ヒロインたちのルートが絡み合う! ヒロインごとの視点で『女子会』の裏事情もスケスケだぁ
個性タップリのキャラクターたちですが、6人のヒロインたちのルートを進めていくと、重要なポイントで他のヒロインとの交流が描かれる「共通ルート」が発生します。
そこではキャラ同士の交流を通じてストーリーが展開するため、各キャラの心の声も描写され、「この子はこの場面で、実はこんなこと思ってた」という裏事情がバッチリ分かってしまう!
これもまた、群像劇ならではの魅力と言えるでしょう。とりわけ、外見的にも言動的にもかなり注目を集めがちな若菜ちゃんを推している身としては、「この子、ほかの人からどう思われてるんだろう?」というのは気になって仕方がありません。
ということで、ここでは序盤に発生する共通ルート「女子会」の様子を覗いてみましょう。
この女子会、実はストーリーにおける結構重要なポイントでもあります。なんと、このイベントの直前に、メインキャラのひとりであるツンデレ妹メイド・新城葵が失踪してしまうのです。
この失踪事件に、自身の制作しようとしているゲームとの関連性を見出した新城氏は「ゲームシナリオとして用意した行動と同じ行動を取ると、その人物が失踪するのでは無いか?」と考え、葵失踪の事実を伏せた上で、出演者たちに「自分たちの仕事を休んで欲しい(ゲーム通りの行動をするな)」と厳命。
つまり、地下アイドルには「ライブを開くな」、コスプレイヤーには「撮影会をするな」などというお達しが全員に出されたのです。
そんな連絡を受けた彼女たちは当然「なんで?!」と困惑。「一人で考えてても仕方ない、情報収集だ!」と思ったここねちゃんは、急遽同い年の女性三人で“21女の女子会”を開くことを提案したのでした。
そして集まったここねちゃん・千尋さん・若菜ちゃんの三名。
いや~~~画面がキラキラしてるなあ~~~~!
これは映えますわ!
盛れてる写真なんかも撮っちゃったりして、いい感じに盛り上がっている三人なのですが、内心はまったくバラバラなのです!
というわけで、さっそくそれぞれのキャラクターの心の動きを見ていきましょう!
若菜ちゃん視点「友達作れると思ったのに、営業トークかまされた」
ここねちゃんからの招集にウキウキで応え、女子会に参加した若菜ちゃん。もともとフットワークの軽い若菜ちゃんは、こういうお招きにはすぐに応じるタイプ。
『AKIBA LOST』参加をきっかけに、久しぶりに新しい友達ができるかなとワクワクしています。この辺、若菜ちゃんの事情を知ってから見るとそれだけでホロっとしてしまう部分もありますね……。
ここねちゃんの店選びのセンスの良さに感心しつつ、自撮り写真を「大事にしよ……」と眺めるところも可愛い。唯一趣味の話で盛り上がった千尋さんとも、もっとお話ししたくてウズウズ。そうだね、いっぱいお友達つくろうねぇ……!
しかし、ここねが出した話題は『AKIBA LOST』制作中断の話と、新城の 「仕事するな」というメールの話。
ウキウキだった彼女たちの心が一気にローテンションに。そりゃそうだわ。三人でため息をつきながら「やっぱ仕事ストップするしかないか~」などと言い合うも、若菜ちゃん的には「肥満田に仕事断りにくいな」とひたすら悩み中。
そんなところにここねちゃんから「スケジュールが空いたなら、私とコラボしない?」とお誘いがかかるのですが……。
ここねちゃんの猛アタックに考え込む若菜ちゃん。
彼女はコスプレ撮影会を中止したとしても、ツアーガイドや写真集制作など、他にやっている仕事が意外と多いのです。
ここねちゃんの食い気味な提案に、「実は他の仕事が……」と言い訳をするしかない。
しかし「逃がさん!!」とばかりに「コラボ動画ならどうか」と畳みかけてくるここねちゃん! 彼女には彼女なりの事情があるのです。
こうなると若菜ちゃんも必死に逃げ道を探します!! 気分はカバディ。
そこに救いの神・新城氏とともにゲーム制作を主導する高澤プロデューサーから「あとで会社に来て欲しい」との電話が若菜ちゃんに掛かってきます。
た、助かった……!
さっそく尻馬に乗り、彼からの伝言を他の二人にも伝えた後、場の空気が変わったところで私用があることを理由にイチ抜けしてしまいます。
すまないここねちゃん……悪気はないんだ! だが営業トークには付き合えねえ!
せっかくの女子会が、不発気味になってしまいましたが、気持ちを切り替えて若菜ちゃんは肥満田氏のスタジオへ元気に歩いていくのでした。この切り替えの速さも若菜ちゃんの良さですね!!
と、若菜ちゃん視点では楽しくおしゃべりしたかったのにちょっとモヤモヤの残る内容となってしまったこの女子会ですが、別視点……千尋さんからはどう見えていたのでしょうか?
千尋さんルートに切り替えてみましょう!
若菜ちゃんとはまた違う、彼女の心の内は一体どんなものか……?
千尋さん視点「天上人からお声がけされて恐れ多すぎる」
誘われた過程は若菜ちゃんと同じですが、千尋さんとしては普段縁のない、きらびやかな世界にきた心持ち。自撮りすら満足に撮ったことのない彼女は、三人一緒の写真に恥ずかしく感じつつも、「こういうのもいいな…」と未知の世界を楽しんでいます。
このへん異様に共感してしまうな。シャレオツなお店、一人では入りにくいよな……。
ここねちゃんに話しかけられて、おどおどしてしまう千尋さんの内心。
少し顔合わせただけの人と、どう接していいか困惑する気持ち、わかる!
しかも相手は(地下)アイドルとコスプレイヤー。世間的な知名度はともかく立派な芸能人であり、千尋さん的には雲の上の人種なのです。
ほかにも、ここねちゃんから「神田明神でイベントとかできないかな」というお誘いをされてしまい、
「いやいやそんな、自分ごときが?」と半信半疑&相手の勢いにたじたじになっちゃう千尋さん。もっと自分に自信を持っていいんだよ……! と励ましたくなってしまいますが、彼女は巫女の他にもデバッガーのバイトを掛け持ちしているので、ここねちゃんと新しく仕事をするのは無理な話でもあります。
それとなーくごまかして、そそくさと帰っちゃうことに。
押しに弱い千尋さんでしたが、何とかここねちゃんの猛攻をかわすことができて一息つきながらバイト先へ向かうのでした…。
さて、今回の「女子会」発案者であるここねちゃんは、この体たらくをどう感じていたのか……? 彼女の思惑と、そのうまく行かない空回りっぷりをじっくりと眺めるルートにいきましょう。
ここねちゃん視点「女子会でお仕事ゲットするつもりが大爆死」
ここねちゃん視点で物語を追っていると、なんと彼女がライブ活動をストップすると生活費もままならない、切迫した状況であることが明らかになります。
そんなところに新城氏から「仕事をするな」などと命じられたら……生きていけねえ!
他の二人のように安定した副業があるわけでもないので、やむなくあちこちに仕事がないかと声をかけまくろうとしているのです。だからこそのガツガツ姿勢なのだ。
無事“21女の女子会”に来てくれた二人の間で、ほくそ笑むここねちゃん。
情報集めもそこそこに、虎視眈々と営業チャンスを狙う彼女は、さっそく二人に向けて「私とコラボしない?」と持ち掛けてみます。しかし彼女の目論見とは裏腹に、他の二人は何とも煮え切らない態度。
焦ったここねちゃんは、二人に色々と話を振ってはみるものの、若菜ちゃんは別の仕事の話をはじめてしまいます。
キラキラした若菜ちゃんのお仕事状況を聞いて唇を噛み締める。ギリギリ。何とか負けまいと千尋さんにライブの話を振ってみたりと足掻くものの……やっぱりいまいち手ごたえがない。、千尋さんも困り顔で歯切れの悪い返答。

