。

取材・文/世界のザキヤマ
敵の行動に合わせて立ち回る、リアルタイム式のコマンドバトル
バトルは敵とのタイマンだ。パーティは複数人での編成だが、場に立つのはつねに1人。試遊では、交代を含めて3 on 3で戦う形だった。
「リアルタイム」と前置きしたが、真っ先に見るべきは敵の攻撃アイコンだ。上部にあるアイコンが左から右に流れていき、端まで到達すると敵が行動する。

敵のアイコンは白・黄・赤など複数あり、それぞれ対応方法が異なる。
白いアイコンに対しては、味方が通常攻撃かスキルを挟めば発動前に潰すことが可能だ。
こう書くと簡単そうだが、本作はリアルタイムバトルだ。敵に行動される前の素早い判断が求められるので、なんとなくで動いていると死に直結する。
ちなみに試遊にて、「えっ、この場合はどうすれば……?」と迷いまくって棒立ちしていたら、チュートリアルに該当するような序盤であっさりやられた。魔法使いのタイマンは非情である。
黄色いアイコンに対しては、パリィが有効。別途でゲージが出現し、指定範囲内にてタップすることで成功する。バトルの途中にいきなり別ゲーが挟まってくるような感覚で、初見はかなりびっくりした。
もっとも注意すべきなのは赤い攻撃だ。通常攻撃でもパリィでも対応できない、いわば敵の必殺技のような扱いとなる。
ただし、HPバーの下にある「ブレイクゲージ」を削ってダウンを取れば発動は防げる。もしくは、防御の硬い味方に交代して受け止めるといった方法も有効だ。

6種類の行動から最適手を即座に判断。一瞬も目を離せない
では、こちらの手数はどれくらいあるのか。通常攻撃、スキル、パリィ、交代、アルティメットスキル、そして特殊コマンドである「領地宣言」の6種類となる。
こう並べると、そこまで多くないように見えるかもしれない。しかし前述した敵の複数の行動にあわせ、リアルタイムで行動を組み立てていく必要があるので、瞬間的に考えることはかなり多い。
さらに、敵の行動を潰し続ければいつまでも動ける、というわけではない。味方の行動には所定の「AP」が必要となり、敵が動くまでに使い切ることが理想的だ。

なお、戦いのメインを張るのは通常攻撃ではなくスキルのほうだ。3段階まで威力が上がり、演出もどんどん派手になっていくので気持ちいい。
ただし、スキルにはクールタイムがある。そしてクールタイムは、通常攻撃によって短縮できる。つまりスキル→スキル→スキル→余ったAPで通常攻撃、という手段を取れるとスキルを効率的に回していける。
とはいえ、あいだには敵の黄色アイコン(パリィ)や赤アイコン(必殺技)も入ってくるので、すんなりとはいかない。とくに無策で赤アイコンを受けるとあっさりやられてしまうこともあり、発動させないために急いでブレイクを狙うか、HPに余裕のある味方と交代して受ける判断も求められる。
試遊の序盤はシステムがまったくわかっておらず、「なんだか思うように動けないぞ……?」とオロオロしていたが、理解できた途端、おもしろさがいきなり増した。
このシステムはかなり懐が広いのではないか、とも感じている。敵の行動パターンを読むことはもちろん、プレイスキルが上がるほどハマれそうな雰囲気を感じさせる。配信されないことにはわからないが、高難度バトルを好むゲーマーほど、好みそうなシステムにも思えた。
「領地宣言」があまりにかっこいい。バトル好きに刺さる要素がみっちり詰まってる
システムがおもしろかったのでそちらの話ばかりしてきたが、ビジュアルについても紹介させてほしい。
本作は演出も非常に凝っている。何よりも外せないのが、特殊コマンドの「領地宣言」だ。カットインからはじまり周囲の風景も変化、「自分だけの空間で好き勝手に蹂躙してやるぜ!」といった雰囲気がたまらん。
バトルものが好きなら確実にハマれる要素ではないだろうか。ここに関しては「かわいい」より、「かっこいい」が大きく勝った。
ちなみに「領地宣言」に関しては、「特定条件下で使えるコマンドであり、バフがかかるとともに制限時間内は一方的に殴れる」こと以外は不明だった。
これは「魔法使いがその土地に根ざしている」という設定に紐付いているらしく、だとすればストーリーにも関わってくる要素なのかもしれない。
各員が固有で持つアルティメットスキルも非常に豪華で、威力もさることながら絵面もいい。女の子たちの魅力がこれでもか! と引き出されている。
「かわいい」で押してくるタイプのゲームだと思い込んでいた『アストラエ・オラティオ』だが、バトル面は演出も含めて非常にアツかった。筆者の体感だが本作の印象は「かっこいい」にかなり上書きされている。
そしてクセが強そうな魔法使いたちは、杖やステッキだけでなく、剣で斬ったり銃を撃ったり、ナイフで斬り刻んだり、リコーダーで攻撃する者までいる。だれを使ってもおもしろいバトルができるのではないだろうか。
なお最後にもう一度お伝えしたいが、本作のバトルは“リアルタイム”であり、敵の動き……具体的にはアイコンの動きをしっかりチェックしつつ、適切な判断をくり返していく必要がある。
敵以外の部分に目を奪われ棒立ちになる状況もあり得るため、プレイ時にはどうかご注意いただきたい。

冒頭でお伝えしたように、本作は9月17日から開催される東京ゲームショウ2026(TGS2026)にて試遊できる。筆者が体験した内容に興味を持った方は、ぜひ会場に足を運んでみてほしい。
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