2億736万通り。
これが『ウマ娘 プリティーダービー』(『ウマ娘』)の新育成シナリオ「朋、史解き ―午式駿大祭―」(駿大祭編)で取れる育成ルートです。
サポートカードの編成や踏むトレーニングなど、立ちまわりの話ではありません。シナリオ固有のシステムだけでこれだけの分岐があります。いったいどうなってるんだ……!?
「駿大祭編」は、「教え」を各トレーニングのサポカに組み合わせていくシステム。その組み合わせを計算すると2億736万通りになるのです。
ちなみに本シナリオは特殊コマンドに該当するものがなく、そのぶんスピーディ。「おまかせ育成」で約20分と近年のシナリオではとくに速い部類でした。ただ、1周20分を休まず回しても、すべての道筋を体験するのに約7900年かかる計算です。人生が足りなさすぎる。
初見は選択肢の膨大さに面食らって「どうしたらいいんだこれ」と手が止まりまくる場面が続出。ただ試遊の2周目からは「最適解を探すことが楽しいやつだな!」と気付き、見える風景が変わってきました。
何より、これまで以上に終盤での育成がアツい。シナリオの固有システムを活かせば、体力がほぼなくてもトレーニングが100%成功するなど、非常に爽快感ある立ちまわりができたりもします。
そんな本シナリオの基本情報は以下のとおりです。
・全距離帯の育成に向いたシナリオ
・ウマ娘ごとの個別の育成シナリオあり
・ラストはURAファイナルズ
・シナリオ固有のパラメータ上限は、スピード2200、スタミナ1850、パワー1800、根性1700、賢さ1800
・シナリオリンクキャラは、ダイワスカーレット、ノーリーズン、マヤノトップガン、ユキノビジン、ブラストワンピースの5名
前回の「トレセン軒編」とのパラメータの違いは、スピード+50、スタミナ+50、パワー+100。より強いウマ娘を育てられる設計となっています。
というわけで、メディア向け先行体験会で確認できた「駿大祭編」のレポートをお届けしていきましょう。
取材・文/世界のザキヤマ
2億736万通りの正体は、3回の「教え」と2回の「転成」
まず、なぜ「駿大祭編」はここまで育成の選択肢が多いのか? から解説しましょう。
それには、本シナリオでもっとも重要な要素である「教え」が関係しています。
「教え」はさまざまな効果を持ったトレーニングバフの総称。スピード・スタミナ・パワー・根性・賢さのトレーニングごとに用意された「演目」に対応し、育成中に3回の入れ換えが可能です。なお、教えを付けることを「伝受」と呼びます。
そのうえで「教え」は、2回の「転成」が可能です。転成とは、教えの強化版という認識で問題ありません。
育成の流れに沿って、選ぶ場面とその選び方の数を並べると、つぎのとおりです。
・ジュニア級3ターン目(伝受):5つの教えを、5つの演目に1つずつ付ける(5×4×3×2×1=120通り)
・ジュニア級12月後半(転成):教えのうち2つを選んで転成(5×4=20通り)
・クラシック級1月前半(伝受):5つの教えを付け直せる(120通り)
・クラシック級12月後半(転成):新たな3つの教えを転成(3×2×1=6通り)
・シニア級1月前半(伝受):5つの教えを付け直せる(120通り)
こうして120×20×120×6×120で、2億736万通り。選ぶ場面は5回だけでも、これほどの数に届くということですね。
流行するセオリーはあると思いますが、それでも従来のシナリオにくらべるとかなり選択肢が多いのではないでしょうか。
少なくとも、実際に育成しているときは「教え」と「転成」はかなり悩ましかったですね。と同時に、本シナリオでもっとも楽しいポイントでもあります。
「教え」を「演目」に割り当ててトレーニング
それでは、あらためてトレーニングバフである「教え」から紹介していきます。