結局、女子会はあっさりとお開きになってしまいます。厳しいなあ!
ぽつんと残されたここねちゃんの寂しい姿に、ひっそりと涙。
こんなに頑張ってるのになぁ。

誰も悪くないんだよ……タイミングがね、悪かったんだよね!
なぜかミステリーというより「すれちがい系トレンディドラマ」を見てる気分になってきたぞ……?
でも、転んでもただでは起きないのがここねちゃんの強みです!
ここで思考を切り替えて、「一人ででも動いてやろう!」と勇み立ちます。この「ふっふっふ」という顔が可愛い。
逆境でも諦めない、しぶとい心。それこそがアイドルに必要な資質なのかもしれない。
前向きに動いていくここねちゃんも推せるッ!
……という具合に、女子会ひとつ取っても各キャラの表側の状況と、お互いが相手に向けている感情もうかがい知ることができ、非常~~~~に味わいが増すというわけですよ。赤裸々……ッ!
各キャラの心が覗き見できる「共通ルート」は今回だけではなく、ストーリーが進むほどに、さまざまなキャラクターが絡む形でどんどん出てきます。お楽しみに!!
360°ぐるりと全方位探索&たっぷりある濃いTipsを読み漁ろう!
さらに、ここからはストーリーへ深みを加えるシステムをお伝えしましょう。
これで探索や考察がますますはかどりますぞ~!
360度カメラシステムで周囲を調べろ!背後を探るドキドキ感
プレイ中に探索が可能な場面では、周囲を見渡す「360度カメラシステム」に移行します。
まるでCGのように、キャラクターの視点に入り込んで展開するムービーがオシャレ。実写だと一層リアル感が増しています。
解放感のある神社だとあちこち見まわしたくなるし、薄暗い部屋だと暗がりの臨場感がすごい。ホラーじゃないけどゾクゾクできます。
こうなると「リアルすぎてどこを調べたらいいかわからん」となりそうですが、大丈夫。
ポイントは名称が出るので分かりやすいし、カーソルの反応もかなり広く、見逃すことはないので安心!
……しかしこの、視界を回しつつ探索するときの緊張感、お分かり頂けますかね…。
調子に乗ってグルグル見渡していると、突然のドッキリに驚くんですよ。

いやもうほんと、たとえイケメンだとしてもビックリするんだってば!
ドッキリに弱い方は、このモードになったら少し身構えて探索しましょう!
フーッ、マジでホラーじゃなくてよかったな…。
豊富でニッチなTipsがメチャメチャある! アキバやサブカル情報もしっかり補完。もちろんマジカル小学生リリカもな!
そして、さらに深く世界観を補完するために用意されているのが「Tips」システム。
特殊な用語や注釈が入るような単語は緑色になっていて、調べるとTipsが確認できます。
また、取得したTipsはメニュー画面の「Tipsコレクション」にまとめられているので、後から読み返せるようになっています。これなら読み逃しても安心だ!

「15年前に発売され、当時子どもたちを中心に大ヒットとなったアクションシューティングゲームであり、その後テレビアニメシリーズとしてアニメ化されたことで、さらに爆発的な人気となった作品」
Tipsにもちゃんとある。やたら設定がしっかりしてます。
リリカの技も、もちろん豊富に解説!

「伝説の魔法使いリリカが編み出した、回復魔法。発動のためには呪文を唱えるだけでなく、両手でステッキを握り、目をつぶる必要がある」
などの解説の後、新しく判明した情報が黄文字で追加されます。
「若菜自身も、このリリカルケアルーンを唱えることで、自分の気持ちを落ち着かせたり、元気を取り戻したりしている。若菜にとって大切なおまじないなのである」
このように、物語の状況が進むと、Tipsにも情報が薄黄色で追加されることがあります。
一度読んだものでも、新たな事実が判明すると意味ががらりと変わることも。新しく追加された部分を探しながら読むのが、これまた楽しいのだ!
そんなTipsの総数は、なんと291個! ありがとうございまーす!
「テキストアドベンチャーのTipsを読むのが大好き人間」としては、あればあるほど嬉しいタイプなんで、たっぷり詰まったテキストにニッコリ。
見知らぬ用語なら純粋に知識を得られて助かるし、すでに知っている用語なら「そう説明するのか。なるほどね」と後方腕組みドヤ顔で頷きながら確認しちゃう。
テキスト内のささやかな遊び心にニヤリとするのも、Tipsの楽しみの一つ。
真面目な解説の末文に、テキスト編者のささやかな本心が吐露されているような文章があると、フフッてなるじゃないですか。あれが好きなんです。
まれにホロリとするTipsもあります。

「プレイヤーが楽しいと思えたなら、その裏では開発者たちが数えきれないほどのトラブルと戦い続けてきたという証なのかもしれない」
なんという身につまされる説明文なんだ……。
さらに、『AKIBA LOST』ではサブカルに特化したTipsも豊富に収録されています。ソーシャルゲーム界隈でたまに聞く「詫び石案件」やら、配信者が取り組んで話題になったりする「初見クリア耐久配信」といった最近の情報だけでなく、「乾電池を売る自動販売機」といった、電気街ならではの“昔の秋葉原”っぽい情報も出てきたりして、「さすがはアキバを題材にしているだけはある」と感心してしまう内容なのです。
どうしても量が多く、また本筋を止めて読むことになりがちなため、「そのうち読もう……」と脇に置いておかれがちな印象のあるTipsですが、時に勉強になり、時にニヤリとさせられ、時にホロッと泣かされるような力のこもった記述も少なくありませんので、ぜひ気が向いたときに読んでみてください。

以上、『AKIBA LOST』に登場する若菜ちゃんの魅力を中心に、本作のシステムや重要キャラクターたちについて紹介させていただきました。
「ヤベー女がいる!」と思いながら始めた『AKIBA LOST』でしたが、物語の展開もさることながら、怒涛の勢いで「若菜ちゃん」に飲み込まれていく時間をたっぷりと味わいました。
若菜ちゃんの一挙手一投足を見守り、彼女が疑われればハラハラし、GAME OVERに陥れば必死に原因を探って回避して……。若菜ちゃんを救うために必死でした!
もちろん本作『AKIBA LOST』は若菜ちゃん以外にも魅力的なキャラクターがたくさん出てきますし、謎に包まれた「アキバの神隠し」の真相に迫るスリルに満ちた物語も、のめりこむように楽しませていただきました。
気づけば、事件に巻き込まれ、翻弄されていく他のヒロインたちにも愛着がわき始めるように。やべーぞ、推しが増える!?でもガチ推しはやはり、若菜ちゃん!
真っ赤な魔女コスチュームでマジカルなステッキをふるい、
「リリカルエターナルビーム!」と叫んでいた痛々しい彼女のおかげで、この作品を心ゆくまで楽しめたと思います。
アキバの中心で推しのために叫ぶ……!!
『AKIBA LOST』、クッソ面白かったです!!!!

