本シナリオでは、いっしょにトレーニングするウマ娘たちが5つの「演目」のいずれかを担当。サポートカード以外に、シナリオ中に加入するウマ娘も演目担当に数えられます。
編成にもよりますが、基本的に「教えはサポートカードに付けるもの」と考えて問題ありません。
演目は以下の5つで、トレーニングの種類にそれぞれ対応しています。
・流鏑馬(スピード)
・神旗争奪戦(スタミナ)
・納舞(パワー)
・大曳神輿(根性)
・飛駆(賢さ)
※実機での「馬」の字は点2つとなります
教えを付けるのは、演目ごとに1つずつ。どの演目担当にどの教えを付けるか選ぶことを「伝受」と呼びます。
最初に選べる教えは5つで、5つの演目に1つずつ割り振る形です。付けた教えの効果は、基本的に伝受したウマ娘といっしょにトレーニングしたときに発揮されます。

5つの教えの効果は、以下のとおりです。
・絆の教え:編成サポートカードの絆ゲージ上昇(効果は重複しない)&演目稽古でメイン基礎能力の獲得量アップ
・得意率の教え:得意率アップ
・ヒントの教え:ヒント発生率アップ
・助力の教え:友情トレーニングが起きないときのトレーニング効果アップ&演目稽古では3回までトレーニング効果がアップする「助力の支え」を獲得
・体力の教え:体力消費ダウン
序盤の立ちまわりとしては、たとえばスピードを2枚編成しているなら「絆の教え」を「流鏑馬」に付けるとスムーズな印象でした。
「進捗発表会」のあとに「教え」を「転成」させて強化できる
ジュニア級とクラシック級の12月後半にある「進捗発表会」のあとに、教えの「転成」が可能となります。
転成は、最初の5つの教えを別の教えへ作り替えて強化する仕組み。元の教えは「転成効果」に変わり、転成先の教えにくわわります。転成先の教えは、「教え効果+転成効果」の状態で伝受可能に。
たとえば、「絆の教え」を「特化の教え」へ転成させると、特化の教えに「合宿中に演目担当のサポートカードがもう1人トレーニングに現れる」などの強力な転成効果が追加されます。
転成できる教えは、1回目の進捗発表会で2つ、2回目で3つ。最終的には、5つすべての教えが転成効果を持った状態になるという寸法です。
1回目:(ジュニア級12月後半)の転成先
・特化の教え:メイン基礎能力の獲得量アップ&基礎能力の獲得上限アップ
・研鑽の教え:演目担当が参加しているトレーニングで、イベント「追加の稽古」の発生率アップ2回目:(クラシック級12月後半)の転成先
・協力の教え:友情ボーナスアップ&演目担当のサポートカードがランダムな1か所のトレーニングにもう1人現れる
・不屈の教え:体力が一定以上なら失敗率ダウン
・両道の教え:サブ基礎能力の獲得量アップ&演目稽古のトレーニング効果アップ
ここで注意したいのが、転成の元にできるのは最初の5つの教えだけという点。たとえば、「絆の教え」を「特化の教え」へ転成させたあとに、その特化の教えをさらに別の教えへ転成させることはできません。
ゲージを貯めると強力な「演目稽古」が発動。演目Lvをそろえて「午式駿大祭」を目指す
5つの演目には、それぞれ「演目ゲージ」があります。トレーニングをすると、いっしょに練習した演目担当1人につき、その演目のゲージが+1。人数の多いトレーニングを選べば、効率よくゲージを溜められます。
ゲージが最大になると、その演目に対応するトレーニングのコマンドが、強力なトレーニングである「演目稽古」が実行可能に。実行するとゲージが0に戻り、その演目の「演目Lv」が+1される仕様です。
演目Lvは、演目稽古と教えの効果量に影響する重要な指標。たとえば「不屈の教え」は、体力が一定以上あれば失敗率が下がる教えで、演目Lvが上がるほど効果も大きくなっていきます。
試遊では、本当に体力ギリギリの終盤、「不屈の教え」を付けた演目稽古のトレーニング失敗率が0%だった状況を確認。なお、ほかのトレーニングは軒並み失敗率99%でした。
終盤で「お休み」を選びたくない状況だったため、めちゃくちゃテンションが上がりましたね。
こうして演目Lvを上げていき、夏の「駿大祭合宿」をはさみながら、12月後半の「進捗発表会」へと向かっていきます。なお、駿大祭合宿は通常の夏合宿に代わるものです。ジュニア級にもあるのが新鮮ですね。
そして、本シナリオの目標となるのが、シニア級10月後半の「午式駿大祭」。進捗発表会と同じく演目Lvに応じて結果が決まり、これを大成功させるために、演目稽古を積み重ねてきます。
なお、「午式駿大祭」はシニア級10月後半に開催されますが、育成としては通常通り12月後半まで。その後はURAファイナルズでフィニッシュとなります。
ストーリーは12年に1度のお祭りが舞台。「ウマ娘と人の絆」に迫る幽玄な物語
ところで、ウマ娘にとって人とはなんなのでしょうか? 人よりも圧倒的にフィジカルが高いことは示唆されているのに、なぜ両者は共存するに至ったのか。
本シナリオは、これまで明かされなかった両者の関係性に深く踏み込んでいくことになります。
舞台は、12年に1度のお祭り「午式駿大祭」。毎年10月に開かれる駿大祭が、午年にだけ特別な形で執りおこなわれます。その祭りで「神駒」という大役に任命されるのが、ダイワスカーレットをはじめとしたウマ娘たちです。
そして本シナリオの物語の鍵を握るのが、神秘的な雰囲気を纏ったウマ娘である吾妻(あづま)です。

ウマ娘たちが祭りに向けた稽古を重ねながら、古くから続く営みと“これから”が描かれていきます。
いろいろとネタバレになってしまうので深くは言及できませんが、育成ギミックである「転成」が重要に思える箇所もあり、かなりウルっとくるシーンも。ストーリーは全体を通して、「絆」と向き合う真面目な内容となっていました。
初見は取っつきにくかったけど、試行錯誤をくり返したくなるシステムだった
本シナリオのシステム、正直なところ最初はわからないことだらけでした。
読み方からして難しい「演目」名が並び、教えをどうやって付けていくのかも手探り。育成ルートも膨大なので「これでいいのか……!?」といちいち手が止まっていました。
ただ、仕組みがなんとなくつかめてくると、これがおもしろい。試遊で筆者はサポカ編成を固定してプレイしていましたが、「よし、つぎは違う“教え”の付け方をしてみよう」と新たなルートを開拓するような気分で新鮮に遊べました。
そんな本シナリオで超重要なのが、友人サポートカードの「SSR[いとどめでたき、まつりかな]吾妻」です。

吾妻を編成すれば、演目Lvの上限がアップ。さらに吾妻とのお出かけでも演目Lvが上がり、4人以下の演目稽古には吾妻がくわわってくれることも。演目Lvは演目稽古や教えの効果、発表会の成否にまで関わるため、本シナリオでは必須の存在と言っていいでしょう。
試遊会では、恒例のメディア対抗ルームマッチも開催。舞台は10月チャンミと同条件の京都レース場・芝2200m。筆者はアーモンドアイで参戦し、1着をいただきました。

ちなみに「トレセン軒編」ではスピード3枚の編成が流行しましたが、本シナリオではサポカをバラけさせた編成のほうが安定して強くなりそうな体感。各トレーニング(サポカ)にそれぞれの「教え」の効果が付与されるので、集中型よりこちらのほうが適していると思います。
なお、おまかせ育成でも十分に強い育成ができましたが、やはり手動には敵わないという印象です。たとえば、体力温存にも使える「不屈の教え」が賢さの演目に付いてしまい、「ほかの演目がよかったな……!(笑)」という状況もありました。
いずれにせよ、手動で「ああでもない、こうでもない」という試行錯誤が楽しいシナリオだと思います。膨大な組み合わせから、どのような最適解が流行するのかも楽しみですね。
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